打ち合わせの妙味
ホワイドボードに書き出してある書面作成予定が、一つずつ消えていきます。
昨晩ひとつ準備書面をお客さまに引き渡したのに続いて、今日も準備書面をひとつ、印刷・発送を終えました。集配郵便局への持ち込みにはなりましたが、まぁ予定通りの到着になります。
三つ目の書面はさきほどの打ち合わせで文案がお客さまの審査をパスし、決定稿となりました。これは明日印刷して発送すればおしまい。
…で、進捗度0%の書面がひとつありますがこれは会社側の書面が出てこないので、現時点では対処不要、と。
どうやら今月の大仕事はおわった、と見てよさそうです。
一週間のうちに準備書面を三つ作る過程で、それぞれのお客さまと打ち合わせを繰り返していて思うこと。
ひどい書面にもいろいろある(笑)
クライアントの言うことを鵜呑みにして言いたい放題の書面を作っていることもあれば、なんでもかんでも否認しながらこちらが主張していないことまで否認しているものもあります。一般的には成り立つかもしれない主張だけれどその職種では成立の余地がない、という書面もありました。
一度でいいから、そうした箸にも棒にもかからない書面がどうやって作られるのか見てみたいと思うのです。かつて僕が丁稚をやってた●●書士事務所みたいに、本職が補助者に全業務丸投げ、というなら納得できるのですが。
対するこちらは、と言いますと。
本人訴訟で相手方の答弁書なり準備書面なりに反論するかたちで準備書面の作成にかかる場合、こんな感じで進めています。
- 相手方の書面で事実関係なり法的判断なり感情論的にでも、納得できない部分にはお客さまにアンダーラインを引いておいてもらう
- 打ち合わせ前にその書面を僕に送ってもらい、こちらでも検討する
- お客さまと第一回目の打ち合わせをして、お客さまが指摘した箇所について事情を聞く。併せてその問題点に対処できそうな証拠も探してもらう。こちらでは文献や裁判例の調査に入る。
- 書面作成の方針が見えたら文案作成開始。
- できあがった第1次文案に目を通してもらい、打ち合わせを実施。お客さまが語った事実と僕の描写に相違がないか確認。併せて証拠書類の採否や、細かい表現を詰める。
- さらに第2次文案を作り、お客さまの審査を経由する。運がよければこれにパスしたものが出荷可能となる。運か僕の能力かお客さまとの相性が悪ければ(苦笑)さらに打ち合わせと文案作成を繰り返す。
現地調査が入らなければ、だいたいこんな感じでしょうか。短いものでもまる一日はかかる作業なので、同時に受託していい案件の数もそれなりにしかなりません。
そのかわり、といいましょうか。
どうやら相手方の書類作成者(単に書類を作っているだけの人および職業代理人)を出し抜く事実や矛盾を、お客さまとの打ち合わせで発見できることが結構あるように思えます。そこにこの仕事の実利と楽しみがあるのですが…
さて、こうした業務に意味がある、と納得してもらえるようなウェブサイトはどうやって作るんだろう、ということを考えるのが、今週の僕の仕事になるかもしれません。
-なんでも自分でやろうとしているそこの人!貴方は間違っている!-
って高飛車に言ってしまうわけにもいきませんし…困りました。
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