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訴訟費用20分の1の不満

今月から3ヶ月のあいだに、労働訴訟で3件の判決を得る予定です。そんな『判決の夏』の始まりを告げる1つめの特別送達が、北の国の簡裁からやってきました。

残念ながら労働基準法第114条の付加金給付判決は得られませんでしたが、不満はほかにあるのです。今日はそんな話です。


裁判官の個性、というのは確かにあると思っています。僕が訴訟代理人として対面したその裁判官はなかなかの御仁でして、百万円を優に超える請求で提訴した原告代理人の僕に全力でゼロ和解を持ちかけてくるというショック療法を用いて、そのとき39度を超える熱に悩まされていたのを一挙に直してしまった、という特殊能力をお持ちだったようで、まぁ大した方なんです。

さてその大した裁判官、一体どんな判決を出してくるかとおそるおそる判決書を開いたところ、こんな具合になっていました。

  • 訴訟物の価額に算入した部分(元本)の請求はすべて認容
  • 付加金の請求は棄却
  • 訴訟費用は、4分の1原告負担。4分の3を被告負担。

ところでこの訴訟、元本部分と付加金部分の請求額は、4対1の比率になっています。

ですので、元本部分は全部認容、付加金部分は全部棄却という判決ならば、納得できる訴訟費用負担割合はまぁ5分の1原告負担、5分の4被告負担または、元本部分では全面勝訴しているわけだから全額被告負担なのではないか、と思っていたのです。

ところが、なぜか…少々原告側に負担割合が高い判決になっています。4分の1-5分の1=20分の1だけ。

これが、不満なんです(苦笑)

せっかくの対席判決、当然ながら会社側には職業代理人付きということで、本来なら手放しで喜んでいい勝訴判決なんでしょうが、めでたさも若干減、といったところでしょうか。この20分の1、僕が本州からその裁判所に出頭していることを考えれば、交通費だけで数千円にはなってきます。

さらには訴訟提起の当初複数回の期日において、この裁判官は本当に僕に対して請求の全部を放棄するような和解を提案してきたことに、本人で訴訟をおこなっている方々は注意してほしいと思います。請求額100万円越えの訴訟でこれをまじめにやられると相当へこむことは容易に想像できると思いますし、なかにはこうした裁判官の誤導を真に受けて自分の権利をどぶに捨てる人も出るかもしれません。

仮にそんな目にあってしまったら…まぁ落ち着いて、誰かに相談することをおすすめします。

あともう一つ。やっぱり簡裁で付加金給付判決を得るのは難しい気がします。風向きが怪しそうなら、付加金部分の請求だけ土壇場で取り下げてしまって訴訟費用負担の判決をこちら有利に傾ける、という操作も必要かもしれません。

来月は、地方裁判所での判決です。今から眠れなくなりそうです。

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コメント

いつもブログを読ませてもらっております。

先生は、司法書士、社労士、FPと多彩な資格をお持ちですが、
全部予備校なんかは使わずに独学で取得されたのですか?

もしよかったら資格試験に合格するコツなんかも記事にして下さると嬉しいです。

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