ただいまプリンタ整備中
先日の関西・四国方面への出張は、実は少々不安を残しての出発となりました。
出発の前日に、これまで使ってきたインクジェットプリンタがエラーを発して印刷不能になっていたのです。電源投入時にビープ音10回+電源ランプとエラーランプの点滅発生は要修理、ということはわかったのですがこのプリンタ(Canon BJC-465J)は平成12年に買ったもの。すでにメーカーでも対応してはくれないでしょうし、おそらく新品がもう一台買えるくらいの技術料を取られるに決まってます。これをどうにかして、自力で復旧できないか…?
ヒントには、アメリカのgoogle.comからたどり着けました。『BJC-4650 error』やらなんやらでいろいろ検索すると、これは『cleaning error』で解決策は『Remove the cartridge and check to make sure nothing is blocking the path of the carriage, if not then the printer requires a service』なんだとか。
でもキャリッジの走行経路を子細に観察しても、特段の障害はないようです。でも『printer requires a service』は諦めろと同義語です。よろしくありません。さらにいろいろ考えました。
何かがキャリッジの走行経路を邪魔している時に発生するエラーだ、ということは、逆にキャリッジの位置を正確に検知できていない場合にも発生するのか?
・・・発想の転換、というべきかもしれません。そういえば、交戦権を認めないことにしたら戦争がなくなるってのも発想の転換なのかしら(以下略)
原因と結果が逆、発言するメッセージは同じ。まさにそれが正解だったのです。勇をふるって分解したこのプリンタではキャリッジの待機位置(二枚目の写真のカートリッジがある位置)の検出は、写真の赤色のねじで留めてある金属製のレールで行っていました。このレールが待機位置でだけ少々手前に曲がっており、曲がった部分にさしかかることで接点を入れたり切ったりしているのでは、と推測します。
で、そのレールを、ちょっとだけちょっとだけちょっとだけが重なって…曲げすぎ?(←某司法書士法人のコマーシャルソングにこんなのがありましたよね)にならないように手前に少々曲げてみます。11年半使ってるあいだに、少したわんだのではないかと思ったのです。
まさに効果てきめんでして、エラーは全くでなくなりました。これが昨日のこと。一人静かに狂喜する代書人の横で、補助者さまが淡々と口述筆記にいそしんでおられます。
さて、ここで欲が出てきました。せっかくカバーを外したのだから、このままばらせるだけばらして大掃除してしまおうか、と。見ればそこら中インクだらけになっていますし、せっかくgoogle.comから『Waste Error Reset』、つまり廃インクエラーをリセットする方法もわかってしまったので、廃インク吸収体も洗ってしまいたいところです。
さらに今日の午後一杯を費やして、なんとか写真一枚目の状態にたどりつきました。廃インク吸収バッドは洗って脱水して乾かしてありますが、当初プリンタから取り外したときにはインクのカスが堆積して鍾乳石のように盛り上がっており、正直たまげました。印字ヘッドのクリーニングを行うと、真下にあるギヤボックスにインクが落ちてギヤボックスがインクだらけになる、という設計にも驚きましたが、写真のとおり分解するのにネジ5本しか使っておらず、あとはプラスチックの噛み合わせで接合してしまう、というのも大したものです。ただし、要領が悪いと噛み合わせる爪を折りまくって復元不能になりそうですが…まさかトラップではないでしょうね(憮然)
ともあれ、各部の分解・洗浄・注油を終え、ぼろぼろだった分離パッドははがしてフエルトを張り替えて、二枚目のとおり仮組みを終えたところです。スケルトンなプリンタではありますがこれでしばらく運用して、様子をみるとしましょう。
今夜は出張中にも味わえなかった、勝利の美酒に酔っています。
2012.12.12加筆
コメントをこの記事にいただいてから少し時間が経ってしまいました。本機の分解に際して特殊な工具は必要無く、プラスドライバーと樹脂製各部品の噛み合わせを外すためのマイナスドライバーがあればふつうに分解作業は進んだと記憶しています。また、後部のパネルが外れにくいという印象はありませんでした。前のパネルと後ろのパネルが噛み合わせられているのを外すのに一番神経をつかったように思います。ただ、後部パネルには電源等の基盤が設置されているのでこれを取り外すのに注意が必要だったかと。
むしろ米国のgoogleで『bjc-4650』で検索すると、有用な記事がでてくるかと思います。もう無理矢理に英語読んで、ということになるのですが…そこはまぁ、無理矢理にお願いします。
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記事について、感心しました。私も分解したいと考えてますが、分解方法など参考になるサイトでも結構ですので教えていただけるとありがたいです。
投稿: siroyaki | 2013年11月11日 (月) 21時56分
Canon BJC-465Jプリンターですが、大事に使って居たのですが最近スッチを入れると「ピー」と音がして先に進みません。分解掃除をしてやろうと思って、前面のパネルは外れたのですが、背面のパネルがなかなか外れてくれません。全てはめ込み式の構造になっていると思いますが何か特殊な工具が必要でしょうか、教えてください。
投稿: かおる | 2012年12月 7日 (金) 22時59分