『判決の夏』前哨戦
訴訟代理人って間抜けだな、と思うことがあります。
被告側についた訴訟代理人から、被告に有利な管轄への裁量移送を求める申立書で申立の理由に『(原告が出訴した裁判所へ)出頭するには被告の負担が大きいため』とか平気で言ってるのを見ると、本当にそう思うのです。
あんたが代理人についたんだから、被告本人がいちいち出頭する必要ないでしょー!!
って全力で突っ込んでみたいのですが…最近ぼくも少しおとなしくなりまして、このあたりを婉曲に婉曲に表現して事案の実情に即した記述を加えた移送申立への意見書を今月作成・提出したところ、本日めでたく申立却下の決定を得ることができました。
よく考えたら、これが高松高裁管内での初勝利です。めでたいことです(笑)
年に1~2回でしょうか、こういう濫用的移送申立を迎撃することがあります。申し立ててくる敵も動機不純な実情をよく反映してか、この手の申立に対して阻止行動をとって負けたことがありません。最近は勝つか負けるかではなく、どれだけ手際よく裁判所を説得できるか、をいろいろと試しております。裁判所が出した決定書に、僕の採った論理がどれだけ忠実に反映されているかに興味があるわけです。今回見た決定書はその点で満足できるものだったほか、追加で出した証拠について少々突っ込んだ読み取りをしているのが目につきました。
さて、予定より少々早い今回の決定に続いて来月は札幌高裁管内で1件、8月に大阪高裁管内で1件、それぞれ労働訴訟で判決をもらう事案があります。おそらく9月に名古屋高裁管内でもう1件ありそうでして、『判決の夏(…日本の夏、って殺虫剤のコマーシャルはまだ健在なんでしょうか?)』になりそうです。
今年は不思議なことに、中部~中国・四国地方に担当中の訴訟の大部分が係属しています。おかげであさってからの出張では大阪・松山・神戸で打ち合わせやら出頭やらの予定をうまい具合に配置することができました。四国への往復はフェリーにする予定だったのですが、いい決定ももらったことだし日程には少々余裕があるので、現地で一泊しようか考えています。
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