見よう見まねで、カオソーイ
二週間ほど前のこと。
そのお客さまとは二回目の打ち合わせで、神戸まで出かけました。お持ちいただいた資料とはべつに、彼女がなんともいえない顔で封筒を手渡してくるのです。封がしてあります。
妙に重たい感触です。ただ、紙も入っている気配です…なんだろう?
開けてよいか、と尋ねると、それはよろしくないご様子。今開けてはならず封がしてあって紙が入っているらしい…ええとこれは、
ラブレターですか?
明らかに失当な冗談を発した代書人。完全空調の神戸市役所24階喫茶店に、心なしか海からの冷たい風を感じました。
依頼を解除されることも張り倒されることもなく乗り込んだ帰りのバスの中で封筒を開けると、なかからさらに袋がでてきました。
曲線を基調とする判読不能な文字がならんでいます!
-kao soi sesoning mix-
括弧書きで、(えっぐぬーどる かりーみっくす)
とも書いてありますがあまり救いにはなりません。お客さまは親切にもこれに付箋をつけてくれてあり、補助者さまと食べるようにとの添え書きがあります。タイに行かれたそのお客さまのお土産だったのです。わーいラブレターよりこっちのほうが♪(失当につき、以下略)
裏をよく見ると、左側には判読不能文字。右側は英語で、調理のしかたが書いてありました。僕の語学力で読み切れるぎりぎりの文章が。
- skilletを熱して120mlのココナツミルクと本品を加え、いい香りがでるまで炒める。
- 500gの鶏肉か牛肉を加えて火を通す。
- さらに480mlのココナツミルクと720mlの水を加え、沸騰させる。弱火にして肉が軟らかくなるまでsimmerする。
- 調理した卵麺に盛りつける。醤油やライムジュース、チリで味付けする。
さらに、揚げ麺があるとよい、との付箋もついています。肝心らしい二語がわかっていないのはこのさいよしとします。
・・・つまりこれは、オ●エ●タルカレーのようなものか?タイの!
どうやらそういうものと勝手に了解しました。粉末で味付けの根幹部分が入っていて、調理に際しては最低限の材料を用意すればとにかくなんとかなるはずだ、というもの。
こりゃ楽しくなってきたぜ、と一人ほくそ笑むバスの中。ただし、卵麺というのがどういうものか不明です。名古屋市緑区内では売っていないようでしたが、補助者さまが見つけてきてくれました。
しかし。近くのスーパーとショッピングモールでは、太めの揚げ麺とライムが手に入りません。しょうがないので
- 極太のラーメンの麺を買ってきました。これを揚げてしまえ!
- 季節じゃないけど『すだち』を発見!徳島産だ(笑)!
というわけで一部勝手な解釈で作ったカオソーイ、ココナツミルクのおかげであまり辛くない、でもカレーの味がする不思議なスープを卵麺にかけて、太い揚げ麺をスープでほぐしながらいただく、というお料理でした。
さらにすだちを絞ると…あららびっくり。味が爽やかになり、一気に夏向きになりました。これでライムを使ったら全然違うおもむきになったら困りますが、当事務所ではカオソーイにすだちをしぼるのだ、ということにしておきます。今日はお昼前に相談を終えて、先日の残りのカオソーイでお昼ご飯をいただきました。
ところでこの素敵なお土産、激しく気に入ってしまいました。来月の東京出張で、アメ横にあるタイ食材のお店を探索してくるつもりです。パッケージの下にあったglobofoods.comでググったらあっさりと(日本語のウェブサイトで)該当なしを告げられたので、少々難しいことになるとは思います。
この週末は久しぶりに書類作成の仕事をせずに、のんびり過ごすことができました。今週は、明日夕方から神戸にでかける予定が入っています。
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お気に召していただけたようで嬉しいです。エスニック料理がお好きであろうことは察しておりましたので、口に入れるまでに少しばかり語学力が必要で材料手配に少々手間がかかる奇妙な土産でも、空港で買えるような箱入りお菓子をお渡しするよりはきっと数倍楽しんでいただけるに違いないと踏んでお渡ししました。期待を裏切らないのはお仕事ぶりだけではないですね、さすがすべてにおいて過程を楽しむ旅行書士さんです。
依頼や居住地だけでなく土産まで、ことごとく厄介な依頼人で申し訳ありません。
次の見よう見まねは、タイ餅米ですね(笑)
投稿: 流人いか子 | 2011年5月30日 (月) 23時55分