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(じゃん!)判例調査を大切にね!

 最近だと『裁判例と仲良くね!』にしたほうがいいんでしょうか?(関東地方の読者の皆さまには、でんこちゃん風に読んでやってください)

 さて目覚めると、お客さまからメールが入っています。いま裁判書類作成を担当している労働訴訟で一つ心配な点をお尋ねです。

 あらかじめダウンロードしておいた検討済みの裁判例に解説をつけ、問題なしと回答して…ふと考えました。

 単純に漫然と訴訟を起こしてしまう素人のみなさん(ごく一部が、その後当事務所のお客さまとなったりまた離れて行ったりするわけですが)は、こうした検討作業がどれだけ重要かを知らないんだろうな、と。このご依頼では準備書面を一つ作るまえに4つほど下級審レベルの裁判例を参照しており、これらはインターネット上で無料で得られる形態ではほとんど言及がないはずです。

 もちろん、検索エンジンで引っかけられなかったからといってこの世に存在してないわけではなく、うっかり提訴後会社側に弁護士がつけば彼らのいいようにされてしまうことは言うまでもありません。最近では大規模な図書館で、オンラインでの判例検索サービスが使えるところが徐々に出てきましたのでこれを使ってほしいな、と思います。

 もう一件、別の労働訴訟では弁護士さんがある裁判例を出してきました。名ばかり管理職問題で労働側が敗北した事案の、要旨です。彼らの業界ではお約束の、D●-Law(第●法規)のデータベースから引っ張り出したものを、そのまま書証として添付してあります。

 ものは試し、とそのサービスのウェブサイトで年額料金を調べたら、なんと34万円余。

 ちなみに僕が使ってる外資系W社のは年額換算18万円。

 …なんか、負けたくない(笑)

 ためしにその裁判例、こっちのサービスで判決理由の全文を引き出してきました。よく分析の結果、どうやらこっち有利に利用して殴り返せそうなのでこっちは全文を書証として添付してやることにしました。

 彼が使った裁判例は現存する他の会社のものなのですが、会社名がわかってしまったためこっちは東京商工リサーチのデータも書証として添付して、引用した裁判例の会社と現在訴訟で争っている会社とは全然違うし、職制上の地位も待遇も全く違う等々の反論を連ねてみたのです。まさか敵さん、自分が使った裁判例をそのまま使って反撃されるとはお思いでないはずです。

 あるいはそちらの弁護士さんの能力が僕が査定するより数段高く、こっちを最大限引きつけて一気に吹っ飛ばす論理構成をアッサリ考えついてるかもしれません。(そうした御仁に出会ったことはありませんが)

 とにかく、通り一遍の情報をあつめてこれで勝ったなどと言える世界では全然ないのが労働訴訟の恐ろしいところなんですが、時々当ブログを『労働紛争で参考になります。一度読んでみてください』などとして漫然と紹介しているウェブサイトを見かけます。

この、ば●●んがぁッ(←母に捧げるバラード風に)

 そうやって漫然とウェブサイトで情報収集するのが素人の限界で、実際にはその限界より遙かに上の水準でやりとりが行われてることに気づいてよ漠然とでいいから、というのが当ブログの論調なんですが、じぶんだけで訴訟をやりたい全ての人について「それを言ってはオシマイ」なのかもしれませんね。もちろん心ある何人かのお客さまは何かに気づかれて、ご相談の依頼をくださるのです。それは大変ありがたいことだと思っています。

でも、読んでるだけじゃああまり役に立たない気はしますよ。このブログ(苦笑)

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