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選別されるのは『いや』なんです

選別されるのは『いや』なんです
昨秋減便された中央高速経由新宿‐名古屋間のバスは、週末の今日も空いています。12時30分新宿発の中央ライナーは三割ほどの乗車率のまま、諏訪湖サービスエリアまでやってきました。八ヶ岳が綺麗です。

今朝は六本木の宿から乃木坂を経て、青山一丁目までお上りさん気分で歩いてみました。途中で東京ミッドタウンを通るルートですね。

こちらにある富士フイルムのギャラリーで、写真展が開かれていました。子供達の写真に、谷川俊太郎の詩が添えられています。

最初はこの世に生まれ出た瞬間。ついで1歳くらいでしょうか。微笑ましい世界が描かれています。

順を追って、高校生たちの写真までやってきました。
添えられた詩の題名は、『いや』

誰か大事な人の、いやだ、という心の声を見逃さないことってやっぱり重要なのかもしれないと、あらためて納得しました。というより、しばらく動けませんでした。

昨日の会食では、とても嫌なことがあったのです。
そのお客さまの事案はかなり難易度が高く複数の法律事務所で依頼を回避されたものでしたが、僕はかなりの労力と技術を投入してその依頼をほぼ理想的な形で解決することができました。

この過程を経て、そのお客さまとお客さまの関係者である会社社長の三人で会食を持つことになり、一応こちらは招待された側であるはずなんですが、この社長が聞き捨てならないことを平然と言ってくれたのです。

(僕は)普通じゃない、と。

たかだか二時間やそこらの会話で、よくも初対面の人間にレッテルを貼ってくれたものだと思います。

普通じゃないと分類することが問題なのではありません。その安易さを、僕は憎みます。

昨日はさすがに、悔しくて悔しくて眠れませんでした。一生懸命仕事して、なにより実際に成果を挙げて、僕が得られたのはこれか、と。

そんな言葉は高校の頃から、勝手に人を分類したい人達に飽きるほど言われて来ています。そうしたレッテル貼りでコミュニケーションが促進されることは決してないということがわかったのは何度か対人関係上の失敗を経てから、ですが。

さて目の前にいるその人は、そうしたことにお気づきでないのでしょうか。なかなか楽しげに、人を選別してくれます。

その隣の、僕のお客さまはどうでしょう。目の前で進行している理不尽にさしたる反応があるというでもないようですが、数ヶ月前にご自分自身が余所の法律事務所から、まさに理不尽に選別されてしまったためにわざわざ名古屋の事務所に依頼せざるを得なくなったはずです…いまこの理不尽を打開するために誰かに何か依頼できるなら、僕がしたい気分だな(苦笑)

儲かるか儲からないか、などという基準で依頼を選別したことなど創業以来一回もありません。でも、そうしたカンタンな基準で何かをより分けるのは、とても楽ですね。お商売でそれがうまくできればさぞ儲かるだろう、というのは債務整理のCMを乱打する大事務所を見れば明らかです。自らも商人(あきんど)だというその社長も、商人としては優秀なのでしょうよ。

でも、その楽な選別は一方で、不本意に分けられた人を切り捨てたり、意思疎通の可能性を閉ざすことにもなってしまう。安易に切り分けられた者が抱くのは、反感だけです。その応酬が進んでいった先に来る未来があまり居心地のよいものにならないことを、あの人達は気づかないのでしょうか。まぁ企業経営者なんて、まさに選別や選択が仕事なのかもしれませんが。

さて法律や相談に携わる仕事をしている皆さま、機会があれば、東京ミッドタウンまで行ってみてはいかがでしょう。写真展『子どもたちの遺言』は20日まで開かれています。その小さな会場のどこかで、虚を突かれる詩に会えるかもしれません。そこにあるのは子供から子供へではなく、子供から大人へのことばです。
僕はそこにある『いや』という詩に書かれたような誰かの気持ち=いやだ、といいたい気持ちを裁判書類にして、それを読んでくれる人のところへ届けるのが仕事だと考えています。

そして、この事務所でやってることに一片の正義がもしあるとすれば、給料の踏み倒しや不当解雇が『いやだ』と言える可能性を、他の事務所より多くの人に提供しようとしている点にある、と考えています。別に労働者が常に完全に正しい、とは考えません。でも泣き寝入りする自由と同様に声を挙げて戦う自由は常にあるはずで、法律を駆使してその自由あるいは選択肢を万人に保障するのが法律家の存在意義であるはずです(で、そこまで僕はまだ行ってません。残念)

なんだか難しく難しく考えてしまいました。もう少し意志が強ければ、笑って聞き流せるような言葉なんでしょう。

  • あと10年くらい事務所が続いたら、そうなるのでしょうか。
  • なにかのきっかけで変節して『証拠が無ければダメですね』なんて依頼者を切り捨てる小商人に成り下がってる、かもしれません。
  • そしてなにより最大の懸念は、あと10年この事務所が持つのか?でしょうね(失笑)

さあ、妙に気疲れした出張も終わり終わり!バスは瑞浪まで戻ってきました。明日からしばらくは書類作成の仕事です。

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旅行書士 業務日報」カテゴリの記事

コメント

変な言い方ですが、いい日記でした。

『なんだか難しく難しく考えてしまいました。もう少し意志が強ければ、笑って聞き流せるような言葉なんでしょう。』

笑って聞き流せない、そんな鈴木先生だから、依頼する人が多いのではないでしょうか。

先生は、十分に強い意志をお持ちと思いますよ。

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