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表計算ソフトで深夜労働時間を計算するには

 世の中にはいろいろな勤務時間の仕事があるものです。9時出勤17時退勤の人もいれば、僕がこの事務所を開く前に働いていた工場内偽装請負業者では24時間連続三交代制を取っており、僕は17時10分-翌1時35分・1時30分-8時45分の2種類の直に勤務しておりました。

 さてこうしたいろいろな勤務時間において発生する深夜労働割増賃金を適切に計算することは、簡単にできるものなのでしょうか?夜勤のない会社では考慮の必要がないし、各直が厳密に決まっている会社であれば直ごとに深夜労働時間が固定しているためこれもあまり真剣に考える必要がなさそうです。

 …つまり。いろんな会社からの依頼にその都度適切に対応しなければならない賃金計算業者や、いろんな労働者からの依頼にその都度泥縄的に対応しなければならない当事務所では『どんな出退勤時刻の組み合わせにおいても、機能するシステム』を保有している必要があるわけです。

 もちろん当事務所でもその程度はできていました。

 ただし、表計算ソフトでこの計算をするにはいままで、勤怠時刻を入力するシートとそのデータをもらって深夜労働時間を計算するシートの二つのシートを使っていたのです。これが少々不便です。

 この計算、できれば一つのセルに数式を入れて処理できないもんかな…と思いつつ、だらだらと再検討作業を先延ばしにしているうちに依頼がやってきてしまいました。この際だから、深夜労働時間のセルにどんな数式を突っ込んだら一発で深夜労働時間が計算できるのか、考えてやろう、と作業を始めたのが今週月曜日。

 ルールは三つ。

  1.  参照するデータは『出勤時刻』『退勤時刻』のみ。
  2.  セル内に一つの数式を入れて、深夜労働時間を表示させる。
  3.  使う表計算ソフトは、ジャストシステムの『三四郎』。

 …ルール3でしっかりドツボにはまりました。『Excel 深夜労働時間 計算』でgoogle検索して出てくる回答は軒並み使えないか、最初から間違ってる低レベルな回答しかでていないのです。

 しょうがないから出勤時刻と退勤時刻の数値を比較する論理判断を繰り返して適用する数式を一つに決めるようにしよう、と論理判断の組み合わせを作っていったら、if関数を3つ入れ子構造にするものができあがってしまい自分でもわけがわからなくなりました。その後、if関数で切り分けていた判断がmin・maxの両関数で置き換えられることがわかり、最終的には

1.出勤時刻が退勤時刻より小さい場合(例:出勤8時-退勤23時)

Max(Min(5/24,F4)-E4,0)+Max(F4-Max(22/24,E4),0)

2.出勤時刻が退勤時刻より大きい場合(例:出勤22時-退勤6時)

Max(5/24-E4,0)+Min(1-E4,2/24)+Min(F4,5/24)+Max(F4-22/24,0))

※セルE4は出勤時刻、F4は退勤時刻とする

これらを使い分けて、つまりif文で最初に出勤時刻と退勤時刻の大小を比べて適用する数式を決めてあげるようにすれば、一セルに収まる、ということがわかりました。

さらに、出退勤時刻のいずれかが入力されていないセルではこの計算を行わないようにする必要があるな、ということでこの機能もif関数で実現できることがわかり、これも加えることにしました。

で、これを全部つなげると

=If(Count(E4:F4)=2,If(E4<=F4,Max(Min(5/24,F4)-E4,0)+Max(F4-Max(22/24,E4),0),Max(5/24-E4,0)+Min(1-E4,2/24)+Min(F4,5/24)+Max(F4-22/24,0)))

 結局if関数の二重入れ子構造になってしまいましたが、とにかくこれを深夜労働時間を計算させたいセルに埋め込んであげれば、出勤時刻・勤怠時刻が0時から23時59分のどんな値を取っても適切に深夜労働時間を計算してきます。if・min・maxの関数しか使っていないので、三四郎でもそれ以外の表計算ソフトでも使えるはずです。

という説明を補助者さまにしたところ…なんだかしおれています。冷蔵庫内に保管してある一週間前の薬味ネギを思い出しました。

彼女の経歴では、表計算は四則演算と合計の世界だけで平和に生きてこれたようなのです。さてこの完成した計算式、ブログのネタにしよう、と申し上げた僕に補助者さま、しおれながら問うて曰く

なぜ公開するんですか?

…ほりゃあ、三四郎でも勤怠計算ができゆうことを世に広めるためやか。国産の表計算ソフトを使う人を増やせば、おのずから攘夷は成るぜよ!

~と、どこかの日曜ドラマの影響を受けたような怪しい土佐弁で答えたような答えないような。それはさておいて、OKwaveのウェブサイトで三四郎に使える深夜労働時間計算方法が見つけられなかったのがちょっと悔しかったことは確かです。

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補助者様のしおれ具合が目に浮かびます( ^ω^ )

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