たかが3950円、されど3950円
訴訟費用額確定処分の申立書を出してきました。以前僕が訴訟代理した訴訟で欠席判決をもらった事案に関するものですので、今回の申立においても僕が代理人で手続きを進めることになります。
申立書では1万円余の費用を計上していて、このうち僕が裁判所に出頭したことによる日当が一回分、3950円入っています。
お客さまとは今回の申立で回収できる訴訟費用のうち、お客さまが出された実費である収入印紙や郵便切手・登記事項証明書の取得費用はお客さまの取り分、日当と書類作成費用は僕のもの、というお約束なのですが…ふと、考えました。
たとえば過払い金の請求訴訟で訴訟代理してガチガチに主張を貫徹し、しっかりと完全勝訴の判決を取られる諸先生方は『訴訟費用』まで回収してるんでしょうか?たとえば一年間に100回裁判所に出頭して、関与した事案ではことごとく全面勝訴訴訟費用被告負担の判決を取ってれば(過払いに特化した事務所なら、これは不可能ではないはず)、実に39万円余の『相手からふんだくれる日当』が発生している…はずです。まさかこれって、放置されてるんでしょうか?
たしかに、訴訟費用の回収には訴訟費用額確定処分の申立を経てもし相手が自発的に支払わないなら強制執行まで行う必要がありますからそれなりの手間はかかりますが、手続き自体には難しさは全くないのでそれこそ補助者を40時間稼働させたら申立書が何十件かできてしまうはずです。その気でやれば絶対ペイするはずなのに、なぜかやってる話しを聞きません。
…まぁ、100万円の過払い金を回収して報酬を25万円とるような事務所でさらに1件3950円の日当欲しいか、と言われたら相手にもしない、ということなんでしょうかね?
さらに考えてみます。弁護士または司法書士を訴訟代理人にして、過払いでもいいですし労働事案でもいいのですが訴訟費用を相手側に負担させる判決をもらった人達は、その後自分で訴訟費用を回収しているんでしょうか?
根拠はともかくとして訴訟代理の委任関係そのものが訴訟費用額確定処分の申立までは及んでいないらしい実情があります(←この手続きを怠ったがゆえに懲戒食らった奴はいないはずですからね)。
そうすると一般的にはこの申立、司法書士や弁護士に依頼した場合には別個の手続きとして報酬を取ることになってしまうのでしょうか?かもしれません。ただそのかわり、『自分で手続きをして、費用を節約する』道が残っていることになります。
…なら、自分でやればいいのに(笑)
そういうことなのでしょうか。最近当ブログの記事で、訴訟費用額確定処分の申立書の作り方を解説した記事へのアクセスが少し増えている気配があります。皆さん頑張ってほしいものです。
でも僕の事務所ではこの申立書、先行して訴訟代理または裁判書類作成の仕事をいただいていた場合、純粋にオマケで作っております。まぁ訴訟費用額確定処分申立書の作成だけ単発で頼まれたとしても、名古屋からの依頼だったら一件3000円くらいで作ってあげるか、そうでなければ債権差押命令申立書のオマケで作るくらいのものなんですがね。個人的にはもう少し、訴訟費用の回収の動きが広まったらいいと思っています。
…と、ここまで書いたら良心的に見えてしまうかもしれませんね。でも?
もし日当一回分および訴状作成費用をもらいたいがためだけに債権差押命令申立を仕掛けてしまった場合、せいぜい5000円程度のお金を取るために執行費用だけで約1万円余計にふんだくる過剰破壊を相手側にもたらすことになりかねません。くわばらくわばら。
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神戸地裁の民事部の書記官のトップでも
「これまで2~3件しかした事が無い」と
言ってましたし、弁護士も「うちはやって
ない」と言ってるような状態ですから
有名無実化してるんでしょうね。
書記官は自分も詳しくないから説明をしぶる
弁護士も当事者がしようとすると面子がある
のかやらせないというのはよろしくないと
思うのですが・・・。
投稿: ぽっぽこ | 2010年4月15日 (木) 08時52分