敵の武器を奪って、戦う。
労働訴訟の訴訟の書類を作っていて一番楽しい瞬間を挙げるとするならば、対立当事者が出してきた書証や準備書面=証拠や主張を利用して大規模に反撃するときでしょうか。うまく成功すると、オセロの白と黒とが一斉にひっくり返るような勢いで優勢を確立することができます。
もう一つの楽しい時間は地方裁判所における(態度が、または能力的にいささか●●な)訴訟代理人の訴訟活動を崩壊させた直後に、その代理人サマのご尊顔を拝しに傍聴に出かけることですが。
さて、ある訴訟で
- 相手側に叩ける隙があり、
- こちら側には攻撃する戦力があり、
- 作戦行動が成功すれば訴訟で勝たせてもらえるタイミング
というのは確かに存在します。文字通りの決戦を挑め、という状況です。これは相手側に専門家がついていてもいなくても関係ありません。
今月は、ある訴訟でそうした性格の準備書面を出すべき状況にあり、おかげで補助者さまにも結構めんどくさい作業をしてもらっています。この作業を一言で言ってしまえば
相手が出してきた書証を、見やすく整理してあげること
もちろんよく整理したうえで相手が言いたいのとは正反対の意味を与える営みに精力を注いでいるわけです。訴訟の場でよく読めばこちらが立証したいことが読み取れてしまう証拠をそれとは気づかずに出してくれる相手はそう少なくありません。いわば戦いに要する武器を敵方から奪っているわけです。
この事務所にとっては日常的な光景なんですが…しかし。
先週まで受けていた、司法書士として簡易裁判所における代理権を持つための試験を受験するための研修を受けていて、なんだか妙な違和感がありました。
この記事で述べたような部分が出てこない(笑)
そういえば、こっちが出した証拠を逆用されて窮地に陥ったということはほとんどない(←失敗した奴は見たことがあります)ので、職業代理人の皆様もあまりそうした活動はしないのかもしれません。かなりな精度と密度で書類を読み込んで再構成していく必要があるので、忙しすぎる人にはできない…つまりヒマな事務所だからできるのでしょうか?
今月は労働訴訟だけで二つの訴状と二つの準備書面をださなければいけません。上記で述べたとおり楽しい作業もあるのですが時間はかかるものですので、久しぶりに依頼受付を停止しようかと考えています。実際問題として、もう今月中に書類を作成する余力が払底しつつあります。
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お疲れ様です。
特別研修後もバリバリ働かれていますね。
流石です!!
僕たち新人組は今日ブロック研修が終了し、何とか無事に修了しました~。
昨年から長いような、あっという間のような研修も残すところ配属研修のみとなり、もう大人数で集まることはないかと思うと少々さびしい気分です。
もちろん研修をしていても仕事にはなりませんので、これからもが本番なんですけどねぇぇぇ
自分だけ簡裁代理の考査に落ちないように・・・、と今年も気ままなGWは迎えられそうもありません(涙)
投稿: 1班の天然パーマ | 2009年3月15日 (日) 19時03分