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恐るべし、反訳書

 久しぶりに、反訳書作成のご依頼をうけました。

 反訳書というのは、対面での会話や電話の内容の録音内容を文字に起こしたものをいいます。対立当事者間でさしたる証拠書類が存在しない労働訴訟では、黙って録音しておいた結果をポンとだすことで相手の主張を一挙に吹っ飛ばすこともできる破壊力を有する貴重なものなのですが…

 作成に、手間がかかります。やったことがない人が考えてるよりも、ずっと。

 ところでこの反訳書作成ですが、専門の業者に依頼すると60分の録音データで1万5千~2万円程度の費用がかかります。1分あたりで220~350円と言ったところ。

 これを高いと言ってはいけません。試しに、その辺に転がってる適当なレコーダーをもって適当な喫茶店に行き、隣席の人の会話を10分間ほど録音してその内容を文章にしてみるといいでしょう。

 まず間違いなく、録音時間の5~10倍かかります。

ちなみに僕がやったときには最初、10分間の録音を表計算ソフトを使って反訳書として書式を整えるまでに3時間ほどかかりました。軽く絶望しかけました。

 なぜなら、その事案で反訳しなければならない録音は延べ7時間ほどあったから。録音の内容にも問題点はあり、周囲のノイズ、性能がいいとは言えない内蔵マイク、早口の、時には関西弁の言い合い、悪条件はいくらでもあり、まともに聞き取れる状況のほうがむしろ珍しいものです。

 そんなこともありまして、昨年から反訳書作成についてはお客さまにやってもらうようにしています。しかし先日、ある労働訴訟で2時間半ほどの録音を反訳する必要がでてきました。うまくやれば敵側訴訟代理人の向こうずねをかっさらうことができるタイミングです。しかし。

 ためしにお客さまに反訳してもらったところ、あっさりと音を上げました。他にフルタイムの仕事をしてらっしゃるため、客観的には悪い判断ではありません。問題は誰が後始末をするか、です(苦笑)

 当然ながらそれはこの事務所にやってくるに決まっており、以下のような条件で依頼をうけました。

  • 作業に要した時間1時間につき1500円で作成する。
  • 費用総額の上限は、録音時間×1500円×7で計算した額とし、それ以上は請求しない。

つまり実質的には、録音1時間あたり10500円で請けてしまったことになります…業者だったら下をみても12000円、ところによっては2万の仕事を(爆)

まぁ労働者向け特別価格ですからよしとして、慣れれば録音時間の5~7倍の所要時間で反訳書を作成できるという計算も働いてはいます。しかし。

今回反訳にあたるのは…もちろん補助者さまです。

当然ながら彼女、そうした作業の経験はありません。試しに最初の数分を反訳してもらったところ、やはり録音時間の10倍を超える、というより20倍に近い時間を要しています。当初の僕と似たようなもんです。まぁ、今回の作業にあたって僕が補助者さまに課した目標は

発作的に退職を図ったりしないこと。逃亡禁止。

というわけで所要時間ほぼ不問、ということにしています。彼女なりの作業速度が把握できればよいのです。慣れの要素が大きい作業なので、いずれは速度を上げてくれるでしょう…と期待しておきます。

完全な本人訴訟で、反訳書の作成を検討している方、いらっしゃいますか?

提出のタイミングにかかわらず、作成は早期に、かつ計画的に行われることをおすすめしますよ。その1時間の録音を自力で文書化するのに、12時間かかることは不思議ではないのですから。

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