長崎へ-境界訴訟控訴審対策-
皆さんは、大阪から福岡に行くときどんな交通機関を使いますか?
普通は船ですよね。
などと真顔で言って歩くと、しばしば大変なことになります。しかしながらそれが、当事務所の常識です。普通なんです!
ま、これと比べて程度はどうか、と思うのですが、訴訟という場においてもしばしば何が普通で何が常識でなにが正しいのかは、ときに激しくゆらぎます。
さてさて明日から出張です。大阪での、和解がこじれる労働訴訟のお客さまとの打ち合わせを経て九州は長崎県へ。こちらは本人訴訟で一度敗訴した境界訴訟の、しかも控訴審の、さらに証人尋問の準備、ということで行く前からすでに頭痛が発生しています。しかしながらここは徹底した現地調査を要すると判断し、現地二泊の予定です…でも。正直言っていまから意識が遠くなってます。もともと忌避していた案件に、徐々に介入度を高めざるを得なくなってる状況がありありと目の前にあり、しかも招致に成功した証人は、先月いろいろあって僕が加入をとりやめた某合同事務所の調査士さん、というわけで。あまりにも煩雑すぎ。訴訟以外の部分が!
裁判所に対してうまいこと専門家の判断の重要性を強調し、新たに申請する証人(土地家屋調査士)の値打ちを吊り上げ、食いつかせるところまでは成功したのですが、僕の仕事はそのお膳立てができたらおしまいだと思っていたのです。しかしてこのお客さま、無理無体な頼みごとを僕にするのが非常にうまく、気がついたら準備書面をひとつつくってあげることになっていました。完全敗訴したあとの控訴審なんですから、そこまでできただけでも大成功といいたい気分はお客さまには…おそらくわかってもらえないわけで。
そんな状況で新幹線だの飛行機だの使って高速移動などしようもんならさらに精神的に無用の負担が発生すること必至な情勢でして、ここはやっぱりいつもの名門大洋フェリー二便船の予約を入れました。いつもは下から二番目の等級である二等洋室(カプセルホテル風のベッド)を取るのですが、今回はそのひとつ上の等級、特別二等洋室を選びます。二等洋室より少し余裕のあるつくりになっており、シーツと浴衣とテレビがベッド区画内に標準装備されています。
奮発したわけではありません。7月20日乗船分までは、二等洋室の運賃で特別二等洋室を利用できるキャンペーンが行われているからです。ふだんなら大阪南港から北九州新門司港まで二等洋室片道6880円で移動できます。7月21日から繁忙期の運賃になってしまうため、九州が梅雨明けになって現地調査が可能になるだろうこの時期に出張を設定したわけです。
そんな奴お前だけだろ、と言ってはいけません。現実はしばしば小説より奇なる展開をたどります。この船会社直系の旅行会社のウェブサイトを最近見てたまげました。
名古屋から福岡へのツアーが設定されています。往復で13000円だとか。
よくみると、名古屋-大阪に運行されている主催旅行の形をとったバスと船を組み合わせたもの、のようです。使ってみたいようなみたくないような微妙な費用と行程です。
上記のとおりいろんな事情がありまして、今夜は少々複雑な気分で出張準備中。段ボール箱二箱ぶんの資料を読み返しています。晩御飯のおかずを買いにでかけたスーパーで、冷凍食品半額の表示がされていた『ちゃんぽん』に手を伸ばしかけ、思わず引っ込めました。
どうせ明後日になれば、現地でいくらでも食える(笑)
明日の日程もやや立て込んでいます。岡崎・金山・一宮に書類を出して回らねばならず、残念ながら名古屋から新大阪までは、新幹線での移動を強いられることになりました。お客さまにはいつもより二千円高い出張旅費を請求しています。
といっても、名古屋-大阪往復で交通費日当込み一万一千円ちょっと、というのは業界内では安い部類、のはずです。名古屋-福岡往復で三万円、というのも?
そういえば来週はたぶん東京への出張を設定することになります。こちらは往復一万円になるはずです。
それが普通で、それが常識です。この事務所の。
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