昼下がりの違和感
今日も仕事です。明日から実家に帰る前に、過払い金返還請求訴訟の訴状二つ作って来所での労働相談一件やって、ようやく人並みにお休みが取れるか取れないか、というところ。先月の九州出張中に高千穂神社のすぐ脇の家電量販店で買ったテンキーボードがことのほか調子がいいので、取引履歴を何件かもってかえって引き直し計算でもやってこようか、と思っています。
で、今日の労働相談。やっていて妙な感じです。(丸カッコ)内は心の声。
- 「このタイムカードは事務員さんがフォーマットを作って手書きですか…ならその気になれば、こっちが開示するよう請求してもいまから変造したり偽造できますねぇ。それに過去のタイムカードを見せる義務は無いし」(って過払い金返還請求訴訟なら、取引履歴の開示をサボった時点で慰謝料請求とか真顔でできるんだろ?いいよなぁ)
- 「日報類は店舗にあるんですか…とするといまから行ってコピーしておかないと、もともと備置する義務はない書類ですから破棄されたら一巻の終わりですからねぇ。全部でコピーは500枚ほどになるようですが、頑張ってくださいね」(って過払い金返還請求訴訟なら、取引履歴がないと言われても推定計算だの残高ゼロ計算なんて結構なもんが実務上認められてるんだろ?いいよなぁ)
- 「とりあえず会社側が就業規則の閲覧を拒否しているということですが…労働基準監督署で閲覧させてもらえそうなら、頼んでみてください。ただ、労基署が就業規則を見せてくれる、ということはあまりないし、写しはもらえないから裁判の際に提出することは絶対無理なんですがね」(って過払い金返還請求訴訟なら、取引履歴の開示を拒む業者に対して金融庁は、労基署よりゃましな対応してるんだろ?いいよなぁ)
うーん、人の家の芝生の青さをうらやむのはいいことではないのですが、提訴した瞬間に(と、いうよりその前に!)勝訴が約束されてる過払い金返還請求訴訟っていったいなんなんだろう、と素朴に考えてしまいます。それは儀式に過ぎない、という同業者さんもいますが、その儀式すら満足に執り行えないお方もいますから、それはそれで意味も価値もある、ということはわかるけれど…割増賃金支払い請求訴訟とは何かが根本的にズレている、そんな気がします。
少なくとも!
ヘタレな鳶職の小僧から東証一部上場の巨大不動産業者までがそれぞれにメンツを賭けて虚偽の証言やら書類の毀棄隠匿偽造やらに邁進しており、こっちはそれのさらに一枚上を行ってみせねばお客さまの権利を守れない、国民の権利の保護や労働者の福祉の向上を旗印にする一方で性格の悪さを競う面が非常に濃い僕の専門分野-労働訴訟とは…何かが、決定的に違います。それをうらやましいとも思わないし、もしこの事務所が過払い金返還請求訴訟のご依頼ばっかりで、その代わりに売り上げが現在の3倍だったなら…失礼ながらこの商売、今ほど愉快じゃない、とも思えてしまうのだけれど。
まぁもっとも、業法第一条に掲げた理想と現実とのあいだに暗くて深ーい河が流れているのは、金額に制限のない訴訟代理権をお持ちの方々もおんなじだろうな、と、傍目から見ていて思います。ヒマだろうが忙しかろうが、やっぱり葛藤はあるものです。
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