フォト
無料ブログはココログ

« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »

2008年4月

『それって元取れるの?』

 昨日まで九州方面に出かけていました。使ったきっぷはSunQパス全九州版10000円(三日間有効)。島嶼部や第三セクター的なバス路線以外は九州内のバス乗り放題のこのきっぷを使い倒す!という旅をしていることを知ってか知らずか、杵築バスターミナルで大分交通の運転手氏が放ったのが上記の発言。

 それを僕に言った時点であんたの負け

 とは言いませんでしたが(民事紛争ではしばしばそうした地雷が存在することは確かです!)、試しにこのきっぷをどれだけ使ったか、を振り返ってみます。

4月24日(北九州-熊本-延岡)

  1. 小倉砂津-熊本交通センター 3200円
  2. 熊本交通センター-高千穂バスターミナル 2300円
  3. 高千穂バスターミナル-延岡 1710円

4月25日(宮崎-薩摩半島-鹿児島-大分)

  1. 宮崎駅前バスセンター-天文館(鹿児島) 2700円
  2. 山形屋バスセンター-枕崎 1200円
  3. 枕崎-今岳 580円
  4. 今岳-中の坊(南さつま市) 410円
  5. 輝津館-枕崎 310円
  6. 開聞駅前-長崎鼻 280円
  7. 長崎鼻-山川桟橋 400円
  8. 山川桟橋-山形屋バスセンター 900円
  9. いづろ高速バスセンター(鹿児島市)-トキハ前(大分市) 5500円

4月26日(別府-国東半島-中津)

  1. 別府北浜-国東 1500円
  2. 国東-伊美 940円
  3. 伊美-豊後高田 1100円
  4. 豊後高田-宇佐駅 240円
  5. 宇佐神宮-四日市 340円
  6. 四日市-中津 710円

以上合計24320円。北九州から鹿児島天文館まで行った時点で投下資金をとって、以降ひたすらやりまくり、ということになりました。だいたいこんなもんだと思うのですが、さぁどうでしょうね?来月はまた、福岡への出張が控えています。楽しくてたまりません。

旅行書士三都物語

旅行書士三都物語
京都駅です。21時49分発の新快速で三ノ宮に帰ります。

今日は午前中に南海なんば、午後は神戸メリケンパークのホテル、夜にJR京都で予定があり、うち2件は特定調停のお客さま、という素敵な一日でした。29日に帰ったら2件特定調停のお客さまと会うことになっています。どんなに遠方でも受託する以上全件面談必須、と決めたらこうなったので、自分を追い込んだのは自分以外の何者でもありません。

が。

今日で6泊7日の出張も5日め。

京都で空席にありつけなかったことが少し悔しい自分がいます。

迷い込んで、国東

迷い込んで、国東
バスのり放題のきっぷを使って三日間、九州内で何かしよう、という今回の旅行。行程に影響するイベントが二つ発生しました。一つは24日に予定していた面談のキャンセル。『オレ金遣い荒いんだけど』といいつつ特定調停を希望した福岡の若者、受託しなくてよかった?

もう一つは『満席』

いつもの船の予約が取れません!

ゴールデンウイーク土曜発の大阪行を前日取ろうとしてた自分に気付きます。甘いか。
思い直して別府発大阪行をあたり、こちらは確保。
と、いうわけで。
別府周辺で行ったことがなくバスで行ける…国東半島に行ってみることに決定!鹿児島から夜行バスで大分に着き、一風呂浴びて、8時18分別府北浜発国東行きに乗り込みました。

『いまだけ』滞在10分間

『いまだけ』滞在10分間
手前のバス停から終点のバス停まで、6分かかりました。入り江をなぞり尾根を回ってたどり着いた終点には、10分しか滞在できません。

下の小さな砂浜を眺めていたら、電動三輪車に乗った爺様がやってきます。

いーい景色でしょう?
ええ、と答える旅行書士。莞爾と笑って遠ざかる爺様が、ほどなく風景の一部になりました。

バス停の名は、『今岳』。

鹿児島からバスで1時間30分で枕崎へ、さらに1時間、一日4本のバスがくる、静かな入り江の小集落が、今回の旅の折り返し地点です。夜までに鹿児島市街に戻らなければいけません。お客さまが待ってます。

『”みたことない”を見たいと思う』

『”みたことない”を見たいと思う』
6時14分宮崎発鹿児島行き高速バス『はまゆう号』車内の宮崎交通のしおりに、そんなキャッチコピーが記されています。県司法書士会の『もっとあなたと話したい』と同レベルの出来=説明されれば納得でき、実は結構重要だ、ぐらいにはなっている…のでしょうか。

バスはほどなく大淀川を渡ります。みたことないと素直に感嘆できる(心を持っているかどうか)はさておいて、まずは自分がここにいることの幸せを満喫しましょう。これはたしかに、大事な人に見せてあげたい眺めです。

国の光を観る旅の九州内二日目は、鹿児島から加世田を経て、坊津を目指します。薩摩半島の端っこに、少しタッチしてくるとしましょう。

大吉なのはいいけれど…

大吉なのはいいけれど…
熊本交通センターでは30分の待ち合わせで、1日に3本しかない14時40分発延岡行きのバスに乗り継ぎができます。これが高千穂に着いたのが17時14分。次の延岡行きまでの1時間で、高千穂神社に参り高千穂峡を見てベスト電器でUSBハブ付きテンキーボードを買い自販機で日向夏のジュースを買いトイレに行きメールチェックをしお客さまに電話をかけて、あっという間の1時間を過ごしました。ちなみに高千穂バスセンター―高千穂峡は片道1.7Kmの徒歩移動です。

久しぶりにひいたおみくじは『大吉』。半年ほど前に小吉をひいていたのですが、実生活でも運勢の変わり目を感じます。ところで

恋愛 愛情を捧げよ

…誰に?

小倉から高千穂へ

小倉から高千穂へ
11時25分小倉砂津発熊本行き『ぎんなん号』で九州の旅を始めます。使うきっぷはSunQパス全九州用1万円。これで3日間、九州全域の高速バス・路線バスの大部分が乗り放題になります…というより、このきっぷに合わせて旅程を組みました。
熊本からは阿蘇を経て高千穂まで行き、高千穂神社に参詣するつもりです。

それは豪気な集中作業

それは豪気な集中作業
ここは大阪駅にほど近いオフィスビルの一室。新しい阪急デパートができていく過程がつぶさに見届けられる部屋です。

わけもなく偉くなった気分になりますよね。
などと和んでばかりもいられません。今日はここに、裁判書類を作りに来たのですから。
いろんな事情で締切日に遅れたそのお客さまを数時間拘束して事情聴取し、準備書面を一つ即興で作る、というのが今日僕がここに呼ばれた理由です。

5時間になんなんとする協議を経て、できた書面は9ページ。さすがに少々ぐったりして西梅田の駅に向かいます。

しかしながら、今次出張で一番重要かつやっかいな用事が終わりました。明日は福岡で一件、相談の申し込みがあったのですが、どうやらキャンセルの公算大。
ならばSunQパスで目一杯、遊ぶとしましょうか!

放浪予定一週間

放浪予定一週間
機内持ち込みが当然可能なこのカバン。

本日より6泊7日の大出張の荷物は、これで全部です。着替え一回分とサブノートPC+外付け汎用バッチリー、お客さまの書類4人分と本2冊が入っています。

実は今次出張では極めて異例な『替えのズボン』を携行しています。かつて僕と面談した折りに僕の風貌にさんざんケチをつけた奴がおりまして、今回そいつと再度の対決を挑まねばならなくなったものですから。
…ま、そいつのキビシイ審美眼の前には螳螂の斧なんでしょうが。
それとは関係あるようなないような選定で、二冊の本を携行しています。

・一瞬で信じこませるる話術 石井裕之著
・女は男のどこを見ているのか 岩月謙司著
さて付け焼き刃の勉強で、歯に衣着せない元同級生の攻撃をどれだけしのげるか?

そんな剣呑なミッションも楽しみに、とにかく行ってきます。明後日には、学生時代以来十数年ぶりの鹿児島です!

『芋粥』き・ぶ・ん。

今月の売り上げは、さらっと7桁の大台にのっかりました。

いまの気分を例えるならば、芥川龍之介の短編(30代~20代後半の人には、国語の教科書で読んだ、という方々も多いかと思います。)『芋粥』に出てくる某という五位(という主人公です。念のため)の心境でしょうか。

あの、いつか腹一杯芋粥を呑んでみたいと願った五位が藤原利仁邸で目覚めた朝、庭一杯に大釜を並べて芋粥を量産しているのを見て…一瞬で食欲の大半が吹っ飛んだ、あの瞬間です。

そりゃこの商売を始める前から、いずれは業界標準並みの売り上げを達成してみたいもんだよ、とは思ってましたが実際やってみると、これがなかなか恐ろしいものがあります。具体的には本人の気の持ちようでそうしたことがカンタンにできてしまう、というのがいけません。昨年1年間の売り上げが来月中旬には…あるいは今月末には達成されてしまうかも、という勢いですっ飛ばしている原因はただ一つ、

少々遅れて、時流に乗った

ただそれだけ。それこそスイッチ一つで年商3倍、という恐ろしい世界だったんですね。司法書士(というより、昨年まで呑気に労働訴訟をやり、ヒマなら昼寝をしていたのが怠慢だっただけ?)。

ここで『時流に乗った』というのは他でもない債務整理業務への参入(というよりは、再開)なんですが、実はこれはこれでやってみるとなかなか気持ちいいものがあります。特に特定調停については僕の心情・信条とマッチするものがあり、さらに年金がからむと俄然やる気がでてくるわけで。あとはたまーにでいいから過払い金返還請求権が発生していてくれれば、もう何もいうことはございません。ただ残念ながら僕には簡裁代理権がないので、金融業者の担当者が妙なことをいう口上がお客さまの耳に入ります。この連中が時として実に個性的でして、今日聞いたのは一番強烈でした。曰く

最高裁判所の判決により、2006年以前に完済したことによる過払い金はすべて返還請求できなくなった

とおっしゃる。ラ●フの西日本担当部署のご託宣です。もちろんそんな判決出てません!

真面目に言ったらそりゃ詐欺で立件できるずらよ、と静岡弁で申し上げたいのですが(会社側担当者は大阪から、お客さまはそのさらに西の某高裁所在地の人です)一体なにをどうやりゃ不当利得返還請求権の時効を8年も短縮できるんでしょうかねぇ。あまりにも楽しいので、お客さまには

お願いだからその『最高裁判決』が載ってる資料の写しをもらってくれ なんなら返信用封筒に切手を貼って送ってあげるから

とお願いしてあります。確かに今回、僕のお客さまはサラッと7桁に達した過払い金返還請求権を持っており、これを否定してしまいたいお気持ちは重々理解できるのですが…これでもう少し茶目っ気のあるお客さまなら、ICレコーダにそのご発言を録音してもらってネットで晒せば結構な閲覧数を稼げるんではないかと思ったり。もちろんこの方、年金生活者さんなのでそれはしませんが。全くナゾです。ライ●の西日本担当部署。ここの東日本担当部署はなかなかジェントルな対応なんですが、横浜と大阪でなんでそんなに違うんでしょうね。●イフって。

 どうもこの会社、ちょっと審査が甘い傾向があるのか、特定調停のご依頼でやってくるお客さまでここのカードを持っている、という人はよく目に付きます。注意深く情報収集すれば、案外当ブログのネタを安定供給してくれるのかもしれません。

 さてさて、昨日から今日まで東京・掛川・岡崎と巡ってきたのですが、明日からは西日本に出張です。梅田・福岡・鹿児島・難波・京都でお客さまと面談なんですが、梅田以外はみなさん債務整理案件のご依頼。明日は例によって名門大洋フェリーで九州に向かうのですが、20時大阪南港発2便船内で泣きながら取引履歴の引き直し計算をしている男性を見かけたら…僕です。間違いなく。

結構混んでる『超特急』

結構混んでる『超特急』
豊田ジャンクション付近で発生していた車両集中による渋滞は、ここ矢作川を渡るあたりで解消されました。

名古屋インター9時33分発東名高速バスで東京地裁に向かいます。
意外だったのは、平日真っ昼間途中停車なしで東京に向かうこの便の乗車率が結構高いこと。窓際の座席は一カ所しか空いておらず、二人で乗っている人もいますから、60%以上にはなっています。僕はいつも通り出発前に予約を入れたのですが、これからは予約を必須としたほうがよさそう。東名高速線は各バス停に停まるのが『急行』、東京―静岡間で一部通過するのが『特急』静岡以西でも通過が結構ある『超特急』に種別が分かれています。一日に一本だけ、神奈川県内の東名江田から名古屋インターまで客扱いしないものがあり、これは東京―名古屋を5時間30分ほどで走ります。ま、移動中にはのんびり引き直し計算でもやっとればよろしい(開き直り)

さて、聞くところでは先週某地裁支部で和解で訴訟を終えられた僕のお客さまも、今日から旅行で東京に行かれるとか。あちらはもちろん鉄道のほうの超特急ですが、期せずして同じタイミングで東海道を東上することになりました。

誰の行いがよいのか、今日の東海・関東地方は快晴です。まずは浜名湖で休憩です。

尋問準備中のあなたへ

 今日はひさしぶりに『この本をおすすめします』のカテゴリーの記事です。おすすめするのは黒木亮 著 『貸し込み』。



 土地と株がどこまでも値上がりするとみんな信じていた…あるいは信じていたかった、バブル経済末期。意思能力を失った資産家の女性に乱脈融資を行った大銀行と、良識あるがゆえにその銀行を追われた元従業員、すべてを失う羽目になったにしては全然同情できない(失笑)資産家の夫、酒臭い奴・オタクのアイドル・田舎芝居・有能だが解任されるなどさまざまな個性と能力の弁護士さん達。そんな連中が登場人物です。

 もちろんバブル華やかなりしころの銀行がどれだけ無茶をやってたかを物語る小説として読んでも十分面白いのですがここで注目すべきは

 裁判における尋問の描写がいかにもそれらしい

 点です。僕はこの本を、本人訴訟で当事者尋問あるいは証人尋問をしなければならなくなった人、およびそのために陳述書を準備しなければならなくなった人に有用な本としておすすめします。名古屋市立図書館には蔵書がありますので、借りてみるのもよいでしょう。

 この本はあくまでもフィクションなんですが、実のところ反対尋問を有効に行える弁護士はあまり多くはないと思います。いわんや素人においておや、というべきで、この本(特に下巻)に出てくる被告側弁護士さん達の描写は僕にとってはコメディーに近い(だってリアルすぎるんだもん!)のですが、実在の訴訟でもそれがよほど大規模あるいは特殊でなければ、準備に怠りなく虚偽の主張を持ち込みでもしていないかぎり、素人が弁護士の追及を振り切るのはそう難しい営みではありません。

 ですがその前に、

  •  尋問って誰が何をするの?
  •  どんな手順で進んで行くの?
  •  何を聞いたら、あるいはどう答えたらいいの?

 そんなことが疑問になったら、傍聴に行く前にまずこの本を読んでみるといいでしょう。ある訴訟で争点になっていることと、それをどう尋問において聞き出すか・答えさせるか、敵側からの反対尋問はどのようになされるか、敵性証人をどう反対尋問するか、といった、いわば『尋問とはなんぞや』、ということを知るための、これは良書です。

倫理違反な、誓いの行方

そのお客さまは20代後半。素敵な女性です。

僕と彼女とは、ちょっと人目をはばかる関係にあります。

 

 

 


と言っても、午後から始まる裁判の当事者尋問まえに入った美味しいスパゲティ屋さんで、フリードリンクとして提供されていたワインを一口だけ二人でいただいてしまう、という程度の関係ですが。(ま、清めの一杯ってことで)

冒頭の表現で、以後の展開におかしな期待を抱いた閲覧者ご一同様は適当に放っておいて話しを先にすすめましょう。
凡百の法律家または自称法律家が依頼人とカンタンにどうこうなれるほど、世の中甘くはできてないはずです。


1.-司法書士倫理第68条-

『司法書士は、事件について、依頼者に有利な結果を請け合い、又は保障してはならない』そんな規定があります。
僕は過去に一度だけ、自ら望んでその規定に反する言動を取ったことがあります。今日はそんな話しです。

 

2.-労働事案じゃ、ないんだけど…?-

彼女のご依頼は、裁判事務。当然ながら当事務所ウェブサイトを見て、電話を下さいました。初めての電話における僕の対応は、ずいぶん冷たいものだったと、それから20ヶ月たった今もまだおっしゃる、というのですからきっとそうだったのでしょう。
その後の相談を経て、某地裁支部に取締役報酬等支払請求訴訟を起こすことになったのですが…最初の電話から提訴までに、実に5ヶ月ひっぱっています。別に僕がとろくさいわけではなく、僕はそのほうがお客さまのためによいことだと判断したから。この事案、取締役報酬のほかにも実にいろんな問題がくっついてきていた、ということもあります。通常の事案とちがって、訴状に記載の取締役報酬が取れれば解決、ではない、というのは訴状作成時点ですでにわかってはいました。

 

3.-『あなたを、勝たせてあげる』-

相手になったのは、数歳下の社長。提訴に至る交渉過程でのこいつの言動には、随所で僕のやる気を強烈に盛り上げてくれる面がありました。「司法書士なんか、何の力もない」と僕のお客さまに強がった内容を録音されてしまった今となっては笑止千万暴虎馮河というべきなのでしょうが、最後の話し合いが不調におわった過程で、この人のおかげで僕のお客さまがどんな目にあってきたか、そのごくごく一部に接して僕の中に生まれたさまざまな感情が、こう言わせたのだと思います。

世の中には、実現可否にかかわらず『守らなければならない尊い何か』は確かにある一方で、僕らの相手方はそれを踏みにじって恥じない奴にしかみえなかったし、僕には言葉によってしか、僕のお客さまに手をさしのべることができないなかで…いちばんの効果を期待して言ったのが冒頭のことばです。提訴時点でそんなことを、安易に口にしてはいけない、それはわかっていたけれど、その実現の難しさも知っていたけれど…どうしてもそれを言わなければならない、そんな気がして倫理規定の条文の外に半歩踏み越えました。こうして、『勝たねばならない』裁判がはじまったのが、今から14ヶ月前のことです。

 

4.-『コクられるのかと思った♪』だと!?-

  • 親の心、子知らず。
  • 代書人の心は、さて…?

それなり以上に重大な決意と姿勢と表情と語調で放った誓約文言なのですが、きゃははとばかりに笑い返したお客さまが言ったのは、上記の一言。

 全身の関節が一斉に脱臼したらこんな感じになろうか、というほど力が抜けたのですが、後に語られたところによれば、それなりに嬉しかった、とのことです。やれやれ。

 のちにこのお客さま、僕の妹分を自称しながら一面では女王様属性をもって君臨するに至るのですが、思えばその萌芽はこのときあったのかもしれません。

 

5.-守秘義務につき省略-

期日は重なり、ときは流れて。このお客さまには結構な件数のブログのネタをご提供いただきました。僕とお客さまの名誉のために(失笑)それら記事へのリンクを設定することはやめておきますが、いまそのお客さまを見ていると、

  •  このお方のアタマの上には赤いチューリップが一輪咲いているようだが?

と思えることがしばしばあります。お客さまはお客さまで僕を見ていて

  •  奴のアタマの上には白と黄色のチューリップが咲いているのでは?

と思っている形跡があります。はぁ(嘆息)

 

 ともあれ、いくつかの深慮遠謀といくつかの対立抗争(笑)といくつかの善意・理解・承認といったやりとりを経て、そのお客さまは当初事務所にこられたときより、ずいぶんいい表情をする人になりました。

 ただ、これは人が変わった、というより、もともとあって隠れていたのが見えて育ちだした、というだけのこと、だと思っています。当初の見立てよりも頭の回転が速いのね、と気づけたころ、その日はやってきます。

 最後の最後まで和解を拒否した…というより、きっと職務熱心な被告代理人の弁によれば『連絡がとれない(ってそれ仕事になってんの?)』被告本人のおかげで、訴訟は証拠調べへともつれ込んだのです。勝たせてあげるという誓いを、果たさなければいけません。4月2日、当事務所インデックスページに情報表示を加えます。

-重要事案への対応のため、4月15日まで依頼受付を停止します-

 

6.萌えてキタ、じゃなくて燃えてきた!

  1. 裁判所から原告被告双方に陳述書の提出を命じられた期限は3月31日。
  2. 尋問の日は、4月16日。

 

で。

弁護士がついていながら…被告側の陳述書がようやく出てきたのは

 

 4月15日夕方(激怒)

 この第一報がでた時点で僕は東京発の高速バス『知多シーガル1号』で大井川をわたったあたり。しかしここでは、当事務所のささやかな最新装備に救われました。先月導入した当事務所のファクス機は、受信したファクス原稿をPDFに組んで電子メールで転送してくれるのです。バスは1時間ほどで浜名湖サービスエリアに到着、灰色公衆電話からサブノートPCでダイヤルアップ接続してメールをダウンロードしながら、おなじ公衆電話で同時に音声電話を発信してお客さまと通話します。おそろしい勢いでテレホンカードの度数が減っていきますが、灰色公衆電話の機能をある意味フル活用しています。10分間の休憩で打ち合わせを終えて、書類の検討を開始。こういう職業代理人がいいかげんに作ってきた書類をこっぱみじんに吹き飛ばすのが、この商売最大の醍醐味です!

 

7.-和解成立-

 お客さまによる反対尋問は、実に楽しいばかりでした。どんな技をかけてもきまる、と言った感じ。尋問のネタになる被告側作成書類がもともといいかげん、というよりウソ八百並べてあるにもかかわらず被告も代理人もさしたる検討をしていない、というものである一方、アタマにチューリップが咲いてる割りに腹の黒いお客さまじゃなくて旅行書士は前夜の睡眠時間を大幅に削って、被告の行く手に反対尋問計画=地雷原を構築して待っていたのです。原告本人尋問では、相手からの反対尋問で一箇所ヒヤリとする場面もあったものの、僕のお客さまにはこれで桐のバッジを着けたらそこらの●●書士よりよっぽど見栄えがするよ(って言うか、風采の上がらない旅行書士事務所に来る客いなくなるよ(汗))、と言いたいくらいのキレイな尋問風景を見せてもらいました。

 さて和解の交渉にも、見るべきものがありました。こっちが被告を、かなり念入りに叩いたこととは関係ないはずですが、妙に被告側代理人の態度がフレンドリー、かつジェントルです。もともとこの地裁支部の裁判では、弁論準備期日に傍聴を申し入れたものの相手側代理人の拒否により入室を拒否されるということがあって、僕もこの代理人には大いに含むところがあった(やる気と仕事に反映した)のですが、裁判官との話を終えてでてきたその彼が当然のような顔をして言うには

 わたしも司法書士さんの入室を拒否しませんから♪

 さてはこいつの頭にもチューリップが二~三本生えたのか、弁論準備のときには真逆なこと散々言ったじゃんか、とばかりに見つめ直そうと思ったのですが…おっとっと。

 地裁の訴訟の弁論和解で裁判官が原告本人を説得できる機会を見られることは、決して多くはありません。でもって、入ってしまえばその立場を十分に活かさなければいけません。

 だって、僕は入りたいと言って入ったのではなく、裁判官から入れと言われ弁護士からは入るなと言わないといわれて入るのですから。

 

8.-『春が来れば、女はみな美しくなる』(※1)

 結果としてきまった和解条項は、相手からの長期分割払いを認めるかわりに、支払をおこたったら支払額が二倍になる、というもの。相手がすべて任意に弁済を終えた場合を基準にとれば引き分け的和解、もし支払を怠った場合には勝利的和解、といえる内容だとは思います。内容も悪くはないのですが、やはり裁判の外でお客さまの状況がとてもよくなったことが、とても嬉しい、そんな事件が一つ落着しました。

 さてこの事案、誓いが果たされたのかどうかは、他ならぬお客さまだけが知っていることです。ヒミツにしておいてもらうのも悪くないのですが気が向いたら、コメントを入れてもらえると嬉しいですね。


※1は浅田次郎『オリヲン座からの招待状』からの引用です。たしか去年の春は大正時代生まれの独身女性にそんなことを言って場の雰囲気を和ませてましたが…ハテなにか問題でも?

かもめの翼で帰ります

かもめの翼で帰ります
本日傍聴した、さいたま地裁の次の期日は5月20日午前中になりました。

5月21日に福岡高裁の期日に傍聴を要するのですが、別に問題はないでしょう。この二つの訴訟はなにか妙な因縁があるらしく、昨年は同じ日の午前と午後に期日を入れられてやむを得ず飛行機で移動したことがあります。
さて、家をでてから四日になります。明日は大事な訴訟の当事者尋問を控えているので、いつもより早く14時30分東京駅発知多半田行き『知多シーガル1号』で東京を出ることにします。

さて今月は、明日の尋問さえ乗り切ったら重要事案はもうありません。これが終わったら、息抜きを兼ねて大阪と鹿児島のお客さまに会ってくるとしましょう。

岡山インター 乗り継ぎ成功

岡山インター 乗り継ぎ成功
広島から高速バスを使い、正午前に兵庫県尼崎に着くには?

広島から大阪行きの始発は7時過ぎ、神戸行きは8時過ぎでそれぞれ間に合いません。

広島発7時過ぎの新幹線で福山まで走って福山発7時40分の神戸行きバス、というなら余裕で間に合いますが、2400円余の新幹線特急料金が自腹です。

広島から福山あるいは岡山行きの高速バスででて、福山駅または岡山駅での接続は、成立しません。

未練たらたらで両備バスのウェブサイトを見ていたら…

岡山インター

の文字が目に留まりました。広島からのバスは8時38分着、岡山からの神戸行きが、8時45分発。

ここでなら、接続が成立します!

ただし、バスが所定通り走るならば。

と、言うことで賭けに出た旅行書士。期待に違わず快走したバスは8時28分、10分早く到着してくれました。

広島発 尼崎経由 さいたま行き

広島発 尼崎経由 さいたま行き
宿をでた瞬間、大阪からの夜行バスと行きあいました。

ここは広島、八丁堀。根拠はないけど何をやってもうまくいく、そんな朝です。広島バスセンター1番線は高速バス専用なのですが、そこから一番早くでる6時28分岡山行きで、東に向かうことにします。今日は兵庫県で、明日は埼玉県で、お客さまが待ってます。

メリーバードは夜に飛ぶ

メリーバードは飛ぶ 吉報を載せて
米子駅18時10分発広島行き『メリーバード号』は出発から2時間ほど峠道を攻めたあと、ようやく中国自動車道に入ります。広島バスセンター着は21時35分の予定。

着いたらお客さま宅に訪問です。22時30分までには入れそう。

債務整理の御依頼をいただいたそのお客さまと二回めの打ち合わせをするのには、理由があります。

当初の見込みより、金融業者から取り返せるお金=『過払い金』が増えたから。おかげで当初予定の手続きだった特定調停より、過払い金返還請求訴訟を視野に方針を変える必要があるのです。四百数十万の多重債務状態から一転、7桁の金額を取り戻しましょう、という話しにお客さまがどんな顔をするか、なかなか楽しみなものがあります。

こういう場合は交通費自腹でも面談で説明したほうがなにかと効果的、という主旨での出張なんですが、過払い金部分の報酬だけで当事務所ならニカ月は寝て暮らせる金額です。

いやだいやだと言いながら…

いやだいやだと言いながら…
やれば結構、キモチイイ。

そんな気分で岡山から伯備線、特急やくも号への乗り継ぎです。

やってきたのはクモハ381‐1。381系のトップナンバー車です♪

などと萌えているのはどうやら僕だけらしく(あたりまえだ)昔懐かし『フリーストップでないリクライニングシート』の坐り心地に身悶えしてるのも僕だけらしく(みなさん使いにくそうにしてますね)20年前と同じ車内放送のオルゴールにそっと目頭を押さえていたのも多分、僕だけでしょう(そりゃ脚色だろうって?)

プラス5000円の出費でこれだけ発情できればたいしたコストパフォーマンスかもしれません。
軽やかに腰を振りながら中国山地へ進路を取って標高を稼ぐ陰陽連絡特急は少しずつ車窓の季節を戻して、もう一度満開の桜を見せてくれるようです。

『やましいこと』考えてます?―または、『変更!変更!また変更!』―

『やましいこと』考えてます?―または、『変更!変更!また変更!』―
先日の『過払い書士 春の夜の妄想』に早速コメントをいただきました。ありがとうございます!へずおさんは本職さん、ひろこさんは補助者さんとお見受けしましたがいかが?

払いの悪いサラ金に相殺をぶつけたらどうよ、などと考えてるのが自分だけではないことにまず一安心、ですがあの記事あれから妙に閲覧数を延ばしてます。なぜ?

お話変わって新大阪。レールスター&やくもの乗り継ぎで米子を目指します。地下鉄事故のとばっちりで予定の高速バスに乗り遅れました。
今次出張は当初広島から行く予定が、米子からに変更、大阪まで近鉄で行くはずが新幹線に変更、最後のトドメが地下鉄遅延、変更のたびに無駄金をばらまいてます。
なんだかやましい気分ですが、普通の人に近づいた…だけ?

ひろしまの次は、かごしま

ウェブサイトやブログのアクセス解析結果を見ていると、時折目を引く来訪者に出会います。

  • プレーンテキストで140KB以上ある『おはようのない事務所で』を深夜に延々と携帯電話で閲覧する人(後で目が悪くなったとか言って訴えないでくださいね)
  • 栃木県 社会保険労務士 というキーワードで迷い込んで来る人(石垣島 司法書士 というキーワードだと、Yahoo!では一位なんですよね)
  • 『内容証明 ●●』とかいう検索ワードで来たが早いか数分後にはOKwaveに見てきたような回答を投稿し、当事務所ウェブサイトに適当なリンクを設定して二度と来ない奴(迷惑です!)

 可愛いものからうっとうしいものまで実にいろいろありますが、今日見つけたのは、失礼ながら一発芸の境地に達していました。その人がつかったキーワードは

 弁護士 忙しい 音信不通

 ・・・何が? 一体何がこの人に起きたの?(興味津々)

 ここまで深刻ではないにしても…ある一定地域から数日間連続して給料未払い関連の各コンテンツにアクセスがあると、『何か困ってるのね』と思ってしまいます。

 で、そのうちの『愛媛県内』『福岡県内(これは既存のお客さまとは違うようです)』『宮崎県内』の方にお知らせ。

 近いうちに鹿児島県まで仕事で行くことになりました。出張相談をご希望であればお問い合わせくださいませ。

 さーてさて。福岡高裁管内8県のうち、仕事で行ったのは既に6県。残っていた熊本・鹿児島のうち、ついに鹿児島からご依頼がきました。事案は債務整理なんですが、年金がからんでくるので普通の司法書士さんへの転送を不適と判断、受託に当たって

 交通費2万出してよ 会いにいくからさ

 と申しましたら一瞬で快諾されてしまった(もちろん実際にはもっと丁寧に話しています)ため、めでたく契約締結とあいなりました。交通費2万円、というのがミソなんですが、タネも仕掛けもあります。具体的には

  1.  大阪のお客さまから名古屋-大阪間の交通費を8000円もらい
  2.  その日程と連携して広島のお客さまのところに行き、大阪-広島間の交通費約1万円をもらい
  3.  その日程をつかってさらに鹿児島まで行き、広島-鹿児島間の交通費プラスα相当額として2万円もらう

 と。裁判事務の受託に当たって面談を必須としたらそうなった、というタテマエと、たまたま受託してみたら過払い金がごろごろ出てきたため少々呑気な出張旅行を設定してもおなか一杯儲けられる、というホンネからこうした行動計画ができあがりました。来週は、受託から20ヶ月を経てようやく証人尋問までたどり着いた重要な訴訟の期日があり、来週の尋問で口頭弁論も終結になります。この息抜きも兼ねて遠くに行ってくるとしましょう…ついでに、いま福岡高裁で盛り上がっている長崎のお客さまのところに寄って。

 で、今回僕から見れば広島-鹿児島で二万円はお金をたくさんもらってる方なんで、余力を使って

 お呼びがかかったところには行ってしまう

 ようにしようと思っています。具体的には広島・高松・福岡高裁管内(岡山-鳥取以西で四国・九州全域)であればなんとかしてみようかと。さすがに沖縄から希望者があった場合には、鹿児島-沖縄間の交通費は出してもらわないといけませんが。

 これで1人でも応募者があれば、当事務所では相談を2時間おこなうと4000円いただけるので食費二日分くらいは稼げることになるんですがね。

 どなたかいらっしゃいませんか?ワタシを助けると思って…

 え? 何か違うって?

過払い書士 春の夜の妄想

※下記記載はすべてフィクションです。遅れてきたエイプリルフール、ということで軽ーく読み流してくださいませ。


平成21年4月1日。●ahoo!オークションに新しい出品カテゴリができました。

 そのカテゴリ名は『過払い金返還請求権』。

 平成17年ごろから始まったと言われる過払いバブルが沸点に達した平成20年。ここ数年で急速に財務体質を弱体化させた消費者金融各社が任意整理における過払い金の返還を渋るようになったことに業を煮やした某巨大掲示板利用者達は平成20年8月、その掲示板に集まる膨大なサラ金に対する『過払い金返還請求権者』から廉価で『債務整理後もサラ金への債務が残存する多重債務者』へと過払い金返還請求権を譲渡し、その債権を譲り受けた債務者は残存債務と自分が買った過払い金返還請求債権とを内容証明一つで相殺する、というスキームを、なかば自然発生的に構築するに至りました。

 たとえば今年に入って任意整理における過払い金返還割合がついに3割を下回ったと言われるヘコヘコクレジット(仮称)から、15年にわたって限度額70万円のお金を年利27%で借り続けた結果、実に100万円の過払い金返還請求権を持ってしまった蒲生さん(仮称)は、その債権を50万円で『ヘコヘコクレジットに90万円の貸金債務を負っている吉田さん(仮称)』に売却、その債権を譲り受けた吉田さんは、

吉田さんがヘコヘコクレジットから借りている90万円の貸金『債務』と

吉田さんが債権譲渡による取得した、ヘコヘコクレジットに対する過払い金返還請求『債権』100万円のうち90万円ぶんとを

相殺します。

これは内容証明二発(債権譲渡通知と相殺の、各意思表示)で済みます。

すると、過払い金返還請求で和解したら30万円以下しか手にできなかっただろう蒲生さんは、それより多い50万円の現金を手にすることができ…

吉田さんは、50万円の出費で100万円の債権を買って、自分がもともと負っていた90万円の債務を相殺により帳消しにできてしまいます。

・・・誰も損する人がいません。この方式は数ヶ月で某巨大掲示板をたちまち席巻し、これにより任意整理受託数の減少を見た弁護士・司法書士の地道な啓蒙活動にもかかわらず、例によって商売熱心な●●書士サンたちが内容証明作成代理権を振りかざして乱入、この『過払い金返還請求権譲渡→相殺スキーム』の勃興を加速させます。●●書士業界にも、遅れてきた過払いバブルがやってきます。

 これに目を付けた大手オークションサイトは、ついに自らのオークションに『債権』の出品を認める決定を下します。これが冒頭の情景。

 もちろん袋だたきにされて一人負けするのは当の消費者金融業者です。これまでなら能力の怪しい任意整理代理人たちを騙したり泣きついたりして値切りに値切ってきた『過払い金』は、相殺に用いられるかぎり常に100%全額返還してしまったのと同じ財産価値の消失を、企業にもたらすことになりますから。

 かくて経営悪化に一層の拍車がかかった消費者金融各社において、ついに大手の一角が崩れます。刷毛富士は平成22年3月会社更生法を申請、事実上破綻。直接的原因は、もともと機関銀行を持たなかったことで資金導入を迅速に図りにくかったところへ上記の相殺を受ける件数が異常に増加したことにともない、結果として資金ショートを誘発したためです。民事再生法を選べなかったのは、本業たる消費者金融業そのものがいまや『過払い金という時限爆弾』を抱えた状態では事業譲渡先が見つからなかったため、と言われています。

 そしてこのことは、新たな大紛争を誘発します。会社更生法申請直前の数ヶ月間に行われた相殺について、刷毛富士側管財人が否認権を次々に行使、結果として過払い金返還請求権を『購入した』債務者達は大損害を受けます。自らがおこなった相殺が否認された結果、手元に残ったのは大幅に減価した=というよりほぼ無価値になった過払い金返還請求債権と、全く減少しないどころか遅延損害金を科せられるようになった貸金債務だけなのですから。これに怒った債務者はオークション運営者に損害賠償請求訴訟を集団で提起、訴訟は長く無意味な消耗戦にもつれ込む一方、債権譲渡オークションは倒産直前の相殺が否認される危険をはらみつつも、ますます取扱規模拡大の一途をたどります。

…さて、次はどこのサラ金が破綻するか?取引されるのはある意味、自らも傷つけかねない諸刃の剣。それでもやってみますか?相殺。


 倒産の危機に瀕した会社に対してお金の支払い債務を免れるために、適当な値段で債権を買い集めてきて元々持っていた債務と相殺する、というのは比較的よくあることだ、と言われています。これを各消費者がやるようになったら、しかも不動産から誰かの下着までありとあらゆるものがネットオークションにかけられるこのご時世ならばどうか?ということでいろいろ考えて遊んでいたら…こんなストーリーにたどり着きました。

 実はこれ、同時期にクレディアに対する『過払い金返還請求権を持ってしまったひと』と『引き直し計算の結果、まだ残債務があるひと』に出会ってしまって…

あーあ いっそ債権譲渡させて相殺できんかなー

などとみだらなことを考えた(もちろん、民事再生法申請後ですのでできません!)のがきっかけなんですが、気息奄々ながらもまだ生きてはいる●コ●コクレジットあたりにぶつけるには、案外いい手かもしれません。問題は、過払い金返還請求権を持っている人と貸し金返還債務を負っている人の情報をどう結びつけるか、なんでしょうが、これはまさにネットオークションこそが適当でしょう。うまくやったら会社が一つできるだけの事業になりそうなしますし、案外我が国におけるホンモノの『債権証券化市場』ができるかもしれませんよ。

~ただし、倒産後に相殺を否認される危険性は常につきまとうので、文字通りのロシアンルーレットになるんですけどね(笑)

誰か、やってみます?

サギじゃないかと彼女は言った

 今日のお客さまには先制の一撃を食らいました。よその事務所からご紹介いただいたお客さまがさらにご紹介いただいたそのお客さま、ご依頼は特定調停です。当然ながらお客さま相互間で、僕がおこなう手続と料金体系を聞いてきた…はず、です。しかし。

 今日のお客さまは、その話を自分の家族の一人にしてみたそうです。そしたら

 そりゃ詐欺ではないか

 と論評を受けた、とのこと。そのご家族の弁によれば

  1. 借金の残高が減って(だって法定利息に引き直してるだけなのに)
  2. かかる費用は20万円弱で(いや特定調停で1社三万は、決して安い方ではありません)
  3. しかも月々1万円の分割払いで(そりゃ一括で前払いできるわけないでしょうに)
  4. そのうえ報酬を払う前に申立書を出してくれるなんて(ぼく簡裁代理権無いんでそうしないと督促が止まらないから)

話がうますぎる、ですって(爆笑)

 僕に言わせれば、そりゃ普通だろ普通、1日8時間を超えて働いたら割増賃金もらえるのと一緒だよ、と言いたいのですが世の中まだまだそうした知識は一般化してはいないんだと、初対面のお客さまの面前でひとしきり笑い転げた後でそっとため息をつきました。そういえば、おととい来られたお客さまにもそんなことを…言われましたっけ。分割払い、というのがまずインパクトが大きいようなんですが、すでに労働事案で食べていける状態を作ってしまっているため、無担保無保証無利息(無審査ではありません。面談はしますので)で長期分割払いに応じても、別にどうと言うことはないつもりなんですがね。

 ただ、これらは業界内ではごく普通のはず。世の中には分割払いの条件がもっと緩やかな人もいるし、特定調停一社二万円、という人もいます。あくまで普通のことをやっていてこれだけありがたがられる、ということは…

 労働事案のお客さまは一体どう思ってるんでしょう?

 あまり真剣に考えないほうが、いいのかもしれません。

 さてさて、今年に入ってにわかに増えた債務整理=特定調停+過払い金返還請求訴訟の書類作成事件ですが、やっぱりというべきか、順当にというべきか、結構な売り上げ、にはなってきます。でも

 売り上げはお客さまへの売り掛け債権の形で存在するだけなんですが(失笑)

 まぁそれでも、このまま頑張れば開業5周年記念日を迎える今年8月1日の時点で、累損一掃して純『資産』残高250万円のラインに復帰できる気がします。思えば5年前のいまごろ、脱法派遣業者に雇われて工場内で働いていた僕の手元には、現預金+投資信託で200万からの資産があり負債はゼロ、開業にあたりそれだけのお金を突っ込んでたちまちスッたのですが、ようやく戻ってこれそうです。労働事案だけやってたらもう数年はかかったはずだから、やっぱり話がうますぎる、そんな気もしますね。自分でも。


 日常の仕事の合間を縫って、事務所の設備の改善を進めています。昨日ようやく、SkypeがPCとPDAで使えるようになりました。実は最近、Skypeを運用しているお客さまと電話で長時間打ち合わせをすることがありまして、IP電話発携帯電話での話を長々としていたら…

 請求書を見て少々青ざめた、というよりヒヤリ・ハット事例として報告書を上げたほうがいいような金額になってました。

 大あわてでPCをいじること1時間、SkypeInの運用開始(インデックスページに出てくる、050-5532-8967の番号です)に1ヶ月遅れてようやく、PC対PCでSkypeが使えるようになりました。余勢を駆って現用のPDAである東芝genio e830にもSkype 2.2 for Windows Mobileをインストールし、普段はこいつを立ち上げておけばPCの電源が入って無くてもSkypeが受信できるわい、とほくそ笑んだのもつかの間、こいつは着信の時に

 ジリリリリン!

  ジリリリリン!

と、二昔ほどまえの黒電話のような気合の入った着信音を出すのです。しかも着信音の調整方法がみつからない(泣)

・・・仕方ないから、いつも使っているWindows98SE搭載機にSkypeを導入してしまう実験をはじめよう、と思っています。SkypeがWindows2000以降のOSにしか対応をうたってないのは、当然ながら存じ上げております(笑)

 最後に。『10年に1人しか応募は来ないだろう』というご意見もあった当事務所の求人募集のページですが、このほど三人目の応募者から書類が送られてきました。

 そろそろ、上記の失当発言をなした土地家屋調査士サンから一杯たかってもいい情勢ですが、さてこれまでの応募者二名については面接もしておりません。慎重というべきか贅沢というべきか、はたまた傲慢とみるべきかは読者諸兄のご判断におまかせします。

 しかしながら、今回の応募者は書いていることがちょっと面白く、思わず笑ってしまいました。しかも前二者より常識がありそうです。この人については、何か課題をぶつけてお出しして、それにパスするようならあるいは採用するかもしれません。

従業員に架空請求する会社

 先月は労働紛争での提訴は一件。本年初の地方裁判所事案です。この訴状、当事務所史上空前のカンタンさです。表紙をふくめ、たった三枚の訴状を作りました。~いつもなら本文が10ページあって賃金計算表が25ページあって計算表の解説が2ページあって証拠書類が60枚あって(ってくどい?)、などというのが訴状だと思ってたんですが…三枚!たった三枚!

 で、一体なにをやったのか。もちろん労働者が原告で会社が被告です。

 債務不存在確認請求訴訟です。

 素人さんむけに説明してみます。一般的に知られている訴訟というのは普通は、相手方に『何かしろ』という請求をし、それで勝てれば強制執行してむりやりその『何か』を実現する、という形をとりますね。その『何かしろ』は、たとえば『金を払え』・『建物を明け渡せ』・『登記をしろ』などというような。

 このほかに、相手方とのあいだで、あることを『確認する』ことを求める訴訟、というのもあります。ある物の所有権を有していることの確認とか、従業員の地位を有していることの確認とか。敵対当事者とのあいだで権利や法律関係が不安定になっているときには、この確認訴訟で争う実益がある、と言えるでしょう。世の中には、貸しただけの家をオレの家だと言い出したりする借家人もいれば、従業員をいきなりクビだと言い出す社長もいらっしゃいますから。

 こうした、訴訟で『確認』を求めることができることがらの中では比較的ポピュラーなのが、『敵対側がなんらか不当な金銭的請求をして来たか、して来る可能性があるときに、そうした請求に応じてお金を払う義務がない=債務が無いことの確認を求める訴訟』すなわち債務不存在確認請求訴訟です。

 さてそうすると、お金を払う義務がないことの確認を求める訴訟で勝ったって、あまり良いことはないんじゃないの?と思う人も出てくるかもしれません。確かに、100万円の貸し金返還請求訴訟で勝てば100万円分は、相手の預金を差押えたりしてお金を取ることができますが、100万円の債務不存在確認請求訴訟で勝っても、訴訟費用のせいぜい数万円を除けば相手からはなにも取れません。

 で、今回どうしてそんな訴訟をやる気になったのか。

 今回敵に回した会社が、従業員に対してありもしない損害の賠償請求をぶつけてきたためです。当初は会社の担当者からの請求だったのですが、しまいには弁護士が代理人について内容証明を放ってきています。

 会社の物品を盗んだ、という嫌疑がかかっているらしいんですが、

 だったら刑事告訴してみろよ

 とこの弁護士サンに言ってはいけないんでしょうかねぇ(嘆息)

 当のお客さまには、ぶつけられた内容証明の扱いについて

 花見酒の肴にでもしといてください

 とは申し上げてあります。

 元の会社を辞めたこのお客さまが、業界内で悪い噂を立てられても困るので、今回はきっちり判決まで取ってキレイに勝ってあげないといけません。ですがさすがにこの商売を4年やっていても、本当に弁護士を立てて内容証明を使ってありもしない損害賠償請求をぶつけた会社、というのは初めて見ました。弁護士諸共実名を晒してみたい…というより被害拡大を防ぎたい誘惑にもかられますが、最大の詐欺的事業部門からは撤退したのでさしあたり放っておきましょう。


この外道会社を相手取っての割増賃金支払い請求訴訟をいま準備しており、これは労働者4名請求額1000万円超、ということで結構な枚数の訴状を出すことになります。さらに、1年越しでやってきたある労働訴訟の証人尋問が今月中旬に控えています。そっちの社長もなかなかの人でなしぶりを見せてくれており、裁判所が3月末に提出せよと指示を出した社長本人の陳述書が未だに出てきておりません。そんなこんなで忙しく、本日から2週間、また依頼受付停止となってしまいます。特急・急行料金をお支払いいただけるお客さまと、他事務所からご紹介があって来る特定調停申立のお客さまについては、なんとか依頼を受けることができます。

« 2008年3月 | トップページ | 2008年5月 »

2023年3月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31