楽しきかな、代筆人
昨日からゴーストライターの仕事をしています。依頼人はほかの司法書士。ミッションは債務整理に関するウェブサイトの作成。
ただし手段は、既存の他事務所のウェブサイトのパクリ(失笑)
~の、はずだったんですが! というのが今晩のおはなしです。
この手の作業で一番やっかいなのは、現存する他事務所ウェブサイトと知的財産権上のコンフリクトを生じないか、という点です。なんぼなんでもパクリと公言するのはやばすぎだ、というべきですし、仮に黙っていても実質上パクリならばそれもだめ、です。聞けばこの事務所、これまでにもいろいろあったようななかったような。
しかしながら、その懸案事項は作業後数分で考慮不要との結論に達します。なぜって
元ネタとして指示されたウェブサイトが、そもそもお話にならない出来だったから
なのです。htmlソースを見て思わずひっくり返ったのですが、まず
- ページレイアウトの大半をtableタグに依存しているため、ページ内に数十個のtableタグが多重入れ子構造を取ってばらまかれています!
- おかげで情報として閲覧できるテキストは数行なのに、一つのhtmlファイルは500行を優に超えています。当然ながら容量も無駄にでかい!
- インデックスページにだけh1タグがあり、ほかの各htmlファイルにはありません!
- ウェブサイト内に数十個ある全htmlファイルに、h2以下のタグとp(段落)タグが一つもありません!~改行と行送りは全部brタグで処理しています!
- そしてなにより最後に、記述が妙に法律用語の世界から抜けきれず、全般に不親切です(失笑)もちろん、わざと難しくして依頼人を選別しよう、というねらいはないはず=不特定多数の素人を片っ端からひっかけよう、という作りとはほど遠い仕上がりです!
・・・と、いうわけで。これらに全部対処をすると、検索エンジンが見たって人間さまが見たって絶対に別モノのウェブサイトができあがる、ということはまず間違いございません。僕の事務所みたいに、単に以前作った古いページが手が回らないから放置してある、というわけでもないようですから(遠い目)
結局のところ今回の僕の作業は、公明正大にウェブサイトを一つ作りましょう、というものになったのですが、よそ様のウェブサイトのソースをしみじみ検討したのは久しぶりです。しかも情報提供系のサイトのくせして
<h2>も<p>も使ってないって絶対おかしいです!(絶叫)
そうとう間抜けな業者がそうとう間抜けなソフトを使って作らないと、こうまで悲惨な仕上がりは見せないはずなのですが、こんないい加減な仕事ではSEOにも差し支える…はずなのに。
はずなのに?
これをクライアントからパクリ、というより参考候補に提示される、ということは、そのキーワードでは元ネタのウェブサイトは上位に表示される、ということで?
じゃ、その元ネタに対してさらにhtml文書の構造を整えてあげたら…?
元ネタのウェブサイトにも、売り込めるような気がしてきました(冗談です 半分だけ)
そもそも、この零細で呑気な旅行書士事務所が誰に下風にも立たずに4年間やってこれたのは、『集客を完全にウェブサイトからに依存し、しかもウェブサイトへの集客はSEOにより、広告費をかけない』という方針を完全に内製化して実現できたからなのですが、そうやって揉まれているうちに、法律文書ではなくhtml文書の作成技能が育ってしまった可能性があります。
うれしいような、悲しいような。
とか言いながら、そうしたご依頼があれば受けますよ。今後も♪
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