『ぶちゅう。』なお礼は受領拒否!
予想はできているが避けられない攻撃、というのは確かに実在するものです。今日はそういう話しです。
そのお客さまは、今回もやってくれました。彼女はこれまでに数回の期日を経た労働関係訴訟のお客さまで、当初のご依頼からすでに1年を超えるお付き合いなのですが、本件事案でだれより脅威度が高いのは
お馬鹿な社長でもなく!
その代理人弁護士でもなく!
お客さまです(汗)
最初に事務所にお越しになったときにはこのお客さま、サラ金から支払督促をぶつけられた多重債務者みたいな不景気な顔だったのですが、さてこの方が打ち合わせごとにお化粧ののりがよくなっていくのはいいとして、何の罪もない僕に対して性的嫌がらせ一歩手前のご発言を連打してくるようになったのは、訴状提出後。つまり、僕が逃げ出せなくなったあとからです。女の人って精神状態とお肌の状態が少なからずリンクするのね、というのはこの方の継続観察で気づいたのですが、納得した途端にこのお客さまが僕にとってはかなりな脅威だ、ということにも気づきました。今日の打ち合わせ中もまぁいろいろなご発言をいただきまして、
- さしあたり恋人は要らないが(中略 -18歳未満の方の閲覧に堪えません-)は欲しい、とか
- なんなら見せましょうか?とか(気になる部分のシェイプアップに成功されたとのことで…ほかの人に見せてきてください)
そうかと思えば、本県司法書士会本人訴訟支援センター作成の離婚相談ハンドブックの表紙をみて一人で馬鹿ウケしだすし(曰く、相談の相という時の男女の図案化が激しくツボにはまったとのこと。デザイン担当者が聞いたら泣いて喜ぶでしょうよ)
いやはやまことに、この年頃の女性ってときどき百戦錬磨、ときどき女子高生、って感じで僕としてはただ翻弄されているしかないのですが、上記のような発言をサラッと受け流すようになるには一体どうしたらいいのかがわかりません。せめて、脱ぎましょうかとか見せましょうかとかワタシ露出狂なんですとか言われるたびにいちいち動揺したり白目を剥いたり椅子から落ちそうになったりせずに済ませたいのですが、それは僕にとって、訴訟に勝つよりまだ難しい。
そんなこんながありますので打ち合わせも時間がかかります。10時から13時半過ぎまでほどよく嬲られて(ただしなぶりのものになったのは男性側であり、決して女性側ではありません)今後の対処方針が決まりました。なんでも13時半までに帰らないといけないご予定があるとやらで、この雨の中車でいそいで帰るのは難儀なことだと思いながらお茶を片づけていたら…電話がかかってきました。
「あの先生、車のバッテリーがあがっちゃったみたいで…」
これが、日々市井の片隅で小さな労働紛争の解決支援に努めている弱小零細代書人をいぢめた彼女への天罰でないことだけは確かです。当事務所兼居宅が入っているマンションの前に停めた車の前で、お客さまは様子を見に駆け降りた僕に、至って普通の口ぶりでこうおっしゃるのです。
「ボンネットって、どう開けるんですか?」
~このタイミングで、いかりや長介風に『だめだこりゃ』と言い放って終わりにできるかどうかは世代的に難しい気がしました。このお嬢さんの年齢だとむしろ俳優としての印象のほうが強いかもしれません。
かくて雨の中、春風駘蕩の微笑みをもって見守るお客さまに代わってなぜか僕が復旧作業を始めることになります。なんだったらJAFを呼ぶわと言う言葉とは裏腹に、しっかり下駄は預けられました。
- まず一回、セルモーターを回してもらいます。
・・・百戦錬磨のオトナの女性にいたぶられた独身男性代書人のような情けない音がします。エンジンは起動しません。なるほど。
- 見ればスモールライトがつきっぱなしです。
・・・確かに雨の中来られたわけですからね。これでまぁ、原因と結果はほぼ決まり。救援作業にはいります。
駐車場から僕の車を出して彼女の車の正面につけ、工具をとってきてバッテリーカバーを外し、おもむろにブースターケーブルを取り出したら彼女が傘を差し掛けながら優しくおっしゃるのです。
「そーゆーのってどんな車にも積んであるんですか?」
・・・笑顔の素敵な若い女性に傘を差してもらってこれだけ嬉しからざる思いをさせられたのは当然ながら初めてです。思わず救援車からの赤黒ケーブルを彼女の右手と左手に結線しかけましたが、これ以上元気になられても次回の打ち合わせが恐いだけなのでやめておきます。
僕の車のバッテリーは所定より大容量のものを積んでいる(アイドリングストップを積極的に行うため)こともあって、別段エンジンの回転をあげるまでもなく普通乗用車のエンジンを起動できました。お願いだからしばらくエンジンを止めないでくれと申し渡して完了となったのですが、ご満悦のお客さまから締めの一言を賜りました。
「なんなら『ぶちゅう。』ってしてあげましょうか♥」
- 唇に指をあてながら!
- 悪魔の微笑みで!!
なんだかすごく複雑な思いでご辞退申し上げたのですが、お帰りいただいた後はいつもより激しく精力を吸い取られた気がして、ややぐったり気味のアフタヌーンティーとなりました。
とは申せ、おみやげにもってきていただいた栗のプリンはたいへんおいしゅうございました。どうもごちそうさまでした♪
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