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二つの訴状の運命は…

 その簡易裁判所へは、二ヶ月ほどの間をおいて二件、通常訴訟の訴状を提出しました。どちらも、月給制賃金をとる労働者がタイムカードの記載にしたがって、労基法所定の割増賃金の支払いを求めた事案。

 ですので、この二つの訴状は法的構成も添付の別表も酷似しています。言うべき事がほぼおなじならば、むしろ(品質が一定の水準まで上がった時点で)そうなることはよくあることです。しかし。

 この訴状たちは、それぞれ全く対照的な運命をたどるのです。

 まず一つ目。これは第一審、欠席判決で勝訴。その後控訴されて和解し、請求額の8割を超える金額の支払を受けました。で、この訴状ですが、控訴審で地裁の裁判官がお客さまに『ヘタな弁護士の書類よりよくできている』と言ったとか。これは、円満解決したというべきです。

 次に二つ目。これは、一通りの期日を開き和解勧試を繰り返し証人尋問をやって、おそらく壊滅的な負け方をする…判決が出る予定です。ただ、こちらの訴訟は民事調停を経由しており、この民事調停申立書(訴状とほぼ同じ記載)は調停委員の皆様方にはやはり、わかりやすくよく書けていると好評だったとか。この調停の段階では、請求額の約8割の金額の和解案を出すよう調停委員達が動いてくれたのですが、残念ながら調停不成立→訴訟になりました。

 一方で訴訟になったら、展開が無茶苦茶です。裁判官は司法委員に和解のあっせんどころか訴訟指揮まで丸投げし、おかげでこっちは十分な準備書面を出すタイミングを失い、争点が明らかにならないまま証人尋問を実施され、出てきた和解案が調停の時の金額の三割の金額です。

 たった三割。

 ~これは明白に異常であって司法委員か調停委員かどっちか(あるいは、どちらもが)大きな間違いを犯しているとしか思えません…が。

 いまは自信をもって断言できます。司法委員が間違いだ、と。

 こいつは僕の訴状に対して、和解あっせん時に僕のお客さまに、『わかりにくい』と難癖を付けておきながら、ではどこがわかりにくいのかお客さまが尋ねたのに対して

(訴状を)読んでない。

 と言い放った大豪傑なのです。それだけならタダの怪しい親爺で済んだのですが、実は

 上記の『一つ目』の訴状=同時期に提出された違うお客さまの、同じ類型でほぼ同じ記載の訴状については、こちらのお客さまにはなにもケチを付けずに欠席判決がでる場に立ち会っていたのです。僕も今日気づいたのですが、この二つの訴訟はおなじ司法委員に受け持たれ、一つは完全勝訴、一つはほぼ敗訴判決、になり、前者は控訴され、後者はこっちが控訴する、というかたちで、いずれにせよ控訴審へとなだれこむことになりました。司法委員以外の誰か(一つ目の訴訟では、控訴審の裁判官、二つ目の訴訟では、先行した民事調停の調停委員)が書類を褒めているというのも共通です。

 ところで一つ目の訴状がたどった過程の『欠席判決』というのは、請求原因事実=あくまで、請求権が成り立つために必要な事実がある、と見なしたうえで言い渡される判決ですが、別に『こちらの法律構成が正しいと見なして』言い渡される判決、ではありません。訴状記載の法律構成が間違っていれば欠席判決は取れず、逆に考えれば第一回期日で欠席判決が取れる、ということは、それ自体訴状の記載として、主張しておくべき事実が欠けている、とか、法律の適用が間違っている、ということはありえません。

 さてそうすると、この司法委員は、ほぼおなじデザインの訴状ではじまったほぼ同時期の二つの訴訟で

  •  一方では、つつがなく欠席判決が言い渡される=それが訴状として、記載しておくべきことが記載されているものとして判決が出るのを認めておきながら
  •  他方では、書類がわかりにくいとケチを付けまくる一方で訴状なんか読んでないと開き直る

 ~と、そうした素晴らしい仕事をなさっておられるようです。

 ただ、そうするとこの一つ目の訴訟の、欠席判決が出た口頭弁論調書&訴状は、二つ目の訴訟において今後司法委員の訴訟関与状況を弾劾するのに、なにか役に立つような気がします。

 ま、この発見で今後、この司法委員に付ける愛称は決まりました。

 控訴の●村

 これで(失笑)

 公園の北側簡易裁判所(仮称)ではこの人に出会ったら、かなり注意した方がいいことはよーくわかりましたよ。当事者尋問で一生懸命しゃべっている僕のお客さまを終始一貫見下した目つきで眺めていたのには、正直言って

 はり倒したくなりました。僕が二十代だったら傍聴席から何かぶん投げていたかもしれませんし、三十代のいまでもお客さまがこいつに何かぶん投げたら、投げたものが命中するのを待ってから止めに入るだろうな、と思います。

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