たかちゃん・ぼっちゃん・しのすけさん
上記はいずれも、僕とお客さまが勝手に付けた『担当裁判官のあだ名』です。いずれも今月終了するか、事実上終了した事案です。事案はいろいろ。
1.たかちゃん
これは僕の命名です。推定年齢三十台後半の女性で、名字の一字からとった単純なもの。お客さまの弁によれば、
-辛島美登里のシングル『流されながら』の写真と雰囲気が似てる-
とのこと。
僕としては『黄昏を追い抜いて』のそれがさらに近いと思うのですが云々、等とわからない人は一斉に後ずさりしそうなコメントをしてみるのですが…
うーん、たしかに色白でショートカットがよく似合っていて清楚で知的な感じがなかなか(ってわからない人は理解不能だ)。
さてこの方の最後のお言葉である『判決』にどんなアートが含まれているかは僕の目下最大の関心事なのですが、お客さまからの連絡によれば来週言い渡しの予定だったものが8月中旬に延期になったとのこと。理由に思い当たる点があるか聞かれたので、「難易度のそこそこ高い事案ではよくあることよ」と応じておきました(特殊な論点をはらむ労働訴訟だったので)。が。
そんな、理由なんて
僕が夏の青春18きっぷをつかってその裁判所(当事務所からの距離、鉄道営業キロベースで約450km)まで言い渡しを聞きに自腹で行けるように、という配慮があったに決まってるでしょー、と冗談を言ってみる勇気は、さすがにありませんでした。
でも、お盆のどまんなかに期日を開くってのはさすがたかちゃん、やることが違います。まぁこの判決、聞きに行くと断言はしませんが同時期僕はどこかに私用で旅に出ますんで。どこかへね。
2.ぼっちゃん
これはお客さまと僕との会話から。「あの裁判官なんかお坊ちゃんって感じですよね~」と盛り上がった結果こうなりました。
ただこのぼっちゃん、裁判官としての能力は前項のたかちゃんと同様に相手側の代理人をはるかに圧倒して高く、僕のお客さまに対する補充尋問で結構するどい所を突いてきています。傍聴していて勉強になるタイプですが、原告被告の尋問が終わった直後に原告側(貸金110万・慰謝料100万・不当利得返還請求110万を請求中)に対して
金銭的請求を無しにする和解できますか?
と言い放つ結構な度胸を持っています。これで僕がもし原告側司法書士ならこの夏いっぱい半死半生で過ごすところですが、あいにく僕は今回、被告側です♪
ただ、こう言われたにもかかわらず裁判所から出て行く原告代理人弁護士サンの足取りが、これから南の島にでも行くんじゃないかというほど軽かったのが疑問と言えば疑問です。まぁ、原告本人が素敵なお方なので、それから解放されるから、なのかもしれません。なんにしろ、これも判決が楽しみです。
3.しのすけさん
『某県庁の課長』というステータスをお持ちのお客さまがいらっしゃいます。労働事案ではないのですが、家賃支払請求訴訟でこちら側勝利の和解を締結する段になって…深刻な顔しておっしゃるのです。
「ところですずきさん、あの裁判官誰か落語家に似てませんか?」
-伝法な語り口・目立つ額(ひたい)・後ろに上げる前髪・表情豊かなまなざし…沈思3秒。思わず『ガッテン!』-
叫び返す僕。大きくうなずくお客さま。和解手続中の某簡裁兼地裁支部待合いベンチで、事案とは全くかけはなれたところで喜び合う二人(笑)
いや実は僕も第一回口頭弁論から気になってたんですよ云々、と思わず手を叩いて喜んだのですがこの事案、分割払いに応じた以外はこっちの要求を全部通して首尾よく和解成立となりました。被告さんたちが合点できたかどうかは、ともかくとして。
まぁこれらの各お客さまがたには、おかげさまで受託から訴訟終結までの過程でそれなりに楽しんでもらえたと自負しておりますが、それにしても今年上半期は個性的な裁判官が揃ったものです。また、各事案とも勝利と受け止めることができる結果になりそうだということで、この夏は安楽に過ごせそうです。現時点で、8月に入っている傍聴を要する期日は上旬に大阪で1件、下旬に名古屋で1件のみ。今月は下旬に東京で1件あるだけ。いずれも進行上、書類の提出の必要がありません。これは本当に、長めの夏休みになりそうです。
最後に、いろんな人がいろんなところでいろんなことを言ってきて僕だけが大変タノシイ思いをさせてもらったのですが、先日の記事の『透け乳首』のお客さまは男性なんで、念のため。
2020.12.01修正
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