掛川プロジェクト、終結へ
やることなすことすべてが片っ端からうまく行く日、ってありませんか?
今日が、年に数回あるかないかのその一日だったようです。気づいたのは16時55分、静岡地方法務局掛川支局で今日最後の用事を終えてでてきた数分後のこと。
本日午後からの三遠方面プチ出張の日程ですが、やらなければならないことは
- 愛知県豊橋市でお客さまから書類収受
- その書類を合綴して同市の裁判所に提出
- 静岡県磐田市で住民票取得
- 同県掛川市で住民票・評価証明書取得
- 適当な金融機関でお金をおろし、収入印紙●万円余を購入
- 同市内の法務局に、所有権移転登記申請書提出
~というお献立になっております。豊橋でのお客さまとの待ち合わせを13時着と指定する一方、事務所で全書類の校正を完了したのが11時25分。豊橋に13時に着くには、在来線なら東海道本線大高駅を12時14分の列車に乗ることが必要です。事務所から大高駅までは自転車で25分。どこかでアクシデントが発生すると、17時15分の執務終了までに法務局になだれ込むことができなくなる可能性があります。
・・・ここで普段なら、全作業の終了が11時53分頃までもつれ込んで自転車で爆走、とか、そうでなければ雨が降る、あるいは自腹で新幹線に名古屋から乗車、とかするのですが、朝適当に目を覚まして淡々と作業したにもかかわらず、なぜかほどよい余裕を残して出発可能になりました。雨は降りそうで降らず、駅まで軽く自転車で流したうえ、食べ忘れていた朝ご飯兼昼ご飯を仕入れる余裕すらあります。予定通り、12時14分大高出発。
列車に乗ったところで気づいたのですが、認め印を豊橋で調達しなければなりません。お客さまは少し珍しい名字。さらに豊橋駅から裁判所は、ウェブサイトの案内によれば徒歩15分。3分遅れで豊橋に着き、書類をもらって認め印を買いに近くの文房具屋さんに行ったら…
ぁあった!
お客さまが不可解な声をあげます。聞けば、彼の名字の認め印を売ってるところを探して一度で見つかったことが、今までなかったとのこと。僕より年上のお客さまにそう言われて、さすがに焦ります。さらにお客さま、裁判所まで車で連れてってくれるとのこと。おかげでつつがなく書類を提出し、豊橋駅に13時47分に戻ってきます。次の浜松方面の列車は
- 14時07分 普通列車浜松行き
- 14時06分 新幹線こだま538号東京行き
の、どちらかです。しばし長考します。みどりの窓口の時刻表で両者の接続をたどると、普通列車は14時40分浜松着、54分発興津行き普通列車に接続して磐田着15時05分。
一方でこだま号の浜松駅の時刻は『1426』と書いてあります。つまり14時26分。同駅発普通列車は、14時24分掛川行きに乗れないならば34分発興津行きになって、磐田着14時45分。
すると、いま豊橋-浜松を新幹線にするかどうかで時間は20分短縮、費用は特急料金840円。さてこれをやるかどうかは、かなり難しいところです…が?何かがヘンな気がします。もう一度新幹線上りの時刻表を眺めます。
-ここで気づけた人がいるとすれば、その人はかなり『鉄分の高いひと』なんでしょうね。-
時刻表には新幹線の浜松『着』の時刻は書いてないので話が見えにくくなっていたのですが、まず上りの最初のページをみてみます。豊橋にも浜松にも停車し、かつ先行列車を浜松で待避しない列車=ひかり430号は、豊橋6時42分発、浜松6時57分発です。よって両駅間の所要時間は本来、約15分。であれば14時06分のこだま538号は、順当に行けば14時21分には浜松に着き、5分程度停車して先行列車を待避するから、14時24分浜松発掛川行きには乗れる、というのが正解です。今日の新幹線の運行に乱れが無く、僕に浜松で少々走る覚悟があるならば。
ということで(笑 マニアな発想だ)、ここで自腹840円を切って30分を短縮することを決定!結果的にこれが、さらに次の成功につながります。
浜松での乗り継ぎはつつがなく成立し、同駅発14時24分掛川行きは14時35分、磐田に到着します。磐田市役所は駅から徒歩10分とのこと。改札口を出ると…レンタサイクル発見!しかも電動アシスト自転車(笑 さすが自転車施策先進都市)!
自転車のメーカーがYAMAHAで統一されてるのはさすが磐田というべきでしょうか。ともあれつつがなく手続を終えて、駅を出たのが14時42分。このレンタサイクル、4時間以内なら100円です。駅から市役所は、自転車でなら3分、と言ったところですが、市役所で手間をとったこともあって駅に戻ったのが15時7分。そろそろ残り時間が気になってきます。というのも、次の掛川市役所はJR掛川駅の徒歩圏内に無く、コミュニティバスの運行頻度は45分に1本程度で、天竜浜名湖鉄道を一駅だけ使う手はあるのですが今までに同市役所を訪れた片手の指に余る経験において、一度も接続として実用できたことはありません(泣)
時間切れの恐怖におののきながら時刻表をめくります。次の掛川方面は15時22分発静岡行き。これは、掛川に『1539』、つまり15時39分。天竜浜名湖線の掛川発は15時36分。よって接続不成立、になりそうですが…?何かがヘンな気がします例によって(失笑)
同列車は掛川の一つ手前の愛野発が15時31分。いっぽうで、他の列車の駅間所要時間をいくつかひろってみると、4分・5分のものがあります…よって。
愛野発15時31分の列車は掛川に15時36分、または35分につくとみるべき。天竜浜名湖線の次の列車は16時14分なので、ここは接続をとって発車しない方がおかしい、と勝手に了解します。
その勝手な了解通りに接続は成立して、掛川着15時35分、天竜浜名湖線に乗り換えて一駅の『掛川市役所前』に到着したのが15時41分。どうやらこっちの勝ちが見えてきた感じですが、運行頻度1時間弱のバスやら列車しか手札がないということで、時刻表を見ると、この市役所から掛川駅に引き揚げるには
- 16時5分発天竜浜名湖線掛川行き
- 16時31分発市街地循環バス南回り14便
後者はなるべく使いたくありません。お金をおろして印紙を買って貼って法務局(掛川駅から徒歩10分)に、時間内にタッチダウンを狙うのがしんどくなってきます。実は預金残高をソニー銀行に残して当地に来てしまい、提携しているUFJ銀行も三井住友銀行もない…というより都銀が存在せず、市役所庁舎内には○○信用金庫のATMしかない状況下にあっては、駅から徒歩5分の中央郵便局である掛川郵便局まで行くしかありません。
そんな思惑はおくびにもださず(見栄ですな)住民票一通と評価証明書の請求をかけます。出てきたのは…
16時2分(おお!)
番号を呼ばれて悠揚迫らざる動作で書類を点検しお金を払い、やや早足でロビーを出、玄関の自動ドアを開けた途端にダッシュで駅への坂を駆け下ります…が?
静寂。
ついさっき降りたばかりの片面一線の掛川市役所前駅には、列車の来る気配もありません。高校生が一人、虚空を眺めて微動だにしません。あるいはこいつ、前世が猫なのか?
時計を見ると、16時5分。列車が出たのは見えなかったので、間に合ったはずなのですが…?
列車は2分遅れでしっかりやってきました。これまでバスを使って移動していたときには、行って帰ってくるだけで常に1時間超を要した掛川市役所に、わずか34分で往復完了です。なんだか妙な達成感。時に16時10分。
余裕綽々で掛川郵便局に向かったのですが…ATMに5人並んでいます。しかも先頭でなにやらもめています。
~まさかここでストップが入るのか?ポーカーフェイスを保ちつつ全力で盗聴、もといもめている内容を傍聴します。要は貨幣での振り込みができないとのこと。だったら?
隣のATMが空いてんじゃん(失笑)
なるほど確かにそのとおり。順番待ちの列をすっ飛ばして手続に入っても、誰も何ともいいません。それどころか粛然と列を維持しています。つまり皆さん『振り込みがしたい』人、ってこと。僕はちゃっちゃとお金をおろし、テーブルを借りて最後の書類編綴を行い、印紙を買って貼付し、職印台紙に割り印します。
これで、登記申請書はできあがり。あとは提出するだけです。ここで16時31分。郵便局から法務局へは、線路を挟んで南側と北側にあるような位置関係なのでそのまま歩いて、16時43分、最後の目的地たる静岡地方法務局掛川支局に到着しました。別に狙ったわけではないのですが、本日より同法務局はオンライン指定庁になり、資格者代理人の印影届けも静岡地方法務局仕様(名古屋とは違う)で出すことになりました。こうして庁舎を出たのが16時47分。ということは?
豊橋で新幹線に乗ってなかったら、タイムアップだったってこと。今日は本当についています。
あとは東名掛川17時30分発東名ハイウェイバス特急59便で東名本宿へ、そこから名鉄に乗り換えて刈谷へ、JRで大高まで戻って自転車で帰る、というだけです。法務局から東名掛川バスストップまでは徒歩20分ほどで着きますのでゆっくり歩いていたら…メールが入りました。東京のお客さまから。タイトルが
『作戦終了』
と。ミッションコンプリートって言ってくる、ってことは…と早速内容を見ると、明日支払予定の解決金について、本日全額が支払われた、と!
メールを開いたPDA片手に一人で
よぉーし!
と声を上げたのはお客さまのためなのか、今月も損益分岐点を超えることが決まった当事務所のためなのか、はこの際聞かずにいてもらいましょう。今日は大変いい一日でした。
この仕事の登記済書類を回収したら、8ヶ月がかりで登記と訴訟がセットになったこの掛川の案件もおしまいです。訴訟のほうはすでに勝利の和解が成立しており、今週中に登記が通ればあとは来週の東京出張時に掛川に寄って書類をお客さまに渡し、掛川での仕事もおしまいです。これが終われば、向こうしばらく掛川で降りる機会はないのですが、しばらく通っているあいだに行きつけのラーメン屋さんができてしまいました。ときどき立ち寄るかもしれません。
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