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探して!見つけて!値引きして!?

そのお客さまは5ヶ月ぶりにやってきました。

24ヶ月分の未払い割増賃金請求の依頼をたずさえて。

なぜ『5ヶ月』なのか。理由はあります。民法第153条の規定です。条文は適当なところで参照してほしいのですが、このお客さま、僕の指導により今年1月末に内容証明を放っています。

そう、平成17年1月支払ぶんの割増賃金支払請求権●万円の時効消滅を、阻止するために。

これに対して敵は早くも弁護士を代理人に立てて反撃してきており、さて方針をどうしましょうか、とか言っているうちに夏になってしまったわけ。同条の規定によれば、今月中に裁判手続き=本件事案では訴訟・調停のいずれかを起こさないといけません。当事務所ではちょうど7月20日から、通常料金での依頼受付を再開するタイミングなのは別にここでは関係ない、と思います。おそらくは請求額元本6桁台後半になるこの依頼、弁護士が敵に回ることは確定ですが証拠が整備されているので、裁判手続として着手の際の料率を請求額の4%とすることをお伝えしました。

さてここで問題なのは、入力し計算し分析し作表しなければならない勤怠記録が24ヶ月分あること。相談しながら苦笑いしてデータを見つめます…が。そういえば、プリンタから印字されたのがありますよ?

~これってエクセルか何かで作ってらっしゃいます?

うなずくお客さま。

~これのデータファイルって、とっておいてあります?

「あ・る・と…思います。探せば」

うーん。ここは意地でも見つけて頂きたい!ならば!

~んじゃぁこうしましょう。そのデータファイル、今夜中に見つけられたら料率3%でお受けします!

・・・と、いうことで。このお客さまのPCのどこかに埋もれているかも知れない勤怠時刻データを、首尾よく発見できたなら、いまの彼女のお給料数時間分のお金を値引きできるということになりました。考えてみると、割増賃金請求事案でお客さまが入力したデータを使う、というのはこれが初めてです。

たとえば割増賃金支払い請求訴訟の訴状作成で、単純に時間がかかるわりに誰でも出来る工程は二つあって、

  1. 勤怠時刻の入力
  2. 証拠書類の複写・編綴・号証番号付与

がそれにあたります。いま、当事務所では労働事案の裁判書類作成において、着手の際に請求額の3~6%、お金を回収した際に回収額の7~14%の料率でお金をいただいているのですが、この辺を手伝ってもらえるなら着手の際の料金をさらに引いてみるのは、確かに悪くない考えです。

最近、お商売をしている方の裁判書類作成をいくつかやってまして、そうした人の中にはしたり顔で

あんたもうちょっと儲けなきゃだめよ(以下略 お説教あり自慢あり怪しい仕事の勧誘など色々)

などとこきやがる連中もこれまた複数おり、正直辟易していたのですがやっぱりそいつらとは目指す方向が違います(そうした人たちに対しては、ワタシ夏休みに入ってますと通告してますが何か問題でも?)。

今回もお客さまにヒントをもらった形になるのですが、この『書類作成工程のどこかで協力してもらえれば、なにがしか値引きできる』という可能性は悪くないと思います。やり方を考えてみましょう。

さて、で、今日のお客さまは今晩中に、そのファイルを見つけられるでしょうか?

…楽しみです。

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