怪しい気合い みなぎるっ!
先日来たまっていた疲れがなんだか一挙に吹っ飛びました!ある書面のおかげです。
『事情書面』というお題の書面ははじめて見たのですが、労働関係裁判手続における会社側の対応としてはよくあるとおり、内容はないような書面です。記載されているのはねじ曲げた法解釈と嘘っぱちの羅列。ご丁寧に証言のでっちあげまであるのですが、まぁ『よくあること』。
ですが割増賃金支払いを請求する事案である今回、ただでさえ事業場の実質をもたない独立性のない店舗部分を独立の事業場と言い張って、だから週の法定労働時間は40時間でなく44時間だ、などというのははじめてみました…そんな恥知らずな主張。
それなら駅の売店だって独立の事業場で、ほかに売店が何百箇所あり従業員が何千人いたって、個々の売店のおばさんは週44時間使えることになりかねません。(それじゃ物販業界にはいつまでたったって週40時間制は適用されんだろっ!と言ってみたい)
~しかも、その売店=事業場とするならば、いったいそのどこで労務管理上の意思決定を直近上級部署に依存せずにやってるんでしょうな(冷笑)
・・・ちなみにこの馬鹿会社、そんなプチ『事業場』を両手で数え切れないほど持ってまして年間売り上げ○○億(失笑)
さて労働基準法第40条をうけて定められた同法施行規則第25条の2所載の、『使用者は、法別表第1第8号(中略)第14号に掲げる事業のうち常時10人未満の労働者を雇用するものについては、法第32条の規定にかかわらず、1週間について44時間まで』労働者を使用できる、という規定はあるにはあるのですが、ここで施行規則は
事業のうち(つまり、複数の事業場にまたがる組織体としての企業まるごと、または、その企業のなかである程度他と区別できる別個の事業活動部門としてのまとまり)
と言っているのに対して、今回敵に回った素敵なセンセイ様はこの条文の解釈をちょいとねじ曲げて
(場所的に他から離れている、というだけの!)事業場を単位として
労働者の人数をとにかくカウントし、そのうえで人数が少ないから週44時間まで労働者を使える、と言いたいご様子です。
だったら例示のように物販業種なら、各事業場に配置する労働者の数をとにかく常時10人未満に押さえ込みさえすれば、会社従業員の総体が何万人いたって労働基準法第32条1項は簡単に空文化できる、とこのひまわりバッジの代理人は言いたいらしいのですが、
・・・こいつのバッジの天秤で量るものって、社会正義や基本的人権でないことだけは確かだね、と改めて納得しているところです。預金残高なんかを量るにはいいかもしれませんが。
個々の内容はさておいて、これだけお馬鹿な書面に接するのは久しぶり、というより当事務所創業初の馬鹿さ加減を誇るブツが、例によって職業代理人の手を経て、しかも花の都の某簡裁ででてきちゃった、というところがなんとも泣けてきますが、まぁどこの職業代理人もピンキリなのでしょう。よく考えたら東京都下で弁●士と激突するのは本件事案がはじめてなので、今から血が騒ぎます。
一方で僕のお客さまには
- 気に入らなければ期日を流してやれ
- (本件は調停なので)でなけりゃ出席して調停不調にし、裁判に巻き込まれる社長の顔でも見てこいや
と煽ってます(笑)今回出てきた敵さんの主張で、ようやくこっちの請求額の4分の1程度の涙金を払ってやると言わんばかりなのですが、そうしたお言葉、および組織だった反撃がでてくるまでに期日二回にわたって
ほぼなにもしない
その結果でてきたのがこれ。お客様には今回の期日、ちょっと暴れてもかまわんよというサインを飛ばそうか思案中♪です。
ただ、やっぱり労働事案でお馬鹿な社長とその手先の代理人を蹴散らす策を巡らしてる瞬間が一番やりがいがある、といいましょうか、なんだか一気に元気になっちゃった自分を感じます(お馬鹿だ…僕も)
さて、明日出発の出張ではまず、高速バスで一気に東京へ、さらに普通列車で宇都宮まで行って
本人訴訟で有効な反対尋問を実施し、元上級職制だった奴をいかに翻弄するか
というタノシイ打ち合わせをしてくる予定です。ああっ、楽しみ楽しみ(笑)
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