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視線が気になる傍聴席

 今週は仕事の都合で睡眠時間を派手に削ったのと水曜日に東京で寒気にあてられたのとで、とうとう風邪をひきました。さらにその体をひきずって金曜日は大阪まで行ったらなお悪くなり、土曜日実施予定の栃木出張は中止に。

 ようやく起き出せるようになった7日の時点で、6日の記事を公開しています。

 さて6日の予定は、名古屋で裁判傍聴をしたあと大阪で打ち合わせを2件やって帰ってくるというもの。いま愛知県内で担当している裁判事務は労働事案非労働事案ふくめて3件しかないのですが、そのうちの非労働事案しかも被告側、ここまでは毛色が違うといえるのですが、なかばお約束として今回の相手側=原告側には能力の相当怪しい職業代理人がついています。

 実はこの事案、僕が関与するのがおくれまして初動対応が不適切な面があり、そうしたこともあって僕が傍聴席に陣取るのは口頭弁論期日を複数回経過した今回が最初です。結構有利な状況にもってこれたと思うので、(不利な状況に推移しつつある相手陣営から見て)そろそろ黒幕として登場してもいいかしら♪という思いがあったのと、そろそろ裁判官がなにか心証開示してこないかな、という期待もあったので。今日のネタはその法廷でおこります。

 さて相手方のちゃらんぽらんな代理人、提訴前はこっちに貸金として110万円の支払を求めていたのが、提訴の段階で妙な慰藉料請求を100万円くっつけて、さらに今回不当利得を理由としてさらに110万円の支払いをもとめるべく請求を拡張してきました。対するこっちは僕の支援開始後、時にのらくらとかわしながら、時に効果的反撃を行ってきた、その結果あちらさんのご主張がだいぶガタガタになってきた感があります。ひいき目に見てもこっち有利は否定できないところ。

 ただ一つ気になったことがあるのですが、お客さまがおっしゃるのです。

 裁判官は鈴木さんに似てるタイプですね

 と。まさかこんなに口の悪い奴が?と一瞬怯えたのですが、そうではありませんでした。

 で、その裁判官。期日が始まる前に傍聴席にも目をやります。

 あれっ?

 という感じで僕を見る。書記官も同様。ただ、関与開始時に司法書士の職印つきで準備書面を出してあるから、たぶん被告側司法書士だと理解はしたでしょう。また、被告本人への和解の意向をさぐりつつ、ちらちらとこっちに視線を飛ばしてきたりもします。ほかに傍聴席には、誰もいません。

 で、この裁判官、原告側代理人に、世間話でもするような調子で訪ねます!

これ金銭的請求をしないで和解できますかぁ?

 オイオイオイ、210万円の請求を320万円に変更する申立書の提出直後の期日でそれか?と一人喜びつつも驚く傍聴人司法書士。

 なるほどこの人、ジェントルな指導と残酷な対応が混在するタイプのようです。ちょっと恐いです。

 しかし…もう110万払えと言った瞬間に完全敗訴に追い込まれる可能性を示唆される原告代理人の心境ってどんなもんなんでしょう。想像のしようもありません。相手側として傍聴席から見てるだけなら、ざまーみろと言っておけばいいのですけれど。

 その後の打ち合わせでお客さまから聞いたところでは、原告側代理人の対応はこの期日において『いつもは無表情だったのだが、今日は妙に怒ってた感じ。あんなの初めて見た』とのこと。こりゃ面白いことになってきたぞ、ということで次回も傍聴人として参加することに決定です。

  ところで。

 訴訟の途中からいきなり準備書面の品質が上がり、弁護士に押され気味だった本人が妙に有利な立場になってしまった、その後おもむろに傍聴席に登場する司法書士、ってのは傍聴席の柵の向こうに陣取っている皆様も、やっぱり気になるようです。座ってるだけでデモンストレーションになり、お客さまからお金がもらえるというなら結構な商売なのですが。

 なお、本当はあまりよくないのでしょうが傍聴席からお客さまにサインを飛ばすことも、ごくまれにあります。今回も裁判官が被告側にせっかく

被告の方は~の条件で和解できそうですか?

と聞いてくれたのに

できません(決然)

と答えてしまうお客さま。

・・・傍聴席から被告席に殺意を込めて視線を投げる傍聴人。そういうことするから特急料金を請求するハメになるんだろっ!と後で説教しておく必要があるのですが、そういう時に限ってこっちを見ようともしません。でもその和解提案、応じさせないとまずいです。これはまずいです!ええい、しょうがない!

 ちっ!

と舌打ち一発。思わず振り向くお客さま。睨み付けながら必死で首振る傍聴人司法書士。沈黙の法廷内、柵の向こうとこっちで視線が交錯します。

 なにが言いたいのかは一瞬でご理解いただいた模様です。というよりもしこれでわからないようなら当事務所のお客さまとしてはあきらかに不適格、依頼に応じたこっちがむしろ見識を問われねばいけません。で、お客さまが裁判官に言ったのは

 あ、(和解提案は)検討して書面で提出します…

 裁判官軽く苦笑いして

じゃ、そういうことでね

 と半分こっちを見ながら続けます。あはは、見ないふりしなきゃ(笑)

 このへんの法廷内各構成員の口調や表情は、素人のお客さまにはなかなか見えないものがあり、その割に重要でして、僕はこれが見たくて傍聴要否の提案をするのです。さすがに無料で実施するわけにはいかないので交通費+2000円程度を請求しているのですが、それとて東京まで行っても交通費は1万円弱ですから、気持ちよく払ってもらえると長期では(訴訟遂行に役立って)とってもお得なので…よろしくお願いしますよ、お客さま。

2020.12.01修正

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