敵をあざむくにはまず味方から、というわけではありませんが、僕もいろんな人と駆け引きしたり、時には手玉にとってみせることがあります。労働紛争のように、敵対者の存在を強く意識したほうがよい事案ばっかりやってますと、なおさらその必要性を痛感します。裁判官から傍聴人まで、みなさんそれぞれ法律だけではどうにもならない世界に生きていらっしゃる、ということは一度本人訴訟をやると、わかる人はわかります。
あ、もちろん僕は、味方であるお客さまをあざむくようなことは決してやってませんよ、と言ったら当ブログにコメントをつけている皆々様からまた、苛烈な突っ込みが放たれると思いますが…それはそのときにまた、対処しましょう。
さて、これからご披露しますのは、僕が普段事務所でやってるのにかなーり近いスタイルで行われたところの、ある種のはかりごとの一例でございます。普段は向こうに回す相手は、お馬鹿な社長とその代理人、たまーに裁判官、ですがお客さまに向けられることも。
まず、この駆け引きによって実現すべき大目的は既定です。このブログを使って、僕とお客さまが楽しむこと。
この大目的を実現するために通常実施している活動は、なにか楽しめるネタを探し適宜の手段で公開すること、です。
この活動のありかたをいくつか変化させて組み合わせることで、いろんなお客さまのいろんな反応を導き出し、一層楽しんでやろう、ということを考えておりましたら…
1月4日、あるお客さま(自称オトメ☆)からネタをもらいました。当ブログ12月31日付けの記事にコメントを下さった福岡の信徒さんのことを、彼女は●●だ、と思っていたとのこと。
この●●の内容で僕は爆笑したのですが…これは単にネタにしたらつまらんな、と考えます。
・・・ここで何の罪もない福岡の信徒さんに、ある種の引っかけを施しても楽しんでしまおう、というところにある種の(高度の倫理性を求められる法律専門職としての?)不健全さを持っているのがこの事務所の特徴なんですがね。その辺はご理解いただいている(その程度で改宗はなさらない)ものと仮定して、作戦発動です。短期的な狙いとしては、1月4日づけの当ブログの記事で、あえて自称オトメ☆がなにを間違ったかを伏せ字にし、わざと1日ブログの更新をさぼって1月6日昼の、福岡の信徒さんのコメントを誘います。
コメントが投稿されたのはリアルタイムで把握しており、その内容は概ね期待通り(もちろん福岡の信徒さんは、決して怪しい方ではないことは請け合います)…というか、期待以上の内容であることを確認して、本件事案のおおもとをつくった自称オトメ☆に適当なコメントを入れてくれるようにメールで要請をかけます。
この時点で僕と自称オトメ☆の通謀を疑うむきもあるでしょうが、それはありません。楽しいからやってみたら、と水を向けただけ。こちらのコメントもなかなかイカした内容で僕はまた爆笑なのですが…そこは海千山千にして百戦錬磨の自称カヨワキオトメ。こっちの期待以上のネタをばらまきだしました!
彼女のコメントによれば
>先生のことも、私、最初は●●と思っておりました。
え゛-っ!?
って感じです。この陳述の真意については釈明を求める必要がありますが、つまりこれってウェブサイトの記述とかからそうおもってた、ということなんでしょうか?ここに至ってワタクシ、少々対応に窮します。策士策に溺れかける、と言ったところでしょうか。
ですがまぁ、頃合いでしょう。僕は十分に笑わせてもらったので、そろそろネタバラしをしておかないと、福岡の信徒さんに悪い気がします。
ではお待たせしました。1月4日付当ブログ『御用始めいろいろ』後半の業務連絡中で申し上げました、『彼女は福岡の信徒さんのことを●●だと思っていたんだそうですよ。』の●●ですが、
女性
です。これで漢字二文字。
しかも自称オトメ☆さんの語るところによれば、『自分より年下の女性』ということでした。
さて一体なにをどうやったら男女の性別を読み違えるのかは、あえて聞きますまい。自称旅行書士にも武士の情けがあるように、自称オトメ☆さんにも乙女の恥じらいはあるでしょうからね。ただ双方のお客さまの、それぞれ魅力的な人となりを知っている僕は一人で笑い転げつつ、頭の片隅でもっと楽しむ方法をさがして実行にうつしたことは確かです。
でもねぇ。まさか
>「乙女」 (これは、絶対違う)
ってコメントしてくれるとは思いませんでしたよ。これはまさにストライクでした。というより鴨が葱を背負ってくる、あるいは飛んで火に入る夏の虫、という感じでしょうね。これまで、誰かにあるタイミングでコメントを入れてと頼んだことはなかったのですが、もう即決でこれに続くコメントの投稿を頼みましたよ。
さてさてこの3日間、僕だけが思いっきり楽しんでしまいました…福岡の信徒さん、ごめんなさい。ただ上記のコメントは、自称オトメ☆さんにはかなりウケたようです。
ところで自称オトメ☆さんのコメント中、
>先生によるコメントによると初めてお会いした時に思わず素通りしたくなったそうですが…(泣)
との記述には事実関係に関する誤りがあります。
正確には、この素敵なお客さまと某市役所ではじめて待ち合わせをしたさいに、一回視野にいれておきながら実際に素通りし、ロビーをぐるっと回ってからおもむろに何もなかったような顔で『自称オトメ☆さんですか?』とか何とか話しかけた、ので、素通りしたくなった、というのは正しくありません。
ただし、この素敵なお客さまがいつのまにやら新進気鋭の旅行書士(自称)をいいように使える(ハイ!使われてますっ!)妙な地位を依頼後1ヶ月も経たないうちに手にされたことを考えますと、あるいは実際素通りしてたらもっと楽だったよな去年、とか考えてみたり。
あいみての のちのこころにくらぶれば むかしはものを おもわざりけり
って感じですかねぇ。なおこのお客さまの名誉のために申し上げるならば、オトメであるかどうかはさておいて、とても素敵なオトナの女性ですよ(遠い目 なんか冷や汗が出てきた…)
さてさて今回はたまたまあまりにもうまく行きすぎ、かつ目的が卑小なことでありすぎてかえってわかりにくかった面もあるのですが、民事の紛争において『紛争初動から専門家が関与して、(多少の不健全さを自覚しつつも)法律以外の要素も読み込んで解決への道筋を立案し、実行する』ことの重要性、を本件事案を通じて僕は皆さんにお伝えしたかったのですよ
→ウソだっ!
って画面の前で叫んだお客さま方? で・も・ね?
実際僕のそうした面、それが敵対側にむけられるとどうなるか、って何人かの方々は、既に目にしておいでのはずです。本件につき、あるいは『2万円』さんあたりはそれなりのご見解をお持ちだとは思いますが…コメント歓迎しますよ~
ただ、なんでもかんでも法律で割り切ろうなんて考えているようじゃ、逆にお話にならないし(ただ、法律ばっかりで『お話にならない』事務所が多いから旅行書士という商売が成り立つという考え方もできる)、公明正大な無能力者に頼んで正々堂々と負ける(泣き寝入りする)のと、ちょっと不健全あるいは怪しい自称○○書士に頼んで負けないあるいは予想外の勝ちを得るのとどっちがいいか、ってのもシビアな選択ではあると思います。労働紛争では内容証明しか書かない業者なんか使っても意味ない、と僕が言うのも、連中には紛争解決への一貫した戦略をたて、実行する能力が現行法上存在しないから、というのが最大の理由です。
書式をなぞるだけで勝てる労働紛争なんて、よーっぽど幸運な場合を除けば存在しないのです。相手の社長が狸なら、こちらは狐になって化かし合いをしないといけないし、それが不健全だというならどうぞ他へ行っておくれ、ってこと。
そのへんの機微が見えてるお客さまはたいへんありがたい方だと認識しており、今日ご相談に見えた方は自分の訴訟を起こされるまえに早くもそれを把握されていらっしゃるようで、提訴後が楽しみです。ただし、さまざまはかりごとを巡らしタイミングを探っているうちに提訴がどんどん遅れるのは…
それは仕様です。当事務所の(苦笑)
最近のコメント