打たれ弱い相談希望者
今月は、いささか妙な相談の希望者が3件ほどありました。『希望者』というのは、いずれも受託に至っていないから。すべて労働事案なのですが、共通するのが
やっちまった後
に、相談に来た、ということ。一人は内容証明、二人は訴状を、すでに勝手にだしちゃったあとで、です。
しかもこれがまた、そうした会社側へのアプローチの瞬間に、どいつもこいつもどうしようもなく致命的に間違ったことをやっており、勝負をしかけた瞬間に負けてる、という面々です。しかも共通して、ある意味
自分に酔ってる
なにかこう、戦いをはじめた高揚状態だからでしょうか、他のまともな相談機関の(正しいが不利な)意見には耳を貸さず、相談機関を転々として、労働事案専門とうたう当事務所にたどりついたようです。ですので連中、口だけは『すずきしんたろう事務所だけが頼りです』とか『支援していただきたい』とか言ってはくるものの…
あなたのやってることは、間違ってますが
と、言い渡したとたんに全員音信不通になる(笑)
これじゃあ文字通り、お話にもなりゃしません。まぁ今後彼らは順当に敗北への坂道を転がり落ちていく(一人はすでにそうなった)のですが、そりゃ文字通り自分が悪いとしか申し上げようがないのです。暴走するのもアナタなら、転覆するのもアナタなのよ、と。
ただ、ねぇ。
相応のお金と時間はかかるしなによりプライドが傷つく(笑)んだけれども、手を入れて立て直すことは絶対不可能ではない事案が、上記のうち2件ありました。一人でふらふらしているだけならどうにもならないだろうけど、だからと言って絶対駄目というものでもない。
そう言った、他人からきつく指導されたりある程度辛辣に言われて『ついてこれる』人でないと、労働事案での本人訴訟には適さない面が多々あります。なにしろ敵には、レベルはともかくとして職業代理人がついてくるのだから。どうも今回依頼にいたらなかった三名様をはじめ、自分に都合の悪い現実を見たくない相談希望者が増えてきている気がします。もちろんそうでないお客さまもたくさんおいでなので、こっちとしては早期に一種のふるい分けを行ってそうした方に労力を集中多投せざるを得ません。現時点でおつきあいのある方々は、みなさんそれをパスされたので結構なのですが(笑)
今月は労働事案にしろ不動産登記にしろ、問い合わせを受けて断った件数のほうが請けた件数より多いです。特に今月、労働事案での新規の裁判書類作成依頼は皆無です。これは久しぶりのこと。
まぁ、すでにご依頼ずみの方からみれば、これ以上多忙になられるのもある意味困るので、その意味では明るい話題、なのかもしれません。
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打たれ強い依頼者、2万円です。
私も、労働訴訟で生き残った精鋭です。
やはり、行動をするときは、労働訴訟計画が完全に出来上がってからでないとねー。暴走してから何とかしてくれというのは困りものですな。行動前の事前相談が、効果大です。
ところでー、鈴木先生私の書類はどうなりましたか?
業務連絡なので、メールで回答願います。
投稿: 2万円 | 2006年11月27日 (月) 23時38分