追加予納、580円。
訴訟より調停使ってくれよ、という法政策上のご配慮ではないはずですが、名古屋簡易裁判所の民事受付はドアを開けてすぐのところに『民事調停』の受付窓口が割り当てられています…僕も調停窓口には初めて行きました(笑)
今月ラスト1件の提出予定裁判書類である、その民事調停申立書。申立書正本・副本と証拠書類をカウンターにおいて、僕はおもむろに訪ねます。
これの予納郵券、って、規定通り(730円)でいいんですかねぇ?
担当官氏、苦笑いしながら書類をはかりの上にのせて、苦笑いを維持しながらおっしゃいます。
うーん 680グラムありますよねこれ(失笑)
ほかの机のシマの中で…作業に余裕がある人でしょうか、何人かが思わず振り向きます。一人は楽しげな顔して寄ってきました。
ま、労働事案なんでちょっと労働時間の集計が云々、と適当に言い訳しながら担当官氏と頭を抱えます。
民事調停を申し立てる時に、申立書と一緒に裁判所にだす切手=予納郵便切手は、名古屋簡易裁判所においては、通常は合計730円。しかし僕の持ち込んだ書類は、相手方会社に送られる一式の重さが『680グラム』。送達一回やったら切手使い果たしますよねー、などと脳天気に言ってみます。少なくとも730円だけではねぇ、と担当官氏。
机に戻って、執務提要でしたでしょうか。黒い表紙の内部資料をパラパラとめくって、
えーとこれ、680グラムですから…500グラムを超えて1キログラムの間ですよねぇ
また、他の机で作業している人たちが振り向きます。僕も苦笑い全開です。担当官氏の決定は
じゃあこれ、580円ぶんの切手を追加予納してもらうってことでお願いします。
ですとさ。追加予納と言う言葉を、初めて聞きました。なるほどなるほど。
要はあんまり重たい書類群を出してしまうと、それ自体送付に切手代がかさみます。よって裁判所のウェブサイトに出してある標準の予納郵券額のほかに、担当官の判断で切手を追加で納めてもらいます、とのことのようで。
では何をやったらそんなに重たいブツができあがるのか、といいますと、申立書本紙A4判12ページ+別表30枚、別表のうち28枚はA3判なので全部でA4判70枚相当、さらに証拠書類は(文字が小さすぎて縮小を不可としたため)A3判30枚+A4判7枚、つまりこっちはA4判67枚相当、合計でA4判PPC用紙換算137枚相当の書類をつくったらこうなってしまった、というわけ。割増賃金請求のために、勤怠入力を精密におこなう大規模な労働事案では、よくあることです。これまでは訴訟にしていたから気づかなかっただけのようで。
でも?
今日は丁度、花の都の某簡裁で一つ調停期日があったのですが、そちらのお客さまからは楽しい報告しか入っておりません。そっちにも結構分厚い書類の束を送りつけた記憶があるのですが、あっちの簡裁の担当者さまはそんなこと言わなかったんですかね?
それともう一点、そのお客さまにご連絡です。
すくなくともこっちの簡裁には、申立書に片っ端から捨て印押させるようなことはしておりません。それはたぶん、そっちの簡裁のローカルルールです。最後に、Mファンドの裁判の傍聴券、入手できなかったのは残念でしたね(笑)
さ、今日の1件の提出で、作業がおくれてお客さまにご迷惑をおかけしていた事案の書類を全部完成できました。今日はひさしぶりにゆっくり寝て、明日は古い悪い親友と久しぶりに楽しいお酒をいただくことにします。
なお12月は、労働事案において新しい依頼受付の制限を実施するかもしれません。
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