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もえ る弁論準備期日

 大きな声で言っていいのか悪いのかがいまいち見えないのですが、ある割増賃金支払い請求訴訟(地方裁判所の本人訴訟)で、弁論準備期日に僕を『事実上、同席』という扱いでお客様の隣に座ってOK、という扱いをうけている案件が一つあります。

 口頭弁論は、普通の人が想像できる『裁判』にかなり近い手続き、と了解すればよいでしょう。誰でも傍聴できます。これに対して弁論準備期日は、どうも民事訴訟法の条文と違った運用がされているようで、たとえば名古屋地裁は弁論準備期日の傍聴は不可とのこと(ケッ)

 さて、このブログの読者にごく少数おいでの、司法書士の受験生の方、民事訴訟法をあたってみましょう。事実上、同席、だそうです。

 そんな規定はなーい! テメー何者だ! というのが正解ですね。実はぼくにもわかりません(って無責任な)

 僕としては期日のつど裁判所に『弁論準備期日の傍聴をさせてください。原告と傍聴希望者との関係は、依頼人と裁判書類作成担当者の司法書士です』という趣旨の上申書をあげているのですが、裁判官のほうからこの『事実上の同席』という言葉をつかっていつの間にやらラウンドテーブル法廷(この裁判所には準備手続き専用の部屋がないので、円卓の法廷をつかいます)に招き入れられ、原告に耳打ちしてもよければ裁判官から直接なにか聞かれることもある、そんな妙な立場に収まってしまっています。もう2回目です。

 ま、裁判官がいいならいいや、と思えるのですが・・・この裁判官最大の魅力は、そんなチンケな便宜供与にはありません(断言)

 とにかくキレイなんです。めちゃくちゃ素敵です。

 和解に向けての説得のしかたが!

 すでに被告側から、和解希望が出ている(譲歩するとも言っている)のですが、いろんなカラミがあって決断するわけには行かない原告=僕のお客さん、に対する説得の仕方が本当に誠実で丁寧で真っ当なんです。単に、しごとが速く終わるから和解させて落としたい、というのではなくて、脇で聞いてる僕が勝手に感激するくらいです。あんな裁判官にお目にかかったのは、5年ぶり2度目です。

 ちなみに1度目は、僕が自分自身の労働訴訟を初めて起こしたときの、地方裁判所の裁判官。ある意味で、この事務所がこの姿で存在することにもっとも影響した(いい意味で)人物の一人ですが、『おはようのない事務所で』に出てくる人ではありません。

 ま、比べるわけじゃないんですが先々月某簡裁で僕のお客さんに『地方裁判所で裁判やったら(解決までに)5年はかかる』だの『地方裁判所では弁護士つけないと訴訟できない』だのと馬鹿なこと言ってシロウトを脅しやがった裁判官とはそれこそ、雲泥の差です。

 今回の期日でも、電話ですませる被告側とのやりとりは10分ちょっとで終わって、あとはひたすら原告の説得に費やして30分間。日の西に傾きかけた、3人きりのラウンドテーブルで懇々と話し続ける裁判官の姿は、たとえるなら昭和時代の学園ドラマに出てくる音楽の先生のような役どころ、でしょうか。こっちは硬派で不良な高校生withその保護者、って感じです(苦笑)

 この人の説得のすばらしさはとうてい描写できないのですが、とにかく脅しやごまかしや立場の差を一切使わないのが最大の特徴です。

 なんというか『萌え』を感じました。どこか間違ってる気もしますが。

 僕が何年後かにあの裁判官とおなじくらいの歳になって、ああした綺麗な説得ができるようになれるのか・・・あまりの技量の差を見せつけられて、いまの僕はただ萌える憧れるしかない、というのが正直なところ。こういう有能で誠実な裁判官がもう少し増えてくれたらなあ、と妄想せずにはいられません。(ついでに言えば、この裁判で敵にまわってる被告代理人みたいな奴も、もっと増えてもらってかまいません。べつにいてもいなくても構わないんで)

 そんなこんなである意味妙な方向に白熱しつつある弁論準備期日なのですが、まずは自分がリアルタイムにこの裁判官の、じゃなくて原告のそばにいられることを喜びましょう。遠い将来において、司法書士がもし地方裁判所における補佐人になれる日が来たなら、またこんな経験をさせてもらえるのかもしれません。

 確かに裁判官にもいいのとわるいのがいるのですが、少なくとも『いい方に』あたった人は、この国の裁判制度がハタで見てるほど無機的で不人情なものでもないことを、ちゃんと信じてくれると思うのです。そのヘンが本人訴訟の醍醐味ですよ。もし『わるい・あるいは、妙な』のに当たった場合には…それをなんとかしてみせるのが僕の仕事になる、というだけのこと。

 ところで。この裁判官、名字を「た○○○」さんとおっしゃるのですが、期日終了後の打ち合わせ時に

『た○ちゃん最高ですよね~まさに萌えですよ萌え~ きゅう~(←完全に意味不明)』

 と思わず口走ったらお客さまの目線が、焦点無限遠になっていた…ように見えたのは僕の気のせいでしょうか?

 それともその後に

『た○ちゃんみたいな補助者欲しいっすよね~ 萌え萌えだし説得力は完璧だし僕が遊んでる間に準備書面とか出来てそうだし~』

 とか口走った、からでしょうか?


 さて、先日のブログ『この顔に、ピンときたら…?』のコメントで、お客様に過分なお言葉を頂戴しておりますが、どんな分野にも上には上がいる、もんです。法的知識を生かしながら人の話を聞く、自分の考えを伝える、という分野にも、当然。その点で、この裁判官みたいな人を見るたびに自分ももっと真っ当な(笑 いまが真っ当かどうかはさておいて)代書人にならねばなぁ、と思わされます。

 しかしながら。このコメントをされたお客さま・・・?

『深夜まで泣いて先生を困らせてしまって本当にごめんなさい…。』

罠だっ! えん罪だっ!

 冗談はさておいて。楽しいのでよしとしましょう。ただ、例のヒントは簡単すぎと判断したので一文字だけ伏せ字を追加しました。あしからずご了承くださいませ。それに、相談時に遠慮する必要なんかないんですよ。僕の正体がなんなのか、もさておいて。これらはお客さんに勝手に考えてもらって、面談時にそれをネタに盛り上がるのがよいのです。

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