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引き分けた、って 言っていい?

 狂瀾怒涛の一週間が、ようやく終わりました。

 前回のブログで触れた緊急出張は、実は大阪へだったのですが、これを皮切りに、大阪出張が12日、13日の2回、もちろん新幹線など使わない(使えない)ので朝6時台に家を出て夜11~10時台に戻る、その行き帰りの車中&大阪地裁8階の、眺めのよい廊下で陳述書原稿作成、作成した陳述書は14日午前0時すぎに名古屋地裁へファクス送付、14日午前10時から始まる労働訴訟の当事者・証人尋問の傍聴へ、そのまま午後5時まで・・・と。

 苦労の甲斐あって、大阪で行った申立はつつがなく通過。

 さらに名古屋地裁での、時間外労働割増賃金請求訴訟は、請求額140万円弱に対して、60万円支払わせる形で和解にもちこむことができました。

 あれ?と思うかも知れません。自分の権利の実現を呑気に信じる素人さんなら、139万の請求に対して60万ぽっちなら負けじゃんか、とお思いかも。ただ、世にいう時間外手当の請求にも、いろいろあるじゃありませんか。今回の事案は

  • お客さま=原告は株式会社の『取締役』で、
  • しかも給料の半分はダミーの有限会社の『代表者である、取締役社長』としてもらっていて
  • 時間外労働した時間は実は全然特定できてなくて
  • 時間外に勤務した日も正確にいつかは決まっておらず
  • お客さんの都合で主張として出してはいけない事実を指定されたうえに
  • いつも通りのことながら、弁護士が敵について
  • その法律事務所には、そいつのほかに8人弁護士がいるとやらで(笑)
  • 当初提訴した名古屋簡易裁判所は、口頭弁論一つ開かずにサクッと道路向かいの裁判所=名古屋地方裁判所労働部に裁量移送した(爆)

 ま、そのような裁判でございましたが…

 さすがにこれだけ悪条件が並べば引き分けでも胸を張れると…言ってはいけませんでしょうか?今回の和解には秘密条項は着かなかったので、お客さまには

 いくらでもふれて回ってくれい

 とお願いしてあります。被告代理人は証人尋問しながら腰振ってたが何のつもりだとか、同じようなことを4回も5回も聞いてきてくどい、とか、尋問とは言いながらお前の意見入りまくりだろ、等々も含めて。正直言ってこの法律事務所、イソ弁とはいえこのレベルの弁護士おいておいたら評判落ちるんじゃないの?と、尋問態度を見ていて心配になりました。

 なんだったらその法律事務所のホームページみたいに『事件簿』として、『取締役兼子会社代表者取締役に時間外賃金支払い和解』とかって一記事設けてやろうかオイ、と思ってもみたりします。

 僕がこれまで出会ってきたなかでも強烈に気に入らない奴の三本の指に入るこの弁護士ですが、僕は聞かせてもらいましたよ。

 和解成立後、法廷から出てエレベーターの前で被告の社長に平然と

若干不本意な結果になりましたが…

って言ったのを。そりゃ人ごとみたいな総括でええね、って感じです。

 その不本意な結果、ってやつを作り出したのは、お前だよお前。って、言ってやれよ社長!アンタの弁護士にさ。と突っ込みかけたら楽しかったのでしょうが…

 せっかく○働弁護団なんぞに所属しておいでの弁護士サンが複数いらっしゃる事務所なんだから、もう少し地に足のついた訴訟活動ができたはずなのに、しかも上記のお言葉からすると、向こうは向こうで勝てるつもりでいたのか?どひえぇ!

 まぁいろんな(主として汚い)モノを見せてもらった今回の訴訟ですが、非常に勉強になったことが一つありました。

 実はこの日の原告当事者尋問、尋問事項を作らずに陳述書(全9ページ)だけだして、裁判官の職権に任せてみたのです。

 思惑としては、原告(本人)被告(代理人)とも、相手に積極的に反対尋問できるだけの技量がない=あらかじめ打ち合わせたことだけ言わせるなら陳述書出すだけでOKとみた、のと、どうせ和解までのお膳立ての要素が強いと考えたこと、それらに立って

 いちどは裁判官が全面的にイニシアチブをとって僕のお客さんを尋問するのが見たい

 という、僕の身勝手な都合です。これを安心してできる訴訟がいままで無かったのでね。

 いやあ、僕が裁判官だったら、あるいは原告代理人弁護士だったら、これを聞こうあれを聞こうといくつか考えて行ったのですが…ズバリ重なったのは3割程度。この45分は宝石の45分になりました。(ちなみに被告代理人による尋問約150分は文句なし、ガラクタの150分でしたが)

 ともあれ、唯一残っていた昨年から持ち越しの事案もなんとか引き分けた(ここだけの話、これだけは負けるかも、と思ったこともあった)し、特急事案への対応はひとまず終わったし、久しぶりにエビスビールを一本つけて、気分のいい夜です。

 今日からまた、ブログの更新を再開します。


 最後に、今だから言えることをもう一つ。

 最初のこの事案のお客さまが相談にいらっしゃった時には、有給休暇と賃金切り下げを直接のきっかけとするモノでして…

 その金額って、この139万の請求に対してせいぜい20万円程度だったんだけど…?

 そこへ週40時間制への抵触+休日労働を理由として120万円ほど余計に請求をくっつけたのはなにを隠そうこのワタクシです。

 つまり。もしこの社長が気持ちよく20万円余計に、労働者に払っていたら…?

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