午前1時の素敵な天罰
知らない真夜中の町で、道に迷いました。予定変更にともない急遽手配した宿泊施設に、ぜんぜん尋ね当たりません。ただいま時刻は、午前1時。
---なんでそうなったのか、という話です。---
そのお客さまは、金銭面で評価すると全然折り合わない依頼をもってやってきました。事案はもちろん給料未払いです。義侠心全開で受けた最初の依頼から紆余曲折を経て2ヶ月余、ようやくそのお客さまへの手続きは完了、200万円弱の債権全額の回収を終えました。今日はその、最後の届け出の日です。
出張先のその町で、一緒に呑み始めたのが午後5時。もともとこのお客さまとは、もっとこの人のお話を聞きたいな、と思っていたこともあって、時間はあっという間に過ぎ去ります。気がつけば午後10時23分。今から駅に行ったって、午後10時30分発の帰りの列車には間に合いません。
昨年もあったのですが、こうした場合あっさりと開き直って呑みなおしに入ります。というよりこの延長時間、というのはお金で買えるものではない、と数少ない経験上知ってますので、実は意図的に時計のチェックを怠ってもいたり(笑 ごめんなさい)さらに楽しくも有意義な時間と話題はながれて、午前0時30分。
一つの依頼の終了と、一人のお客さまとのお別れの時間です。少しだけ、残念ながら。もう日付が変わった町で帰りのホテルの方向だけ教えてもらって、お客さまはタクシーで自宅へ。僕はまぁ、当事務所では年に一度程度しかない(他の事務所と比べてどうかは、さておいて)素敵な時間の余韻を楽しみながらてくてく歩いて、所要5分でホテル着、のはずが・・・
ありません(大汗)
さてはだまされたのかその客さまに、と思わず根拠のない疑いをかけてみる(←えん罪だっ)午前0時50分。思わず頭を抱えます。とりあえず、そのお客さまから教えてもらった経路情報を全部忘れたことにして、自力で探索再開。妙に疲れた体をひきずって別のホテルにチェックインできたのは、さらにその二十数分後でした。
思えばこのお客さま、最初にお会いした時もそうだったのですが、本来進むべき方角から90度ずれた方角へのディレクションができる特殊技能をお持ちです。これで依頼の最初と最後に、それぞれ痛撃をくらったことになりました。
やれやれ、少々羽目を外した僕に、きっちりと天罰は下った、ということなのでしょうか。男性でも女性でも、人としてもっとお話が聞きたいお客さまと出会える、ということはそれ自体すばらしいことなのですが、利用予定の交通機関を見送ったときの対処に少々円滑さを欠くのが課題です。思えば前回は11ヶ月前、東京で同様に『やらかして』翌日の予定を軒並み破綻させてしまいましたし。
とはいえ今後も同様に、あるときにはなかば希望して、交通機関を見送って(請求できない支出が発生して)もその人の話が聞きたい、という行動をとるだろう、と思います。
そのお客さまは、金銭面で評価すると全然折り合わない依頼をもってやってきました。
ですがそのお客さまは、金銭への換算は到底できない素敵な時間を、少しだけ僕にわけてくれました。・・・そういう理解でよいようです。帰りの特急の車内で、いつも聞いているはずの辛島美登里『春は旅立ち』がいつもより、心に沁みました。
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