それはマズイよ、○○士さん!
社労士と司法書士兼業で専門分野は給料未払いの解決、などという妙な事務所を経営しておりますと、たまに妙な依頼がきます。
4ヶ月前に最初の一件が来たときには思わずぶっ倒れそうになった『ある依頼』があったのですが、その衝撃もさめやらぬうちにそっくり同じようなのがやって来て、最近さらにショックを受けています。
それは、
割増賃金支払い請求の訴訟で、原告側に訴訟代理人○○士がついて、口頭弁論期日を複数回経たにもかかわらず賃金計算がめちゃくちゃでお話にならない事案
です。「こんなお馬鹿な計算表を作ったのは誰だよ(それで訴訟が維持できると思ってるのか)」と、思わず怒気をはらんでお客さまに問いただすと
「表はわたしが、自分で作りました。○○士のセンセイはそれをそのまま使って訴状にくっつけました」だと。
待てーい!
つまり○○士サン達、素人さんの計算をサクッと訴状にくっつけて提訴しちゃう、ってこと?
それともチェックはするけど間違いを発見するだけの能力がございません、とでも?
聞けばどちらのセンセイも、複数の○○士と事務員からなるそれなりの規模のローファームの、しかも比較的お若い方。自分の体力や事務所の処理能力からして、細かい作業が出来ない状況にあるとも考えられません。でもその計算の品質を問うたなら、仮に当事務所の事務員がやったなら即時解雇を決意するに十分な品質、全然だめ、です。
一体、なぜこんなことに?わかりませんがとにかく、名古屋市内でたった4ヶ月の内に2件もでてきた、ってことは他にも・・・と考えてしまいます。
しょうがないのでこちらでは、1時間数千円取って賃金計算だけちゃんとやってあげる(これなら一応、社労士法上可能な『労務管理に関する相談』なので)のですが、受託のたびに暗澹たる思いがします。どちらも請求額ベースでは数百万以上の事案だ、ということは連中なら、着手金もそれなりにふんだくっているはず。なのに訴状中一番重要な部分を素人の、しかも依頼人に丸投げとは何事であるか、と僕は思うのですが、まさかまさか名古屋市内における法的サービスの品質としてはそっちが標準、なんてことは・・・ないですよね?ね?(冷や汗)
そんなヘタレな事務所のウェブサイトでも、見ればいかにもよさげなセールストークが並んでいて思わず溜め息がでてしまいます。いや玉石混淆とはよく言ったもの(当事務所が玉か石かの判定は、お客さまにお任せしますが)。
いま僕のところで裁判書類作成を巡って渋滞が発生している理由は、延べ人数6人の労働者について79ヶ月分の労働時間入力と賃金計算と計算表作成を一人でやらなければならないから、なんですが、逆にこの工程を端折ると訴訟終了までの全作業の半分はやらんでよし、というだけのウェイトなんです。一体彼らは、どんな執務姿勢で弁護活動にあたっているのやら。
ともあれ。この事務所にはそうした『おすすめできない○○事務所&○○士』と言ったような情報も、これから追っつけ集まってくるのかもしれません。直接面談にいらっしゃる方には、こそっとお教えしますよ。
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