春の便りは、とよのくにから!
とよのくに簡易裁判所は、当事務所から青春18きっぷで普通列車を9回乗り継いで約14時間、そこから夜行の船にのって早朝に着く、そんな町にあります。
僕がその裁判所まで行ったのは、もう一ヶ月以上まえのこと。裁判官殿も書記官氏も、なんやら珍しいモノを見る目で傍聴席に陣取った僕を見てました。たぶん、名古屋からとよのくに簡裁まで傍聴に出てきた司法書士、なんてのは空前絶後なんだと思います。もちろん、僕が訴状を作って事件がはじまった労働訴訟の第一回期日の傍聴です。
いや、正確には第一回、でさえありません。この訴訟についた東京の被告側弁護士が、この訴えをとよのくに簡裁から1000キロも離れた東京簡易裁判所(被告会社の本社は東京なので)へ移送しろと申し立ててきたからです。これをうけて、事実上の意見聴取の場として開かれた法廷。その移送申立を裁判官がどう受け止めているか見極めるのが、とよのくに簡裁に出向いた理由です。
さてこの場では、裁判官殿の態度として『原告側がどういう意見をだすのかともかく、移送に反対したいならとりあえず意見書をだしてみてください』と言った感じ。正直ちょっと冷たい感じかな?とも思いましたが、ともかく原告側司法書士である僕は、全十数ページからなる意見書で移送反対の論陣を張りました。この提出が1月末。
途中ちょっと人に言えない(裁判所の態度がこっちよりになってくることが感じられました…同業者さんならわかりますかしら?言えませんよねこれは)展開もはさみつつ、今日お客さま方から『決定書』が届きました。曰く、
主文
1 (被告の)本件移送申立を却下する
と。
この決定書も十ページ超のもの。中身は言えないのですが、裁判所はこっちの期待に150%こたえる判断をみせてくれました。今後の流れを確認のために書記官氏に電話した最後に、『(原告さんも司法書士も)二人ともめちゃくちゃ喜んでる、って裁判官に伝えといてくださいよ♪』と思わず申し添えたものです。
まだ敵の弁護士にはこの決定に抗告して争う道は残っています。ですが訴訟の冒頭で、この決して態度がいいとは言えない被告会社&代理人弁護士に対して僕のお客さまが貴重な一勝を奪ったことも確かです。それと同時に、当事務所今年初の対弁護士勝利事案、でもあります。
嬉しいですよ。そりゃもう!
※『とよのくに簡易裁判所』は、この名前では実在しません。それ以外は実際にあったお話です。素人いじめみたいな移送申立をぶつけてくる弁護士もいれば、ありもしない懲戒処分で退職金を踏み倒す会社もあり、でも、それに抗して戦う本人訴訟の原告もそれをサポートする代書やさんもいる、ということです。
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