内容証明。それは戻れない一手なのです
さて、この旅行書士すずきしんたろう事務所の仕事は『旅行』ではなく(当然です)、社会保険労務士および司法書士として労働者側の本人訴訟を支援することです。
ですが実際にそこまで行く依頼、というのは月に1件弱、というところ。当然ながら、ひとつひとつの事案を割と余裕をもって担当できます。
9月に1件、10月にも1件はじまった給料未払い事案がありますが、今月は2件同時に作業中です。ひとつは関東。ひとつは九州。当然ながらどちらも、前もってお客様と現地で面談済(笑 ここは旅行書士の事務所なので)。
さて作業が先行する1件について、今日『最初の一手』を放つよう指示をだしました。詳しくは言えませんが、内容証明郵便をつかって会社側にあることをしてみるように文案を作ったのです。
いつもながらしみじみ思いますが、
さ、もうこれで、元には戻れないのよ
と。一種粛然とさせられるものがあります。いわば戦争をはじめなさいと指示をだしたわけですからね。心情として嬉しいものではありません。
正直言って、訴訟をおこしたから相手が自発的に支払ってきた、なんて事案みたことありません。
今年にはいって、賃金支払い請求で6件の事案を裁判所に持っていきましたが、全部弁護士が敵に回りました。そうしたかなり不幸な経験もふまえてお客様にも説明していますが、今回もしばらくは法廷で殴り合わないと落としどころはみえてこないでしょう。
それでも今回の事案のように、紛争の初動から相談を開始できる場合はまだよいのです。
以前あつかった事案では、よその○○書士が妙な内容証明を作って出したために、提訴後敵の弁護士から答弁書でつっこまれかけたことがありましたから。世の中にどれだけの代行業者が『実際に法的措置にうつったあとのことを考えて、内容証明の文案を起案しているか』考えるとそれだけで背筋が寒くなります。
しばらくのあいだ旅行にでる予定はないので、これから少し労働紛争と本人訴訟の分野にしぼって記事を書いていこうと思います。先行する2日ぶんの記事をみるかぎり、私が社会保険労務士で司法書士だといっても信じてもらえない気がしますので。
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