カテゴリー「この本をおすすめします」の記事

東京出張の日程が決まりました

先週の、新しい登記のお問い合わせは3件。うち1件が相談に、1件がご依頼に結びつきそうです。

先月起きたウェブサイトへのアクセス減と売上減から予見された、当事務所にだけやってくる冷夏をどうやら回避できる(少なくとも、不作にはなっても飢饉にはならない)めどがたち、この週末久しぶりに読んだ実務書。

目次で飛びつきました。

『面会を断りたいときの対応』という一項があります(笑)

…飛びついた、というだけで参考にして採用するとか気に入ったか座右の書にするというわけでは毛頭ありません(遠い目)

ここ数年、本書のような『昔なら修業先で身につけるはずだったことの文字情報化』をしてくれる本が業界内で増えました。

この本は実務家が参考にすることももちろんできますが、章によっては弁護士さんたちが自分の周りの世界=依頼人や裁判所をどうみているかを書いたものとして一般の人が読むと参考になるかもしれません。少々屈折した狙いではありますが、弁護士や司法書士ではない人でなんらか民事訴訟に関わる人にはおすすめできる一冊です。


お話し変わって、表題の件。

ウェブの仕事も一段落、というより一段落したことにして、今月も東京に出かけます。

日程は7月20・21日で決まりました。20日は現地で仕事があるため、対応余力はありません。出張相談は21日午前中~昼過ぎを中心に、都内から横浜あたりで調整できます。

料金は2時間5400円で変更ありません。ご興味のある方はお問い合わせください。

青春18きっぷの利用期間も始まることですし、東京以遠・甲信越からの出張相談もあったらいいな、と思っています。

今月の大阪への出張は日程を設定しませんが、ご希望があればその日について青春18きっぷ利用を前提に実施場所・時刻を決めるようにします。こちらのお問い合わせも、お待ちしています。

絶望なさってから、どうぞ

先日のこと。補助者さまにはずいぶん不満げなのです。

先ごろ読み始めたらしい、この本のせいです。先ごろ研究者に転身した元裁判官の手になるこの本、裁判官と裁判所の内情を赤裸々に綴っていて…一応は本人訴訟に取り組んでいる当事務所でそうした過程にある様々なお客さまとその書類を見ている補助者さまに、ほんの少しの共感と結構な絶望を与えたらしいのです。

で、彼女が不満なのは、この本に描き出される絶望の向こうになにか希望が見えないのか、と。

どうやら彼女は途中でこの本を読むのをやめて、この先も(本の内容が)絶望ばっかりなのか、とおっしゃるのです。

そうですよ。

もともと素人を絶望させる目的の本だしそういう題名だし、帯には「裁判所の門をくぐる者、すべての希望を捨てよ」って書いてあるでしょ。まさにその通りの内容で♪

と、申し上げたのは間違っていたでしょうか。僕は何年か前にこの方が書いた『民事訴訟の実務と制度の焦点』を読んでいたので、その本では(まだ、執筆当時は現職の裁判官だった立場上)抑制されていた部分が思い切りひっくり返されて飛び出したんだ、と思って読めたのです。

この著者がこれから研究者になってしばらく自由な身になったら、またなにかいい本を書くようになるかもしれないじゃありませんか、とここが場末の代書人事務所であることを棚上げした期待を述べてこの話を終えたのですが、さて。

この本自体は、裁判所というものになにか幻想をお持ちの一般の方におすすめできます。

労働紛争では、地裁で通常訴訟を選ばれる方には是非お読みください。裁判官はなぜあんなにも和解を勧めたがるのか、それがわかるだけでもだいぶ気が楽になるでしょう。

絶望されたばっかりで終わっても困るので、なんらか民事訴訟で裁判所を利用予定の一般の方にはもう一冊の本もおすすめします。

こちらは、資産運用に興味のある方なら一度はこの方の著書を手に取ったことがあるかもしれません。著者がたまたま関与することになった保険会社とのトラブルを、なぜか本人訴訟で解決しようと右往左往した(というより、裁判所に右往左往させられた、でしょうか)体験記として読むとよいでしょう。

『絶望の裁判所』で暗~く鬱々と描かれている司法官僚組織の階層構造や、和解偏重型訴訟進行といった問題点をタフな利用者から見るとこうなるんだな、と納得できるはずです。いずれも新書ですから、この二冊はセットでさっさと読んでしまうと重篤な絶望に陥らずに済むかもしれません。

もっとも、裁判だの裁判所だのというものにな~んの思い入れも期待もしない、ということになりそうでもありますが…そこはそれ、現にそこにあるのがそうしたものでしかない以上、それを使ってなんとかしましょうよ(遠い目)と申し上げるしかありません。なにしろここは、場末の代書人事務所です。

次に、同業者さま方。

そう。ごく少数いらっしゃる、司法書士やら社労士の資格をお持ちでこのブログをお読みの●●●なあなた。

裁判所なんてあんなもんだ、というのはもう一般の方々の知るところとなりつつあるわけですよ。

だってしょうがないじゃん、あんなものでも使うしか、というだけなら簡単ですが、それではいささかひねりがないわけですよ。

この本は、その実情の脇道にある可能性を何か示しているような気がするのです。

最初はカバーの著者の写真がずいぶん皺だらけだ、というだけで手に取るのをためらったのですが、この本をただのお年を召した弁護士さんの本と思って読むのを避けてはなりません。全7章のうち第6章までは和解に関する基礎知識として流し読みし、第7章を研究の対象にすべきです。

ここで筆者言うところの『付帯条件付き最終提案(仲裁または調停)』のエッセンスは

  1. 対立する両当事者に、最終的な提案をそれぞれ出させる
  2. 仲裁人は、その両案のどちらかを選択する

ここまでならアメリカでもやってるという最終提案仲裁だそうで。

たとえば不当解雇の無効を争う労働者と経営者が訴訟で行う(つまり、よくある身勝手な)提案なら

  • 労:解決金12ヶ月の支払いか復職希望
  • 経:解決金1ヶ月の支払い

こんな提案になって折り合いがつかない、ここまではよくあります。

  • これに、「労使双方の最終提案のうちどちらか一つを仲裁人が採用し、それを最終的な仲裁判断とする」というルールをくっつけるとどうなるでしょう。

両当事者があまり自分に都合のよい案を出してしまい、それが採用されず相手側の提案が採用された場合(例:上記で労働者側として提案をしたが、経営側の案が採用された場合)に、採用されなかった提案をした側に酷な結論が自動的に出てくるルールができあがったことになります。

上記の例なら、お互いに解決金1ヶ月だの12ヶ月だのという提案をしてみるのは勝手ですが、あまり受け入れがたい案を出すと自案不採用&敵対当事者案の採用、という報復を食らいます。提案段階では相手方がどういう案を出してくるかはわからないので、不利益をうける可能性だけがわかっている、ということになりましょう。

この結果双方が出す案は、お互いにとって大打撃にならないようになり…結果として歩み寄るのではないか、というのがこの最終提案仲裁のミソだそうです。

この本の著者は、ここからさらに一段ひねりました。

上記の設例で、自分が出した提案が敵対当事者の提案より条件が妥協的であった場合には、自案と敵対当事者案の中間値を取る、ということにするのです。

  • 労:解決金4ヶ月の支払い
  • 経:解決金6ヶ月の支払い

上記の提案の組み合わせでは、解決金5ヶ月を仲裁判断とする、と。

このルールの下では、遠慮は美徳になる、といいましょうか。これが著者いうところの付帯条件付き最終提案仲裁なのだそうです。

労働紛争で相手方が応じられる裁判外和解の条件をあれこれ考えて要求額のぎりぎりのところを提案した結果、相手方から降ってきた和解案より金額ベースで数%下回ってた!という経験を持つ僕にはこれ、かなり興味深い、というより共感できる考え方なのです。

著者が主張の付帯条件付き最終提案仲裁にはそうした、「相手の身になって真摯に応諾できる条件を考えて詰めていく」というモチベーションを発生させやすい特徴があるように思えました。これは研究すべきです。

そしてこれを、士業の民間ADRで導入できないもんかな、と思ってしまうのです。仮にそうしたことができるなら、件数重視で適当な和解に走りたがり平日昼間しかやってないどこかの役所(遠い目)とはまさに一線を画した裁判外(であることを長所とする)紛争解決機関ができるのかもしれません。

そうしたわけで、絶望してるヒマなさそうなんです。

裁断したくなるほど、いい本

今日の名古屋市は夕方から雨になりました。自転車で図書館から帰り、濡れ鼠になったのをお風呂に入って晩ご飯の支度を終えて…20時38分。21時に来所予定のお客さまから、電話がなりました。

すでに到着された、と。

炊飯器に突っ込んだしゃもじを見ながら、軽く絶句してみます(苦笑)

ともあれ今月4件目の民事法律扶助による無料法律相談も、労働紛争に関するものになりました。最近だんだん月末の(相談援助報酬の)お振り込みが楽しみになってきてしまっている自分がいます。来月も引き続いて、主として労働紛争(140万円以下の金銭請求を行う事案に限りますが)について無料の法律相談をお受けしていきたいと思っています。


さて、図書館で思わず手に取ったのは、この本です。

第一印象で思わず『おぉ、裁断してぇ…』と思った自分に笑ってしまったのですが、最近僕の心の中では本を3種類に分けています。

  1. 本として手元に保管しておく本
  2. 図書館にあればいい本
  3. 電子化して保管しておきたい本

その他の本は、まぁどうでもいい本です。今日おすすめしたい本は、電子化して持っていたい本なんですが…それを実現するには適当な古本屋さんでこれを買ってきて裁断機にかけてスキャナにくべてあげる必要があり、それを短絡的に『裁断したい』と考えたみたいです。

内容はおそらく、読者によって好き嫌いが激しくわかれます。医療保険加入の検討をし、結局加入しなかったという筆者が展開するのはひたすら確率論、ひたすら数字を並べて論じるのは『何かの病気になったり手術したり入院したりする、割合』です。拒否する人は感情で拒否するでしょうし、目からウロコが落ちたという人も出るでしょう。

ただ、特に頼るべき論拠あるいは思い込み(オレの家ってガンになる家系なんだよね…的な)がなければ、医療保険あるいは特約への加入に際して、世の人がある病気になったり死亡したりする可能性をひたすら数字で論じた本書を参考にしてみていいと思います。そのうえで、ご自分が三大疾病にかかったり早死にしたりする、という可能性を信じられるならその方向で保障を構築するもよし、統計結果から大きく離れない可能性を尊重して保障を構築する、あるいはしないもよし。ご家庭で『医療保険に関する事業仕分け』を行ってみたいなら、この本がその手がかりになりうると思います。データが少々古いのは残念ですが、これは勇気ある誰かが改訂第2版を出してくれるのに期待したいところですね。

で、この本を裁断して電子化していつでも見られるようにしておき、さしたる考えもなく保険に入っている人に見せたら…

ファイナンシャルプランナーとしては、好かれるか嫌われるか激しくわかれそうです。

『最後の』準備書面、執筆準備中

どうやら和解で終われない、そんな労働訴訟を担当しています。地裁で残業代の請求をするその訴訟は、すでに証拠調べが終わって和解のための期日を残すのみ、となりました。

期日の前に、これまでの主張立証を総括する書面を『出してもよい』ことになっています。新しい主張等はもう出すな、という指示も出ています。ここで僕の仕事は、証人尋問の結果を踏まえて敵の主張立証活動の何カ所かを弾劾すること、可能なかぎりこちらの主張の正当性を根拠づけてみせること、です。

つまり今回の準備書面、弁論終了後に出す最終準備書面になるものです。

そして、ここでの大問題。

こればかりは、まさにオリジナルであってひな形などない(笑)

もちろん、記載してほしいことがらはお客さまからデータになって来ているわけですが、これらをどう整序して準備書面のかたちに作るか、は僕の芸であるはずです。

そうしたこともあって、若干泥縄的ですが最終準備書面の執筆に向けていくつかの準備をしています。

先週は国会図書館で興味深い書籍を見つけ、後日郵送複写の手配を取ってきました。『反対尋問』というキーワードで検索をかけて出てきた、弁護士会の研修資料が書籍化されたもの。証人調書の調理法みたいなものが記載されており、なかなか使えそうです(って弁護士会の研修資料なんだからこれが使い物にならなかったら大変ですが)。

さらにこの出張の行き帰りで、このために買っておいた本をもう一度読み込んでいます。

あまりにもわかりやすいタイトルに惹かれて衝動的に買ってしまった…ということはありません。ない、と信じていたいです(苦笑)

著者がアメリカの弁護士ということだからでしょうか、『プレゼンテーションに用いる文書としてのわかりやすさ・説得力の向上』という関心の対象が裁判書類に向いている、そうした貴重な本です。ただ、記載の大部分は一般のビジネス文書にも応用可能なのかもしれません。手の届くところに本書を置いておくと、気合いを入れて書類を作りながらも自分に酔ってくだらない書類を作らずに済む、そうした境地に一歩だけ近づけそうな気がします。

もう一つの準備は、実は新しいデスクトップPCの導入です。

この訴訟に限らず、この事務所で扱うすべての案件について彼我の書類はすべてスキャンしてDocuWorksでOCRにかけて保存してあります。もちろん事件が終わるまでは紙媒体でもとっておいてあるのですが、結構な厚さの書類がやりとりされる地裁通常訴訟の書類精査ではキーワードで検索したら数秒でその文書が出てくる機動力は手放せなくなるのです。

そう。この機動力だけが…おそらく普通の訴訟代理人より明らかに優れている点であるはずです。

そうだ、と信じていたいです(苦笑)

この本をおすすめし…ようと思います

 普段は登記申請をやってるような同業者さんを想定したうえで、労働紛争の研修をやってみろ、というご依頼をうけています。

 そのために参考文献を提示しようと本を探し出したのですが、これがやっぱり難しいのです。世の労働紛争に関する書籍はだいたい、つぎの三通りに分かれます。

  1. すでに起きてしまった紛争の解決に役立つもの(主として労働者向け)
  2. これから起きうる紛争を予防しようとするもの(主として使用者向け)
  3. 具体的依頼類型ごとの実務的解説(主として専門家向け)

僕が欲しいのはこのいずれでもありません。『世の中ではどんな労働紛争が発生しているのか』の全般的な解説書であって政治性を帯びておらず、現に流通していてなるべく安価で購入できその辺の図書館でも所蔵しているようなやつがいいのですが…

 そんなものはない!ないんだ!!

と逆ギレしかけました(苦笑)自分で設定した条件に縛られる前に、どうにか、よさそうなものにたどり着きました。

 この二冊はいずれも新書ですし、所蔵している図書館も結構あります。図書館相互貸借をつかえば苦労せずに入手できるでしょう。もちろん上記のリンクから買ってくれればなおよろしいです(揉み手)

 内容は、この国の職場で何が起きているかを淡々と書いており凄みがある、という点で共通です。何をしなければならないか、というような提言が少なめなところも気に入りました。事実だけで訴えかけてもらえれば初学者には十分で、敏感な人ならやる気を出してくれるかもしれません。法律書というものではなく、まさにルポルタージュというべきこの二冊ですが、それでも『ある分野に関する法律の』研修の入り口での教材になり得ると考えています。

 6月に実施予定の研修に向けて、まず今月中に参考文献の推薦を終えると宣言しています。

 どうやら…間に合いそうです。

これは嬉しい、『改訂版』

先月おこなった北海道への出張は、いろいろな事情で(ま、要するに費用的制約で)行きは敦賀-苫小牧、帰りは苫小牧-名古屋でフェリーを利用しました。前者は所定19時間30分、後者は…時間で書くと39時間30分を船の中で過ごすことができる、ということになっています。

この時間をただ食って寝て海を見て過ごす、というのも素晴らしいのですが、ほどほどに仕事して本を読んで過ごす、という計画を立てました。

ここで問題になるのは持っていく本の量(ページ数)と荷物の量(重さ)です。7泊8日に及んだ北海道の旅ではありましたが、例によってかばん一個だけに携行品を抑えたいのです。そのかばんの大きさは『国内線持ち込み可能な手荷物の最大サイズ』とほぼおなじ。12月26日付けの記事の1枚目の写真で、停止位置目標(白い◇のなかに○が書いてある板)の近くに置いてあるかばんがそれです。

東京へ一泊二日程度の出張なら本二~四冊無理矢理突っ込んで行けばそれでよいのですが、今回はそうもいきません。

あれこれ悩んだ末に、行きは少々厚めの本を三冊持って出発、これとあわせて、出発前に苫小牧郵便局留めで別の本を三冊、レターパック350に入るものを選んで送っておくことにしました。行きで読んだ本は、仕事の資料と一緒にレターパック500で釧路から送り返しています。いっそ小包や宅急便を使おうか、とも思ったのですが愛知-北海道だと最少サイズでも結構な値段(1200円台)なのです。このお金が出せません(苦笑)

こうして選んだ6冊は全て借りたもの。今日おすすめする『ケーススタディ 労働審判(改訂版)』はウィンク愛知にある愛知総合労働支援フロアで借りてきたもので、昨年8月に出たばかりのものです。

当ブログ投稿時点(平成23年1月4日の夜)で中古が18069円からとなってるのは何かの間違いであるはずです!定価は3500円です(笑)

改訂版のもっとも顕著な改善点は、申立類型ごとに期日における代理人弁護士-裁判所のやりとりが『いかにも、ありそうな形で』詳細に書かれていることです。上手く使えば、本人訴訟で申立を援護する司法書士がお客さまに『労働審判とはどのように進むのか』を説明するのに有用かもしれません。こうした記載の充実について、類書があまりありません。

それにしても…本日時点でamazonへのリンクを貼ってみたのですが、

  • 表紙の写真は『No Image』だし
  • 中古の値段は定価の5倍強の数値をたたき出してるし
  • レビューは1件も掲載されてないし

なんだか必要以上に怪しさを強調しすぎです(汗)心ある方、どなたかこの本を買って、レビューの一つも投稿してやってください。願わくば、上記のリンクから買って。

いけませんか?

明日は一日お休みにします

 研修実施は今週土曜日。そろそろ研修ご担当の方のところに、レジュメを送信しないと肩身が狭くなってきます。8月15日完成予定にして研修の教材を作ってきたのが、ようやく今晩23時前に完成となりました。ブログの更新もしばらく休んで営々とキーボードを打鍵していたため、例によって右の二の腕のあたりが不気味に突っ張ってきています。

  • えーと添付資料がまず14件52ページ(って怒られないだろうなぁ…)

つぎにレジュメがテキストベースで48KB。適当に諸元を設定してページ数をみると、

  • 本文が24ページ(まずい!あきらかにまずい!)

インデントの幅を少し縮めて左右のマージンを短くとって12ポイントのフォントを10ポイントに縮小して(もし老眼のセンセイがお越しでしたら…ごめんなさい)、

  • これでなんとか19ページ。

もはやこれまで!

よく見ると、昨年8月実施の支部研修でのレジュメはテキストベースで33KB。ということは分量で1.5倍。でも実施予定時間は同じ!

結論。講義ペースを1.7倍にすればさらに余裕が

…などとやったら以後その支部では出入り禁止になりかねません。まぁ昨年の研修は年金関係、今回のは僕の本来のフィールドたる労働関係ですので年金研修よりアップテンポで走れるでしょうし、僕が所定時間内に自分で作ったレジュメでしゃべり切れる能力がないことはわかっているので前回と同じ作戦で乗り切るよう準備しています。詳細に解説している部分を時間調整用に何ブロックか作っておいて、時間がなければそこを一気に切り捨てていく作戦で。

 さてこの研修教材、のんべんだらりと教科書コピペ的解説をするものではなく、この分野の教科書や他の研修教材と並べてもそれなりに読める味付けにしたつもりです。こうなると別の色気が出てきます。

これ、コンテンツにならないかな?

 さいきん自分で入力した(つまり、著作権を持っている)文字情報をハードディスクに眠らせておくのが勿体ないと思えて仕方ありません。

とはいえ、あまりウェブサイトの増築にこだわるのもどうかと思えてきました。うすうす感づいてはいたのですが、iPhoneを自由自在に使いこなしてる人が僕より数段情報収集能力に優れる、というものではないようなのです。

そんなことも考えながら、図書館で手に取った一冊がこれ。

タイトルよりはよほど真っ当な中身(ただ、タイトル付けはそれ自体とても重要だ、という内容の実践ですね)の良書です。あまりウェブの世界に耽溺せず、やはりリアルな世界に軸足を置いていたほうがよいようです。今回の研修教材でも、やはり良質な情報はリアルな世界(紙媒体)から得られたわけですし。

さて、世間でのお盆休み期間をまるごと使って文字情報を増大させてしまいました。このコンテンツ転用は後日考えるとして、明日は一日完全休日にしてみます。

さしあたってはパソコンから遠ざかって、過ごしてみましょうか。

心理学者たちの足利事件

覚えていることを、覚えているように話す。それを信じる。

そのことがいかに危うい営みであるのか、を心理学の立場から明らかにしようとした本を、二冊ご紹介します。

職業柄、証言というものに興味があってさまざまな書籍を漁っていたところ、たまたま県立図書館でこの本に出会いました。証言に興味がある、というよりは『証言が、なぜ真実と異なって語られるのか』に興味があって参考書籍を探していたのです。

 左の本で衝撃的だったのは、人がその記憶を語るということはそれ自体、語られる人(それは同じ現象に関する記憶を共有している人であったり、敵対的な弁護士や取り調べ担当者だったりするわけですが)とのやりとりを通じて記憶を変容させてしまう可能性を秘めている、ということです。「ネットワークする記憶」という言葉で語られる、この記憶の危うさを、それ自体危ういというのは傲慢なのかもしれません。おそらく、記憶を語るということそれ自体に、話者の記憶を変質させてしまう可能性が、いつでも誰にでも存在するのでしょう。

依頼人に覚えてることを話させたら、依頼人の記憶が真実から乖離していく!?

これはある意味で、裁判事務に関わる全ての司法書士と弁護士にとって究極の恐怖なのかもしれません。

…分断のない過払い金返還請求だけやってりゃ関係ねーよ(冷笑)というのは冗談ではない気がします。むしろ依頼人からの事情聴取に時間を割いてまじめに仕事をする人ほど、熱心に自分の依頼人を誘導あるいは誤導してしまう危険性に向き合うことになりそうです。

 では逆に、話者と聴取者との関係ゆえにゆがめられた記憶を、その痕跡をたどって是正できるのか?それができなくても、せめて歪んだ箇所を特定できるのか?

 それに心理学者達が挑んだのが、左の本の第6章・右の本の第3章です(右の本は個々の事案に即していて、より分析的、あるいは実務書的です)。足利事件の被疑者であった「S氏」の供述調書の分析結果は控訴審の最終弁論に補充書として添付されたのですが、この時点では控訴棄却となりました。その後再審請求がなされている間にこの本が出版されたのです。そのことを意識して読むと、一層興味深いものがあります。

あるいはS氏の無罪が確定したことで、この本の著者たちはS氏本人から直接、研究の協力を得ることができるようになるのかもしれません。可能ならば、供述心理学の面からも研究が進んで冤罪が減少していくことを願いたいものです。

 この二つの本の分析対象はもっぱら刑事訴訟を念頭においているのですが、民事訴訟やそれに至る準備においても誰かの供述を鵜呑みにすることの危険性は、もちろん共通します。特に司法書士の場合にはこうした面の研修がほぼ皆無(相談技法の研修がようやく始まったばかりで、相談そのものが記憶をゆがめてしまう可能性という線までは全然考えない)なので、もう少しこの分野の読書を増やしたいですね。

ただ、同業者の皆さま?この本を読んでしまうと…
『誰かから話しを聞く』ことが、これまでより恐ろしく思えてくるかもしれません(苦笑)

いい本が入りました

 去る3月に、鶴舞にある労働図書資料室が閉館されたのを嘆いた記事を書きました。その資料室は労働関係の書籍を集積した、非常に珍しい専門図書館だったのです。

 この図書館亡きあと、仕事で使う資料は市立図書館や県立図書館、そうでなければ国会図書館で集めていたところ、鶴舞の市立図書館に労働・社会保険関係の書籍が徐々に増えてきているような気がします。今日見つけて思わず「オっ!」と声を上げたのは、この一冊。

今年の冬に出たばかりの新しい本です。傾向は、労働法の教科書というよりは裁判運営がどうなされるか、という切り口から多くの解説(請求原因・紛争類型別の要件事実や抗弁・訴訟運営の傾向など)と書式を載せている、文字通りの実務書です。このブログでもおすすめしている『労働事件審理ノート』の拡大強化版と言ってもいいかもしれません。内容としてはこちらのほうが充実しています(お値段もこちらのほうが高いですが)。両者の顕著な違いは、今日紹介する『労働関係訴訟』は労働災害と集団的労働関係で各一章を割いているのに対し、『労働事件審理ノート』にはこれが無いということ。

最初に本屋さんでこれを見つけたとき、思わず購入しかけたのですが、この手の続き物の書籍は図書館にどーんと導入されることがままあって…それを待っていたところなのです。予想より速く蔵書化されて助かりました。

これらの本はいずれも実務家むけの本ではあるのですが、本人で(専門家の助けを求めずに)地裁レベルの労働訴訟・労働審判を起こす人においても目を通しておいたほうがいいと思います。むしろ経験がないぶん、事前の準備として必読というべきかもしれません。裁判所という場で何が求められるのか、の何分の一かをこれらの本で知ることができる、これは良書です。ただし、書いてあることがよくわからない、という印象を持ってしまった場合、そこにはなにか危険が隠れている(予期せぬ反撃を喰らったり、無知から自滅したりする可能性がある!)と考えてもらったほうがよいでしょう。

…まぁ、愛知県内であれば鶴舞の図書館から何とか借り出せるし、それぞれの人が知りたい分野の記述はそう膨大ではないので、なんとか読み込めるとは思いますよ。

包囲網、狭まるか?

 今晩は久しぶりにテレビに見入りました。NHKの『クローズアップ現代』が過払い金ビジネスを扱うことになったのです。もちろん、控えめに言って懐疑的、はっきり言って批判的な観点から。

 昨年簡裁代理権を取って以来、債務整理は1件しか扱っておらず事実上この分野から撤退したためいたって気楽に眺めている過払いビジネス問題、これまでいくつかの雑誌から散発的に批判的記事がでてきたのがどこまで盛り上がるか注目していたところ、ついにここまで来たか、という気分ですね。

 この調子でお金ダイスキな同業者さん達への包囲網が狭まっていくのか、これはなかなか興味深い状況です。しかしながら番組中で最も印象に残ったのは、ヤミで過払い金返還請求をおこなっていた(訴状を作っていたらしい)元消費者金融従業員氏が

『40%の報酬を取っていた』

というくだり。

えーとちなみに当事務所では所定20%。第3準備書面まで書いて殴り合っても東京地裁に債権差押命令出しに行っても、やっぱり20%(呆然)

つまり、何も知らない人を相手にするならそのくらいのお金を払ってしまう人もいるんですね。もっとも、減額報酬10%+過払い金部分の回収について25%程度なら請求する(で、強制執行なんてしない)同業者さんは結構いるようですので、彼らの立場に立ってしまえばあながち暴利ともいえないような…と思ったりもします。

もっとも、過払いバブルの次は残業代バブルだと考える奴がいるようで、僕はそちらが気になります。昔からまじめにやってる奴がとばっちりを被る構図、というのは債務整理の世界でもあったわけで、もし残業代バブルが発生したときにこの事務所がどうなるかは結構難しいものがありますからね。

ただ、実際のバブルの発生よりバブルを煽って儲けようとする人間のほうが先に出てきているということはむしろバブル化に否定的な根拠の一つではあります。過払い金返還請求対策のセミナーが貸金業界で流行ったという話しは聞きませんし、反論も支払能力も記録の備置状況も千差万別な会社たちを相手にして類型的な処理ができるかと言ったらそうではないし。強いて可能になる条件を考えるならば、適当なイメージCMを打ちまくって本職が関与しない無料相談で顧客と案件と相手先企業をとってもシビアに選別し、ちょっとでも難しそうなら片っ端から法テラス、という(恥ずべき)やり方を大規模に実行できる、そしてたまーに気が向いたら地裁で労働審判なんかができる大規模法律事務所だけが残業代バブルの恩恵に浴するだろう、と考えます。

しかしこうしてみると、バブルに踊る人、バブルを煽る人、引っかかってお金を取られる人、どれにもならずに済ませるのはなかなかに難しい世の中であるようです。しょうがないから知力を高めて対応するしかない、ということで否応なしに勉強はしなければならないようですよ。病院職員さん、コメントありがとうございました…まぁFPの知識は労働者に対しても多重債務者に対しても、まじめに取り組もうとする場合はかなり有用なものになりうると考えています。別に資格マニアではないので必要な資格を狙って取りに行ってるだけですから受験勉強をする前にすでに知識があることも多く、実際のところ自分のモチベーションがなにゆえ維持されているのかは自分でもよくわかりません。

ただ、当事務所の補助者さまも僕に同じようなことを聞くんですよ…僕は対応に窮して困ってるんですが、彼女は病院職員さんのコメントに喜んでましたね(笑)

最後に、今晩のクローズアップ現代より深く厳しく緻密に過払いビジネスに切り込んだ本が昨年末に出ています。大きな本屋さんなら置いてあることが多いため、これは立ち読みでざっと目を通しておいて欲しいですね…過払い金の返還請求というものが、社会経済的には必ずしも結構なことではないのではないか、と考え込んでしまうものがあります。少なくとも、そうなってしまうかもしれない、という可能性の自覚が欲しい…とか思いながら。

よりによってといいましょうか、本日今年初の完済後の過払い金返還請求のご依頼を受けてしまったところです(爆)

2017年8月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック