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カテゴリー「お役所で聞きました」の記事

彼らの目は、節穴だ

今週は今日まで忙しくしておりました。昨日は午前中に労働紛争労働側、夕方に労働紛争経営側の相談、今日は午前中に大学生、午後に後期高齢者のお客さまの相談をそれぞれ終えて、明日は予定無し、といったところです。

さすがに前週末の3日間、電車に乗ってふらふらしてたら火曜日以降が忙しくなります(笑)

そんな中でも毎日裁判所に通っておりまして、今次の開廷表調査は予定4週間のうち2週間の調査を終えました。

どこかの高裁/地裁/簡裁に通って開廷表から労働訴訟を把握する、そんな調査に変事が発生したのは10日目になる、今日のことです。

この調査、今年から面倒くさくなりました。

調査が面倒になったのではありません。地裁本庁/高裁の庁舎に金属探知機と所持品X線検査が導入されまして、司法書士を含む一般人は庁舎に入構するときこれをうけるのが必須になったのです。

先ごろ東京地裁の構内で男性裁判官が女性の原告に襲撃されるという事件が起きたとおり、このチンケな所持品検査がなーんの抑止力にもならず純粋な金のムダであってせいぜい失業対策事業程度の存在価値しかないことは公知の事実であります。まぁそんな愚劣な検査がどこかの高裁/地裁庁舎にも導入されました、と。

そんなおままごとのような所持品検査に、このたびようやく引っかかったのです。

いつも持ち歩いている、財布が。

僕のお財布、財布というよりマネークリップの仲間です。二つ折りの構造でお札を留めておく長さ●cmほどの金属部品があり、これがカッターナイフと誤認されて荷物の確認を求められました、と。

そりゃ、そう言われりゃ協力してやるけどさ。

鞄の全く同じ位置に全く同じように入れてたその財布を従前9回連続でスルーしてたことについて、何かコメントがあれば記事化したいんだけど(失笑)

結論。僕は期せずして今回、開廷表調査のついでに裁判所に配置されているセキュリティを90%程度の可能性でくぐり抜けられる金属物の寸法を調査してしまったらしいのです。

ま、秩序の破壊にご興味がある人ならX線検査をくぐり抜けて持ち込み可能な刃物の最大刃渡りを僕に聞くよりペットボトルになにか気の利いた液体を詰めて(以下、自主規制)

ともあれ司法書士開業歴14年半、いままでで一番裁判所って役所が馬鹿に見えた、そんな記念すべき瞬間ではありました。


補足です。この税金を投入して行われる冗談、いえ安全検査に付き合わされる関係上、一般入構者でたまたま事務用品としてのカッターナイフなどを所持していると入構不可を通告される可能性があります。

検査場で一暴れしてお隣の新聞社にネタを提供してやろう/いっそ弁護士の資格をとって検査そのものをパスしてやろう/といった大志をお持ちの方には敬意を表します(推奨しません。どちらも)が、裁判所にご用があってお心当たりの品をお持ちでしたら近くにある県立図書館の無料コインロッカーにそうした危険物(笑)を待避させておくのがよいと思います。図書館は月曜日だけ休館です。

10月の数字(裁判所の数字を少し)

今週風邪になってよかった、と言ってみる。

来週、出張だから(苦笑)

ここ一週間ほど睡眠多め仕事少なめに過ごしておりました。いっそ敵側代理人に感染しますように、と邪念を込めて(←ウソ)残業代請求訴訟の準備書面を一つ送り出したのが月曜日、ようやく空咳もなくなってきたのは昨日、水曜日のことです。

相談室から見える東の丘が、いつの間にやら秋らしい色になってきました。

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さて、数字をとおして労働紛争をめぐる諸制度の実情をのぞいてみるお話、今日は裁判所のそれを見てみましょう。

データの出所は当事務所、つまり僕と補助者さまが例年この時期に調べている開廷表調査です。調査方針は別のブログの記事に書きました。簡単にいうと『名古屋の地裁・簡裁・高裁の開廷表から、労働関係訴訟とわかる事件名等を毎年一定期間ピックアップしてみた』というもの。

この生データが7年前から251件ありまして、表計算ソフトのデータベース機能をあれこれ使って件数を整理してみます。

そんな本記事で想定する読者は…かなり少ないはずです。具体的には

『裁判手続の利用を視野においた労働相談を行う方』(そんな読者いないって?)


では。まず件数の推移。直近3年では簡裁横ばい、地裁減少、のようです。

以下は10月の調査で発見できた件数ですが、平成27年だけ調査期間2週間、26・28年は1ヶ月です。27年の件数をおおざっぱに二倍していただければ傾向が見えるでしょうか。

_____簡裁  地裁

  • 26年 9件 24件
  • 27年 6件 11件 (調査期間2週間)
  • 28年 9件 16件

決して小さな裁判所ではない名古屋簡裁でも一ヶ月に労働関係訴訟が10件ない、ただこの傾向は変わってない、と認識しておけばよさそうです。地裁の減少は気になりますね。

事件名を読む限り、簡裁では特定の類型の事件が増えた・減ったということではないようです。

数年まえの士業向けコンサル業者のセミナーで見かけた残業代バブル(笑)はどこへ行ったでしょうか?

少なくとも残業代のみを請求しているとわかる事件名はここ3年で簡裁は0件、地裁は7件。件数の推移は

  • 26年 5件
  • 27年 1件(調査期間2週間)
  • 28年 1件

…残業代バブルは、無かったのです。少なくとも名古屋では。

ここ数年で生えてきた『残業代請求専門』の同業者事務所を僕がこのブログで笑いのネタとしてしか扱わないのは、連中が上記の通り事件数の傾向とは関係なく、単にまとまった請求が立ちそうな分野だけ切り出したいのが見え見えだから、です。まさに過払いのときとおなじ、ということで。


どんな事件が多く係属しているか、その関心は高いはずですが、地裁・高裁でその調査は困難です。

訴訟代理人が複数の請求をまとめたうえで事件名として一番主になりそうなものをつけてしまうため、事件名のみで集計したこの調査は『主な事件の類型』でしかありません。そう思ってください。

ここからは、過去7年分のデータを使います。

事件名からみる主な類型 簡裁(全56件)

  • 賃金または給料 45件
  • 解雇予告手当 7件
  • 残業代 2件

簡裁での労働事件は8割方が賃金請求だ、と考えればよいでしょう。

したがって、実務家としてはこの分野がわかれば簡裁労働事件は8割方対処できる、と
(↑会社側準備書面によくある詭弁です!)

賃金請求については、簡裁備え付けの定型訴状の事件名とおなじ『未払賃金』が31件あります。定型訴状の利用が相当数あると推測します。

上記の結果は、訴額が少ないという理由だけで残業代請求訴訟を簡裁に持ち込みたくないよな、という思惑を裏付けるものでもあります。残業代に限らず、労働関係で変わった分野・非定型的な請求の訴訟を簡裁に持ち込むのは避けたいな、と。

裁判官側の経験にも注目すれば、そう言わざるをえません。ただし地方の独立簡裁で、最寄りの地裁支部から填補されてくる裁判官が簡裁にいるような場合には逆に安心だったりします。

事件名からみる主な類型 地裁(全134件)

  • 地位確認 39件
  • 賃金または給料 27件
  • 残業代 22件
  • 退職金 7件
  • 解雇予告手当 3件
  • 解雇を除く懲戒処分の無効確認 3件
  • 損害賠償 26件

3割強が地位確認=解雇や雇い止めの無効を主張するもの、あとは賃金・残業代・損害賠償が20%程度を占めている、ということなのですが、なぜか残業代だけがここ2年間で減っています。

一部の事件類型で重複が生じています。このほか5件、企業側原告、労働側被告とするものがありました。


本人訴訟

地裁・高裁では代理人の有無がわかります。代理人欄に記載がないものを本人訴訟と考えてみましょう。

地裁本人訴訟(全134件)

  • 原告が労働者側で、代理人がいないもの 21件
  • 被告が使用者側で、代理人がいないもの 26件

少々意外な印象を受けたのですが、労働者側が訴えを起こし使用者側が受けて立つ労働訴訟では、使用者側に代理人がつかないものが労働者側より少し多いようです。

高裁本人訴訟(全44件)

_______________労働者側 使用者側

  • 控訴人で代理人がいないもの   8件  1件
  • 被控訴人で代理人がいないもの  1件  3件

地裁の、つまり第一審での割合でそのまま上がってきているわけではありません。

控訴人=つまり地裁の判決に不服がある、はっきり言ってしまえば負けた側で労働側本人訴訟が顕著に多い、と読むなら当事務所のような本人訴訟支援型の事務所には好ましいデータではない、ということになるのですが…

もう一つ、別の読み方があります。

事件名からしてあきらかに妙ちきりんな、当然ながら代理人がついていない訴訟、というのを地裁でちょくちょく見かけます。

こういう請求をかける人は、たいていの場合実務家の助言をきかなかったり解任したりして孤立状態で本人訴訟を進め、和解もできず、順当に敗北します。

その敗北を認められずに控訴してさらに負ける人、というのも傍聴で見かけるものでして、こうした『ダメな集団』も高裁での観測結果に混じっていると僕は推測します。

地裁本人訴訟の原告でご自分の正しさを確信してらっしゃるような方にはちょっと気をつけて読んでほしいデータですが、そういう人はだいたいこんな細かい検討なんかしません(笑)

ひょっとしたら、第一審の使用者被告側で本人訴訟が多く見えるのは、企業が破綻しているなどで欠席判決が出る訴訟があるからかもしれません。

このデータはちょっとショッキングではありますが、これを根拠にして労働者側が上手に負けを認められず経営側がいくらかましだ、とは言い切れないとは思います。立場上、そう思いたいです。

…あ、でも。

僕のところの本人訴訟は上記のデータと全然違うので、それを売りにしてみるとか(笑)


冗談はさておいて。もう一つ不思議なデータがあります。『損害賠償請求』訴訟の行方、とでもいうべきでしょうか。

地裁の労働訴訟でこの名前の訴訟は、労災での安全配慮義務違反や最近ではパワハラ等の慰謝料の請求など、さまざまな非定型的な請求を含むものです。この件数なんですが

『損害賠償請求』を含む訴訟の件数

  • 地裁 26件(うち、損害賠償 24件)
  • 高裁 4件(うち、損害賠償 1件)

カッコ内に入れたのは、正しく『損害賠償請求』だけが事件名であるもの。損害賠償請求等、とか、地位確認および損害賠償請求とするようなものは地裁2件高裁3件あったと考えてください。

地裁では2割程度を占める類型であるはずの『損害賠償請求』事件が控訴される件数・割合が妙に少ないように思えます。

判決に納得して終わったのか和解で押しつぶされて消えたのか、それは推測すらできませんがこの類型の労働訴訟では控訴される実情が顕著に少ない、ということは覚えておいていいかもしれません。

法務局から、補正指示

珍しく相続登記2件を相次いで出した、その法務局。

書類作成には万全を期したはずですが…電話がかかってきました。先日のことです。

ただ、なんだか妙なのです。担当者さんのいうことには

  • 添付の一番古い戸籍の記録は大正14年に作成されたもので
  • 被相続人の出生(明治30年)までの戸籍が入手できていないから
  • さらに過去の戸籍をさかのぼるか、記録が破棄されているようならその証明を取った上で相続人全員で上申書を作って実印押してだしてほしい

と。ともかくお達しをお聞きして、おとなしく電話を切りました。(本稿では場所と年は実際のものと変えてあります)

さて。保管してあるデータを見ると問題の戸籍、年号が書いていないのです。

14年に隣県某郡から分家、戸主は被相続人の父、そうした記録からはじまる戸籍です。

被相続人の出生年は明治30年なので、この戸籍の作成(分家)時期を大正14年と読めば僕は被相続人の出生までの戸籍の記録をさかのぼっていないことになります。僕は明治14年と読んだので、さかのぼっていることになるのですが。

…さて、どうしましょう。除籍謄本取ってこい、といわれても…九州だし(苦笑)

ただ、今回に限っては担当者さんより僕のほうが正しい気がするのです。記載されているいくつかの身分関係の記録からそれは明らかだ、と考えられました。

問題はそれを相手に納得させられるか、です。できれば角を立てずに。

なにしろ、普段は(というより、今後も)登記申請に関してはあちらのほうが圧倒的に正しい、そうした相手の集団です。法務局。

何か、この戸籍とは別のところに根拠を見いだせないか、と思ってさらに調べます。

たとえばこの戸籍の記録が、通常訴訟で敵側からの書証として出てきたものなら…普段の僕なら何をチェックするだろう?いくつか考えては可能性を消していきます。その数件目。

冒頭に書かれている本籍地、なんてどうでしょう?熊本縣熊本区○○町××番戸ってのは大正14年に存在してたでしょうか?

Wikipediaによればこの行政区画があったのは、明治11年から明治22年まで。以降は熊本市となっています。もし大正14年に戸籍記録が新たに作られたなら、本籍地を熊本区と記載することは絶対ない、と考えていい。根拠としてはこれで決まり、にしましょう。

この根拠を提示する限り、戸籍のこの場所に大正4年に戸主としてした○○の届け出が書いてあるからどうこう、などという野暮な話をしなくていいのが大変いいのです。

ふだん裁判の相談をやっていて気づくのですが、中途半端な知識をもって相手の間違いを中途半端に叩くと相手から(または、相談担当者から!)無駄な反感を招きます。十分に論破できたうえで紛争解決とともに縁を切れる立場にでもいない限り、そうしたことはしないほうがよさそうなのです。

…そして、僕は今後も登記申請を職業にしたいし、法務局と縁切れになどなりたくない(笑)

というわけで。熊本市のウェブサイトから印刷した同市の明治時代の年表の写しをもって、法務局へと出かけます。
私も気づいていなかったのですが、熊本区は明治22年までしかなかったもので」
と切り出して、ごくごく自然に納得いただけたようです。

今月で、司法書士登録12年を迎えます。

12年に一度くらいなら、僕に非がない補正指示があってもいいかな、そんな話でした。


登記がご専門の先生方から笑われないように書き添えますとこの戸籍、年号を略してある記載が大正の時点での戸籍事項にもありまして、単に年号を記載しているから明治に決まっている、という論法が取れません。

戸籍簿の体裁は明治19年式のものだったのですが、そこは補正指示にあたって注目されなかった、ということのようでした。

相続登記の本人申請をお考えの方には「法務局から言ってくる補正指示は、ごくごくたまに、非常にまれにではあるが、違っていることがある」程度に考えておいてください。

無料法律相談を受ける準備の相談が必要かもしれません(苦笑)

 ここ三ヶ月で3件、同業者さんから当事務所を紹介されたお客さまの問い合わせを受けました。昨年まではこうした問い合わせ、年に1件程度だったのですが。

 ここで気を遣うのはこうしたお客さまは必ずしもこのブログや当事務所ウェブサイトを読んでこられるわけではない、ということ。『労働問題に詳しいセンセイがいて云々』といったプラスの情報のみを与えられてくるのは決していいことではない、と考えています。本人訴訟のための書類作成を主たる手段としてご依頼をお受けする以上、かなりクライアントに厳しい面もあるので、もし何かの間違い、一時の気の迷い等でこの事務所を紹介しようと考えてしまった同業者さんには、僕の事務所ではなくウェブサイトを紹介してください(…で、これはだめだと思われたら他事務所の利用をご検討ください)、とことあるごとに申し上げているところです。


先日もそうした紹介のお客さまの相談に応じたところ、ある意味貴重な経験をさせていただきました。今日はその話です。

さて、クライアントのみならず依頼希望者にも厳しい当事務所では、相談終了時にお客さまが裁判書類作成業務の依頼を希望された場合ただちにこれを拒否しております。

オイそれ司法書士法違反だろ?という突っ込みは少し早いです。

お客さまの選択希望手続きが地裁でしか扱えないものに関する場合には、その手続きの採用を前提に法律相談ができません。このため、どこかで一回弁護士による法律相談を経由してきてほしい、と推奨し、即時に依頼をお受けする扱いは採っていないのです。

そちらの法律相談が適切なものであれば、ご自分がとるべき手続きに納得したうえで当事務所をご利用いただければいいし、仮にあまり適切でない相談にしか巡り会えなかった場合…これは、そうした職能集団に失望してこちらの事務所にお越しいただくことになる、というだけです。もちろん、理想的な先生に会ってその方に訴訟代理の依頼をされる、というのもお客さまにはハッピーエンドなんですが、そうした方は1割いたらいいほう、でしょうか。

そうしたわけで、こうしたときに無難な法律相談先として期待したいのが法テラスや弁護士会の相談センター、という状況になっています。特に、お客さまの状況が民事法律扶助制度による無料法律相談(法律相談援助。手取り月収と預貯金資産が所定の基準を下回る場合、無料での法律相談が受けられる制度があるのです)の資力基準をパスしていれば、某県弁護士会の相談センターで実施している労働者側を標榜する弁護士による法律相談(通常、30分約5千円)を、法律扶助をつかって受けられる扱いがあると聞いています。

当事務所ではこうした情報は実施する側より、それを利用した方からの情報が入ってくるのです…担当者のよしあしも含めて。

-あと、これはあくまでも某県のはなしです。どこの県とは申しておりません、と例によって言い訳させてください。また、その某県では法テラス地方事務所と弁護士会法律相談センターは別の場所にあり、別個に相談の受付をおこなっている、という状況と考えて以下の記事をどうぞ-

こうした結論としての利用可否情報だけは知っている状態で。相談終了時に某県弁護士会の相談センターと民事法律扶助制度による無料法律相談の利用をおすすめしたところ、お客さまがその場で電話をかけられたのです。

…スピーカーフォンをつかって!

まず、かけたのは県庁所在地にある、法テラスの地方事務所。

「そうした情報はもっておりません」

民事法律扶助の適用がある、労働側での弁護士の法律相談は受けられないか、との質問に、資力要件の確認を経て上記の明快な回答が返ってきました。曰く、あとは某県弁護士会の法律相談センターに電話してみてはどうか、ただし、あちらは有料の法律相談だ、とも。

  • バッサリやられた気がします(笑)
  • お客さまの視線が少し痛い(爆)

まぁ、ここは弁護士会のほうに電話かけてみましょう(遠い目)とお客さまを促しながら、さらに某県弁護士会法律相談センターに電話をかけてもらいます。労働側での弁護士による法律相談で、民事法律扶助制度を受けられないか、と聞いたなら

「法テラスからファクスが来るようになっていますか?」

なんかもう、当然に相談が受けられるようなご対応♪

そうなってはいないが法テラスには電話した、と戸惑いながら応えるお客さま。おもわず電話口で顔を見合わせます。こちらの事務局員さんの話では

  1. 当県弁護士会法律相談センターでは毎週●曜日に、労働側での弁護士さんによる法律相談を実施しています
  2. 相談は有料で30分約5千円ですが
  3. 相談担当の先生が法律扶助を扱う場合、法テラスを経由してその先生が相談にあたる日に当県法律相談センターで民事法律扶助制度による無料法律相談を利用するように法テラスから紹介をうける(これが、『法テラスからファクスが来る』状態)ことで、
  4. 結果的に、法律扶助をつかって無料の法律相談を、労働相談労働側を標榜する弁護士から受けられる(…と、僕が納得しました。事務局員さんがそう言ったわけではありません)

さて、そうすると?

  • 某県弁護士会法律相談センター側では、法テラスから相談希望者を受け入れるチャンネルが開かれています。
  • これに対して法テラス側では、労働関係の法律相談希望と言うと具体的な回答が得られない実情があるようです。
  • しかしながら、法律相談センター側ではただちに法律扶助による無料法律相談の予約を受ける扱いをしていません。
  • この場合、相談希望者にいったん法テラスに電話させ、法テラスのコールセンターで資力要件を確認させたあとで必要があれば法テラスから予約希望のファクスを流して貰う、という扱いがある、とのこと。

さらに厳しく言うと、法律相談センター側でも労働紛争『専門の』先生による相談を希望した時点で情報提供を回避されるようなのです。今回、専門という言葉をお客さまが使ったかどうかは正確に思い出せませんのでここで失敗している可能性もあります。

とにかく、法テラス某地方事務所コールセンターや某県弁護士会法律相談センターへの予約・問い合わせにおいて『●●専門』という言葉はNGワードと考えるべきかもしれません。

これらのことを併せて考えると、労働側での労働紛争を扱う(専門かどうかはさておき、そう標榜する)弁護士の法律相談を、某県弁護士会法律相談センターで民事法律扶助をつかって受けられるようお客さまを送り込む作戦としては以下のようになりそうです。

  1. まずお客さまには、弁護士会の法律相談センターに電話させる。
  2. この際、(当ブログの記事など一切しらん、という立場にたって!)法律扶助による無料の法律相談を希望することと、(決して専門とは言わず!)労働者側での労働紛争を扱う先生による相談があるようなら利用したい、と告げて
  3. いったん、法テラスへ行け、という回答を得る。この際、もしあるようなら上記のような先生で法律扶助がつかえる相談日を教えてもらう。
  4. しかる後に法テラスに電話をかけ、弁護士会の法律相談センターで助言を得たと言って(つまり、情報持ってないという反論を封じて)資力要件の確認を受け、法律相談センターで教えてもらった相談日に法律相談センターで予約が受けられるようにしてもらう
  5. その後弁護士会の法律相談センターに再度電話し、法テラスから法律相談センターに連絡が入ったか確認し、希望の相談分野(ここでは労働紛争労働側)の先生による相談時間枠を確定する

…なんか、もう(遠い目)

というよりここまで来ると社会問題なんじゃないか?と思うのです。当ブログではコメディタッチで描いておりますが、まじめに問題提起してテレビ局にでも持ち込んでみたい誘惑にかられます。実際困ってる人が電話をかけるなら、オペレータさんをだましていることにもならないでしょう。

まぁ、上記の通り対処方法はあるので、当事務所ではさしあたって表題のとおり、民事法律扶助制度を使った無料法律相談を適切に受けることを目的とする準備的相談サービスでも開設するとしましょうか。

ところで上記のように、法テラスコールセンターで一刀両断されて『適切な担当者と相談できる利益を失う』ことによる損害は約5千円、と考えれば?

この準備的相談、民事法律扶助制度による無料法律相談として当事務所で実施できるかもしれません!(冗談です)


冗談はさておいて。当事務所では、請求額140万円以下の、簡易裁判所で扱える紛争にかぎって民事法律扶助制度による無料法律相談をお取り扱いしております。

労働者側で労働紛争に詳しい人の相談希望、と言われて「そんな情報持ってない」とはいいませんから安心してください。

というわけで、結論。

利用者に厳しいのは、当事務所だけじゃない。
場合により、さらにすごい(笑)

つまらん事案と言わないで

 先日のこと。立地からして日本有数の忙しさであろう某労基署に行ってきました。久しぶりに社会保険労務士の資格だけで完結する業務=労働基準法第104条の規定による申告書の作成および提出が、今回のミッションです。

 給料不払い・サービス残業等の労働基準法違反を労基署に相談しようとあれこれネットで情報収集しておられる方々をがっかりさせかねない実情として、そもそも労基署は労働者側からなされる申告に対応する義務はない、とする下級審裁判例があります。

…ま、そんなもんよ、と諦めないところにこの仕事の楽しみがある、と言わなければなりません。事案の概要をよく描写し、かつ相談担当者が少しでも関心を持ってくれそうな切り口になるとっておきの一言を話して、あとはお客さまと相談担当者のやりとりの補足に徹します。もちろん補足説明は、相談者が食いつきやすそうな部分を簡潔に。

そうした準備をしていっても、今回はちょっと相談担当者の対応が冷たいように思えました。担当さん曰く

  • 「(情報提供に基づく調査の場合)通報から2~3ヶ月はかかる」
  • 「いつ調査にかかるか、実際にその内容がどのようなものであったのかは労基署側からは連絡できない」
  • 「調査に入ったとしてもどういう結果になるかはわからない」

…ま、そんなもんよ、と承知して持ち込む相談ですので別に異議を申し述べたり不満げにすることもありません。が、しかし。

  • 「相談件数は大変多く、なかにはつまらない事案もあるので労基署としてもその全てに対応することはできない」

…ま、そんなもんよ、と言うわけにはいかないご発言!

それを相談に来たお客さまの前で口にしないでほしい(苦笑)彼の発言はどうも、僕とお客さまが持ち込んだ相談が彼いうところの『つまらない事案』から十分離れたものである、という意味でなされたものではあるようなのです。しかし、お客さまがせっかく労基署に期待してくれているのにそれはどうかと思います。

この相談、さらに少しずつ説明を重ねて相談票に記載されている三段階の緊急度区分のうち最も高い事案と評価させることはできたものの、あまりにもおおっぴらに「つまらない事案」の存在を口にされて少々焦りました。

ここで人権派を気取るなら、つまらない事案などこの世に存在しないと大見得を切ってみたいところです。もちろんそんなつまらないことはしません(笑)

実際に、いろいろな人からいろいろな意味合いでつまらないと評価されてしまう事案は確かにあると考えています。当事務所にあっても、相談者の態度や立場に照らして『対応するべきではない』と判断する問い合わせはもちろんあるわけです。具体的には、ブログのコメント等を通じて無料での回答を求めるもの、緊急作業の依頼ではないのに緊急用の番号に電話してくるもの、他人の紛争について相談しようとするもの、こうしたアプローチには、ほとんどの場合対応していません。

ファストフード店のカウンター前の行列に「自分お腹すいてるから」という理由で割り込んでいいか否か、さらには「まずタダで何か食べさせて」と言っていいか否か、と同じように、自分だけ無料で何かに対応させたり特別に緊急の対応を求めてよいかどうかは判断できるはずで、そうした方々の案件は持ち込まないでと言わざるを得ません。そうでなければ、特急・急行料金を払っている人はじめ有料の依頼をくださっているお客さまとの均衡がはかれません。

ただし、この事務所では請求額の多い少ないで「つまらないか否か」を判断しません。そんなつまらないことは、しておりません(笑)

簡単にいうと、お客さまがウェブサイトに出してある文字情報から問い合わせの仕方や報酬体系を読み取れてそれを受け入れることができ、ご自分がちゃんとその紛争に向き合ってる方のご依頼であるならば、そこにつまらない事案などない、と考えています。ご依頼を受けた事案に関わる、僕とお客さま以外のいろいろな人々がその事案を「つまらない」その他消極的に評価する可能性を推測して対策していくところに、この仕事のおもしろみがあるのでしょうね。

説明スレドモ補正セズ

この記事は、労働訴訟で発生しうる1円未満の端数について細かく考える前回の記事の続きです。故意にか偶然にか乙地方裁判所労働部の訴状審査にひっかかったのは、こういう請求を持っていました。

  1. 解雇予告手当の請求
  2. 残業代のうち、会社側が認めていない時間の請求
  3. 残業代のうち、会社が設定した単価がこちらの計算額より少ないことによる差額の請求

この訴状の作成に際して、まず上記1.は平均賃金の30日ぶんなので、日額を銭単位まで算出して(たとえば7549.52円。当記事で数値はすべて架空の値です)30日を掛け、解雇予告手当は即時解雇に際してただちに支払わなければならないため残業代とは支払い日が違うと認識して、この手当だけで端数を丸める計算を行いました。7549.52円×30日=226485.60円となるので、円未満を切り上げて226486円、というような計算をしています。

上記2.3.は各賃金支払い日までの1ヶ月分ごとに合計し、端数を丸める計算を行いました。たとえば原告側で計算した時間外労働割増賃金額は厘単位まで計算して1354.812円、会社が認めた時間外労働割増賃金額が1300円、実際の時間外労働時間は3時間だが、会社側は1時間を認めて1300円を支払った、という場合は次のように計算を行っています。

・会社が認めていない残業2時間につき

 1354.812円×2時間=2709.624円

・会社が1300円の残業代を支払った1時間につき

 1354.812円-1300円=54.812円(表A欄)

この二つを、賃金締め切り日に合計して

2709.624円+54.812円=2764.436円(表B欄)

これの端数を丸めて、2764円


そんな訴状を書いて出したら…10日ほどかかったでしょうか。裁判所から事務連絡がやってきた、とお客さまから連絡が入りました。上記の計算について、

  • 時間給1354.812円、平均賃金7549.52円の端数処理についてご検討ください。
  • 表A欄の2709.624円と表B欄の54.812円については、合計する前に端数処理をするのが正確かと思います。

とのご指摘です。僕からすればもう全力でひっかかってきた、というべきですが、全般的に『おまえのほうが直せよな』といいたい気配が漂っています。

こりゃ面白い♪ということで、嬉々として釈明書を執筆、下記のようにして提出しました。

・時間外労働割増賃金の一円単位の端数については、通貨の単位および貨幣の発行等に関する法律(昭和62年6月1日法律第42号)第2条2項により、1厘(0.001円)まで計算しました。
 平均賃金については昭和22年基発第232号通達で、1日の平均賃金の算定にあたり銭単位の端数を生じたときにはこれを切り捨てる旨示されておりますので、これに従い1銭(0.01円)まで計算しました。
 ですので、時間給の計算額について1厘まで、平均賃金の計算額について1銭までの計算を行うのはやむを得ないことと考えます。
 表A欄およびB欄については通貨の単位および貨幣の発行等に関する法律第3条1項カッコ書き所載の、数個の円単位の端数を持つ債務である賃金の弁済を同時に(各月ごとに約定の賃金支払日に)行う場合に該当すると考えましたので、同条の規定にしたがい、各月について表A欄の金額とB欄の金額を端数処理する前に合計し、合計額の端数について50銭未満を切り捨て、50銭以上を切り上げる処理をおこないました。

ここまで書いて…ちょっとだけ上から目線に感じられた上記事務連絡に、ちょっともの申してみたいなということで二つばかり蛇足な文章を付け加えてみました。

  • なお、原告らの調査において、表A欄とB欄で算出した金員について個々に端数処理することを義務づける法令または通達の存在は確認できませんでした。
  • 以上のとおり釈明します。結果として、訴状記載の請求額に変更はありませんでした。

数日後、乙地裁労働部はお客さまに対し、粛々と第一回口頭弁論期日を指定しましたとさ。めでたしめでたし。

以後この訴訟において、上記各計算部分には誰からも何も言われていませんので割増賃金や平均賃金の端数処理の仕方は、前回と今回の記事のとおりで特に間違いはないと思います。でも労働専門部からもちょっかいがかかるほどマイナーな方法である、ということは承知しておく必要があるのかもしれません。

2.時間の端数

 お金の端数がこれまで述べたとおりだとすれば、時間についてはどう把握すればよいのでしょう?これは、タイムカードをはじめとする世の時間管理システムが『分刻み』で維持されていることを考えれば、秒ではなく分まで認識できればよさそうです。

 よさそうです、と言ったことに注意していただきたいのですが、僕も割増賃金や労働時間の計算において『分まで計算せよ』と規定した通達等の存在は確認できていません。単に『秒単位の記録ができるタイムカードや出入管理システムは存在しないから』というのが根拠にすぎない、ということをお断りしておきます。

 1分は1時間の60分の1なので、さしあたりそれよりは細かいように1時間の100分の1、つまり少数第二位まで時間数を計算できていればよいのではないか、と考えて、時間の計算では少数第二位を採用しています。ただし、僕の場合はなるべく●時間●●分という数値の形式を保ったまま計算を行わせて、誤差の発生を防ぐようにはしています。


自分でいうのもなんですが、まさに重箱のすみをつつくようなお話です。でもまぁ、落ち着いて根拠を探すとそれはどこかにあるし、聞かれたことに根拠を示して回答できる、というのは結構重要なことだと思います。このあたりの、『その辺の本やらウェブサイトでは適当にごまかされているが、実際に直面するとわけがわからなくなる各所の処理』を解説するコンテンツがあったらいいな、とも。さすがに自分では作れませんが、面白いものがでてきたらネタにできるかもしれません。

取り下げまでの四日間

5月に70kg台に達していた体重が、このほど63.8kgまで落ちてきました。

…身を削るような仕事をしてきたから、というわけではありませんが、今週はなかなか面白い経験をさせてもらいました。

先日申し立てた債権仮差押命令の申立を、申立の3日後に取り下げてしまったのです。おかげで陳述書から担保取り消しの同意書まで、大小さまざまな書類の作成に追われることになりました。名古屋簡裁に申し立てられる債権仮差押命令申立事件の件数は、おそらく年100件に満たないらしい、というのも今回得た知識です。このうち何件くらいに司法書士が関与しているのかは、なかなか楽しい想像になります。

ただ、期待はしていた展開です。問題になっている未払い額は給料の1ヶ月分(こちらは証拠あり。ただし就労実績が不明なので一般先取特権の行使は困難と判断)と、証拠はないが数万円の費用が未精算という事案だったために疎明可能と判断した給料部分のみについて仮差押をかけたところ、第三債務者に仮差押決定が送達されたその日に債務者会社の社長から連絡がありました。

昨年はこの人、電話を取った僕にいきなり『しんたろうさんいる?』という名言を放ってブログのネタにされてしまったのですが、今回は打って変わってご丁寧な口調です。

曰く、仮差押を取り下げていただくにはどうしたらいいですか、と。
どうやらようやく僕も彼にとって、先生の仲間入りを果たせた、ということのようで(笑)

狙ってゲットしたこの立場、当然生かさねばなりません。仮差押で被保全債権とした未払い給料全額に加えて未精算の経費全額、さらに和解日までの遅延損害金全額と仮差押申立ですでに使った実費も全額の支払い義務を認めさせ、会社のほか社長個人の連帯保証をつけて、未払い額の4割ほどを即金で支払わす、という内容で和解してあげることにしました。裁判所の窓口に債務者社長をひきつれて出頭し、取下届けを交付送達させるのと同時に現ナマをお支払いいただく、ということで、カウンターの向こうの書記官ご一同さまにはさぞかし挙動不審な連中に見えたことでしょう。

この一連の申立-取り下げでわかったこと。

  • 債権仮差押申立に際しては、裁判官の面接がない。

以前、東関東某簡裁に債権仮差押申立の代理をやりにいき、裁判官から「なぜ名古屋から?」とか「費用倒れにならないんですか?」とか申立の当否に全然関係ないことを言われてしまった僕としては面接で根掘り葉掘り聞かれずに済むのはありがたいことです(申立の内容にやましいところは全然ありませんが、一ヶ月ぶんの給料債権を守るために全力で仮差押をかける、という行動が正しいと言ってのける度胸はありません)。だって今回の申立も、当の労働者からみれば深刻な金額でも見る人がみれば少額の事件、と思われかねない面をもっていますからね。

  • 申立の提出から担保提供命令の告知までは約3時間。ただし別の何かがあるかも。

申立書の提出段階で「特に急ぐことはありますか」と聞かれて、そうでもないと答えたところこの処理時間、ということですのでこれが通常の扱いだと考えてよいでしょう。ただ、急ぐと言ったらなにか特殊な扱いが発動されるのか、は何かの含みを残していたようでもあります。この所要時間は、前記の東関東某簡裁とほぼ同じ。労働専門部がある某地裁に書類を出したときには、若干速かった記憶があります。

ところで僕は昼過ぎに申立書を出したため供託金の額がわかったのは16時過ぎになり、官庁街から離れた当事務所からその日のうちに供託に出向くことはできませんでした。

  • 債務者会社の本店所在地の不動産が、債務者会社の所有でないことの疎明を要求する

この扱いがどうなるかは迷いがありました。以前大阪高裁管内の裁判所では要求され、東関東の簡裁では要求されなかったのです。念のため、鶴舞の図書館でブルーマップの該当ページをコピーしておいて正解でした。このコピー+インターネットで提供される登記情報サービスの印刷結果(土地および建物)+これらの資料を集めた僕の上申書で審査にパスしています。これは、申立人である債権者の方の陳述書に入れてしまってもよさそうです。

※でも、これって何も対策していないまま申立を出しに行って、その日が月曜日=図書館休館日だったら恐ろしいことになるでしょうね(笑)

  • 書証の原本は、仮差押決定が出るまで裁判所で預かりたいらしい

僕は、お客さまの預金通帳(さすがにこれは預かれない!)以外は原本を裁判所に預けています。と言っても供託金額を申立日の夕方に告知されて次の日の朝に供託し、供託書のコピーを持って裁判所に行き仮差押決定正本を裁判所の窓口で交付送達してもらうまでの一晩あずけていただけですが。

上記のことに気をつけておけば、あとは市販の実務の本を見てつつがなく申請がかけられると思います。今回は第三債務者の送達先が関東だったため、速達で送達をかけてもらう上申書を出して270円の切手を追加しておいたところ、決定が出た次の日に第三債務者方に送達され、第三債務者-債務者間でなんらかの騒動が発生し(ま、狙って引き起こしたとも言えますが)、結果として債務者からの未払い金一部支払いと和解の合意につながった、ということです。

この8月1日に創業8周年を迎えました。9年目の最初に出した申立が予想を超える好結果となり、たいへん満足しています。

自腹で挑め(笑)情報公開の壁

「あまりいい話じゃないんですが」

電話の主は、快活にそう言います。●●労働局総務部からのお電話です。

・・・監督官庁サマからそう言われて愉快な社労士ってのもいないでしょうね。あ~あ。

さてこの記事は、5月18日付『助成金不正受給を追え!…るか?』の、少々不本意な続きです。


別になにかよからぬことをしたわけではありません。先月、電子申請で情報公開(正確には、行政文書開示請求)をしていたのです。公開請求した文書は中小企業緊急雇用安定助成金の申請書および付属書類。某会社の某年度分であります。これを受理した労働局の対応は、なかなかわかりやすいものがありました。冒頭の一言で僕に断って曰く、

  • この申請は、存否応答拒否になると思います

とのこと。うわぁ(嘆息)

公文書開示請求へのお役所の対応は、一部開示を含む開示・不開示・存否応答拒否の三種類に大きく分けられます。文書はあるが見せてやらん、というのが不開示、あるかないかも教えてやらん!というのが存否応答拒否。ちなみに以前、労基署が出した是正勧告書の開示を求めたときには不開示決定を食らいましたがこれは徐々に開示されつつあるようです。でもそのときの争点は『是正勧告がでたか否か』にあったので、不開示決定でも活用できたのです。これは『是正勧告書はあるが、開示しない』というものですからね。

で、今回は存否応答拒否。そうした文書があるかどうかも教えないことになるそうです。理由を聞くと

  • 中安金はご存じのとおり、売り上げ等の要件が一定以上悪化した企業が利用できる制度です
  • したがってこの文書があるかどうかを回答するだけで、その企業の経営状態が好ましからざることがわかってしまいます
  • ですので法人の信用を損ねる恐れがありますから、存否応答拒否となるはずです

とのこと。さらに食い下がってみます。では職業安定関係で、どんな助成金なら開示の対象になるでしょう?これについては

  • 前向きな助成金の申請なら開示できます。たとえば特定求職者雇用開発助成金などでしたら

とのこと。なーるほど。彼らなりに筋が通ってます。で、彼からのご提案。

  • どうせ存否応答拒否になるわけですから、手数料を納める前に取り下げられたらいかがですか?

おっとこれには応じられません。確かに電子申請で試したため、手数料決定以前にお電話を貰ってしまうとそうした対応も可能なんでしょうが、ここは一発正々堂々と結果を出して貰いたいところです。

「いえ納めますんで、思いっきり(存否応答拒否)やっちゃってください♪」

明るく言い放って収入印紙の送付先を聞き、晴れて結果を…存否応答拒否の決定を待っています。どうせこの申立、誰の依頼も受けずに自分の興味で試しているだけなので、失敗しても完全に損失は自分持ち、成功すれば経験は自分の財産になるだけのこと。気楽です。

で、いまこれへの反論をいろいろ考えているところです。明日から国会図書館での書見に行ってきますが、探索のテーマはこれですね。

というわけで雇用調整助成金関連の行政文書開示請求をお考えの皆さん…というのがもしいらっしゃるのであれば、今のところは僕の屍を越えて行ってくれ、としか申し上げられません。

ただ、僕はこの件、情報公開審査会を目指しています。

『名古屋に準じて』とおっしゃいますか

 北陸地方某地裁本庁に電話をかけました。

 このほど受託した通常訴訟の書類作成では例によって労働基準法第114条の附加金の請求がつけられることになっており、これが訴訟物の価額に入るかどうかを確認しておく必要があるのです。

 この附加金の扱い、当ブログ格好のネタとなっております。東京地裁では訴訟物の価額に入らない、名古屋地裁では入る、大阪地裁本庁では入る、大阪地裁堺支部では入らない、という具合に…みんなが勝手なことをやってるわけで。

 で、今回の地裁本庁への電話。ちょっと担当さんの対応が妙です。

担:「裁判所です」

僕:「通常訴訟の訴訟物の価額についてお尋ねしたいんですが…」

担:「はい?」

僕:「労働基準法第114条の附加金は、そちらの裁判所では訴訟物の価額に入りますか」

担:「・・・?」

はっきりと当惑の気配が伝わってきます!

  • メタルな回線を伝って。
  • 百数十kmの彼方から。

なにか誘導を要するパターンです。もっともこの質問で趣旨をくみ取って即答をくれたのは、これまでに大阪・東京・福岡地裁だけだったんですが(笑)

僕:「わたくし名古屋の司法書士なんですが、このほどそちらに提出する訴状を作成することになりまして…これに●●●●●●の請求と附加金の請求が着くのですが、このときに附加金の部分が訴訟物の価額に入るのか、そちらの扱いを知りたいと思いまして」

担:「えぇぇ…と」

こりゃお話が進まないパターンです、が!今回はいろいろオトナの事情があって訴額が増えたほうがよかったりします。だから…

僕:「名古屋では訴額がその分増える、ということになってますがどうなんでしょうね?」

担:「(間髪入れずに)じゃぁ名古屋に準じて、入ります」

僕:「ありがとうございました♪」


電話を切ってふと気になったのは、この回答まさか後日ひっくり返ったりしないだろうな、ということ。同一の地裁管内でも扱いが異なることはあるらしい、という話しもでてくるくらいなので、もし僕が『附加金を訴訟物の価額に入れたくない』立場だったら、「大阪では地裁本庁と支部とで扱いが違うんで困ってるんですよ」とかなんとか言って再考を求めるのかもしれません。

でも、僕は代理権にこだわらない代書やさんに過ぎないので附加金が訴額に入ろうが入るまいが特に困ることがない、むしろ地裁に訴訟を持ち込みやすくなるので入っていたほうがいいくらいなんですが、代理権を大事にしたい司法書士さんはこれをどうみるんでしょうね?たとえば71万円ぶんの割増賃金支払い請求に同額の附加金請求を付けた場合、附加金が訴額に入れば請求額合計142万円になって代理権が使えない、これを不便だというか地裁デビューできてラッキーだというか、はたまた当地と東京との扱いの差をくらべて問題だと騒ぐのでしょうか。

案外、『自分がいる都道府県だけで仕事してるから、当地の実情に合わせてるだけ』というのが正解なのかもしれませんね。

大きな声ではできない助言

大きな声ではできない助言
暑さに、負けた…
いいえ、自分に、負けた…(『昭和枯れすすき』の節で)

この夏初めて図書館への疎開を決意しました。やってきたのは少々遠い、名古屋駅にほど近いウインクあいち17階のあいち労働総合支援フロアです。

小なりとはいえ労働関係の資料があるのと、夏休みの午後でも学生どもの姿を見ない、というわけで暑さを避けて仕事をするにはよいところです。ただ気になるのは隣の相談コーナーに少々元気な相談員氏が陣取ってるらしく、そのコーナーにおける相談の傾向がわかってしまう点です。

聞こえてしまう、といえば、出がけに某郵便局に寄りました。前に並んでるのは年賀ハガキ二百枚余の交換(!)を求める中年男性、ということで半ば意識を遠くしながら必死にハガキを数える職員さんを眺めていました。すると?

向こうの隅の…保険の窓口でもなにやら厄介なことになってる模様。窓口に来ている女性は親御さんのお使いで来られたようですが、意思表示に少々問題があるのだとか。

えーとそういうときにはセーネンコーケンという制度がありまして

などと考えた僕は世間知らずな子供でした。窓口職員氏、莞爾と笑って曰く
「そういうときには(親御さんの)調子が好いときに委任状をたくさん作っておいてもらうといいですよ日付は白地で。私もやってます」

なるほどね!と膝を打たんばかりのお客さま。これぞ地域に親しまれる郵便局の実例、というべきなんでしょうか?
あるいは真夏の怪談として、恐怖を感じるべきなんでしょうか?

…ちょっと、決めかねています。

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