カテゴリー「本人訴訟」の記事

訴訟費用額確定処分申立書作成:旅費日当のあれやこれや

今日の僕の悩み。本人訴訟編。

-西日本にある甲簡裁庁舎と東日本の乙簡裁庁舎の距離を測ってみた-

1.google map:681km

2.国土地理院測量計算サイト(楕円体:GRS80):683km

3.同サイト(楕円体:bessel):682km

…お客さまの出頭日当が一回最大80円違うことになってしまいます。

ああ、いったいどうしたらいいんでしょう(呆然)

さすがにこの金額を巡って相手方代理人弁護士から訴訟費用額確定処分に対する異議申立が出て云々、という展開は考えないでいいはずです(もしあったら日本有数の不運な司法書士になれるはずです。僕)

冗談はさておいて。今月はどうやら訴訟費用額確定処分申立書を3件作成することになりそうなのです。

それ自体が悪い冗談に聞こえる、というご同業の方々からのツッコミは一応想定しつつ、話を先に進めます。

上記のような大遠距離からの出頭であっても、最近は航空運賃がずいぶんと安くなったおかげで簡裁庁舎間の直線距離で計算するほうが民事訴訟費用等に関する法律所定の出頭旅費が高いことになりかねない、そんな世の中になってきたようなのです。

あ、ご同業の方でも本人訴訟で判決取った方でもない方には全然理解できない話になっておりました。

今日は約12年ぶりに、訴訟費用額確定処分申立書の作成に関するお話なのです。

説明。

統計によれば我が国民事訴訟の大部分、欠席判決を除けば過半数は和解で終結しています。ちょっとした賃金請求なんかの訴訟で判決をとる、なんてのはむしろ面倒ごとに巻き込まれた運の悪い人、と認識しておいたほうが実情にそっている、そんなもの。

そんな運が悪い人が最後に報われる可能性があるのが訴訟費用の負担です。端的に言うと全面勝訴した場合、敵側当事者が訴訟費用を負担する…という判決が出るようになっています。

『訴訟費用』という言葉で一般人が連想する一番大きい要素である職業代理人に投じた費用は実は関係ない、自己負担、ということで勝訴した当事者の落胆を誘ったりもするのですが(苦笑)

で、相手に押っつけられる訴訟費用に計上できるもの。

代理人が勝訴と同時に、それこそ実際の支払いすら実現できてないうちから速攻で請求してきた成功報酬(苦笑)に比べれば微々たる額ではあるのですが、

  • 1回の出頭あたり3950円の日当
  • 裁判所までの距離により、往復分で1km30~50円(または実費払い)の旅費

そんなものがあるのです。

出頭回数が重なったり遠距離からの出頭であればそれなりの額になるため、当事務所にはたまーに訴訟費用額確定処分申立書作成の相談やご依頼がやってくる、そういうことになっているのです。

そこで旅費を計算する場合、民事訴訟費用等に関する法律第2条4号の規定に基づいて…裁判所と裁判所のあいだの距離を測ったりせねばならない、ということになっているのです。

で、冒頭の情景(苦笑)

冒頭の1.2.3.のいずれを採るか、ですが根拠があるのは2.です。測量法で規定されている測地系が2002年以降、GRS80に移行してるから…ということで、そこは法律的に説明可能ということになっておりました。むしろgoogle mapの数値は根拠不明、ということになりましょう。

使用するサイトを国土地理院のものにしたのは当然、使いやすさより『裁判所に出したときの、データの出所の確からしさ』に期待してのことです。

具体的には、

  1. リンク先のページから座標値の入力方法を『地図上で選択』を選び、
  2. 地図を最小縮尺にして距離を測りたい裁判所庁舎の輪郭を出し、
  3. 地図上に示された庁舎をクリックして出発点の緯度経度を入力し
  4. 地図を移動させて次の裁判所庁舎の輪郭を出し
  5. 同様にクリックして到着点の緯度経度を入力し
  6. 計算を実行させて距離を得る

ようにすれば石垣簡易裁判所(沖縄県石垣市)から稚内簡易裁判所の直線距離だって、ホラ1分で測定可能です♪

…ほぼ完全に実生活ではムダな知識ですが、裁判所庁舎間の直線距離が正確に測れなくて困っている何人かの閲覧者さんには役に立てるかもしれません。

Photo

そうした方がおいでなら、上記3.と5.と6.のスクリーンショットは保存しておいて訴訟費用額確定処分申立書の疎明資料に加えるといいと思います。上記3点を組み合わせれば

『簡裁庁舎ごとに緯度経度を測り、それから距離を出した。文句あるか』

と誰にも言える、ということになりますから。楕円体は初期値のままGRS80で計算してよいはずです。

ちなみに上記地図は、たまたま見つけた白河簡易裁判所を出発点として黄色い印をつけ、緯度経度を入力させてみたところです。実際には地図はもう一段、拡大できます。

この記事は気が向いたら、次回に続きます。


さて、幸か不幸か勝訴はしたが冒頭のような作業に無駄な時間を割くべきでない、と気づいてしまった方のために当事務所では訴訟費用額確定処分申立書の作成業務だけを受託しております。

基本的には東京~大阪間の裁判所について、僕が他の出張の際に訴訟記録を閲覧してくる、という手法を採ることで作成費用を(出張込みで)1~3万円に抑え込んでいるのですがもちろん他の地域からのご依頼も承ります。

旅費と日当を払ってくださるならば、喜んで。

ただ、相手方に態度のよろしくない職業代理人が着いて悪戦苦闘させられたとか、こちら側に着いた職業代理人が勝訴と同時に成功報酬を請求して去った(または、訴訟費用額確定処分申立を別事件として最低●万円の着手金の見積書を出してきた)とか、そうしたご事情がありそうな方には交通費と日当、ちょっと調整できるかもしれません。

当事務所の旅費と日当は法律とは別の要素で決まっていますから。いろんな意味で。

あの人たちの白いリスト

基本的には本人訴訟を前提におこなう、当事務所の活動。

たまにあって困るのは、弁護士を紹介してほしい、というご要望です。

即決で断っていい状況もあります。「なるべく安い人がいい」と言われた場合には「安けりゃいいってもんじゃありません」と断言してあとはどこへでも行ってもらう、ということにしております。

問題はそこまで行かない…本人訴訟ができるほど意志や知力や体力は強くないが、見捨てるには良心の呵責を感じるような方々の処遇です。

よくあるパターンは特定の法律事務所さんとのお取引があり、常にそこに流す、というものでしょうか。

ええ、それをよしとするならこんなブログは書きません(笑)

僕のところでは創業以来15年、いまだ特定の弁護士さんとの提携関係はありません。

その代わりに、件数が貧弱なホワイトリストを持っております。

このホワイトリストへの登載基準を一言で言うと

  • 敵側から見て感服できたひと

です。上記の特殊性に鑑みて、いまのところこのホワイトリストに載ってるのは東京・名古屋・大阪でそれぞれ1~2件ずつ、それだけです。

これに加えて今までに一人だけ、敵でない側=労働者側でのご活動に敬服した方が大阪におられます。

その方は民事法律扶助をつかって一般先取特権に基づく債権差押命令申立を行い、一気に未払い賃金を回収されました。

手間と難易度からすると絶対納得できない売上げに甘んじたはずなのですが、聖人君子は実在する、ということなのだと認識しています。この人を入れても、いまだに両手で数えられるくらいしかホワイトリストに載せるにふさわしい先生には巡り会えておりません。

一方で黒いリストのほうは、たぶん同業者さんの中では有数の充実ぶりであるはずです(苦笑)

書類提出の締め切りが守れないだけの人から依頼人にぴったりの墓穴を掘ってくれる人まで様々な問題類型に応じた人材の数々を、それこそ北は札幌から南は福岡までの各事務所からお選びいただけるんですが…さすがにそうした紹介を求められたことはありません。

お話を戻します。当事務所で弁護士の紹介を求められた場合、まずそのホワイトリスト登載者を提示するのですが、この際「僕の事務所から紹介された」とは決して言わないように因果を含めます。

…そりゃそうですよね。こっちは向こうを、利害が対立する側として認識していたわけだから。

つまり、ウェブサイトかなにかで見つけたフリーの客として流入する立場を取ってもらうのですが相談から受任までの挙動に怪しい点があった場合には報告を受けられるようにしてあります。この部分のフィードバックを得て、さらにホワイトリストの精度を上げていくわけです。

そんなホワイトリストに、このほどお一人記載を追加できそうな気がしてきました。

詳しくは言わないほうが楽しそうですが、機会があればお客さまを送ってみたいと思っています。

これが、善意で舗装されてる道ってやつだ(嘆息)

不満を述べます。

うまくいかない相談類型、ってご同業の方にはありませんでしょうか?当事務所で筆頭に挙げたいのが『当事者ではない人がもってくる相談』。

これは当事者本人が嘘をつく場合よりたちが悪いとみています。本人から話が聞けない以上、いつまでたっても事案の本質には近づけないわけですから。

話をしている自分が本人じゃない、と切り出されるタイミングや本人との関係およびそれに関する言い訳はさまざまあるんですが、最初から自分は本人ではないと宣言する方だけがまともです。

ただ、やっぱり目立つのはまともじゃないほうの相談(苦笑)

話が進み出したあとで「実は他の人の件で」とか言われると、騙されたような気がするのです。他の実務家の方がどうなのかはわかりませんが。で、その人に対する信用度はだいたい8割引くらいにして、以後のお話をお聞きする、と。

結果として当事者の能力にも相談に来た人の能力にも制約されて必然的に相談の質が落ちる、だからこっちも質が落ちる回答や提案しかできない、ということになり、以後の相談やご依頼は謝絶、となります。

※騙す気はない、というのはお約束ですが単なる日本語会話としても問題があるのです。相談者が僕に対して、いつだれになにがおきたか、を正確に説明できる場合はこの問題が発生しませんから。

その人が選択した方針が最初から間違っていてすでに進行中である場合はどうしようか、さらに迷います。言ってみれば当事者と相談者の立場(利益とまではいいません)が相反する状況を僕が作り出すことになりかねませんから。

まぁ致命的な誤りでなければ、そのままご希望の手続きを進行させてもいいのでしょうが…それで当事者本人が失ったお金や時間を相談終了後にそっと概算して、目まいがしたりしています。

この記事、誰を念頭に置いているか邪推されても困るのでアップする日をずらしておきます。とりあえず、家族以外の代理相談は受けないようにウェブサイトの記載を追加する作業をはじめました。

訴訟は、みずもの

○裁判所はみずもの

某月某日。

某簡裁の賃金請求訴訟、第一回期日を終えたお客さまが期日後の打ち合わせにやってきました。

…青菜にたっぷりと塩をかけ、さらに20分ほど煮込まれたような状態で。

なんでも裁判官から圧迫面接(正確には、原告不利な和解勧試)を受けたとか。

請求はシンプル、証拠は完備、訴状も当然適切に作られた事案だったのに(汗)

当然ながら、次の準備書面を作ります。

某月某日+α日。

某簡裁の賃金請求訴訟、第一回期日を終えたお客さまから連絡が入りました。

…こちらは予定通りというべきでしょうか、闘志旺盛を通り越して余裕綽々、の領域に入っていそうです。

裁判官は被告の対応に失笑気味だった、という報告が入っているのですが。

こちらの証拠、確かなものはなにもなかったのにもう心配する必要はない、と(笑)

こちらも裁判官の指示は出ています。次の準備書面を作ります。

○お客さまもみずもの

某月某日+β日。というより、今日ですが。

某簡裁の賃金請求訴訟。準備書面作成は着々と進んでいます。次の週ぐらいに完成させればいいですよねー、と悠々書面を作って昨日、第二案をお客さまに送付しました。

一晩おいてお客さまから確認の連絡があったのですが、付記事項があります。

実は締め切りが来週明けだと裁判所から指示を受けていた、と。

…愕然

とりあえず郵送での書類送付をPDFにすれば2日短縮できるからどうにかなる、とは思うのですが。なんとか準備書面は作ります。以下に続きがあります。

○もちろん僕も、みずもの

この事務所の予定はだいたい、向こう1週間ぐらいのものだけが決まっています。今週明けの時点で11月の予定といったら週末の会食が1件のみ、そんな感じ。

で、今週になって電話相談来所相談依頼中の打ち合わせがわらわらと入り、月の後半の出張と打ち合わせも決まり、11月12日に希望日を出していた温泉宿への出張が11月3日に変わったところへ予期せぬ準備書面締め切り日の提示を受けました、と(苦笑)


ほんとうはみんな、こんなことじゃ困るよね、という話ではありますが。

冒頭2件の訴訟には一つ差があります。

お客さまが余裕だらけだったほうは被告の答弁書にミスがあったわりに提出が早く、僕がすでに準備書面を出して反撃を終えておりました。

お客さまがメンタルダウンにおちいったほうは被告の答弁書が直前に提出されており、検討不足な裁判官が社長の口車に乗った、ということらしいのです。

こちらの答弁書もよく読めばミスだらけなんですが、とにかく第一回期日ではそうだった、と。

大規模簡裁ほどこうした当たり外れ・運みたいな要素で対応を変える裁判官が混じっている気がして、労働紛争労働側で少額訴訟を選ぶのに勇気が必要な状況です。

上記3件はいずれも、請求額だけで言えば少額訴訟が選択可能な簡裁通常訴訟なんで、とにかく不利な和解だけは受け入れずに帰ってきてくれればあとは僕が書面でなんとかする(ようにする)わけですが、そうした支援がなければ裁判官の対応に絶望する本人訴訟の当事者の方もいるだろうと思います。

本件はお客さまの許可を得て、もう少し詳しく書くつもりです。

あともう一つ。

当事務所の裁判書類作成業務委託契約には、お客さまが対応を誤ったために当事務所が緊急の作業を行う必要が発生した場合、所定の特急・急行料金(最低3万円)を請求できる規定を設けています。

今回は郵送での出荷をPDFに切り替えればなんとかなるので適用しませんでしたが、まさにこういう事態(裁判所が締め切りを示しており、お客さまがそれを僕に伝えない)に発動可能な条項ではあります。

そのかわり、お客さまにはプリンタのインクをたーくさん消費することになるはずですがそこは我慢してもらうとしましょう。

今回は、そうした書証を準備していたのです。お客さまのために(遠い目)

月刊誌の袋とじについて継続的観察を要する件

先日の東京出張では2泊3日の日程のうち、最終日だけが自由に使える日になりました。

いつも通り国会図書館に出向き、予定していたいくつかの検索テーマにそって資料を請求していきます。

2

欲しかったのは2番目の資料です。業界紙のようなそうでないような1番目の雑誌…読んでません(苦笑)

さて過払い金返還請求のときもそうだったのですが、お商売に熱心な同業者さんたちの業務が社会問題化するにはいくつかの段階があると思っています。

知人との飲み会でどこかの事務所の執務姿勢が噂の的になる→噂に出てくる事務所が増える→一般誌に記事が出る→同時に複数の新聞雑誌・執筆者が問題を扱うようになる→問題事例を扱った単行本が出る→法務局が乗り出す・テレビで特集される→(利にさとい先生方の一部は業態を転換したり法人を解散させる)→業界全体を不利に動かす裁判例が出る、まぁこんな感じの。

で、上記画面の業務は昨年秋までに相次いで違う雑誌が取り上げる時期を過ぎ、この春ついに『単行本が出る』段階まで行きました…と。

続報がないか、と言うことで定点観測キーワードを入れたところ、ZAITENの6月号の記事が出てきました。

昨年からこの執筆者の雑誌記事は読んでいたのですが、この3月に出た単行本『成年後見の闇』は別に紹介したいと思います。この業務に全くタッチしておらずこの業務に熱心に取り組んでいる先生とも親交がない僕からすると、これは同制度の利用を考えている人や問題事例にすでに巻き込まれた普通の人に勧めてよい、いい本だと考えています。

あ、実は本題はそこにありません。この雑誌に見開き2ページの、雑誌記事索引にも載っていない記事があったのです。

-東京地裁開廷情報ピックアップ-

3月10日から1ヶ月間の、東京地方裁判所の主な訴訟の事件番号と原告被告、事件名が100件ほど列挙されています。労働関係訴訟は地位確認と賃金(たぶん残業代)請求など数件が載っています。

掲載基準は『この雑誌が扱いたくなるような会社・法人・個人』が当事者のもの、としかいいようがありません。誰もが知ってる大企業に加えて宗教法人や学校法人が当事者の訴訟が掲載されていました。おそらく有名人が当事者のものは、そちらが理由で掲載されることになるでしょう。

逆に、上記の企業等を訴えた個人名も載ってしまうということで問題があるようなないような記事ですし、件数もわずか100件で網羅的とはほど遠いのですが…

これは連載記事だというのです。現に財界展望新社のウェブサイトでは、ZAITEN最新号では5月10日から1ヶ月のぶんが掲載されていると表示があります。

訴訟記録の閲覧に関する(圧倒的大多数が、不毛・非常識・無駄な)問い合わせは多々あり、それへの対応過程でいろいろな情報はありましたが、ここに気づいていた人は誰もいませんでした。灰色な情報を暴露するのが売りの雑誌に東京地裁の開廷表の抜粋が載ってると考えるほうがどうかしているといえばその通りではありますが…こんな情報でも求めている人はいるはずなので、当事務所ウェブサイトの訴訟記録閲覧方法のページに加筆しておこうと思います。

そんなわけで、国会図書館で定点観測すべき雑誌がこのたび一つ増えました。

なにしろこの記事、いつも『袋とじ』になっているようなのです。


ちなみに、もう一つの定点観測キーワード。

3

こちらは一冊目の雑誌を閲覧しました。内容はそんなに深刻なものではなく、遺留分に食い込んで揉めたり受託者が勝手放題にできすぎたりハウスメーカーが糸を引いてたりすでに訴訟になったりしている事例があるから金融機関側でうっかり荷担するなよ、というもの。

つまり一般的な問題事例の紹介、という程度ですよ(遠い目)

ただ、金融機関担当者向けの媒体にこれが出た、というのはきっと、素敵なドメインを押さえたあの事務所が同分野に進出の姿勢を明らかにしたことと関係があるのでしょう(ウソ)

この話題とは別に、同分野で単行本を出しておられる同業者さんがウェブサイトで『信託口の口座なんか作らない・要らない』と言っておられるのを見てしまったのですがこれとの関係は…

いや、これは邪推というものですね。

僕はこの分野には関心があるものの、あちらはあちらでなんだかオトナの事情が渦巻いていそうでうっかり近寄れないのです。引き続き、ご熱心な先生方の健闘に期待します。

債権差押命令申立事件:ゼロ回答の理由

先日申立書類を作成した債権差押命令申立書。よくあることですが銀行預金を差し押さえよう、というご依頼です。

申立書そのものはつつがなく受理され、当然ながら第三債務者たる某銀行さんから陳述書(差押えに係る債権と支払意思の有無を第三債務者が書いたもの。状況により、申立債権者を歓喜させたり絶望させたりする書類)がお客さま方に送られてきました。

が、しかし。

-取引無し-

との添え書きがあるのです。債権の存否はもちろん「無し」。

表題通りのゼロ回答に、お客さまからの報告が少々痛い瞬間です。いくら司法書士が地裁案件で自由に法律上の判断ができないとは申せ、思考停止状態で申立書作ったわけではありませんから。

実際のところ、敵は無防備だし債務名義取得以降のタイミングも十分ずれてるし最初の一発はヒットするだろう、と思って(←この部分、お客さまに言ってしまうと法的判断=弁護士法違反になりかねませんので絶賛自粛中なんですが)受託した経緯はあり、こっちもちょっとショックです。

おかしな点はあるのです。というより、かなりおかしいのです。

よくある行きがかりで債権者は債務者の預金口座は把握しており(たとえば、債務者への振込でお金を貸したようなパターンですね)、陳述書が出てきたあともその口座が生きていることは確認できています。

ところで。

債権差押命令申立書は地裁に出しておりますが、この差押命令が仮にヒットしていた場合は簡裁の手続きで手じまう可能性を残します。第三債務者があくまで非協力的だった場合に起こすはずの取立訴訟は、請求額にしたがって簡裁に提起できることになっており、今回の請求債権額は余裕で140万円を割ってますから。

司法書士の簡裁代理権with法律相談権、ここで復活になるわけです(苦笑)

そんなわけで、第三債務者への照会書を粛々と起案します。先日取引無しって言ってきた陳述書だけど、この口座番号あるよどうなってるの、と。当事務所には珍しく、内容証明郵便など使ってみました。

で、出張から帰ってきたその日。

歓喜…とは言わないまでも転倒状態から歩行可能状態に回復したような報告が、お客さまから入ってきました。予想はしていましたが理由は単純で、債務者には数年前に転居歴があり、債権差押命令申立書には現住所しか書いていなかったため住所不一致により取引なしと回答した、今回は訂正に応じて残高については差し押さえられたものとした、と。

ただ、現時点で自力で債権差押命令申立書起案中のお客さま方にはこうしたシンプルなハッピーエンドがあるときもないときもある、と思っておいていただきたいのです。

金融機関によっては再度の申立をせよと言うところもあるようですし(ただ、こう言われてしまった場合はそれこそ取立訴訟を起こすことを本気で検討すべきですが)、今回のような右往左往を嫌って差押債権目録などに旧住所を併記しておこうとすると、申立書提出時点で窓口担当者と揉めることもあります。

地裁案件で個別のお客さまに個別に法的判断をした個別の助言をすると弁護士法違反になってしまう可能性がありますので当ブログに一般論として書いておくなら、債務者に転居歴が疑われる場合は申立書提出時に多少揉めても(申立には、その時間ぶんの余裕を見ておいて)旧住所を書いておくよう運動すべきではないか、と思っています。

3万人弱いらっしゃる同業者さんのなかには、昨年以降地裁での書類作成業務返上論を提唱される人もおられるとか。だったらその論者、家裁への成年後見関係申立書作成業務も手放す気なのかちょっと知りたい気はします。あくまで興味があるだけですが。

業務の範囲にいろんな重たい制限が課されている職業ではあるのですが…制限が大きいほど妙な発達があるのかもしれません。最近、図書館の書棚で手に取った本を見てそう思わされました。


ちくま文庫ですが何か?

この世界に見られる男性女性のあれやこれやに関する描写の多彩さは、どうやら書き手と発行人と警察との攻防を経て数十年がかりで洗練の度を増した…あとがきによれば、そういうことらしいのです。

なんかこう、小説の書き手も辞書の編み手もみんなガンバレー(*^_^*)とまぁそういう気になれたのは、僕も一応物書きのはしくれでいたいから、かもしれません。上記リンクの先にある、レビューもなかなか読み応えがあります。

最後にお客さま方には安心していただきたいのですが、上記参考文献所載の語彙を僕が仕事で作成する書類に(所載の意味で)用いることは、ほぼないかと思います。

不意に気づく依頼人性別分布に関する件

金山駅周辺で飲み会に使えるお店を探したいと、常々思っていたのです。

Dsc_0060

先日訪れたこのお店、事前の現地調査=店構えのチェックをしてから決定したところ個性的でおいしいものをお値打ちに出してくれるお店でした。出てきたばかりのサンマのアヒージョを何も考えずに口の中に放り込み、不安全行動の味も満喫してみたところです。

お店が駅の北側、少し歩いて大通りから脇にそれたところ、ってのも気に入りました。

この駅の反対側にはどこかの業界団体ビルがあって、ちょっと近寄りがたいのです。

その飲み会、もともとは僕が雑誌に時折載せている記事への寄稿に際して当該分野に注力しておられる同業者さんに協力を仰ぐための打ち合わせとして企画されました。

それを聞いた税理士法人勤務の元お客さまがご同僚を伴って参加を希望され、計4名の飲み会となった、というものです。

…別に作為はないのですが、同業者さん=男性司法書士さんには参加者の性別を告げておりませんでした。

いえね、何かちょっと面白くならないかな、と思って。

後から来られたお二人がいずれも女性だったということで、同業者さんにとっては予想外だったようなのです。

…別に作為はなかったのですが、僕にとっては予想より楽しい反応を見せていただきました(笑)

ただ、このとき受けたご指摘では当事務所について

「女性の依頼人はいないのではないかと思った」

そんな趣旨のご発言がありました。

いえそんなことは、だいたい半分弱が女性のお客さまで、などと言いかけて。

ちょっとヘンな気がして、やめたのです。待てよ、と。

裁判事務に絞って頭のなかで数え直してみます。
といっても登記事件は1案件しかありません(爆)

現に受託中なのは8件。労働関係6件、それ以外2件。

委託者の性別。男性3件(!)女性4件、法人1件ですが、担当者が女性。

委託者の分布。東京高裁管内1件、名古屋高裁管内5件、大阪高裁管内1件、福岡高裁管内1件。

補足事項。受託に向けて準備中のもの1件、やっぱり女性。

…別に作為はなかったのですが、当事務所における裁判事務のお客さまはいつのまにか女性が多数派を占めていたようなのです。

そういえば、登記以外の問い合わせのフォームに記載されている氏名を追っていくとここ数ヶ月は女性のほうが多いようにも思えます。

狙ってやっているわけではありません。知らないうちにそうなっていたのです。

一点補足するとすれば、現に依頼中の女性の皆さまの年齢はいずれも30代後半より上なのです。釣られて思い出したのですが、当事務所に応募された頃の補助者さまもそうしたお歳でいらっしゃいました。

要するに熟女向けなの?といった突っ込みを放ってくれそうな参加者、いえ元お客さまがそういえばそのようであるようなないようなご年齢になってテーブルの対角に座っていらっしゃったようにも思えます。あるいは気のせいかもしれず、いや本当の年齢は21歳だとか582歳だとか等と言われれば、僕としてはそれを尊重せざるを得ません。

本件、話題にしなくてよかったですいろんな意味で(汗)

あと、まじめに依頼先を探している(で、このブログの記載を楽しむだけの度量または冒険心がある)方への補足としては、上記依頼の半分弱が請求額40万円未満と申し上げておきましょう。ここは1~2ヶ月分の賃金請求案件をふつうに扱う事務所です。


実は次のお店の候補も現地調査済みです。
こちらは市民会館の反対側、スペイン料理のお店です。

誰と行くかは、慎重に決めたいと考えております。
昔の僕を知らないか、知らないふりをしてくれるひとがいいかもしれません(遠い目)

和解予報をもう一度

ときどき、和解予報士として仕事をしています。

もちろん僕の造語です。出てきた書類その他の要素から紛争の相手側の状況をよく読んで、主としてあまり教科書に載ってないような、。「期日の前日、バイク便で相手が準備書面を届けてきた」などといった状況下で和解成立を予報する、まぁそういった営みです。

今回は債務者側での活動となりました。今日はそうした話です。


本来なら毎月払わなければならない、あるお金の支払いを延滞してしまった方がいました。債権者は何人かの延滞債務者をまとめて、弁護士に回収させるよう行動を開始した、記録からはそんな経緯があったようです。

相手側代理人弁護士はまったく定石通りに行動を開始します。

まずは内容証明郵便で催告書を出し、2ヶ月後に支払督促をぶつけてきた、と。

お客さまが相談に来られたのは、支払督促の送達を受けた直後です。さて、どうしましょうか。

  • 客観的には払わねばならないお金です。そこはご理解いただいています。
  • その気になれば一括払いも可能です。それは心強いことです。

ところで本件、民事法律扶助による法律相談でお話しをお聞きしています。

支払督促って言ったってさ、と説明を開始します。

放っておいたら強制執行可能にはなるけど、相手にバレてる預金口座でもなければ差押えなんかムリだよね、と。

…給料未払いその他で支払督促の本人申立をした労働者が怒りそうな話をするわけです(笑)

この状況で上記の危険がないことを確認しておいて、督促異議をだそうか考えます。

異議を出したければ予納郵券を添えてだせ、と裁判所からの書類には書いてあります。

この千何十円、もったいないよね、という話になるわけです。なにしろ法律扶助による法律相談、つまり相談料をもらわない相談ですから、コスト最重視で。

相手の代理人の弁護士さんはなかなかうらやましい忙しいタイプの方のようです。

お客さまの債務=相手にとっての回収債権額は、弁護士さんが扱う事案としてはいささか少額です。ならば。

次の相談までに和解案を練っておくから、それを投げてみましょう、自分で、と策を授けて了承を得、1回目の相談を終了しました。

相談2回目。練っておいた和解案を示し、すみやかに相手側代理人に送付するよう指導しました。回答期限は、こちらが督促異議を出せるぎりぎり2日前にして。

…あと、内容はこちらに好都合だが決して荒唐無稽ではない分割払いのご提案、というかたちにしています。

本人が自分で代理人にアプローチしても全然構わないし、こっちの都合での分割払いの提案であっても向こうからみて乗れる条件なら乗ってくるから大丈夫、支払督促にはわざと異議を出さない旨を示しておけば、先方も督促異義後に訴訟起こして和解するのとほぼ同じ内容を持つ和解にたどり着けるから、きっと応じてくるだろう、と予報を出して2回目の相談を終了しました。

で、回答期限1日後の今日。

予想通り=こちらの提案通りの案が出てきた、とお客さまから連絡がありました。

ただし一点、予想を外しました。

先方から出てきたのは和解契約書ではなく、債務承認弁済契約書だった、と。まぁ中身は同じだと確認したので、これに応じて終了していい、とメールで指示を出しました。

もしわからないことがあれば、3回目の法律扶助による法律相談やりますから来てください、と冗談で付け加えたことであります。

支払督促と裁判外の和解をうまく組み合わせると、公正証書を作るよりラクに「不払いがあったときは強制執行できる内容を持つ、相手と合意した約束」を作ることができます。当然ながら、相手とは最低限の=それこそ公正証書を作ることに合意できる程度の協力は得られる関係にある必要はありますが。

こちらの方式は、債務者側はたんに支払督促をご自宅で受け取っていただけばそれでよく、あとの契約書のやりとりも郵送で済むため平日昼間にみんなで仲良く公証役場に行く必要がない、ということで債権者側ではときどき使っていたのです。ものわかりがよくて仕事を早く終わらせたい、いえお忙しい方が債権者側代理人だときっと成功するだろうな、と見切って仕掛けたらそうなった、めでたしめでたし、というお話しです。

ほんとうは和解案を書面でお客さまに渡すとき、簡易援助を使えばよかった(4320円売上が増えたはずだ)というのが反省点といえば反省点でしょうか。

ウェブには出ていない情報なので、これもどこかで記事にしておきたいと考えています。

続 民事法律扶助制度 取り扱います

創業13年にしてようやく、というべきでしょうか。

毎月、誰かしらリピーターのお客さまに会えるようになってきました。ありがたいことです。

が。しかし。

元々は不動産登記のご依頼を経て、今回は法律相談にやってきたそのお客さまから、例によって衝撃的なお言葉を賜ったのです。

(そのお客さまからすれば、当事務所は登記の事務所だと思ってたので)
法律相談なんか申し込んでいいのか疑問だった、と。

2秒ほど相談室のテーブルに突っ伏してから、「もともとこの事務所は(主として労働)紛争の事務所で、登記は(とっても嬉しいんですが)あとからコンテンツを作ってたんです!」

と申し上げたところです。そのあとで、

「労働紛争のお客さまが後になって『先生のところで登記やるなんて思ってなかったから、相続登記はほかの事務所にやっちゃいましたよ♪』とか言われるのもかなり打撃ですが」

と付け加えました。

多くのお客さまにとって、登記から入ってきた人には登記の事務所に、紛争から入ってきた人には紛争の事務所に見えてしまうのかもしれません。

今回のお客さまには粛々と民事法律扶助による法律相談を適用して費用負担なくお帰りいただきましたが、さて。

そういえば、最近あまりこの制度について言及していない感じがします。そんなわけで。

この記事は平成25年9月23日付『民事法律扶助制度 取り扱います』の続きです(苦笑)

○民事法律扶助制度について

・建前

かんたんにいうと、家族構成によって定まる『毎月の収入』と『資産の額』が一定水準を超えない方々のご依頼について、法律相談・裁判所提出書類の作成・裁判外あるいは訴訟代理の費用を出したり立て替えてくれたりする公的な制度です。実施主体は法テラス、日本司法支援センターです。

・本音

  • お客さまのなかにはこの制度、冴えない実務家のための制度という人もおります。
  • 一方で、扶助の利用者の資質や態度について疑念を呈する実務家もいます。

僕がどちらに与しているかは恐くて口にできません(遠い目)

また、面接による無料相談を標榜している一部の事務所では、制度の詳細を説明せずに法律扶助による無料相談の申込書を書かせて=相談を申し込んだ人が使える無料法律相談の回数を1回消費して他へたらい回しする、という事務所さんもあったりします。

○代理援助について

・建前

弁護士や司法書士による、裁判外での交渉の代理・訴訟代理の費用を立て替える制度なのですが、僕のところではいまだに利用実績がありません。

・本音

冷静に見積もると、扶助のコスト水準のほうが高い(笑)という身もふたもない構造的問題を解決できていないためです。

以前一度だけ、共同不法行為の被告になった2名の1人が法律扶助による訴訟代理、もう1人が当事務所で裁判書類作成(法律扶助適用せず)という事案を受け持ったことがありますが、「本人訴訟」を視野に入れてしまうとさらにコストの差が開く、ということで当事務所に来られるお客さまにはおすすめできない、ということになっています。

○書類作成援助について

・建前

こちらは訴訟代理ではなく、訴状や破産・調停の申立書など「裁判所に提出する書類」の費用を立て替える制度です。

ご熱心な同業者さんたちは破産の申立書類作成でこれを使っておられると聞き及びます。

・本音

僕のところではいまだに利用実績が無いのとその理由は代理援助と同じです。

債務整理にあんまり関わってないからだ、という理由も付け加えます(苦笑)

労働審判手続申立書など労働紛争では使ってみたい気がするこの制度、成果にかかわらず定額の費用が発生ししてしまうところにも(僕やお客さまからみれば)致命的な欠点があります。

○相談援助について

・建前

いわゆる「無料法律相談」を実現してしまう制度です。利用者は相談料金を払わずに済み、相談担当者には法テラスから所定の料金が支給されます。申込みは各相談担当者の事務所でただちにすることができ、収入や資産は自己申告で足り、さらに資産については、預貯金のみを判定の対象にします。

・本音

理想的に機能するなら、いい制度です。予算が払底するようなことがなければ(遠い目)

そんなわけで、僕の事務所ではもっぱらこれをつかって来所のお客さまに法律相談をおこなっています。

ちょっと恐いのは、利用者に費用負担が発生しないので生活保護利用者と医療扶助に似た関係がその気になればできること、でしょうか。そのうち貧困ビジネスと結託して何らか処分される人が出てくるだろうな、と思っています。

あとは、同じ紛争について最大3回まで、という制限について説明を受けていないお客さまがときどき(年に一人か二人)来られるため、他事務所での利用歴がすでにありそうな方はちょっと気をつけるようにしています。

なぜか利用歴について正確な説明をされない方がいるのです。

理由はわからない、ということにしておきますが、最初に「法律扶助なんか使ったことない」と言いながら相談が進むにつれて「別の事務所で(無料で聴いたときに)言われたのは…」などという発言が後から出てくるのは、決して愉快ではありません。

そんなわけで、法律扶助による相談を使い慣れていそうな方には引き気味に接する、制度を知らなかった方には説明して制度を適用する、というのが当事務所の基本的な立場です。本音をいうと。

○当事務所で相談援助を適用する法律相談について

・対応可能分野

あの…労働紛争に限りませんから。

というと労働紛争から入ってきた人は妙な顔をされます(笑)

借金・家賃・請負代金・交通事故など金銭上の請求をした側・された側の相談はふつうにお請けしています。請求額が140万円以下であること・簡裁以外の裁判所に手続きが係属していないことだけが守らなければならない要件なので、登記や労働紛争と関係なくても全然かまいません。請求を受けた側でも大丈夫です。

あとは、「この事務所に来られること」が月収や資産と並ぶ重要な要件です。出張・訪問での相談は別に許可を要することになっており、これを試みたことはありません。

そのかわり、事務所にさえ来てもらえるなら他県の方にも制度を適用できたことがあります。

要件を満たしているようにみえて適用されず、請求を蹴られた事例が1件あります。

これは労災保険の適用に関するもので、国が扱う制度に関する相談である以上民事上の(つまり、民間人対民間人の)相談ではない、というのが法テラスから示された理由でした。

僕のリクツでは、労災保険法自体が労基法に定めた、「使用者=民間人による労災補償の義務」を代替するために設けられているのだから労災に関する紛争はそもそも民事上の紛争だろ、と考えたのですがそうはならなかったのです。

…相談の調書に「労災保険法」という文字を使わず、「労働基準法第○条による使用者への請求」として法テラスに提出したらどうなるか、見てみたい誘惑もありますが。

・相談時間

当事務所の有料相談では基本を2時間としていますが、民事法律扶助による法律相談は弁護士並みの時間と費用=30分5400円を一つの目安としています。

これは建前です。

僕の仕事は遅いので(笑)

もう少し時間は延びます。2時間にはならない、とだけ言わせてください。

・相談回数

当事務所を含め、同じ紛争では、最大3回という縛りがあります。

ですので当事務所が最初の1回だった方には、次の相談を弁護士のところで受けてみて、そこが嫌だったら3回目でここに戻ってくるのはどうか、という提案をしています。

すでに馴染んだお客さまの場合は必要に応じて相談を連打します。継続的な交渉や簡裁通常訴訟で相手から対応があるごとに相談を入れる、その相談だけで解決してしまう、とか。

・簡易援助

なんでも最後に援助、とつける理由は不明なんですが、「相談中に、本人名義で作れる、かんたんな書類」の作成もできます。簡易援助、といいます。

僕が名前を出していいわけではありませんし、提出を代行することもありませんので内容証明郵便などはちょっと面倒(お客さまが自分で集配局に行く必要がある)なのですが、年に1度くらい利用しています。相手の請求に対する簡単な回答でもいいですし、労基署が書いて出してみろと言った未払い賃金の催告、その他の交渉の申し入れ、などでもいいでしょう。

業界紙には先頃、支払督促に対する異議申立書作成にこの簡易援助を使ったという記事がでてきました。

強烈にかんたんな裁判書類作成だったら簡易援助で行ける、ということでしょうか。たとえば「時効の主張だけする答弁書」とか。ちょっとやってみたい気はします。

これを作成すると、お客さまには2160円の費用負担が発生します。相談そのものは無料です。

○最後に

扶助の適用対象になるかどうかは法テラスのサイトでチェックできますので、何か法律上、気になることがありましたら

  1. 上記のリンク先で見られる収入等の水準に当てはまっていて
  2. 金額140万円以下の、行政を除く法人や個人との争いで
  3. 地裁・家裁・高裁に係属している手続きじゃなくて
  4. 当事務所に来れるなら

とりあえず、ここで相談受けてみる、というのが僕には理想的なご対応、ということになります。

繰り返しますが、この事務所の業務は労働紛争だけでも不動産登記だけでもありません。さすがにファイナンシャルプランニングの相談でこの制度を使うわけにはいきませんが。

ちょっとした思惑を込めて受託した無償リファレンス業務に関する件

昨日の東京出張では、別にもう一つ用事がありました。国会図書館での書見ですが、本人訴訟遂行中のお客さまからのお尋ねによるものです。

守秘義務に反しない範囲で説明すると『ある事業者にその監督官庁が出した行政処分の内容を知りたい』と。

その事業者、士業ではありませんよ。ならもっと簡単です(笑)

さて、調査を準備してみます。

まず、だいたいの違反発生時期と事業者名はわかっています。有料サービスとして提供されている(当事務所ではオンラインで、大規模図書館では無料で使える)一般の新聞記事全文検索データベースで事業者名をあたってみます。

…該当なし。

業界紙がある、とお客さまに言われたので、所蔵を検索してみます。

ありました。最寄りでは、大阪府立図書館に(爆)

もう一件、これは期待通りに国会図書館に所蔵されています。愛知県内には所蔵なし。

問題は、業界紙だからといって行政処分が公表されているとは限らない点です。士業と違って、業界団体が出している業界紙ではないのです。

ただ、仮にご所望の記事が見つかった場合、いま進めている訴訟でひどく有利になるだろう、とのことです。どうしましょう?

一見のお客さまならさっさと撤退、または作業時間制で料金計算して1時間あたり3千円、といった感じにすべきです。対応可能な料金制度は設けておりますが、これで3万円ポンと投げてくれる方がいたらそれはちょっとした豪傑と言わねばなりません。

そうした方には、2年にお一人くらいしか出会えません。

ですがこの二人のお客さま、この一年にわたって相談継続中です。相談料だけで●万円に達していますし、そろそろちょっとした便宜をはかってもいい時期ではあります。

そんなわけで、成功した場合の見返りのみ提示してこの作業をお受けすることにしました。

東京滞在、1日目。

国会図書館でも普段訪れない新館4階が、新聞とその縮刷版の資料室です。まずその業界紙1年分の縮刷版を出してもらいました。

午後の3時間かけて、1年分の検討が終わらないことに気づきました(愕然)

ただ、毎月の行政処分の発表は地方版の記事として掲載されていること、その内容はおそらくお客さまが希望しているほど詳しくないことがわかってきました。

縮刷版の精査を本気でやりたいときは、名古屋を朝出るバスでなく前日夜出るバスで東京に来たほうがいいらしい、ということもわかってきました(苦笑)

2日目。

…事実上タダで受けおそらくはタダで終わる作業ですが、やりきって帰ったほうがよさそうだ、ということで作業続行を決めました。

昨日閲覧を完了しなかった1年分と、その次の年の分も出してもらいました。

昼ご飯をとらずに6時間ほど記事を読み続けた結果、その業者に対する行政処分が出た日付は特定することができました…が、処分の内容は訴訟に有利な形では読み取れませんでした。

念のため、関東中部一円で他社に出ている同様の分野での処分を読み取って抜き書きし、今朝のメールで納品して作業を終えたところです。

見返りなし、確定。あはは(←乾いた笑い)

まぁ、処分の日は特定できたのであとは管轄官署に情報公開請求を試みるなりなんなりしてもらえればいいかもしれません。さしあたってはお客さまに再びバトンを引き継いだ、という状況です。

本人訴訟とは申せ、何か立証してみせるのも決して簡単ではない、準備書面にちょちょっとなにか書き足したから立証できたなどということはもう絶対ない、というお話しなんですが、さて本件、もしご希望の記事をご希望の形で見つけた場合の『見返り』、なにをお示ししていたと思いますか?

お客さまは二人、事案は労働関係訴訟、ということで。

それとは全然関係なく、記事が見つかったら相続登記を一人20件ずつ持ってきてください。それが辛ければ生前贈与と財産分与が混ざってもいいことにします(←高飛車)そうお客さま方に申しつけて…いえ、お願いしていたところです。

当然ながらこのお客さま方、相続だの不動産だのとはぜーんぜん関係ないお仕事に携わっておられます。

さようなら、僕の相続登記40件、推定売り上げ80万円(笑)

冗談はさておいて、ある資料を閲覧してきたいがその所蔵が東京だの大阪だのにしかない、ということでお悩みの地方在住の皆さまからもしご相談があれば、こうしたリファレンス業務は常に受け付けております。

当事務所ウェブサイトにページを設けたのは今年からですが、実は業務そのものは数年前からやっていたし訴訟の勝敗に影響を与えてもいた、そういうものだったりします。

この作業、費用は主に成果にかかわらず作業時間によって決まり、標準は1時間あたり3千円としておりますが、お客さまのご事情や訴訟の展開、その他私の気分や思惑によって、

まれに、異なる条件をお示しすることがあるかもしれません(遠い目)

より以前の記事一覧

2019年3月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近のトラックバック