カテゴリー「本人訴訟」の記事

訴訟費用額確定処分申立:当事者複数、事件が併合された場合の計算書

職業代理人が(時には、クライアントの金を派手に使って)勝利を謳歌して去ったあとの…いわば宴の、後始末。

そんな訴訟費用額確定処分申立書作成に関する、前回の記事の続きです。

今日の例は昨日の事案と同じですが仮名を付します。

僕のお客さまは2名。甲野太郎と乙山次郎さんです。

当初、甲野太郎さんがA山花子を被告として起こした訴訟(第一事件)は甲野太郎全面勝訴、訴訟費用は全額A川花子負担、提訴されて逆ギレしたA川花子は甲野太郎さんに加えて関係者の乙山次郎さんを被告として提訴(第二事件)しましたがA川花子完全敗訴、ただしこちらの訴訟費用は、訴訟費用を4分し甲野太郎がその1を、その余をA川花子負担とする判決が出ています。第二事件提訴後、裁判所はただちに二つの事件について弁論を併合、そのまま判決を出しました。

ちなみに。第二事件の訴訟費用負担の書きぶりが上記の通り(乙山次郎さんに関する記載なし)だったことから、初動で問い合わせをうけた裁判所書記官は乙山次郎さんに

「判決になにも書いてないのだから、(乙山次郎はA川花子に対して)訴訟費用も請求できないはずだ」

と言ったとか。

今にして思えば、この発言があったこともお客さまが遠路はるばる僕を呼ぼうと決心するきっかけになったはずです(笑)

当然ながら乙山次郎さんも無事に訴訟費用の全額を回収できておりまして、話は甲野太郎さんの訴訟費用額確定処分申立書に添付する計算書の記載に戻ります。

計算書は以下のようになっています。


計算書1

第2事件被告乙山次郎および被告甲野太郎ならびに第1事件原告甲野太郎に共通する訴訟費用のうち、第1事件原告甲野太郎分

第1事件の訴訟費用 合計19万5223円
(内訳)
1 書類の作成及び提出費用     500円
  (被告乙山及び被告甲野(第2事件)並びに原告甲野(第1事件)に共通する訴訟費用のうち、原告甲野分)
2 第1回口頭弁論期日呼出状および訴状副本送達費用    1082円
3 第2回口頭弁論期日呼出状送達費用     536円
  (1072円の2分の1の金額)
4 原告本人の出頭日当    19750円
  (第1~6回口頭弁論、第1~4回弁論準備各期日10回合計39500円の2分の1の金額)
5 原告本人の出頭旅費  154605円
  (住所地簡易裁判所から出頭地簡易裁判所まで直線距離633km、300km×50円+333km×40円=28320円、第3~6回口頭弁論28320円×4回=113280円、第1~2回口頭弁論、第1回~4回弁論準備期日 旅費195930円(実費)、合計309210円の2分の1の金額)
6 原告本人の宿泊料                  18750円
  (第1・2・4・5回口頭弁論、第1回弁論準備期日 5泊合計37500円の2分の1の金額)
  (第1事件の訴訟費用合計) 195223円


計算書2

第2事件被告乙山次郎および被告甲野太郎ならびに第1事件原告甲野太郎に共通する訴訟費用のうち、第2事件被告甲野太郎分

第2事件の訴訟費用 合計14万5605円
(内訳)
1 書類の作成及び提出費用     500円
  (被告乙山及び被告甲野(第2事件)並びに原告甲野(第1事件)に共通する訴訟費用のうち、被告甲野分)
2 第2回口頭弁論期日呼出状送達費用     536円
(1072円の2分の1の金額)
3 被告本人の出頭日当    19750円
(第1~6回口頭弁論、第1~4回弁論準備各期日10回合計39500円の2分の1の金額)
4 被告本人の出頭旅費  154605円
(住所地簡易裁判所から出頭地簡易裁判所まで直線距離633km、300km×50円+333km×40円=28320円、第3~6回口頭弁論期日 28320円×4回=113280円、第1~2回口頭弁論、第1回~4回弁論準備期日 旅費195930円(実費)、合計309210円の2分の1の金額)
5 被告本人の宿泊料                  18750円
(第1・2・4・5回口頭弁論、第1回弁論準備期日 5泊合計37500円の2分の1の金額)
(以上の小計)     194141円
(第2事件の訴訟費用 上記の4分の3の金額)  145605円
6 訴訟費用額確定処分正本送達費用        1072円
 以上の合計     146677円


計算書1+計算書2=341900円


水平線のところで改ページしてあると考えてください。

また、実際に発布された訴訟費用額確定処分に添付の計算書は(通常はこちらの作った計算書がそのまま採用されるのですが)表形式になっていました。

…書記官も大層苦労されたのだろうな、と思っています。そういえば申し立て中に担当書記官が退職しておられますが(汗)これは定年退職だと聞いています。

赤い字のところは、発付された訴訟費用額確定処分に書かれていた表現です。実際は黒い文字です。

ここは申し立ての段階で補正指示が出た箇所ではないのですが、僕が当初作った計算書では違う書き方をしていました。処分が出た以上、そちらに合わせたほうがよいだろうと考えて赤字部分のように記載されることをお勧めします。

計算書作成の考え方として、併合されたり反訴されたため複数の事件番号を持つ事件の判決を経て申し立てる訴訟費用額確定処分申立書では、一人の当事者について、事件ごとに分けて計算書を作ることになります。

※計算書は分けて作るのは当然ですが、複数の当事者について一つの申立書にまとめて申し立てができるような気がします。依頼人に実益がないので、僕のところでは当分の間、やらないようにはしますが。

次に、書類作成・提出費用が典型的ですが各事件で共通する費用(本件では、第一事件の原告と第二事件の被告は同一人物で、両事件の主張はおなじ準備書面でおこなっているうえ第二事件では他にもう一人被告がいます)はそう断ったうえで頭割りするとよいことがわかります。

もう一人の当事者にして依頼人である乙山次郎さんは、別に申立書・計算書を作っています。上記の計算書1・2で書類作成費用を500円ずつしか計上していないのは、別に作成した乙山さんの訴訟費用額確定処分申立書で500円計上してあるためです。

昨日の記事に書いた通り、総額1500円の書類作成費用を第一事件原告の甲野さん・第二事件被告の甲野さん・第二事件被告の乙山さんに頭割りで割り付けたら上記のようになりました。内訳としては第一事件の訴状1通、第二事件の答弁書1通、両事件に共通する準備書面2通といった感じです。

※厳密には第一事件の訴状は乙山さんは無関係なんですが、現在の訴訟費用額確定処分の制度上は『提出した一通の書面だけ』当事者や事件増減に応じて費用を分離して評価することができない(5通までまとめていくら、というかたちになっている)ため、第一事件の訴状と第二事件提起後の各書類をまとめて評価している、と考えてください。

 

このほか少々変わっている点として、本件では甲野太郎さんの住所と出頭した裁判所が数百キロ(説例の数値はもちろん変えてありますが、ここでは直線距離633km)離れています。

これがとても微妙で、航空機を使って実費を請求すると、時期によっては実費の方が安くなってしまう(!)ため直線距離での旅費と実費を計上した旅費が混在しています。

…当然のことですが、実費のほうが安いときに実費償還なんてしませんー(そういうことしなくていい法律になってます)

さらに、裁判所が午前中に期日を設定するとお客さまは当日早朝に家を出たら絶対出頭できない(最速の交通機関を乗り継いでも不可だ、と言い切れる)位置関係にあるため、お客さまは宿泊に関する記録を全く持っていないのですが午前中の期日については宿泊費一泊分を計上する、という方針を取りました。このため宿泊費も期日10回中、5回のみ計上しています。

こうした問題がありまして、僕が当初作った申立書では計算書のほかに旅費の計算書、というのを作って期日ごとに午前午後(宿泊費の要否)、実費によるか距離によるかの別、それぞれの金額、そして距離による計算をしたものを加えています。書記官が出した訴訟費用額確定処分の計算書では肝心な部分だけを抽出して書いてありますが、別の計算書がないとひどくわかりにくい(申立書提出後、口頭で説明を求められる)ことがあると思います。

ちなみにこの論点、まさにそうした(早朝出発してもたどり着けない位置関係にある裁判所と期日開始日時なら、宿泊の記録なくても宿泊費請求OK、とする)裁判例がありました。

といっても岡山から神戸まで新幹線がなかったころの裁判例ですが(苦笑)

もう一つ余談ですが、宿泊費については夜行列車(判決によれば座席車らしい)で旅行して出頭した場合は宿泊じゃないけど宿泊費(当時は止泊料と言ってたらしい)計上可、ってのもありました。

といっても上野から八戸まで新幹線どころか特急列車が走ってなかったころの裁判例ですが(当ブログにごく一部いる旧国鉄ファンの方、上野から青森まで直通の普通列車で行けたころの話ですってよ)

そんな部分についても、参考になる人には参考になろうかと思います。

きっとそんな人、ごくごく少数しかいないはずですが…ここはそういう人が来る事務所ですから。

最後に繰り返しのご案内。当事務所での訴訟費用額確定処分申立書作成は、地方裁判所で判決が確定した場合は税別2万円でお受けしています。

ただ、東京~大阪間以外の裁判所・依頼人に関するものは訴訟記録の精査や依頼人との面談で、そのつど日当と交通費を申し受けます。

訴訟費用額確定処分申立:当事者複数、事件が併合された場合

当事務所は平成15年8月1日に創業したため、8月1日から7月31日までを一年の区切りとして認識しています。

そんな第16事業年度で最も楽しかったご依頼の一つが、表題の件。計算額にしてみれば40万円ほどの訴訟費用額確定処分申立書作成をお受けしたのです。

ちなみに依頼費用、交通費23360円・日当18000円、肝心な訴訟費用額確定処分申立書作成、21600円。

単なる訴訟費用額確定処分申立書作成だと思えば高いのかもしれませんが、申し立てしなければ回収できないお金を40万円弱取るために7万円弱突っ込む裁判書類作成プロジェクト、と了解すればこれもあり、だと思うのです。

とは申せ、さすがに訴訟費用額確定処分申立書作成で泊まりがけの出張をやろうとは思っていなかったのですが…それはそれは楽しい旅であり仕事でしたよ(笑)

本件、当事者が特定されない範囲で公開することが許されていたのでそろそろ記事にします。この問題で悩んでおられない大多数の方には、どうぞ見ないふりをしておいてください。

今回の申し立てで困ったのは、例によってWebにも実務書にも情報がない、ということでした。案件として

  1. 甲が原告。Aを被告にして訴訟を提起(第一事件)
  2. Aが逆ギレ(笑)。甲と乙を被告にして別訴提起(第二事件)
  3. 第二事件をうけて、裁判所は第一・第二事件を併合、判決確定。
  4. 判決。第一事件は甲、完全勝訴。第二事件はA完全敗訴。
  5. ただし、訴訟費用は第一事件でA全額負担、第二事件では甲が4分の1、残りをAが負担、乙については言及なし

こんな内容でした。

で、お客さまは順当にギブアップなさってWebを探し、順当に僕のブログにたどりつき、僕は判決を読んで目を点にしたものの、よく考えればありがちな展開だということで受託したわけです。

決してその街で旬を迎えつつあった海産物に心惹かれたからではありませんが、一泊余計にしてきたことは確かです。

整理します。訴訟費用額確定処分申立てに関して世に出ている情報は当事者が一対一(原告被告各1名)、事件も1件、せいぜい訴訟費用の負担の割合が変わった場合に多少の説明がある程度です。

本件は

  1. 二つの事件が途中から併合されており、
  2. 両事件について当事者の人数が違い、
  3. 判決で出た訴訟費用負担の割合も違う、

という点にギブアップの原因がありました。僕もいろいろ調べたのですが、これらの各要素についてズバリ説明する書籍はないようです。少なくとも国会図書館にはありません。

しょうがないので訴訟費用額確定処分に関する異議申し立て事件の裁判例を当たっていくと、つぎのように考えればよいことがわかりました。

○大原則

とにかく当事者一人一人から他方当事者一人一人について、金額を割り付ける。原告が二人いるから二人合計でいくら、というようには絶対考えない

だったら原告一人が主債務者と連帯債務者各一人に貸金請求訴訟起こしたらどうなるのさ?ということになりそうですが、被告が二人いる以上抵抗の度合いは各人で異なる=原告側で準備書面を積み上げる必要性も各被告で異なる=各被告におっつけることができる訴訟費用も異なる、という扱いを可能にしておかないと、考え方としておかしくなってしまいます。

各被告にいったん割り付けたあと、被告らに厳密に共通する費用が認識できれば、その部分だけは連帯して支払え、ということにできるのかもしれません。やったことはないので私見に過ぎませんが。

○割り付け方の基準

では一つの事件で当事者複数のとき、各当事者にはどうやって訴訟費用を割り付けるのでしょう?

訴え提起の手数料(つまり収入印紙代)に関してのみ、請求額に比例して割り付け、あとの費用は人数分の頭割りになるようです。

典型的なのは過払金返還請求訴訟です。原告1名が何社かの被告を束ねて訴え、請求額もバラバラ、会社の対応もバラバラ、そんな案件。

原告丙が3つの会社(被告BCD社)を束ねて提訴し、B社は第一回口頭弁論期日で和解(訴訟費用各自負担)C社は第二回口頭弁論期日で和解(これも訴訟費用各自負担)、関西のD社(本当はA社と言いたいあの会社)だけ判決になだれ込んで判決確定した場合にD社に請求できる訴訟費用は

・印紙代は請求額に比例した分(請求額合計100万円、貼用印紙額1万円で、うち20万円がD社に対する請求なら、2千円)

・そのほかの費用で各被告だけに関する分は、その全額(D社の登記事項証明書代600円は、全額)

・各被告に共通する分は、被告ごとの頭割り。ただし当事者が途中から欠けたり増えたりした場合は反映させる

 訴状作成の費用は被告三者でまとめて1件ですが、これは単純に三分の一したものをD社分として請求します。訴状にはB社C社への請求も併せて記載されていますが、両社に対しては訴訟費用各自負担で和解が成立していますからD社には請求できません。

問題になるのは出廷ごとの日当です。これも頭割りになるため、上記の例だと

  1.  出廷した被告が3名だった第一回口頭弁論期日では、D社に請求できる日当は3分の1
  2.  第二回口頭弁論期日では、すでにB社が脱落して被告が2名になっているのでD社に請求できる日当は2分の1
  3.  第三回口頭弁論期日以降、被告はD社だけなので日当は全額をD社に請求可

こんな感じになります。請求額に比例させないことに注意が必要です。出頭日当のほか、交通費・書類作成提出費用はこの考え方で対応できます。

被告複数の場合・事件複数(反訴および併合)の場合

 途中の期日から当事者と事件の数が増えたり減ったりする可能性はありますが、期日ごと・書類ごとに上記と同じように考えればよいことになります。

 例は冒頭で挙げたご依頼に戻ります。本件では二つの事件が併合されていて、第一事件では被告1名、第二事件では被告2名となっています。この集団が、ある口頭弁論期日に『二つの事件について、二人でまとめて一通の準備書面』を出したらどう評価するか、ですが、これは

その期日で出廷し準備書面を陳述したのはAと、『第一事件の原告である甲1、第二事件の被告である甲2と乙』というように考えます。甲1と甲2は同じ人物ですが、Aに敵対する陣営として甲1+甲2+乙の合計3名で頭割りにするわけです。

このため、書類作成の費用(例:総額1500円)は

第一事件について

 甲1がAに請求できる費用は、3分の1→500円

第2事件について

 甲2がAに請求できる費用は、3分の1→500円 ただし、この部分は訴訟費用の一部が甲2負担なのであとで減算

 乙がAに請求できる費用は、3分の1→500円

上記の考え方で、合計3分の3=1500円になる書類作成費用全体を誰かから誰かへの訴訟費用に割り付けることができた、ということになりました。

書面は複数の当事者が主張を記載したものをまとめて一通で出せますが出頭自体は各自がするので、一人1回3950円の日当は

第一事件について

 甲1がAに請求できる費用は、2分の1→1975円(甲は二つの事件の当事者=甲1甲2を兼ねるから、第一事件と第二事件に割り付けます)

第二事件について

 甲2がAに請求できる費用は、2分の1→1975円 その後、訴訟費用のうち甲2負担分を減算

 乙がAに請求できる費用は、一回分全額→3950円

このようになりました。

考え方だけ理解できていれば、当事者と事件がどれだけ増えてもこれで対応できるはずです(面倒そうですが)。

実際の計算書をどう作るか、は次の記事に続きます。

ご案内。当事務所での訴訟費用額確定処分申立書作成は、地方裁判所で判決が確定した場合は税別2万円でお受けしています。

ただ、東京~大阪間以外の裁判所・依頼人に関するものは訴訟記録の精査や依頼人との面談で、そのつど日当と交通費を申し受けます。

このご依頼では目的地が結構遠かったので、3日分の日当として18000円、交通費は高速バス利用を前提に2万3千円ほどをお支払いいただきました。下記のような出張があり、それに合わせて面談・記録の精査ができる場合は交通費や日当は必要ない、ということにしています。


東京出張の日程は8月6日~8日で確定しました。夜間の相談枠はふさがっています。6日午後~8日お昼頃までの都内で出張相談は可能です。

対応可能なご相談はもちろん訴訟費用額確定処分申立書作成(ご同業の皆さまにはここで笑っていただいて差し支えないですが、この相談の真剣なのがくるところが当事務所の特徴です)、あとはこれまで通りに労働紛争労働側、民事家事関係裁判書類作成、山林の相続その他名義変更、といった分野になっております。ご興味のある方はお知らせください。

訴訟費用額確定処分:請求額は増えるが納得できない補正のはなし

ベランダ菜園に植え付けた作物が、緑に芽吹くころ。

R0010456

裁判所から補正の指示がやってきました。

ちなみに申立書提出の時点ではその作物、こんな感じだったのですが。

R0010423

提出した申立書は訴訟費用額確定処分。3月に出したのですが事件番号は本年第1号、ということで定年退職数日前の書記官氏の手をいささかわずらわせた気配がお客さまの報告から伝わってきたところです。

で、その内容が表題の件。

訴訟費用として請求してよい日数が一日増える、というのです。

具体的にはそのお客さま、判決言い渡しを聞きに裁判所に行きました。その出頭日も、日当&交通費を訴訟費用に算入して請求してよい、そうした指示だったのです。

請求額は増えるしお客さまに悪いことは一つもないのですが…なにやら納得できかねるものがあります。

判決言い渡しの期日は、別に裁判所が出頭を命じた期日ではありません。

逆に、「来なくていい」と口頭弁論終結時に案内しています(苦笑)

権利の伸長もしくは義務の縮減といった訴訟活動にはぜんぜん関係ありません。

だって、そうした活動が終わったあとに判決言い渡しになるわけですから。

強いていえば、判決正本を直ちに交付送達してもらえば郵券1回分を使わずに済む…のですが本件、ちょっと特別です。交通費どころか宿泊費が加算される期日がいくつかある、そんな事案でした。

相手方にしてみれば、コナイデクレと祈りたい…そんな事案のはずです。

補正に応じてはみたものの、釈然としません。国会図書館で何冊かの実務書を読んではみたのですが該当する記述にたどり着きません。

別に担当書記官と話す機会があって聞いてみたところ、そちらで使っている本には(口頭弁論終結後の)判決言い渡し期日への出頭でも日当・交通費を請求可、という記載があるのだとか。

ただし、その発言を得るまえに電話を一回折り返されたので検索しやすいところに載ってるわけではなさそうです(苦笑)

是非はどうあれ請求はできる、と言っている以上、確実にこれを取りに行くには次のようにする必要があります。

●判決の言い渡しそのものは実に詰まらん(主文を読むだけだ)、と理解できているという前提で

○判決期日にも裁判所に行くなら、傍聴席で判決を聞くのではなく原告席または被告席にちゃんと着席し、調書に出頭記録を残す

○原告側では、可能なら判決正本を貰ってくる(予納した切手は余ったら返してもらえる)

これで全面勝訴時には日当3950円と交通費1往復分を、相手へ押っつける訴訟費用として加算できる、ということになります。不当訴訟で訴えられた被告側に全面勝訴が見えた状況下で、しかも原告側に(差押えに馴染む)財産があるとわかっているなら積極的にこうしたことをやってもいいかもしれません。


さてさて久しぶりに当事務所草創期のお客さまからコメントをいただきました。どうもありがとうございました。

福岡の信徒さんにはごきげんようお過ごしでしょうか。この事務所は相変わらず、びーっくりするほど利益の薄ーい裁判書類作成の仕事に首まで浸かっておりまして(好んで飛びついている、と評する同業者さんもいらっしゃるようですが)昔のお客さまには今のすずきしんたろう事務所、どう見えているのでしょうね?僕から見ると、過払いバブル崩壊と前後して士業の質と顧客の質がそれぞれ変わった感じはしています。

双方ともより楽に安直に金儲けを目指すようになった気がする/敵に回した社長たちだけが、昔も今も変わらず黒い(苦笑)

愚痴はさておき、勝ったあとならお客さまと一杯やってもよい、ということもあのご依頼の後で別のお客さまからご教示いただきましたので、機会があれば直接お聞きしてみたいところです。

新造船も就航したことだし、久しぶりに名門大洋フェリーで九州へ、ってご依頼を募集してみましょうか。そうは言いつつ明日から東京出張なんですが。

太田簡易裁判所(群馬県)の予納郵券額/身辺雑記

この事務所では数年に一度、北関東の裁判所に出す書類を作ることがあります。事案は労働紛争・債権執行・家族関係…まぁいろいろ、です。債務整理関係だけは来ない(もっときらびやかなウェブサイトを持ってるところに依頼が流れる)ということになっています。やらないわけではないのですが、とにかくウチには来ないのです。

さて、本題。前橋地方裁判所のウェブサイトには載っていなかった簡易裁判所通常訴訟の予納郵券額を電話で聞くことがありました。

本日時点、原告被告各1名ではつぎの組み合わせになります。

500円×8枚
100円×10枚
82円×5枚
50円×5枚
20円×10枚
10円×10枚
2円×10枚
1円×20枚

いつも思うのですが、これって全国で…せめて各地裁管内で統一してウェブに上げておく程度のことはできないんでしょうか。あの役所も結構不思議だよな、といつも思わされます。

群馬県内の他の裁判所については組み合わせ・金額が違うのかもしれませんので各裁判所にご確認ください。

で、確認できたら備忘録としてウェブにアップしてやってください。
未来の僕が助かりますから(笑)

上記のご依頼はすでに終わって、現時点では新たな訴訟・労働審判手続計3件が書類作成作業中、手続き進行中なのは場所類型難易度請求額大小取り混ぜて計8件…なぜか名古屋高裁管内の事件が2つだけ、そうした状況で年度末を迎えることになりそうです。

数少ない裁判外代理(訴訟代理を含む)の仕事は今月無事に終わってこちらは0件。登記の仕事もなんとか終わって申請中0件、ということで昨年末にやり残した床のワックスがけをするにはいい週末になるでしょうか。

あとは時折やってくる変わった仕事として、携帯電話の料金見直しを1件、これはファイナンシャルプランニング業務として受託しています。

…実は結構なインパクトをお客さまの家計に及ぼすことができそうで、これは馬鹿にはできません。

要約すると、年度末で忙しいのではないか、などと聞かれると思わず目をそらしてしまうような、そんな春なのです。

訴訟費用額確定処分申立書作成:旅費日当のあれやこれや

今日の僕の悩み。本人訴訟編。

-西日本にある甲簡裁庁舎と東日本の乙簡裁庁舎の距離を測ってみた-

1.google map:681km

2.国土地理院測量計算サイト(楕円体:GRS80):683km

3.同サイト(楕円体:bessel):682km

…お客さまの出頭日当が一回最大80円違うことになってしまいます。

ああ、いったいどうしたらいいんでしょう(呆然)

さすがにこの金額を巡って相手方代理人弁護士から訴訟費用額確定処分に対する異議申立が出て云々、という展開は考えないでいいはずです(もしあったら日本有数の不運な司法書士になれるはずです。僕)

冗談はさておいて。今月はどうやら訴訟費用額確定処分申立書を3件作成することになりそうなのです。

それ自体が悪い冗談に聞こえる、というご同業の方々からのツッコミは一応想定しつつ、話を先に進めます。

上記のような大遠距離からの出頭であっても、最近は航空運賃がずいぶんと安くなったおかげで簡裁庁舎間の直線距離で計算するほうが民事訴訟費用等に関する法律所定の出頭旅費が高いことになりかねない、そんな世の中になってきたようなのです。

あ、ご同業の方でも本人訴訟で判決取った方でもない方には全然理解できない話になっておりました。

今日は約12年ぶりに、訴訟費用額確定処分申立書の作成に関するお話なのです。

説明。

統計によれば我が国民事訴訟の大部分、欠席判決を除けば過半数は和解で終結しています。ちょっとした賃金請求なんかの訴訟で判決をとる、なんてのはむしろ面倒ごとに巻き込まれた運の悪い人、と認識しておいたほうが実情にそっている、そんなもの。

そんな運が悪い人が最後に報われる可能性があるのが訴訟費用の負担です。端的に言うと全面勝訴した場合、敵側当事者が訴訟費用を負担する…という判決が出るようになっています。

『訴訟費用』という言葉で一般人が連想する一番大きい要素である職業代理人に投じた費用は実は関係ない、自己負担、ということで勝訴した当事者の落胆を誘ったりもするのですが(苦笑)

で、相手に押っつけられる訴訟費用に計上できるもの。

代理人が勝訴と同時に、それこそ実際の支払いすら実現できてないうちから速攻で請求してきた成功報酬(苦笑)に比べれば微々たる額ではあるのですが、

  • 1回の出頭あたり3950円の日当
  • 裁判所までの距離により、往復分で1km30~50円(または実費払い)の旅費

そんなものがあるのです。

出頭回数が重なったり遠距離からの出頭であればそれなりの額になるため、当事務所にはたまーに訴訟費用額確定処分申立書作成の相談やご依頼がやってくる、そういうことになっているのです。

そこで旅費を計算する場合、民事訴訟費用等に関する法律第2条4号の規定に基づいて…裁判所と裁判所のあいだの距離を測ったりせねばならない、ということになっているのです。

で、冒頭の情景(苦笑)

冒頭の1.2.3.のいずれを採るか、ですが根拠があるのは2.です。測量法で規定されている測地系が2002年以降、GRS80に移行してるから…ということで、そこは法律的に説明可能ということになっておりました。むしろgoogle mapの数値は根拠不明、ということになりましょう。

使用するサイトを国土地理院のものにしたのは当然、使いやすさより『裁判所に出したときの、データの出所の確からしさ』に期待してのことです。

具体的には、

  1. リンク先のページから座標値の入力方法を『地図上で選択』を選び、
  2. 地図を最小縮尺にして距離を測りたい裁判所庁舎の輪郭を出し、
  3. 地図上に示された庁舎をクリックして出発点の緯度経度を入力し
  4. 地図を移動させて次の裁判所庁舎の輪郭を出し
  5. 同様にクリックして到着点の緯度経度を入力し
  6. 計算を実行させて距離を得る

ようにすれば石垣簡易裁判所(沖縄県石垣市)から稚内簡易裁判所の直線距離だって、ホラ1分で測定可能です♪

…ほぼ完全に実生活ではムダな知識ですが、裁判所庁舎間の直線距離が正確に測れなくて困っている何人かの閲覧者さんには役に立てるかもしれません。

Photo

そうした方がおいでなら、上記3.と5.と6.のスクリーンショットは保存しておいて訴訟費用額確定処分申立書の疎明資料に加えるといいと思います。上記3点を組み合わせれば

『簡裁庁舎ごとに緯度経度を測り、それから距離を出した。文句あるか』

と誰にも言える、ということになりますから。楕円体は初期値のままGRS80で計算してよいはずです。

ちなみに上記地図は、たまたま見つけた白河簡易裁判所を出発点として黄色い印をつけ、緯度経度を入力させてみたところです。実際には地図はもう一段、拡大できます。

この記事は気が向いたら、次回に続きます。


さて、幸か不幸か勝訴はしたが冒頭のような作業に無駄な時間を割くべきでない、と気づいてしまった方のために当事務所では訴訟費用額確定処分申立書の作成業務だけを受託しております。

基本的には東京~大阪間の裁判所について、僕が他の出張の際に訴訟記録を閲覧してくる、という手法を採ることで作成費用を(出張込みで)1~3万円に抑え込んでいるのですがもちろん他の地域からのご依頼も承ります。

旅費と日当を払ってくださるならば、喜んで。

ただ、相手方に態度のよろしくない職業代理人が着いて悪戦苦闘させられたとか、こちら側に着いた職業代理人が勝訴と同時に成功報酬を請求して去った(または、訴訟費用額確定処分申立を別事件として最低●万円の着手金の見積書を出してきた)とか、そうしたご事情がありそうな方には交通費と日当、ちょっと調整できるかもしれません。

当事務所の旅費と日当は法律とは別の要素で決まっていますから。いろんな意味で。

あの人たちの白いリスト

基本的には本人訴訟を前提におこなう、当事務所の活動。

たまにあって困るのは、弁護士を紹介してほしい、というご要望です。

即決で断っていい状況もあります。「なるべく安い人がいい」と言われた場合には「安けりゃいいってもんじゃありません」と断言してあとはどこへでも行ってもらう、ということにしております。

問題はそこまで行かない…本人訴訟ができるほど意志や知力や体力は強くないが、見捨てるには良心の呵責を感じるような方々の処遇です。

よくあるパターンは特定の法律事務所さんとのお取引があり、常にそこに流す、というものでしょうか。

ええ、それをよしとするならこんなブログは書きません(笑)

僕のところでは創業以来15年、いまだ特定の弁護士さんとの提携関係はありません。

その代わりに、件数が貧弱なホワイトリストを持っております。

このホワイトリストへの登載基準を一言で言うと

  • 敵側から見て感服できたひと

です。上記の特殊性に鑑みて、いまのところこのホワイトリストに載ってるのは東京・名古屋・大阪でそれぞれ1~2件ずつ、それだけです。

これに加えて今までに一人だけ、敵でない側=労働者側でのご活動に敬服した方が大阪におられます。

その方は民事法律扶助をつかって一般先取特権に基づく債権差押命令申立を行い、一気に未払い賃金を回収されました。

手間と難易度からすると絶対納得できない売上げに甘んじたはずなのですが、聖人君子は実在する、ということなのだと認識しています。この人を入れても、いまだに両手で数えられるくらいしかホワイトリストに載せるにふさわしい先生には巡り会えておりません。

一方で黒いリストのほうは、たぶん同業者さんの中では有数の充実ぶりであるはずです(苦笑)

書類提出の締め切りが守れないだけの人から依頼人にぴったりの墓穴を掘ってくれる人まで様々な問題類型に応じた人材の数々を、それこそ北は札幌から南は福岡までの各事務所からお選びいただけるんですが…さすがにそうした紹介を求められたことはありません。

お話を戻します。当事務所で弁護士の紹介を求められた場合、まずそのホワイトリスト登載者を提示するのですが、この際「僕の事務所から紹介された」とは決して言わないように因果を含めます。

…そりゃそうですよね。こっちは向こうを、利害が対立する側として認識していたわけだから。

つまり、ウェブサイトかなにかで見つけたフリーの客として流入する立場を取ってもらうのですが相談から受任までの挙動に怪しい点があった場合には報告を受けられるようにしてあります。この部分のフィードバックを得て、さらにホワイトリストの精度を上げていくわけです。

そんなホワイトリストに、このほどお一人記載を追加できそうな気がしてきました。

詳しくは言わないほうが楽しそうですが、機会があればお客さまを送ってみたいと思っています。

これが、善意で舗装されてる道ってやつだ(嘆息)

不満を述べます。

うまくいかない相談類型、ってご同業の方にはありませんでしょうか?当事務所で筆頭に挙げたいのが『当事者ではない人がもってくる相談』。

これは当事者本人が嘘をつく場合よりたちが悪いとみています。本人から話が聞けない以上、いつまでたっても事案の本質には近づけないわけですから。

話をしている自分が本人じゃない、と切り出されるタイミングや本人との関係およびそれに関する言い訳はさまざまあるんですが、最初から自分は本人ではないと宣言する方だけがまともです。

ただ、やっぱり目立つのはまともじゃないほうの相談(苦笑)

話が進み出したあとで「実は他の人の件で」とか言われると、騙されたような気がするのです。他の実務家の方がどうなのかはわかりませんが。で、その人に対する信用度はだいたい8割引くらいにして、以後のお話をお聞きする、と。

結果として当事者の能力にも相談に来た人の能力にも制約されて必然的に相談の質が落ちる、だからこっちも質が落ちる回答や提案しかできない、ということになり、以後の相談やご依頼は謝絶、となります。

※騙す気はない、というのはお約束ですが単なる日本語会話としても問題があるのです。相談者が僕に対して、いつだれになにがおきたか、を正確に説明できる場合はこの問題が発生しませんから。

その人が選択した方針が最初から間違っていてすでに進行中である場合はどうしようか、さらに迷います。言ってみれば当事者と相談者の立場(利益とまではいいません)が相反する状況を僕が作り出すことになりかねませんから。

まぁ致命的な誤りでなければ、そのままご希望の手続きを進行させてもいいのでしょうが…それで当事者本人が失ったお金や時間を相談終了後にそっと概算して、目まいがしたりしています。

この記事、誰を念頭に置いているか邪推されても困るのでアップする日をずらしておきます。とりあえず、家族以外の代理相談は受けないようにウェブサイトの記載を追加する作業をはじめました。

訴訟は、みずもの

○裁判所はみずもの

某月某日。

某簡裁の賃金請求訴訟、第一回期日を終えたお客さまが期日後の打ち合わせにやってきました。

…青菜にたっぷりと塩をかけ、さらに20分ほど煮込まれたような状態で。

なんでも裁判官から圧迫面接(正確には、原告不利な和解勧試)を受けたとか。

請求はシンプル、証拠は完備、訴状も当然適切に作られた事案だったのに(汗)

当然ながら、次の準備書面を作ります。

某月某日+α日。

某簡裁の賃金請求訴訟、第一回期日を終えたお客さまから連絡が入りました。

…こちらは予定通りというべきでしょうか、闘志旺盛を通り越して余裕綽々、の領域に入っていそうです。

裁判官は被告の対応に失笑気味だった、という報告が入っているのですが。

こちらの証拠、確かなものはなにもなかったのにもう心配する必要はない、と(笑)

こちらも裁判官の指示は出ています。次の準備書面を作ります。

○お客さまもみずもの

某月某日+β日。というより、今日ですが。

某簡裁の賃金請求訴訟。準備書面作成は着々と進んでいます。次の週ぐらいに完成させればいいですよねー、と悠々書面を作って昨日、第二案をお客さまに送付しました。

一晩おいてお客さまから確認の連絡があったのですが、付記事項があります。

実は締め切りが来週明けだと裁判所から指示を受けていた、と。

…愕然

とりあえず郵送での書類送付をPDFにすれば2日短縮できるからどうにかなる、とは思うのですが。なんとか準備書面は作ります。以下に続きがあります。

○もちろん僕も、みずもの

この事務所の予定はだいたい、向こう1週間ぐらいのものだけが決まっています。今週明けの時点で11月の予定といったら週末の会食が1件のみ、そんな感じ。

で、今週になって電話相談来所相談依頼中の打ち合わせがわらわらと入り、月の後半の出張と打ち合わせも決まり、11月12日に希望日を出していた温泉宿への出張が11月3日に変わったところへ予期せぬ準備書面締め切り日の提示を受けました、と(苦笑)


ほんとうはみんな、こんなことじゃ困るよね、という話ではありますが。

冒頭2件の訴訟には一つ差があります。

お客さまが余裕だらけだったほうは被告の答弁書にミスがあったわりに提出が早く、僕がすでに準備書面を出して反撃を終えておりました。

お客さまがメンタルダウンにおちいったほうは被告の答弁書が直前に提出されており、検討不足な裁判官が社長の口車に乗った、ということらしいのです。

こちらの答弁書もよく読めばミスだらけなんですが、とにかく第一回期日ではそうだった、と。

大規模簡裁ほどこうした当たり外れ・運みたいな要素で対応を変える裁判官が混じっている気がして、労働紛争労働側で少額訴訟を選ぶのに勇気が必要な状況です。

上記3件はいずれも、請求額だけで言えば少額訴訟が選択可能な簡裁通常訴訟なんで、とにかく不利な和解だけは受け入れずに帰ってきてくれればあとは僕が書面でなんとかする(ようにする)わけですが、そうした支援がなければ裁判官の対応に絶望する本人訴訟の当事者の方もいるだろうと思います。

本件はお客さまの許可を得て、もう少し詳しく書くつもりです。

あともう一つ。

当事務所の裁判書類作成業務委託契約には、お客さまが対応を誤ったために当事務所が緊急の作業を行う必要が発生した場合、所定の特急・急行料金(最低3万円)を請求できる規定を設けています。

今回は郵送での出荷をPDFに切り替えればなんとかなるので適用しませんでしたが、まさにこういう事態(裁判所が締め切りを示しており、お客さまがそれを僕に伝えない)に発動可能な条項ではあります。

そのかわり、お客さまにはプリンタのインクをたーくさん消費することになるはずですがそこは我慢してもらうとしましょう。

今回は、そうした書証を準備していたのです。お客さまのために(遠い目)

月刊誌の袋とじについて継続的観察を要する件

先日の東京出張では2泊3日の日程のうち、最終日だけが自由に使える日になりました。

いつも通り国会図書館に出向き、予定していたいくつかの検索テーマにそって資料を請求していきます。

2

欲しかったのは2番目の資料です。業界紙のようなそうでないような1番目の雑誌…読んでません(苦笑)

さて過払い金返還請求のときもそうだったのですが、お商売に熱心な同業者さんたちの業務が社会問題化するにはいくつかの段階があると思っています。

知人との飲み会でどこかの事務所の執務姿勢が噂の的になる→噂に出てくる事務所が増える→一般誌に記事が出る→同時に複数の新聞雑誌・執筆者が問題を扱うようになる→問題事例を扱った単行本が出る→法務局が乗り出す・テレビで特集される→(利にさとい先生方の一部は業態を転換したり法人を解散させる)→業界全体を不利に動かす裁判例が出る、まぁこんな感じの。

で、上記画面の業務は昨年秋までに相次いで違う雑誌が取り上げる時期を過ぎ、この春ついに『単行本が出る』段階まで行きました…と。

続報がないか、と言うことで定点観測キーワードを入れたところ、ZAITENの6月号の記事が出てきました。

昨年からこの執筆者の雑誌記事は読んでいたのですが、この3月に出た単行本『成年後見の闇』は別に紹介したいと思います。この業務に全くタッチしておらずこの業務に熱心に取り組んでいる先生とも親交がない僕からすると、これは同制度の利用を考えている人や問題事例にすでに巻き込まれた普通の人に勧めてよい、いい本だと考えています。

あ、実は本題はそこにありません。この雑誌に見開き2ページの、雑誌記事索引にも載っていない記事があったのです。

-東京地裁開廷情報ピックアップ-

3月10日から1ヶ月間の、東京地方裁判所の主な訴訟の事件番号と原告被告、事件名が100件ほど列挙されています。労働関係訴訟は地位確認と賃金(たぶん残業代)請求など数件が載っています。

掲載基準は『この雑誌が扱いたくなるような会社・法人・個人』が当事者のもの、としかいいようがありません。誰もが知ってる大企業に加えて宗教法人や学校法人が当事者の訴訟が掲載されていました。おそらく有名人が当事者のものは、そちらが理由で掲載されることになるでしょう。

逆に、上記の企業等を訴えた個人名も載ってしまうということで問題があるようなないような記事ですし、件数もわずか100件で網羅的とはほど遠いのですが…

これは連載記事だというのです。現に財界展望新社のウェブサイトでは、ZAITEN最新号では5月10日から1ヶ月のぶんが掲載されていると表示があります。

訴訟記録の閲覧に関する(圧倒的大多数が、不毛・非常識・無駄な)問い合わせは多々あり、それへの対応過程でいろいろな情報はありましたが、ここに気づいていた人は誰もいませんでした。灰色な情報を暴露するのが売りの雑誌に東京地裁の開廷表の抜粋が載ってると考えるほうがどうかしているといえばその通りではありますが…こんな情報でも求めている人はいるはずなので、当事務所ウェブサイトの訴訟記録閲覧方法のページに加筆しておこうと思います。

そんなわけで、国会図書館で定点観測すべき雑誌がこのたび一つ増えました。

なにしろこの記事、いつも『袋とじ』になっているようなのです。


ちなみに、もう一つの定点観測キーワード。

3

こちらは一冊目の雑誌を閲覧しました。内容はそんなに深刻なものではなく、遺留分に食い込んで揉めたり受託者が勝手放題にできすぎたりハウスメーカーが糸を引いてたりすでに訴訟になったりしている事例があるから金融機関側でうっかり荷担するなよ、というもの。

つまり一般的な問題事例の紹介、という程度ですよ(遠い目)

ただ、金融機関担当者向けの媒体にこれが出た、というのはきっと、素敵なドメインを押さえたあの事務所が同分野に進出の姿勢を明らかにしたことと関係があるのでしょう(ウソ)

この話題とは別に、同分野で単行本を出しておられる同業者さんがウェブサイトで『信託口の口座なんか作らない・要らない』と言っておられるのを見てしまったのですがこれとの関係は…

いや、これは邪推というものですね。

僕はこの分野には関心があるものの、あちらはあちらでなんだかオトナの事情が渦巻いていそうでうっかり近寄れないのです。引き続き、ご熱心な先生方の健闘に期待します。

債権差押命令申立事件:ゼロ回答の理由

先日申立書類を作成した債権差押命令申立書。よくあることですが銀行預金を差し押さえよう、というご依頼です。

申立書そのものはつつがなく受理され、当然ながら第三債務者たる某銀行さんから陳述書(差押えに係る債権と支払意思の有無を第三債務者が書いたもの。状況により、申立債権者を歓喜させたり絶望させたりする書類)がお客さま方に送られてきました。

が、しかし。

-取引無し-

との添え書きがあるのです。債権の存否はもちろん「無し」。

表題通りのゼロ回答に、お客さまからの報告が少々痛い瞬間です。いくら司法書士が地裁案件で自由に法律上の判断ができないとは申せ、思考停止状態で申立書作ったわけではありませんから。

実際のところ、敵は無防備だし債務名義取得以降のタイミングも十分ずれてるし最初の一発はヒットするだろう、と思って(←この部分、お客さまに言ってしまうと法的判断=弁護士法違反になりかねませんので絶賛自粛中なんですが)受託した経緯はあり、こっちもちょっとショックです。

おかしな点はあるのです。というより、かなりおかしいのです。

よくある行きがかりで債権者は債務者の預金口座は把握しており(たとえば、債務者への振込でお金を貸したようなパターンですね)、陳述書が出てきたあともその口座が生きていることは確認できています。

ところで。

債権差押命令申立書は地裁に出しておりますが、この差押命令が仮にヒットしていた場合は簡裁の手続きで手じまう可能性を残します。第三債務者があくまで非協力的だった場合に起こすはずの取立訴訟は、請求額にしたがって簡裁に提起できることになっており、今回の請求債権額は余裕で140万円を割ってますから。

司法書士の簡裁代理権with法律相談権、ここで復活になるわけです(苦笑)

そんなわけで、第三債務者への照会書を粛々と起案します。先日取引無しって言ってきた陳述書だけど、この口座番号あるよどうなってるの、と。当事務所には珍しく、内容証明郵便など使ってみました。

で、出張から帰ってきたその日。

歓喜…とは言わないまでも転倒状態から歩行可能状態に回復したような報告が、お客さまから入ってきました。予想はしていましたが理由は単純で、債務者には数年前に転居歴があり、債権差押命令申立書には現住所しか書いていなかったため住所不一致により取引なしと回答した、今回は訂正に応じて残高については差し押さえられたものとした、と。

ただ、現時点で自力で債権差押命令申立書起案中のお客さま方にはこうしたシンプルなハッピーエンドがあるときもないときもある、と思っておいていただきたいのです。

金融機関によっては再度の申立をせよと言うところもあるようですし(ただ、こう言われてしまった場合はそれこそ取立訴訟を起こすことを本気で検討すべきですが)、今回のような右往左往を嫌って差押債権目録などに旧住所を併記しておこうとすると、申立書提出時点で窓口担当者と揉めることもあります。

地裁案件で個別のお客さまに個別に法的判断をした個別の助言をすると弁護士法違反になってしまう可能性がありますので当ブログに一般論として書いておくなら、債務者に転居歴が疑われる場合は申立書提出時に多少揉めても(申立には、その時間ぶんの余裕を見ておいて)旧住所を書いておくよう運動すべきではないか、と思っています。

3万人弱いらっしゃる同業者さんのなかには、昨年以降地裁での書類作成業務返上論を提唱される人もおられるとか。だったらその論者、家裁への成年後見関係申立書作成業務も手放す気なのかちょっと知りたい気はします。あくまで興味があるだけですが。

業務の範囲にいろんな重たい制限が課されている職業ではあるのですが…制限が大きいほど妙な発達があるのかもしれません。最近、図書館の書棚で手に取った本を見てそう思わされました。


ちくま文庫ですが何か?

この世界に見られる男性女性のあれやこれやに関する描写の多彩さは、どうやら書き手と発行人と警察との攻防を経て数十年がかりで洗練の度を増した…あとがきによれば、そういうことらしいのです。

なんかこう、小説の書き手も辞書の編み手もみんなガンバレー(*^_^*)とまぁそういう気になれたのは、僕も一応物書きのはしくれでいたいから、かもしれません。上記リンクの先にある、レビューもなかなか読み応えがあります。

最後にお客さま方には安心していただきたいのですが、上記参考文献所載の語彙を僕が仕事で作成する書類に(所載の意味で)用いることは、ほぼないかと思います。

より以前の記事一覧

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のトラックバック