カテゴリー「山林・山村・林業」の記事

よく見えない未来への一歩(新コンテンツ増設の件)

物が二重に見えるようになってきました。歳はとりたくないもんです。

片目ずつで見ても、目が疲れてくると本来の像とは別に下のほうに虚像といいましょうか、ぼうっとした同じ像が重なって見える…ということで眼球の中でなにか光学的な支障が発生しているのだと思います。

そんなこともあって深夜の長時間作業が難しいなか、久しぶりに新しい中規模コンテンツを新設公開する目処が立ちました。

このコンテンツには『そこが聞きたい 山林の相続・登記相談室 法改正・補足情報』という名前をつけました。ですが、著書の補足だけではでなくこのページがそのまま当事務所の山林・林業関係業務のトップページになる予定でグローバルナビゲーションを装備しています。

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2年前に出した山林の相続と登記に関する本の補足を著者が勝手にやってしまう、という趣向からして儲からない可能性満載なんですがそれはもう承知でやってます。

インデックスページの構成を考えるのと同時にこの分野で僕が受けたい/受けられる仕事を定義していく営みを進めて、さきほど構成が固まりました。JavascriptとCSSの動作試験を兼ねてこのページだけアップしてあるため、もしご覧になった方がいらっしゃっても…ごめんなさい。リンク先は全部404エラーが出ます(苦笑)

法改正と補足情報のコンテンツはあらかたできているので、明日にはアップロードを終えて検索エンジンにクロールしてもらえるところまでは持って行けるでしょう。SEO対策はほぼ施さない(検索エンジンを気にして姑息なキーワードを散りばめたりはしない)と決めて作ったコンテンツなんですが、そうではあってもgoogleがこのコンテンツをどう評価するかは気になるのです。

複視と老眼で文字通り先がよく見えない状況ではありますが、とにかく新しいことを始めてみたいのですよ。

今回のコンテンツについては一通りリンク切れがなくなって=完成した時点で、SNSをお持ちの方に拡散を依頼しようと思っています。

さしあたって、僕に山林関係の面倒くさくて儲からず逃げ場のない相談を持ってくるNPO代表者さんが持ってるウェブサイトかFacebookには当然リンクを貼らせよう、もし応じないようなら相談料金を即刻5倍に引き上げてもかまわんだろう、と考えています。

※仮に料金を5倍にしてもようやく弁護士さんの市民向け法律相談のお値段だったりするのですが

ともあれ、この方の来所予定は、来月すでに入っています。

楽しみだよ、6月(悪い笑い)

自分が何をしようとしているか、悩む(新コンテンツの準備に関する件)

出歩いてよければ絶好の出張日和が続く名古屋市緑区。

僕はお金になる仕事若干/お金にならない仕事多めな毎日を事務所で送っています。窓の外がひたすらまぶしい今日この頃です。

そのお金にならない仕事が、そろそろ外に出せそうなのです。出してもお金にならないことはほぼ確定であることはさておいて、表題の件。

2年前の春に出した僕の著書(山林の相続・登記相談室:全国林業改良普及協会 2018年)について、執筆後の法改正関係の説明を加えるコンテンツを新設したいのです。発想そのものは昨年秋からあり、調子に乗って担当編集者さんに連絡などしてしまったものの、当時はまだ忙しかったので…

発想はあったものの塩漬けにしているうちに冬になり年が明け春になり、さらには日本経済がこんな状態になってしまって…事務所が潰れないうちに作っておかなきゃ(時間もできたし)、ということで先月からようやく作業を開始し、書きためた文字情報は1万字ほどになりました。著書の本文がたしか6万字ほどあったはずなので最初に追加する文字量は2割弱、ということになるでしょうか。そろそろ人前にだしてもよかろう、とは思っているのです。

文字になっているのは著書の内容をアップデートする法改正情報のほか、いくつかの補足説明となっており、ゆくゆくは書式をいくつかダウンロードできるようにしようと思っているのです。事務所がそれまでに潰れなければ、ですが。

当事務所ウェブサイト全体の構成としては、山林の相続や登記を扱うからといって不動産登記の下部カテゴリにはならないだろう、当事務所にもともとあった3つの大分野=労働紛争/裁判書類作成/不動産登記に続く4番目の分野になるだろう、そう考えました。

そう考えて、新たなテンプレートを用意しようとして、作業が数日停まりました。

新設するページは強いていえば『森林と社会に関する業務』になります。学生時代に森林社会学研究室におり、その後研究室がなくなった(笑)僕としては森林社会学研究室の残党であることを意識したいわけですが。わかりにくいので対外的には『山林と林業に関する業務』というべきでしょう。

もともとは著書の正誤表を出したい、という動機で作り始めた各コンテンツですが当事務所への依頼誘致という目的は持って悪いはずがありません。そうであれば当事務所が山林・林業関係で担当可能な業務の紹介をしてよいはずで、ならば紹介したほうがよい業務はなんなんだろう?

不動産登記。

だけではない、ということだけがすぐにわかったのです。というより、当事務所の上記3大分野全部に関わるらしい、と。

住宅購入とか債務整理とか成年後見とか、そういう司法書士事務所の経営を安定化させるシゴトからはことごとく外れてくるくせにね、山林の仕事(笑)

林学はすぐれて学際的な学問である、と林学概論で宣言された学生時代を思い出さずにはいられません。こんな面倒なことになってたなんて(苦笑)

こうしたことを最初に考えねばならないのはなぜか、と申しますと、パソコンで見たときに画面上部に表示されるナビゲーション、スマホであれば折り畳みできるメニューの出来が悪いとウェブサイト内の流動を促進しない、ひいてはご依頼=売り上げに結びつかないからです。

今回は著書の補足という理想があるので、検索エンジンを意識した対策はしないと決めてはいるのですがそれと人間の閲覧者への対策はやっぱり別です。あれこれ考える営みは『山林への関わりを軸にした、当事務所の仕事(の見せ方)の再編成』になりました。

結局、構成としては

平和な人向けの業務=相続その他での林地の承継とそれに関連する不動産登記

そうでない人向けの業務=裁判事務。相続放棄申述から登記抹消請求訴訟あるいは境界確定訴訟まで。

法人とその経営あるいは労働に関する業務=会社や社団法人設立維持に関わる登記から、それらが傾いたときの雇用調整助成金(という順序でお話を持ってこれるのは社労士司法書士兼業者の特徴かもしれません。縁起でもないことではありますが)、最近ではスマホで山主と林業労働者をマッチングさせるサービスが出てきている、ということできっと悪化するに決まってる労働問題を視野においた業務がここに入ってきます。

あとは上記各業務への入り口になる情報提供=来所・出張での相談と執筆、相談会やら研修の受託、というページを作ってから既存の不動産登記等のページに振ってみることにしました。まずまずよさそうな気がします。

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※この判断が正しくないことは、これまでにもまずまずよさそうと思えるウェブサイトを保有しているにもかかわらず儲かる仕事は来ていない、ということから明らかなのですが…僕からすると今回作るページのレイアウトも『まずまずよさそう』なのです。きっと儲からない依頼が少しずつ来るでしょう(苦笑)

これを作るだけ作ってしまってから、来月の出張に出ようと思っています。

この出張は6月5~10日に予定しています。青森県内に滞在するほか、途中経路周辺でお問い合わせがあったお客さま方には個別にご案内しています。これより詳しい告知は、今後も公開では行いません。写真もブログに上げないほうがよかろう…というのがいささか寂しい気もします。

おおっぴらにはしないが楽しみではある出張を来週末に置いておいて、今月は事務所でこの仕事を進めることにします。

事例紹介:少額で利用可能な遺産分割調停について(審判書)

前回記事に続き、中山間地域で売却価格や評価額の高くない土地の相続登記を促進するために遺産分割調停を使った事例の紹介です。この紹介にはお客さまの許可を得ています。

以下、審判書は関係者の氏名等を伏せ字にし、価格などの金額については事案の性質を失わない程度の改変をしています。改変箇所には下線を付しました。


第1 審判書

主文

1 当事者双方は,①被相続人の相続関係が別紙相続人関係図のとおりであること,
②別紙遺産目録記載の財産が被相続人の遺産であることをそれぞれ確認の上,これを次のとおり分割する。

(1)申立人は,別紙遺産目録記載の土地を単独取得する。
(2)相手方らは,いずれも遺産を取得しない。

2 当事者全員は,これまでに負担した別紙遺産目録記載の土地の固定資産税及び同土地上に存在した建物の解体費用について,他の相続人にその負担を求めないこととする。

3 当事者全員は,以上をもって,別紙遺産目録記載の被相続人の遺産に関する紛争を一切解決したものとし,本件に関し,当事者間に何らの債権債務が存在しないことを相互に確認する。

4 手続費用は各自の負担とする。

理由

1 本件申立ての趣旨は,被相続人の遺産の分割を求めるというものである。

2 本件の相続関係は,別紙相続人関係図のとおりである。

3 別紙遺産目録記載の土地(以下「本件土地」という。)が被相続人の遺産であり,その評価としては,固定資産評価額と同額の75万8104円と評価するのを相当と認める。

4 本件土地上には,かつて被相続人所有の建物が存在していたものであるところ,同建物は,老朽化が進んだこともあり,自治体の指導を受け,平成27年12月に取り壊された。その解体工事費用約130万円は,申立人,相手方d,相手方e,相手方f及び相手方gが負担している。また,本件土地の固定資産税については,現在,申立人において納付している。

5 遺産分割の方法について,申立人は,本件土地を単独取得すること,代わりに,本件土地の固定資産税及び本件土地上に存在した建物の解体費用については,他の相続人に分担を求めないことを希望している。他方で,相手方らは,いずれも本件調停期日に出頭しないが,当裁判所に提出された回答書によれば,いずれも遺産の取得を希望せず,自己の相続分は放棄したいと述べている。

6 以上の事情によれば,申立人の希望するとおり,申立人に本件土地を取得させ,相手方らは遺産を取得しないとの内容により,被相続人の遺産を分割し,併せて,本件土地の固定資産税及び本件土地上に存在した建物の解体費用の負担についても,現在の負担者から他の相続人に対して負担を求めないとの形で清算することが相当である。このようにしても,申立人以外に本件土地の取得を希望する者がいないこと,相手方d,相手方e,相手方f及び相手方gにおいては,本件土地の固定資産税に係る分担義務を免れ,相手方h,相手方i及び相手方Yにおいては,これに加えて建物解体費用の分担義務を免れることに照らせば,当事者間の公平を欠くことにはならない。

したがって,家事事件手続法284条1項により,主文記載の内容で調停に代わる審判をすることが相当であると認め,調停委員会を組織する家事調停委員2名の意見を聴いた上,当事者双方のために衡平を考慮し,一切の事情を考慮して,主文のとおり審判する。

日付・裁判所名・裁判官名


第2 所感

…うまく行き過ぎました(笑)

狙って実現した結果ではありますが、家庭裁判所ってところもなかなかいいな、と思わされたところです。

第3 相続登記と費用(審判書による相続登記 合計32120円

③司法書士報酬 税込合計28600円

  1. 評価証明書取得代行 3000円
  2. 所有権移転登記申請書作成 20000円
  3. 登記申請代理 3000円

④実費 合計3520円

  1.  郵送料 520円(依頼人宅への書類返送のため)
  2.  登録免許税 3000円(評価額75万8千円の0.4%の額)

調停申立を経て調停成立あるいは審判確定となった場合の相続登記はずいぶん楽です。

戸籍謄本類は登記申請時には添付不要です。つまり遺産分割調停申し立てで提出したものが返ってこなくても実害はありません。

被相続人の登記上の住所と死亡時の住所は審判書に示されているため被相続人の住民票の除票も不要、当然ながら遺産分割協議書や各相続人の印鑑証明書は一切不要、ということになっています。このため、本事例で審判確定後の相続登記における添付書類は

審判書+確定証明書(登記原因証明情報)、Xの住民票、本件土地の評価証明書、司法書士への委任状

のみとなりました。相続関係図が審判書に綴りこまれているため、相続関係説明図も不要です。祖父A→父B→依頼人Xという順で相続が発生していますが、この審判書を使えば相続登記は1回でできるのは同内容の遺産分割協議が裁判外で成立したときとおなじです。

このため相続登記の費用も安く済みました。

結果、前回記事(遺産分割調停申立書作成・添付書類収集)まで含めた相続登記完了までの実費込み総費用は11万1830円となりました。

内訳は次のとおりです。

司法書士報酬

①遺産分割調停申し立てまで 43200円
③相続登記申請 28600円

実費

②遺産分割調停申し立てまで 36510円
④相続登記申請 3520円

このうち土地価格に比例するのは④(相続登記の登録免許税。本事例では実際とは少し数値を変えており、評価額75万円余という設定で計算するとこうなります)、相手方その他の関係者数により増加するのは②(本事例では相手方7人分の予納郵券・30通の戸籍除籍謄本類を含む添付書類収集費用)です。

ただ、前回記事に出した僕が起案している『申立ての実情』はあれだけで6枚に達したので、次回以降の受託では枚数に応じて司法書士報酬を加算するかもしれません。当事務所報酬額基準でも2ページ分、1万2千円は加算可能だったようです。

僕の場合、やる気スイッチが入ってしまうと書類作成枚数カウントスイッチが切れることがたまにあるのです(苦笑)

第4 注意点と寸評

本事例は『売却価格や評価額が安い』不動産の相続を巡る紛争を『その不動産に関して投入した費用(家屋解体費用)が土地売却で期待できる売却金額を超える』状況下で解決できたものです。

ただ、本事例の考え方は管理に手間を要したり価値の低い山林が遺産分割協議不成立→相続未登記になった状況を解決するのにも有用と考えます。

上記審判書の内容を当ブログのいつもの表現で要約すると

『申立人が自腹切って赤字で終わるんだし、ほかにこの土地が欲しい人もいないみたいだし、だったら申立人がタダで相続しちゃっていいことにするから後はちゃんと売ってしまえよ』

ということになります。常識に合致する妥当な結論というほかありません。

しかし、遺産分割調停申立書を作成・代理する人によっては、土地の相続と土地上にあった建物の解体費用負担はまったく別の話だ、と判断して申立書に盛りこまない、という判断もありえます。

仮にこの土地上にあって解体された建物が、祖父Aではなく父Bが建てたものならこの遺産分割調停申立に経緯を取り込んでC側に費用負担を押しつけることはまずムリです。

今回の申立では『もともと祖父が住んだ建物なんだから祖父の遺産だ・それを町から指摘されてやむを得ず解体した以上、遺産に関して発生した費用なのだから祖父のすべての相続人が負担すべきだ(が、父以降の世代がこの家に住むことができた利益に関してはまぁ黙っておくことにしよう)』という内容だったから上記の結論になったと考えねばなりません。

※ただ、相手方に僕みたいな人がついて上記の観点で反撃されたとしても『父以降の世代が居住開始した時点で建物は十分古かったわけだから、居住によって得られる利益も少ないし、そもそもこの建物が空いたからC側が住む、という可能性もなかった』とか再反論を企てるとは思います。

いずれにせよ、僕が絶対の自信があって遺産分割調停申立書を完成させたわけではありません。

相談から申立までに内心ではあれこれ考えたが使わずに済んだ反論や論理構成は、いくつもあったのです。このことは、適当な検索エンジンからやってきてこのブログにたどり着き、同様類似の事案が見つかったと嬉しくなってしまった軽はずみな方には気をつけてほしいと思います。

司法書士の職能上の限界として僕の判断は自由に外に出せない=家裁の調停申立事案で自由に法的判断を示したり方針を推奨する法律相談ができない関係上、いろいろ考えはしていますが当事務所への依頼により適切な選択肢にすぐに楽に導く、ということもできません。

お客さまにはゆっくりお話いただいて、いまどうなっていて今後どうなったらいいか…を十分よくお話しいただく必要があり、まぁそれに何時間かはかかります。

その結果この人じゃ本人訴訟はムリ、と僕が判断すれば採算割れが明白なのに弁護士の利用を推奨することもあるかもしれません。

ただ、誰が本人訴訟に向かないか、について老若男女職歴学歴は関係ないようです。東京六大学クラスの学歴持った男女が時折ポロッと脱落していくのを見ることがあります。

そうした代書人の事務所ではありますが、今後もこうした中山間地域で価値が高くない不動産の遺産分割未了・相続未登記案件でなにかできるかもしれない(そして、それはお客さま次第だ)というお話しでした。

事例紹介:少額で利用可能な遺産分割調停について(申立書類作成)

 お客さまの許可を得て、遺産分割調停の申し立て事例を紹介します。

特徴は、課税価格が高くない(本事例では評価額100万円未満)不動産について、本人申立てにより比較的安価に所期の成果を達成したことにあります。本事例では相続人の一人と合意に至らずに遺産分割協議が頓挫していましたが、当事務所で受託後は任意での交渉から調停手続きの利用に方針変更しました。

結果、申立人が調停の期日に(家庭裁判所に)出頭したのは一回で済み、申立人が無償で目的不動産を取得する審判を得ることができました。

遺産分割調停の申し立て対象としたのは宅地ですが、評価額の高くない林地やその共有持分の相続未登記問題解消についても応用可能な事例だと考えます。

以下、説明には事実から若干の改変を加えました。改変箇所には下線を付しています。


第1 相談概要(受託1ヶ月目)

初回の相談で、概ね以下の説明がありました。

○親族関係

  1. 依頼人Xは甲県の某町に実家があったが、現在は別の乙県に居住している
  2. 甲県某町所在の本件土地は、依頼人の祖父Aが登記上の所有者である
  3. 祖父Aは50年以上前に死亡。依頼人の父Bもその後死亡した。
  4. 祖父Aの子はBのほかにCがいたが、死亡。BCともに子がいるため数次相続が発生。
  5. Bの子は依頼人Xのほか、d・e・f・gの計5名。Cの子はi・h・Yの3名。合わせて8名が祖父Aの法定相続人である。
  6. 本件ではC側の家族に交渉を阻害する者Y'(法定相続人Yの関係者)がおり、相続登記に必要な遺産分割協議が成立しない。ここ数年はYと意思疎通すらできていない。
  7. 依頼人は最初に依頼した地元司法書士と複数回現地に行って打ち合わせなどしたが、手続きは進行せずここ数年はその司法書士から連絡もない

※ここだけいつもの表現を用います。本件は裁判書類を作らないヘタレが放り出した事案だ、という点に僕のやる気の割増要素がありました

○不動産の状況

  1. 本件土地の固定資産税の納税は、A死亡後はB、その死亡後はXがしている。
  2. 数年前までは本件土地上に建物があったが、父B死亡後は空き家になった。
  3. その後、老朽化のため建物の解体または修理の要請(強制力なし)が某町役場からあった。
  4. このためBの子たち(Xの兄弟)5名が費用を出し合って建物のみ解体。解体費用130万円
  5. 建物もAの所有だったが解体に際してC側相続人からの同意はとっていない。遺産分割協議に際して、この経緯は問題にはなっていなかった。
  6. Aには本件土地のほかに、遺産はない模様。
  7. 本件土地には買受け希望者がいる。希望価格70万円で、固定資産税の評価額とほぼ同じ。

○依頼人の意向

  1. 祖父Aの全法定相続人の客観的状況として、この土地を相続したい者はいない。
  2. このため、いったん自分(依頼人X)を所有者とする相続登記を実現してから、買い受け希望者がいるうちに売却したい。
  3. この土地が売却できればC側親族に建物解体の費用負担を求めるつもりはない。

●僕の判断(内心)

Y夫妻をどうにかしてしまえばよい。したがって家事調停の一択。

  1. 言動から察するに、YとY’は調停手続を利用して隔離すれば無力化できる。また、単純な相続分と不動産の市場価値からすれば相続人一人あたりの価格は10万円台にとどまる。
  2. ゆえに敵側での弁護士代理人の選任は当然ありえない。司法書士への依頼も厳しい。少なくともコストパフォーマンスでみる限り、士業による反撃の可能性は無視してよい。
  3. 依頼人の説明は調停申立書に記載すべき事項を十分網羅しており、僕は単に書類を整序すればよい、ということにできる。
  4. 遺産分割調停の結果得られる最悪の結論は、家屋解体費用を無視して土地売却後の売却金分配または代償金支払いを命じる審判である。
  5. しかし、もしYが本気でこれら金員の支払いを求めてくるようなら、支払督促かなにかで家屋解体費用を請求してしまえばよい。
  6. この請求は手持ちの簡裁代理権で対応可能。Yへの対応にはなんの問題もない。

まぁ、C側があまりゴネるならB側陣営が全員結託してC側に不動産と納税義務をまるごと押しつけて逃げる、という戦術も一応ある(僕の内心です。説明はしていません)

○僕の相談(外見)

  • 任意での交渉を経て遺産分割協議を成立させるのは一般的なことであり、従前依頼していた司法書士さんもそれを試みられたようですが、お話を聞く限り今後も交渉成立の可能性は薄いようです。
  • このように遺産分割調停がちょっとした理由で成立しない場合にも家庭裁判所での遺産分割調停が利用でき、当事務所でも代理はできませんが申立書類を作成することはできます。
  • 実費と申立費用は皆さまがお考えほど高くはありません。
  • また、お客さまが私にお話いただいている発言内容からして、代理人なしで調停を申し立てても調停委員との会話に困ることもないかと思います…
  • ですので気が向いたら、そうした書類作成のご依頼をご検討ください。

等の助言をおこなった。

その後、家庭裁判所に提出する遺産分割調停申立書作成および添付書類収集を受託した。

第2 申立書の作成(受託2ヶ月目)

土地が売れれば家屋解体費用は相手に請求しなくてよい、という依頼人の説明を整序することを基本方針とした。

このため、(少々強引かもしれないが)家屋解体の経緯と費用に関する説明を追加し、さらに依頼人から聞いた意向を申立人が希望する調停条項として整序したところ、後記の申立書文案が依頼人に採用された。

本申立書による遺産分割調停申立で実現可能な最良の結論は、申立人が代償金の支払いを要することなく=無償で本件土地を取得してしまうことにある。

ただ、土地上の家屋の解体は一部の法定相続人の承諾なくおこなった相続財産の処分という面を持つ。このため申立書案では『町から行政指導を受けたので』建物を解体した、という説明をした。

注:この部分は、単に建物が老朽化しただけだったり建物の名目上の価値が大きい場合に難しい問題になります。相続人の一部の同意があるから勝手に家を壊していい、とは考えません。

以下、関係者の氏名や遺産目録など定型的な部分は省略して『申立ての実情』のみ掲載します。■はチェックした欄、□はチェックしなかった欄を示します。『その他』という項目はないのですが、追加するのは申立人の自由、ということになっていると考えてください。


遺産分割調停申立書文案(申立ての実情)

1 遺産の範囲
□申立人主張の遺産の範囲は遺産目録記載のとおり
■その他 (遺産目録土地上に家屋があったが、解体した。詳細は後記の通り)

2 遺言書の有無
■ない

3 遺産の使用・管理状況
■ 不動産
  現在は誰も使用しておらず、更地である。

4 当事者間における分割協議の有無
  協議をした(3~4回)
  協議がまとまらなかった経過は次のとおり
 相手方Y以外の各相続人とは、申立人が本件土地を相続する旨の調整ができた。Yにも同様の申し入れを電話・手紙で試みたが、Yの孫であるY’が介入するため本人と直接交渉ができない。

5 遺産分割方法について

■ 自分の希望は次のとおり
   遺産目録番号(1の土地 )を取得したい。
   詳細は後記の通り
■ 相手方の希望は次のとおり
  相手方Yの希望は不明であるが、遺産目録記載の土地を取得したいという意向は示されていない。

6 特別受益・寄与分の主張について
(1) 特別受益の主張をする考えが
   ない
(2) 寄与分の主張 をする考えが
   ない

7 相手方について
 (1) 相手方は本件申立てがなされることを
   知らない
 (2) 相手方が代理人に弁護士を選任しているか,またはその見込み
   不明

8 その他
(1) 申立人と被相続人の関係
 被相続人Aは、申立人の祖父である。
 被相続人の子3人は全員、すでに死亡した。
 長男○○には子がない。
 長女Cには人の子がいる。長女がY、長男である亡●●の代襲相続人がh、次男がiである。
 二男Bには人の子がおり、いずれも生存している。

 被相続人は亡Bの長男である。B夫妻が本件土地上の家屋に住んでいたこともあり、現在は本件土地の固定資産税の納税義務者の地位にある。本申立ての遺産分割に際して、亡Cの相続人である相手方Yとの協議が成立せず、本申立てに至った。

(2)主たる相手方について
 相手方Yは、被相続人の長女(亡C)の長女である。
申立人は本件遺産分割について、亡Bの相続人名の意向をとりまとめたうえで平成27年から28年にかけて、相手方Yに遺産分割に関する協議を申し入れた。
しかし、その都度Yの孫であるY’が介入し、被相続人には他に遺産があるはずだとか、Yが精神的に疲弊しており交渉ができないなどと回答し、Yに対する直接の連絡を妨げている。

 このため申立人は遅くとも平成28年以降現在まで、Yと手紙・電話・面談等による交渉ができていない。

(3)被相続人の遺産について
 本申立書に記載した土地以外に、被相続人の遺産は存在しない。
 少なくとも、申立人は把握していない。調査の経緯は以下のとおりである。

 申立人には某町役場から毎年、本件土地の固定資産税の課税明細書が送付される。課税明細書には本件土地以外に不動産の記載はない。
 被相続人について、ほかの市区町村役場から固定資産税の納付を求められたことは全くなく、ほかの相手方からもそうした話は聞いていない。

 相手方Yの孫Y’は本件遺産分割の交渉の過程で、被相続人にはほかに遺産を有するはずだと述べたことがあった。しかし、特に財産の所在や根拠を示したわけではない。
 このほか被相続人の財産あるいは負債について申立人や相手方に、第三者から連絡がなされたことはない。ただし、後記の建物解体に関する連絡のみ存在した。

(4)被相続人が所有する建物の解体について
 被相続人は本件土地上に建物を所有し、昭和35年の死亡まで居住していた。その後、被相続人の妻および二男らがこの建物に居住した。
 被相続人の二男Bの妻である△△が平成年に死亡して以降この建物に居住する者はなくなり、申立人をはじめとする亡Bの子(被相続人の孫)が時折訪れる程度に使用していた。

 平成27年3月、某町建設課から申立人に対して、本件土地上の建物を修繕するか解体する等適切に管理するよう求める行政指導があった。そこで申立人をはじめとする亡B相続人5名は費用を負担し、平成27年12月にこの建物を解体した。要した費用は総額130万円である。相手方Yら亡Cの相続人3名は、この費用を負担していない。

 解体前の建物の状況は、某町からの文書では『屋根上の石やトタンの飛散により被害を及ぼす可能性が』あるとされており、文書に添付の写真でも道路に面した屋根が大きく剥がれている等、居住に適さない状況であった。

(5)本件土地の現況と買い取りの希望について
 もともと本件土地上の建物は隣地にある建物(現在の居住者 甲)とつながっていたものである。
 このこともあり、解体工事後は甲氏から申立人に対し、本件土地を70万円で買い取りたい旨の希望が示された。
 被相続人Aの各相続人のうち某町に在住するのは亡Cの子iのみである。この者も含め、相続人にはこの土地を取得したい者がいない。

 本件土地の今年の固定資産税課税上の評価額は75万円であり、隣人への土地売却で確定測量も要しない(土地売却にかかる費用として測量作業に20~40万円を要することは公知の事実と考える)ことも併せて考えれば、本件土地を70万円で売却することは概ね妥当というほかない。
 このため、申立人としては、本件土地をいったん申立人が相続し、すみやかに甲氏に売却し、売却金は建物の解体費用の一部に充当して、C側の相続人である相手方Yおよびh、iに負担を求めることなく遺産を処分するのが妥当と考えている。
 この案は相手方Y以外の全相続人の内諾を得ているところであるが、Yの孫であるY’が妨害するため手続きがまったく進んでいない。

(6)結語
 本件は価値のある遺産を取り合う争いではなく、申立人が費用を負担して祖父の家の後始末をする性質の申し立てである。望ましい条件で土地が売却できても、申立人ら兄弟にはまだ家屋解体費用の負担が残る。

 申立人としては建物の解体費用および申立人が負担した固定資産税についてYに対し、法定相続分相当額を請求することもできると考えているが、本申立てにより調停が成立するのであれば、Yに対して特段の費用負担を求めないこととしたい。
 ただし、これまで述べたとおり建物解体費用まで含めれば被相続人の財産は存在しないどころか申立人をはじめとする相続人に金銭的負担を残す事案であることから、可能性として代償分割を命じられるとしてもYに代償金を支払うことは妥当とはいえない。

以上のことから申立人としては、以下の調停条項を提案したい。
1.申立人は無償で本件土地を取得すること
2.申立人は本件土地を売却し、本件土地および建物の保有および解体に要した費用は、Yおよびh、iに負担を求めないこと

以上

 


第3 費用 総計79710円(調停申立書提出まで)

①司法書士報酬 税込合計43200円

  1. 家事調停申立書作成 30000円
  2. 添付書類収集代行 10000円

②実費 合計36510円

  1. 評価証明書(1通)・登記事項証明書(1通)戸籍謄本類(30通)発行手数料、郵送料、定額小為替(31枚)発行手数料 計22470円
  2. 申立書に貼付する収入印紙代 1200円
  3. 申立書に添付する予納郵券(切手代) 12840円(相手方7名分)

第4 調停終了(受託5ヶ月目)

申立書提出の約2ヶ月後、第一回期日が指定された。

期日には申立人を除き、全員欠席。家裁が各相手方に意向を尋ねる文書には、期日前に全員が回答した。

裁判所は第一回期日で調停終了、審判を出す旨を申立人に伝えた。期日の約1ヶ月後に審判が出され、相手方が異議申立をしなかったため確定した。

4月5~8日、電話受付をお休みします

今日から郵便が来ないのです。

別に破産手続開始決定をもらったわけではありません(し、僕はさしたる財産を持ってないので破産するとしても破産管財人が選任されたりその人に郵便が転送されたりすることはないと思うのです)。

ご同業の方にしかわからないような冗談はさておいて、今日から予定していた出張のために郵便局へ不在届を出してあるのです。4月3日から8日まで。

で、青森地裁管内の某裁判所が証拠調べの期日を2ヶ月先にすると決めたため(エイプリルフールに合わせなくてもいいからもっと早く言ってほしかった)、僕の出張も釣られて2ヶ月先に吹っ飛んだ結果、上記の不在届と4月4日朝に京浜東北線南浦和で予定していた別件の出張相談が残ったのです。

このうち不在届はそのままおいておこう、と決めました。併せて4月5日から8日まで、来所の相談・電話の受付とブログの更新も休止します。主に執筆をして過ごすと決めました。

お察しのいいお客さま方には個別にお問い合わせをどうぞ

別の話題です。久しぶりに、ほんとうに数年ぶりにお客さまから許可をいただいて、受託事例の紹介ができることになりました。この冬に家裁が出した審判書の内容を公開したいと思いまして、ご依頼が全部終わったところで掲載許可のお願いを出していたのです。僕が作った申立書の主要部分も公開できることになっており、中山間地域にあるような価格の低い不動産の相続でお困りの方に少しは役立つ情報になろうかと考えています。

この記事を来週末までに公開するつもりです。

それまで何日か、挙動がわかりにくくなりますが…しばらくお待ちください。破産の準備なんかしていたりはしませんから(^_^;)

不要不急の何かを止めさせてしまった話(それで儲かるのは僕だけだから、という正当化)

普段とは違うパーソナリティを演じてみたくなること、たまにないでしょうか?

例えばブログでは概ねおかしなことを言っているどこかの代書人が一生に一度くらいはまっとうな書籍を世に出してみたくなるように(苦笑)

今日はまぁ、そんな話です。

そのお客さまとは複数回の打ち合わせを経て、契約書作成および所有権移転登記申請のご依頼をいただくことになりました。家族間での生前贈与、だと思ってください(例によって事案は少し改変しています)。

今日はその最終確認および書類授受、ということで当事務所には義務者権利者ご一同様が連れだってお越しになりまして、契約書調印と必要書類の受領まではつつがなく終わりました。で、僕からお客様方に話しはじめます。

ここで最後に提案です、と(きな臭くなってきたな、とご期待の読者さんにはそれを裏切らないかと思います)

  1. まぁこういう社会的経済的状況になっちゃいました。
  2. 今回所有権移転する物件も文字通りその直撃を受けるものですよね
  3. なので、いま譲渡されたって転売差益や賃貸料収入をゲットするのは当分ムリでしょう
  4. じゃぁそんな登記をするために十数万円、いま現金を手放したいですか?
  5. 後手後手が好きな政府のあれやこれやの施策が我々までトリクルダウンしてくるのはもうしばらく先です
  6. したがいましてファイナンシャルプランナーとしては、いまから1~2ヶ月のあいだは手元に現金をホールドしておくことが重要になるかと存じます
  7. 繰り返しになりますが、それでも十数万円かけてこの登記、やりたいですか?
  8. もちろん司法書士たる僕は儲かって嬉しいですが、やめておくのも一つの見識かと思います
  9. ちなみに印鑑証明書は発行されたばかりなので、この書類一式預かって実質3ヶ月は判断を先送りできます
  10. ついでに委任状には、『この委任は委任者の死亡によっても終了しない』って特約を無料オプションとしてつけておきましょう
  11. 繰り返しになりますが、それでも十数万円かけてこの登記、やりたいですか?
  12. 繰り返しになりますが、それで嬉しいのはほぼ僕だけです

-以上-

とりあえず、お客さまには契約書作成費用だけもらってお引き取りいただきました。

あはは(乾ききった笑い)

手短に結論を申しますと、個人の家計向けファイナンシャルプランニング業務と司法書士の商売はときに両立しない、ということかもしれません。余計な正義感を発揮して人に自粛を求めることは実に実り少ない営みで、かえって日本のGDPを減少させる、ともいえます(あ、これは違うか)

まぁ依頼受けないとは言ってませんので、それでもやってくれとおっしゃるなら粛々と申請出しますし…そのほうが嬉しいです。僕と僕の事務所、ひいては僕の家計は。

ついでに言うと、上記のようではあってもこの物件をマネタイズする努力は常に続けるべきだ、とは助言しています(そりゃ当然で、ここを阻止しようとしたら本当に愚劣な不謹慎厨になってしまいます)。

当事務所へ不動産登記のご依頼検討中の方々におかれましては、ここにいる司法書士はときに嬉々として申請の延期や中止を語る、とお考えいただければよろしいかと存じます。


こんなことばかり書いてる僕がこのブログにあるようなよろしくない部分を排除して(補助者さまと担当編集者さまには文章表現の改善等をめぐって、ひとかたならぬご助力をいただきました。いまでも感謝しています)なけなしの善性を注いだ単著を出してから、2年が経ちます。

今年にはいってようやく、東海三県初の図書館配本が実現されたと思ったら(←遅いよ)その名古屋市図書館がまるごと臨時休館になっちゃったりもしています(←酷いよ)ですので僕の本はおそらく農業関係の書棚で寝ているだろうと思います。

僕の著書『そこが聞きたい 山林の相続・登記相談室』(全国林業改良普及協会 2018年)については発売直後に『八十万(やそよろず)の雑記帳』さんが好意的なレビューを出してくださいました。僕が担当編集者さんの思惑を超えて盛り込んだ部分をよく汲んでいただいており、この意味でも大変ありがたいことだと思っています。

同年7・8月には農林水産省本省の売店での売り上げトップ10に入った、という飲み会のネタにしかならないような(一体何冊売れりゃそうなるんだ、と苦笑してみたい)話題もあり、現時点では幻冬舎GOLD ONLINEでその一部が転載されています。

小規模山林所有者向けに相続手続きの本人申請を解説した本が富裕層向けウェブサイトに転載される、という反応自体がもう何かの冗談のようで、まさに飲み会のネタにはさせてもらいました。

amazonのレビュー3件のうち2件は面識がある方、残り1件は『同業者なので、とくに新しい知見はなかったが当たり前のことが丁寧に書いてある良書』とのことでこれはそもそも同業者向けの本じゃないんだからしょうがない、とさせてください。

繰り返しになりますが僕が出した本は同業者向けではなくとくに新しい知見はない(←これは自虐としてはいいのですが、本来は上記レビューの後段部分に注目していただけると担当編集者さまや補助者さまその他出版担当者ご一同さまの心が癒やされたり励みになるのでそうすべきだ、と重々承知しています)、そういうものではあったはずなのです。

で、今回また著書名でネットを探してみたところ

あまりオススメしたくない!

というタイトルがまず飛び込んできました(そう来ますか)

Photo_20200325122701

本文をよく見ればその方は熊本県の、残念ながら鉄道では行けない場所に事務所を開いておられる先生とのこと。お会いしたことはありません。上記の通りタイトルはひねってありますが(著者としては結構焦るんですよねー。一応これでも評判は気にするんで)拝読したところ本書をご推奨いただいています。どうもありがとうございました。

ただちょっと違うな、と思えたのはこうした本が(特に重要な要素として、林業界向けのものならば)司法書士業界の依頼減少にはつながらない…むしろ長期ではその逆を期待していい、ということです。

言ってしまえば『移転する持分の価格40万円登録免許税1000円の相続登記に司法書士報酬4万円払うのはイヤだよねー(←実例)なら自分でやったら?』という本ではありますが、そういう林地では司法書士業界側がなにも施策しなければ現時点で依頼が来ないのは当然です。

つまりこの本があろうがなかろうが依頼は増えも減りもしません。

でも本人申請可能という情報を中山間地域にばらまいてあげれば

小規模山林所有者向けの講演会兼相談会の企画が持ち上がったり(水源地対策ってことで水道代から講師料もらったことがあります)相続登記まで終わった林地を次にどうしよう(贈与で持分をまとめたり遺言で承継をはかったり)、という発想は必ず出てきます。

さらに相続登記を現実的に企図するようになった山林所有者の集団からは一定量、『わかったわかった今回はオレ忙しいからお前やってくれよ/ついでに家と畑も頼むよ』的トリクルダウン効果が発生しうるので(←実例)、別に僕が無私の精神でこの本書いた、というわけでもないのです。

そう、実は僕は誰も反論できないほどの正当性を確保しつつ長期に行う金儲けの計画を隠して…というのはもちろん、冗談です。

登記本人申請の本を出すことが即、司法書士への依頼減少につながる、という発想は自分さえよければいい人たちの集団を前提とすれば当然です。

住宅の相続なり購入なりで一発何万円かの依頼費用が削れりゃあとはどうだっていい、安けりゃいいんだろ安けりゃ、という発想の人を対象にして、一回使えりゃあとはどうだっていい、という情報商材を売ってる事務所の存在を前提とすれば、なるほどそうなります。

いますよ、そういう情報商材売ってる人。軽蔑してますがなぜか表面的な主張は似てしまうんです。

ただ、注力する場所や状況を間違えなければ本人申請・本人訴訟を促進することは、我々の業界に対する社会的評価や制度への関心を高めながら需要の掘り起こしにつながる活動になりうる、と僕は考えています。

よその事務所の売り上げ削らせて自分の情報商材が売れりゃいい、などとは僕は毛頭考えておりません。

ただ、なにぶん誤解を受けやすい要素はあります。こうした活動が無理なく継続されるために重要な要素としては、まず山林所有者向けである本書について、ご同業の先生方による一般市民への推奨方法を間違えないことかもしれません(以下、冗談です)

  • たとえば本書はご自身の事務所の売り上げに危険をもたらすものと認識したうえで事務所内では一種の禁制品として扱い、ほんとうに信頼できる山林所有者・共有者だけにそっと示す、とか。
  • そこまでしなくても、いったん依頼人に背を向けて肩越しに人の悪い笑みを浮かべつつ「ほんとうは、あまりオススメしたくないんですがね」とつぶやいてからこの本の利用を推奨する、とか。

以上はもちろん、もちろん冗談です。言ってみるだけなら楽しいので口にしてみました。

ご同業の方から良書と評価されることは本当にありがたいことだと思っておりますし、林地も小規模山林所有者もいっぱいいる地域でこうした活動が受け入れられる可能性はいっぱいあるのに(そのうちに森林環境譲与税が財源になったりするのに)な、とも思っているのです。


補足です。僕の本は山林所有者の方、そうした方を支援するNPO・森林組合・行政関係の方々には一種の試薬の役割を果たすかもしれません。

僕の著書をお近くの(今後のあれやこれやで協力を依頼することを検討している)司法書士さんに見せて禁制品扱い、そうでなくてもアタマから否定的な反応を示すところはちょっと避けたほうがいいかもしれないね、とか。

これは…冗談ではない気がしています。いろんな意味で読み手を試す本を書いた自覚はあるので。

パンドラの箱、ちょっと開けてみた(不動産登記編)

前回記事に続きまして、別の抵当権抹消登記の話し。

前回と同様に、ちょっと危ない何かをみた話しでもあろうかと思います。ですので事実と経緯は十分に改変してお伝えします。

休眠抵当権抹消のご依頼を受けています。昭和9年に設定された債権額100円の抵当権の抹消、とかそういうの。

こんなの正攻法での抹消を目指す奴はいない、というのはどこかの役所の何かの別件で『消えればいいんだから消えれば、いいようにしてよね(何かの文房具とかで)♪』とカウンターの向こうで誰かが言うのと同じくらいの真実だと思います。

-上記の記載と前回、いえ当ブログの過去の全記事とは関係ない、ということにさせてください-

ちなみに正攻法での抹消というのは

  • 当時の抵当権者を草の根わけても探しだし
  • 当然その方は死亡しているのでさらにその相続人たちを探し
  • 抵当権者の法定相続人が5人だろうが50人だろうがとにかく全員の同意を取り付け、
  • 妨害するなら抵当権抹消登記請求訴訟を起こし、
  • 付随して必要があれば相続にともなう抵当権移転の登記を必要なだけやってから
  • 抵当権抹消(呆然)

そういう手続きになります。

お金がたくさんあって大規模山林所有者で実はブラック企業、そんな人から発注を受けたプロジェクトでならこの方針もよろしいかと存じます(もちろん皮肉です)

気の利いた制度はあります。この抵当権者(あくまでも、この例では昭和9年当時のひと)の所在が確認できないならば

  • 抵当権者の所在が確認できない証拠を用意して
  • 当時の債権額と遅延損害金から計算される金額を法務局に供託して
  • 抵当権抹消

そういう過程をたどることができます。楽です。

債権額が安いので、遅延損害金をたっぷり(とは言っても法律通りに)加えたって供託額は千円弱。あはは(乾いた笑い)

ただ、絶対条件として抵当権者の所在が不明であることが必要なこの手続き、誘惑や落とし穴はちゃんと用意されています。

  • 数年前にこの抵当権者の調査で何やら手抜きをした同業者さんが懲戒された事例があります。
  • ですが申請時の添付書類としては、登記上の住所氏名に送りつけた内容証明郵便が戻ってきたのがあればいい、ということになっています。簡単に見えてしまいます

まぁとにかく抵当権者への連絡調査はちゃんとやんなきゃねー(遠い目)という実情があると考えて、以下をお読みください。

調査結果。

今回の登記上の抵当権者、所在が確認できません(わらうところ 勝ち誇ったように)

見かけ上、当時の番地にはもう違う人が住んでいます。

当然抵当権者さんはもうお亡くなりになってますから、不在籍不在住(登記上の住所に本籍地や住民票を置いて生きている人がいないこと)の証明も取れます。なんなら現地の住所に行ってもいい。そこには他人が住んでおり、大余裕で調査不能の確認ができるでしょう。

ですがここで、ちょっといたずら心を発揮してしまったのです。

その抵当権者、ちょっと珍しい名字です。仮に諸葛亮(仮名:もろくず あきら)さんとしましょうか。

ご依頼を受けるその村は人口が多くないのです。仮に1万人としましょうか。

当事務所では電話番号と住所と氏名のいずれかから電話帳を検索できるソフトを持っています。

おなじソフトで違うバージョンを3種類保有して、だいたい20年前→13年前→6年前をカバーしているところです。検索結果も、電話番号・住所・氏名が表示されます。当然ながら検索を繰り返せば全国のが探せます。

まず13年前ので検索しました。

その村で諸葛さんの登録は5名出てきました。抵当権者本人は出てきませんでした(←ここ強調しておきます。僕を免責するために)うち2名は他の方と住所がダブっています。

実質的には候補が3件になったので、検索で捕捉できた彼らの『住所』の土地の登記情報を取りました。

調査対象地は抵当権者の住所と全然違う地番(←ここ強調しておきます。僕を免責するために)でもありますし興味の関心はブログの記事にできる点にだけありますから、もちろん費用は自腹です。

そうした全然違う土地の登記情報のうち1件で、昭和40年代に変更した前住所地が抵当権者の登記上の住所の番地と1番違いである人が出てきました。

-ここ、登場時のBGMを以下の曲『The Imperial March』としていただきたいです-

さて、見つかったその人の名を諸葛謹(仮名:もろくず きん)とします。ただし、この不動産は10年ほど前に、全く別の名字である孫亮(仮名:まご あきら 前述の諸葛亮さんとは別人)という人に生前贈与していました。

その村の立地として、二つの県=ここでは蜀県と呉県(それぞれ仮名)の境にあり双方交流があります。

ひょっとしたら名字の同じアキラさんとキンさんがある時期隣同士であっても全然不思議ではありませんし、実は呉蜀に分かれていても遠縁の親類あるいはご家族だったという妄想も一応成り立ちます(言い訳として聞き置いてくださいね)。

それともう一つ。6年前の電話帳データで再検索したところ、諸葛謹さんが消えており、違う住所同じ電話番号(電話番号でも検索できますのでこれがわかります)の諸葛花子という女性の登録が出てきました。

諸葛家において、おそらくは家長の死亡+転居があった、ということなのでしょう。


死亡と転居は最低でも6年前、ということでふつうに役所に調査に行けば住民票も取れず、やっぱり余裕で調査不能を宣言できるのです。

でも。当事務所には…こんなチープな特殊装備とその運用ノウハウ、それに余計な好奇心があったりするのです。

あとは、僕が一縷の望みをかけて電話帳データで探索した諸葛花子さん宅を訪問し、『ひょっとして諸葛亮さんって人を知りませんか?90年前まではご存命だったんです』と聞いたらどうなるか…

気にはなるのです。制度上は誰もそこまで求めていないのですが。


本件で関係者らしい人にたどり着く鍵になったのは『名字』と『電話番号』で検索可能な過去の電話帳データであるわけですが、公式な制度としては誰もそこまで調べろ・調べられるなどとは言ってません。重ねて申し添えます…僕を免責するために(苦笑)

これは過去の抵当権者のみならず、登記上の所有者についても・公示送達など裁判関連の手続きについても同じです。

当ブログに少数現れつつある林業関係者の方に説明を付け加えると、最近ようやく国も本気になったらしい山林の所有者探索で出されてる指針はさらにチャラい(登記上の所有者の子まで調べりゃOK、って一体どれだけ手抜きなんでしょう?所有者不明ってことにされた人の孫から訴えられたら負けるんじゃないかと思います)。

ただし当事務所では、公式に求められているかはさておいて、僕が必要を感じたらこうした調査案件で少しだけパンドラの箱を開け、中に希望が入っていなさそうならそ~っとフタを閉めるようにしております。

もしご興味のある方は、お問い合わせください。もちろん普通の休眠抵当権抹消あるいは過去の登記の抹消のための各手続きに関するご依頼も普通にお受けしております。

ほんとうに普通に受けてるんですから(って強調するほど普通じゃなくなるのは何故なんでしょう)

3月26日、東京都西部へ出張します

『そんな関係を続けていていいのか』

そうした意味の言葉を、補助者さまがときおり口にするのです。

…不倫でもしてるのか、というのはもちろん邪推です。当ブログに出てくる不肖の弟子(老齢年金受給資格を満たした男性)と僕とのやりとりを、彼女は気にしているのです。

ここ数日の話題は不出来な契約書(林業経営に関するもの)。

第一次案はうっかり検討作業報酬なんか取ったら公式に巻き込まれて酷い目に会わせてもらえること必定の内容でした。そんな当初案を一通り叩いて次に出てきたものがさらに悪い、ということになったため、不運な関係者に代わって弟子が乗り出してきた…というのが今朝までの状況。要するにタダ働きではあるのです。もちろん普通の仕事は進めねばなりません。

今日は補助者さまの勤務が17時半から21時まで、ということで僕の終業も遅くなります。晩ご飯のお買い物に行くのはやめて、あり合わせの野菜と豚肉とシーフードミックスでチャンポンを仕上げて二口ほどすすったところで携帯電話が着信音を鳴らしました。

一般の相談希望者なら相談前から受託打ち切りを決める、22時過ぎに

弟子から(苦笑)

確定申告まだ出してないから10日ほど待てというメールを送った直後にそれか、絶対ブログのネタにしてやる、と思って応答開始したところ、彼の言い分はさらにブログのネタを増やすものでした。

弟子の携帯電話の無料通話時間は1回10分までに設定されている関係で、10分ごとに通話を切る、と(凄いよ)

そうした通話の断続を4回ほど続けたあと、喫食を中断したチャンポンをレンジアップして一日を終えたところです。

ごめんよ日清、美味しく食べてあげられなくて(と、遠回しに弟子を非難してみる)

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同様のシリーズを東洋水産でも出しており、そちらは粉末スープだが麺が日清より美味い、日清のは液体スープだが麺が焼きそばみたい(実は価格で選んでるだけ)という違いはあります。

それはさておき風呂に入ろうとした瞬間、給湯を途中で止めていたことにも気づきました。

ここまで来ると、一人暮らしも若干悲しくなってきます。

さて、この不出来な契約書(どんな契約書だとかどの県のどんな団体が関与しているのかすら言えません)、全29箇条のうちそのまま使えるものが4箇条、そのうちの2条は無くても権利義務に影響しない条項、という凄いもので、この6月におこなう他県での講義(林業に関するもの)で教材にしたいくらいなのです。

いっそ教材としての採用を条件に原案公開をご承諾いただき、その代わりにタダで改稿を支援する協定でも締結しようか、という話題で補助者さまとも盛り上がったのですが…まぁ、弟子以外の各関係者は脊髄反射で拒否してくださるでしょう。そんな人柱協定(笑)

そうしたわけで、本件で僕が受ける経済的利益は来月あたり、また三番町(愛媛県は松山の飲食街。素敵なお店の候補を、訪問のたびに探索しています)で弟子から一杯たかれる、というにとどまっているところ、これが補助者さまからすると不適切な関係に見えるらしいのです。

二十数歳年上の男性との、不適切な関係に(酷いよ)

それを含めていくつかの仕事やタダ働きの仕事(とは言わないか)が過ぎ、1月2月にお受けした裁判書類の作成にもようやく今週末でなんとかできる目処が立ってきました。仕事が落ち着くタイミングで臨時に入った出張が表題の件。

3月26日、東京都内に出張します。目的地は都内の西武鉄道沿線で、山手線より内側には立ち入りません。

宿泊は例によって府中あたりでするつもりですが…あまり喜べない理由で安い宿の選択肢が増えています。帰りに中央線を使うことにして、山梨県内のどこか適当な温泉地に引っ込んでみるのもよいかもしれません。

出張相談は同日夕方、中央本線立川・武蔵野線府中本町または京王線府中で対応可能です。翌日については中央本線立川以西(主に山梨・長野県内)が多分大丈夫です。

こういうご時世ではあるのですが少額の労働紛争は増えるのかもしれません。当事務所の出張相談は労働紛争労働側、民事家事関係裁判書類作成(裁判書類とする現況実測平面図作成および測量を含む)、いまのところは不肖の弟子が無償労働の案件を持ってくる山林・林業関係の登記や契約に関する相談等をお受けしております。

出張相談の料金は2時間5500円で、上記の出張日程に沿った相談場所・日時にできる場合は出張費等が増加しません。ご興味のある方は当事務所ウェブサイト備付けの送信フォームからお問い合わせください。

山林、紹介、あとは測量と、ひょっとしたら…官公需(事務所のありようが変わりそうな要素を挙げてみる)

昭和時代の上越線。私はEF58に常務している。急行列車は5分ほどの遅れで高崎を出た。水上までに遅れを回復しなければ、清水トンネルの向こうは多分、雪でさらに遅れる…

そんな夢で目覚めた(何だこれは?)

フロイト風に判断すれば何かイヤらしいお話ができそうですが(というより、どう判断してもイヤらしくなりそうですが)今年も先が見えない試練の年なんだろうな、と思っております。


さて、今朝もふつうの日常をひっさげて当ブログを来訪してくださった数名の皆さま、明けましておめでとうございます。

僕は例によって、大晦日は執務室内のLANケーブルを引き直し夜はウェブサイトを修正しながら、いつのまにか日付が変わっていたことに気づきました。

昨年夏ぐらいまではgoogleでの検索結果10位以上にあってよく売り上げに貢献し、秋までに順位が暴落した諸々のキーワードのいくつかは12月までに20位以上を回復できるようになりました。しかし、そこから更に上に持って行けるかどうかはまだ不透明です。

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昨年の今頃は予想もしていなかったのですがgoogleによってあり方を変えられようとしている当事務所、それでも残っているか育っていくかしそうな要素を思いつくままに挙げたら、表題のようになりました。

○ご紹介をくださる方・リピーターの方

上手くはまると凄いんだろうな、と思わされたのはご自身でも自覚があるだろう、愛媛県のお客さまに会ったためです。

当事務所ではいままで個人の単発のご依頼を次々に受けてきた関係で、実は今までリピーターの方々をあまり重視していなかったのですが…

僕が依頼を受ければ対応できる問題を持っている人(つまり、潜在的には依頼人たり得る人)をたくさん知っている人に気に入られた場合、ウェブからの売り上げが9割消え去っても事務所経営上はなんとかなってしまうことに気づかされました。


ただ、ここで重要なのは僕がある程度依頼を積極的に受けるように振る舞うことでして。

もうお一人、そうした立場になりそうな方の企画で先月行われた相談会、片っ端から相続登記を自分で申請させるよう相談対応してしまったのはちょっと失敗だったかもしれません(苦笑)

そちらは訪問先が愛知県内だったこともあり、訪問に要する時間やお金がそう多くありません。ですので僕が無欲になりやすい。一方で愛媛まで行くのはそれだけで一仕事なので、僕のほうもお客さまのほうもご依頼を誘致するように動きやすい、という違いはある気がしています。

○山林と官公需の仕事

当事務所の活動が○○新聞の取材を受けました-!

とか士業のウェブサイトで言ってる、あれ。俗物的だよな、誰も知らないような零細業界誌のパブ企画を嬉しげに転載してどうするんだ、と等と冷笑気味に見ていたのですが。

取材を受けたら受けたで、言ってみたくなるもんですね(笑うところ)

『司法書士 鈴木慎太郎』でgoogle検索すると、今では第1位に僕の著書を転載した幻冬舎のサイトが、そして向こう当分のあいだは5位あたりに東京新聞のサイト(<どうする相続>山林の名義変更忘れずに 手続きの簡素化検討 の記事)が出てきます。

上記の検索結果、信用がおけそうな大組織のサイトをとにかく優先表示するらしいということで本家すずきしんたろう事務所のページは2位に甘んじています(愕然)。コンテンツとしては中身がなくたって官報販売所(僕の著書の販売をしてくれている)のサイトが4位あたりにでてくるのはgoogleの検索が上手く機能してないことを示している気がします。

でもこの検索結果を見た人は、僕を『山林の問題に取り組んでいて著書もあり、しかも中京圏では凄く有力な新聞の取材を受けた人』だと認識するだろう、と思うのです。僕さえ黙っていれば。

本当は旅と蜜柑と労働訴訟の事務所です、東京新聞の取材に応じただけで中日新聞に載るなんて思ってなかったんです、などとブログで言ってもきっと大丈夫。多くの人はここまで読まずに優良誤認してくれるでしょうし、ここまで読み込む人ならそれこそ笑って許してくれるでしょうよ(笑)

前項の話題とも関連します。先月15日に新城市内の公民館でおこなった共有林所有者の相続登記本人申請に関する報告会・相談会には当該共有者の方々のほかに、他県から参加された方がいらっしゃいました。

その方々が、よりによって僕なんかに言うのです。

  • 研修をやれ/講師に来い

と。

それ自体は司法書士さんなら誰でも普通にできる講義のはずなんで(要は相続人調査と不動産登記の研修なんで!)他県からわざわざ交通費日当を払って僕を呼んでそんな研修やって住民監査請求に耐えられるかどうかはわかりません。

したがって開催後の参加者名簿は速やかに破棄するとよいでしょう、とまでは申しませんでしたが。

こういう活動はまずインフォーマルなところで計画して地域に根ざした実績を作って気長に促進していったほうがいい、そういう司法書士がいないなら行く、と申し上げました。

たとえば行政と地元の業界団体が協定結んでプレスリリース出してマニュアル作ってトップダウンな相談会二度か三度かやってそれで話が進むとは思ってないだろ、というお話もしてきたところです。それこそインフォーマルな助言として。

ただ、売り上げ重視で受託に邁進すれば今年以降、県市町村からの仕事はあるんだろうな、とも思わされました。

こうした仕事を受けようとする際、僕の著書や雑誌の寄稿や新聞の取材結果はたぶん、僕の身分証明になるはずなのです。

あるいは住民監査請求に耐えられるだけの(笑)

冗談はさておきご同業の先生方には、新たな需要が発生しつつあると思っていただいてよさそうです。

上記の相談会には県職員の方・市町村に研修開催の提案をする事業体の方も来ていました。その方々から聞いた限りでは昨年施行された森林経営管理法を受けて、林地所有者の探索の必要性が林野行政担当者間で今後増大すると見込まれています。

これを受けて、相続・戸籍・登記関係の研修の必要性も短期では増える、中長期では森林所有者向けに、アフターフォローを要するだろう、と。

ところが自治体林政担当者と司法書士をつなげよう、という動きが当地周辺には笑えるほど不存在でして、もし全国的にもそうならちょっとしたブルーオーシャンが山の中に広がってるらしい、僕にはそう思えているのです。

講師として(しかも税金で)食っていく、とかいうの好きじゃないし独り占めできるほど小さい市場でもないし、フォーマルな研修を横目に地を這って活動するほうが楽しそうなんで早々にブログのネタに供しますが…

これって本来は、業界団体の社会事業部あたりでちゃんと対応したほうがいいかもしれないな、とも思っています。

そうなったらなったで、僕は僕が気に入った地域林政アドバイザーやらフォレスターの方々にくっついて中山間集落の公民館を渡り歩くつもりです。たぶんそっちのほうが、面白くてためになるから(^_^)v

○測量あるいは境界

この分野における担当能力を上げるため、新たな機材を導入することにしました。

例によって中古を探した結果、二つ買う機材の一つはすでに先月到着、残る一つはいまイギリスで発送を待っているとセカイモンのマイページで確認しています。国内の物資移動に1週間かけてるイギリスってどういうところなんだろう?とは思うのですが。その前に、世界中で売ってる測量機材のはずなのにヤフオクメルカリはおろかeBayに一点だけしか出てなかったというのもどうかとは思います。

さて、昨年は市街地内で迅速に平面図を作りたい裁判事務の仕事が複数ありまして、いつまでも巻尺もって塀の隙間をウロウロしてるようではいかんな、と思わされたのです。気まぐれなgoogleのおかげで昨年春から初夏までの当事務所ウェブサイトの検索順位と売り上げだけは妙に良くなっており、ボーっと越年したら今年春の納税額が増える、という特殊事情も購入を後押ししました。

この機材、カタログスペック通りの能力を発揮すれば(つまり、僕がよき測量担当者として振る舞えれば)当事務所は今年以降、超高性能なコンパス測量+平板測量の装備を持つことになるはずです。

言い換えると今年からは、訴状にくっつけてもいい精度で簡易迅速に一筆地の現況を測って図化も求積もできます僕が。別に表示登記やりたいわけじゃないんで土地家屋調査士さんの資格も不要です。そういうことを期待しています。

別にこれは山林で使うつもりじゃないんですが…なぜかそっちの世界でも活躍しそうな機材ではあろうな、とは思っています。

そういえば樹高も胸高直径も迅速かつ高精度に計れる、とか書いてあったような。リクツでいうとそうなんですよね(遠い目)


以上、2020年の当事務所は依然として営業面では極めて厳しいながらも少しだけ可能性はありそう、それはどうやら、ウェブから離れる方向になりそうというお話でした。

もちろん労働紛争労働側、その他裁判書類作成のご依頼は引き続き喜んでお受けしており、そのための出張なら大歓迎です。

あとは昨年まで当事務所にご依頼いただいた方々の、リピーターとしてのご依頼も。今年もご愛顧くださいますようお願いいたします。

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