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中華プロジェクター静音化改造実施報告(使用機種:FunLogy FunHD)

この夏に老眼対策として導入したプロジェクター。フルHD対応でお値段2万円台、ただし生産地は中国という中華プロジェクターの仲間です。僕が買ったのは、メーカーは一応国内にある(が、設定を日本語にしてもところどころ変な中国製)、言ってみれば半中華プロジェクターという位置づけでしょうか。気に入ってはいます。

メーカー名はFunLogy、形式名はFunHDといいます。

 

当事務所ではめったに買わない新品の備品(補助者さまの認識によると、壊れている中古を買うか壊れていない中古を買って壊すかしてブログのネタにするのが当事務所の物品調達基準と考えられているようです)、当然ながらついている1年保証、そんな法的地位を放り捨ててこのたび、表題の改造を実施しました。

動作音がうるさいのです。それが理由です。

中華プロジェクターとはそういうもんだ、というのはamazonのレビューを見て回れば普通に納得できるしそうでなければ買ってはいけないのが中華プロジェクターというものなんですが、台所にある換気扇を最大風量で回したような音がするのは事務機器としてはよろしくありません。1.5m向こうのテーブルの反対側に設置して、透過型のスクリーン(模造紙ともいう)で運用してみたりもしましたが、これだと当然光量が落ちて昼間の作業はあまり快適ではないのです。

で、体の近くにプロジェクターを置くとやっぱりうるさいのです(苦笑)

対策はウェブに公開されています。ファンを静音型のものに交換するか、ファンの動作電圧を落として減速させることで静音化する、と。

双方とも改造の痕跡を残さずに済めば…改造箇所以外のところになにか起きても知らない顔して現状復旧して保証をうける、などということは僕はやりません(棒読み)

僕は最終的に、上記両者を併用することになりました。いずれも元ネタはYouTubeに公開されていますが、上記機種での情報はないようです。

○作業にあたって必要なもの

・少々長いプラスドライバー:穴から深いところにあるネジを外すため、軸の長さ8cmあるものを使いました。

・金属面の温度を測れる温度計:温度としては70度まで測れればよく、最近はやりの非接触の体温計なんかが使えそうです。これでヒートシンクの温度を測りつつ、性能を損なわないギリギリまでファンの回転を絞ろう、という計画です。

○このほか役に立ったもの

・直流12Vが出力できる電源装置とテスター:なくても大丈夫ではありますが、ないとamazonで買った中国製電子部品(後記)が故障しているのか正常動作しているのかがわかりません。

電源装置は出力9V~15VのACアダプタの端子に適当に導線を結びつければできあがりです。

僕は作業中に一回ショートさせて電源装置のブレーカーを作動させましたので、ACアダプタの流用に際しては安全装置がない点には留意すべきですが。

○購入した部品(電源モジュール)

まず発注したのは直流電圧を下げるための部品です。回路素子としてLM317を含む降圧用安定化電源、になるのでしょうか。このブログでは電源モジュールと呼びます。

 

リンク先をご覧になった方へ。不動品が混じってた、とかそういうレビューは一切気にする必要はありません。

どうせ3つで630円。多めに買って動く奴を使えばよいのです(キッパリ) 

…などという発想は、我が国ではレシプロ戦闘機の生産とともに終わったはずなんですがね。

僕の場合はこの部品、3つとも動作しました。僕の日頃の行いがよかったからかもしれませんし、この製品の品質が十分高かったからかもしれませんし、そうでなければ従前のレビュー投稿者のレベルが低かっただけかもしれません。

本品、確かに出力調整用のトリマーを派手に回さないと(右回りにひたすら回します)出力電圧が落ちませんでした。

○準備と観察

これが到着したところでプロジェクターの上ぶたを外します。製品下面にあるネジのうち、銀色のものはヒートシンクを固定しているので外さなくても大丈夫です。このほか中央に見えているフタを固定するネジ、レンズのすぐ近くにある二つ並んだネジも外す必要はありません。これらに該当しないネジを7つ外します。

上ぶたは上に引っ張れば素直に外れますが、上ぶたのスイッチからの配線(導線を束ねたもの)が本体側の基板につながっているので注意します。ヒートシンクがある側の側面カバーも外します。

この状態で電源を入れて平常運転させ、数分経過して温度が上がりきったヒートシンクの温度を測っておきます。

僕は金属製プローブを持ったデジタル温度計付きサーモスタット(普段は炊飯器を制御下において低温調理に使っている機材)のプローブをヒートシンクを少し曲げて突っ込んだだけなので低めに温度が出ている可能性がありますが、LED光源の裏側にあたる位置にプローブをつけて測ったところ、49.4~50℃を示しました。

R0011111

※上記は緊急冷却用のサーキュレータを待機させておこなった測定風景です

これを基準温度とします。改造後はこの温度を10℃超えないこと、できれば10%程度の増加=55℃程度にすることを目標とします。

ちなみにLEDが故障する温度は80℃ということですが、それよりは余裕を持たせます。いくら僕でも。

それに、測っているのはヒートシンクの温度であって光源本体の温度ではないですからね。

フタを開けたり内部部品を取り外したりするのは比較的簡単でした。特に注意することもありませんが、強いていえば基板に接続しているファンやスピーカーのケーブル(赤と黒のケーブル)のコネクタが、外そうとすると基板側にあるべき部品ごと外れる(基板にはコネクタのメス側が残るべきところ、メス側の部品とオス側の部品が一緒に外れてピンだけが基板に残る)のは注意が必要です。

R0011113

上の写真中央に断面が写っている基盤のうち、上の大きなコネクタの下に『ピンだけ』その下に『コネクタ二つ』が写っています。

これらは本来同じ3つのコネクタで、うち一つがコネクタのメス側が外れたところです。

中華プロジェクターとはとにかくそういうもんだ、と了解すれば別に問題ではありません。

配線と部品を追った結果、上記写真の3つ並んだDC12Vのコネクタから13.5~13Vが出ており(苦笑)これらに定格12Vのファンが接続されて全力運転していることがわかりました。

各ファンのケーブルは2Pin。つまり、ファンが故障で全部止まったってプロジェクターそのものの運転は止まらない…という回路構成になっています。まぁそれが中華プロジェクターというものです。

上ぶたを外した結果、ファンのうちの一つがいかにも間抜けな位置についていることもわかりました。そのファンは筐体の隅っこに配置された関係で一回り径が小さく(小径ファンは高速回転で風量を確保するため、騒音源になりやすいのです)、しかもヒートシンクの斜め後ろから風を送ることになっています。上記写真で筐体右上にあるフレームが、そのファンを支える部分です。上の写真では右下方向から左上方向に風を送る、という構造です。下の写真だと左上方向から右下方向に風を送ります。

R0011125

このファンはリストラ候補です。そのまえに、各ファンを一つずつ止めて温度の上がり具合を見てみました。

筐体内に空気を吸い込んで液晶パネルに空気を送るブロアーファンが割とうるさいので真っ先に止めたところ、動作後数分で液晶パネルに=出力画像の中央に黒いシミができ、徐々に広がりだしました!

このファンはどんなときも絶対に止めてはいけないことがわかりました(苦笑)

怖いので再現写真を撮ってブログにアップする、などということもしません。

※調べたところ、液晶パネルは60℃を超えたあたりでこうした故障が生ずるとのことでした

ヒートシンクを冷やす二つのファンは、止めてもヒートシンクの温度が上昇するだけです。

ほかのやり方でヒートシンクを冷やせれば問題ない、ということは濡れ雑巾をヒートシンクに当ててみてわかりました。

そうすると、液晶パネルに風を送るブロアーファンとヒートシンクに風を送る軸流ファンは静かなものに交換するのもよく、交換の有無にかかわらず回転数を落とすことはできることになります。ところで。

○代替ファンの入手と加工

今年はデスクトップPCのケースを交換したことを思い出しました。カテゴリーとしては正しくリサイクルせねばならないパソコン(ただし中身はない)として押し入れに突っ込んであったのを掘り出して再確認したところ、ファンが二つ残っています。

さらに、ケース本体の電源スイッチ・LEDからマザーボードへ配線されていたリード線とコネクタが少し細いかもしれませんが2セット使えそうです。

試しに取り外したファンを定格で運転させたところ、10年ものの中古ケースから引き剥がしたこちらのファンのほうが静かです。これを使うと決めました。

R0011115

ケースから取り外して初めてキレイにしてみたりします。

R0011116

ただ、軽加工が必要でした。純正のファン(ヒートシンクを筐体内部から風を送って冷やすもの)は筐体の隅に当たる部分に切り欠きがあります。これに合わせて金鋸で切断するのは適当にやっても大丈夫です。

R0011119

二つ目の中古ファンは筐体外部に設置することにします。ヒートシンクがある側の側面カバーだけ外してしまって、増設した低速ファンでの冷却を優先することにしました。筐体内部にあった小径ファンは取り外して、かえって風通しがよくなっています(苦笑)

R0011126

2台目のファンを仮設したところ。ヒートシンクの下にあるのが電源モジュールです。写真に見えるヒートシンクの部分だけは内部からの空気が通る構造になっているため、筐体内部に残したファンで排気・冷却を行います。筐体外部にあるファンの裏側にはちょうどLED光源が配置されていて、この部分をできるだけ冷やそう、という発想です。

○電源モジュール設置と調整

あとはamazonで購入した電源モジュールへの配線です。本品には説明書などという軟派なものは付属してないのですが、Vin とGNDのある側が入力、VoutとGNDのある側が出力です。元々の基板-ファンの配線についても単純に黒い方がGNDですので間違えることはないでしょう。基板へのコネクタとファンとのあいだで適当にケーブルを切ってパワーモジュールを入れてもいいですし、さらに適当な導線を継ぎ足しても別にかまいません。

R0011120

緑色の端子台の脇に、Vin Voutの表示が見えると思います。右側のケーブルがファンに接続されています。

加工が済んだら元通りに配線して電源を入れると、最初は入力された電圧とほぼ同じ電圧が出力されます。マイナスドライバーでトリマーを右にひたすら回すとどこかで出力電圧の降下がはじまり、ファンの速度が落ちて静かになってきます。電圧が調整できるところまでトリマーを回すと、だいたい半回転で1V程度の電圧降下が生じます。各ファンとも10Vを超えたあたりでうるさくなり、6Vを下回ると冷却能力に支障が生じることがはっきりわかる、そんな傾向を持っています。

試行錯誤したところ、ブロアーファンの電圧は8V(主たる騒音源はこいつです。10V超えたあたりで露骨にうるさくなってきます)、軸流ファンの電圧は10V程度で運用でき、ヒートシンクの基準温度は55~56℃(室温23~27℃)で安定することがわかりました。

出力電圧の調整を終えた電源モジュールは筐体内の適当なところに、両面テープかなんかで固定しておきます。13V入力/5V出力で運用してもヒートシンクは大して熱を持たないので、出力電圧が5Vを超えるなら筐体内のどこにおいておいても排熱の問題はないはずです。

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※なぜか本品のヒートシンクは基盤に対して斜めに立っています。わざとそうしたのか…謎です。

○効果

控えめに言っても劇的です。

改造後のプロジェクターは、部屋の中で動作させながらふつうに安眠できるくらいの音になりました。風量最大の扇風機が二つある状態から風量弱の扇風機一つになった、くらいの改善です。静音化を考えていないデスクトップPCのほうがまだ賑やかだろうと思います。

これで、YouTubeで適当な環境映像を壁に映しながらのんびり読書する、というような目的にも使えますし、体のすぐ後ろにプロジェクターを置き反射型のスクリーン(模造紙ともいう)に投影してディスプレイの代わりにつかっても、ほんとうに全然気になりません。

R0011124

LDKの壁に囲炉裏を映してみたり。薪のはぜる音が聞こえてきます。

このプロジェクターからは、裁判書類作成作業に没入すれば気にならなくなる程度の静かな音しかもう出ないのです。

ヒートシンクの温度を測りながら6時間ほど連続運転させてもなんともなかったので、たぶん一晩動かしっぱなしにしても大丈夫だと思います。あとは夏になって気温が上がったときに、ファン駆動電圧を再調整する必要があるかもしれません。

○失敗

1.作業中、一回感電しました。ビリッとした程度ですが。ファンへの12V(実際は13V)出力がある茶色い基盤を触るさいには気をつけたほうがよさそうです。

2.筐体外側に増設するファンの回転数をどれだけ調整しても、ヒートシンクの温度が65℃まで上がって実験中止、になることがありました。

補助者さまが退勤したあとで気づいたのですが、ファンを裏表逆に設置していてヒートシンクと反対方向に全力で風を送っていたことがわかりました。一部始終を彼女に見られてしまいました(苦笑)


以上のとおり、これは大いにおすすめできる改造だと確信し本記事を公開するものであります(強弁)

ただ、これをまじめにやってしまえば打ち合わせ時にテーブルに置いても大丈夫な静音プロジェクターが3万円ほどで手に入るので、むしろビジネス用途にもよいのではないかと考えているのです。

他人がいる場で運用する際には、筐体側面でむき出しになっているヒートシンクとファンには気をつける(見ないふりしてもらう)必要はあるのですが。

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