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法匪と税金泥棒が説くノーワーク・ノーペイ

集配郵便局の前のポストは今日も、20時まで郵便物の取り集めを行っています。

労働審判手続申立書一式を投函して、今週は簡裁通常訴訟の訴状を作ってしまいましょう。もちろん労働紛争労働側での書類作成です。

しばらくブログには取り上げないでいましたが、別に労働紛争での書類作成から遠ざかっているわけではないのです。

ご依頼に際して、たまにあるのは「お客さまが他で得た情報が、間違っている」こと。

情報ソースはご自身の調査/敵の主張/相談担当者の指導とまぁさまざまなんですが、お客さまから見て社会的に偉そうなヤツには強めに引っ張られる傾向があります。

言い方を変えると、僕がなにか言っても簡単には信じてもらえない(苦笑)

今日は、そうした話しです。

守秘義務に反しないよう、事案を改変します。その労働者は引っ越し専門の輸送業者で働いており、一日に何件か指定された客先を回って作業します。日給は1日8千円、としましょうか。

当然ながらこうした就労形態では、労働者自身では訪問先や訪問件数を決定できません。

閑散期にはいると訪問先が減り、所定の退勤時刻前に1日の予定作業が全部終わってしまうことがあります。その場合は「やりじまい」=即時に退勤してよい、と言われていました。

で、給料日。退勤時刻が早く、1日の労働時間が8時間に満たなかった部分について一方的に賃金が減額されていることに労働者は気づきます。紛争の始まりです。

まず社長に直接、請求してみます。当然ながら、相手にされません。

内容証明を送ったところ、どこかの士業から回答書が来ました。

曰く、一日の所定労働時間に実働時間が満たなかったため、ノーワーク・ノーペイの原則に基づいて賃金を控除した。よって未払い金は存在しない、以後の連絡は代理人たる当職にするよう求める、と(ケッ)。

諦めきれない労働者はさらに、どこかの官署に相談します。つれない回答がでました。

曰く、実際働いてないんだから、賃金が払われないことについて労基法違反は成立しません。ノーワーク・ノーペイの原則もありますから、と。

十分難しい状態を作っていただいたところで、僕の出張相談となったわけですよ(苦笑)

運ばれてきたコーヒーを指して説明します。

じゃあこれ、お客は店にコーヒー一杯たのんで400円払う、という契約ですよね、と。

コーヒーが出てきたあとでお客がそれを半分だけ飲んで、代金200円だけ払って退店することはできると思いますか?と。

つまり、ある契約において権利者が、その権利があるのに自分の都合でその権利の一部を用いない(ここでは、コーヒーを全部飲まないで店を出る)場合、対応する義務(お金の支払い)を免れることができない、そんな考え方ができます、と。

受領遅滞あるいは民法536条、あるいは労基法26条といった条文を持ち出すよりマシな説明になるんじゃないか、と思ったのですがまだ納得は得られないようです。

ならば自分が経験した、どこかの士業やどこかの官署の対応はいったいなんだったのだ、と尋ねられたので

それは奴らが馬鹿だからです(キッパリ)

あ、適切ではありませんでした。

こちらではアホ、と言うのですか?ワタシ東日本の出だもんで(苦笑)

もう少し説明を続けます。彼らの説明には、主語が抜けている(か、ごまかしている)のです。

労働者が自分の意思で働かないことを選んだ場合には、使用者はその部分の賃金を払う必要がない、というのがノーワークノーペイの原則ですが、「労働者が」という部分をあいまいにすると法匪の言いがかりが成立しかけたり官署の相談担当者が税金泥棒になったりするわけです。

使用者の都合で早退させた労働者に対しても賃金をカットしてよい、などという見解が、ノーワークノーペイの原則の衣をかぶってでてくるわけですよ(遠い目)

制度改革以降あっちこっちで品質劣化が指摘されるあの士業が会社の代理人として詭弁を弄するのは理解できる(にしても、もう少し洗練された詐術を見せてほしい)として、問題なのは官署の担当者です。

通常はこうした場合「あとは裁判で争ってね♪」とにこやかにフェイドアウトなさる=役には立たぬが害もない助言を残して戦場から離脱するものなのですが、いったいどうしてしまったのでしょう。いまとなっては謎としか言いようがありません。

ともあれ本件、簡裁通常訴訟になりました。僕が自在に法律相談できる範囲におさまっています。

※こうした就労実態があっても、もし特約で、「作業終了後にただちに早退した場合、使用者は早退後の労働時間に対する賃金の支払いは要しない」といった定めがあれば労基法26条の休業手当で対処することになるのでしょうが、ここではそうした規定はない、という想定です。

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