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2016年10月

大阪出張の日程調整をはじめます

11月に予定していた三重県への出張と併せて、大阪への出張を設定することになりました。候補日は11月13日(日曜日)とその翌日です。復路で三重県内の近鉄沿線を通過することができます。

日程は確定していませんが、おそらく13日午後のかなり長い時間、大阪市内での出張相談・ご依頼への対応(面談・書類授受など)が可能です。

この出張が設定される場合、大阪以遠への出張で日程が連続するものは、交通費の起算点を大阪駅とします。

出張相談の料金はこれまでどおり、2時間5400円です。大阪または近鉄難波駅でおこなうものは、交通費・日当を不要とします。

期日に余裕をもって告知できる休日の出張はちょっとめずらしい(ほぼ毎月ある東京への出張でも、実施機会がない)ので、出張相談のご利用があるか僕も注目しています。

個別にコールバックしておすすめすることはありませんが、この秋は関西・九州からの労働紛争・裁判書類作成のお尋ねがいくつかありました。そうした方が使っていただければと思うのですが…

相続・財産分与など不動産登記のお客さまも、もちろん歓迎です(揉み手)

10月の数字(まずは事務所から)

先日の相談会で聞いた、二番目にショッキングな事実。
もう10月が終わる。

Rimg0016b

日の沈むのもずいぶん早くなりました。午前中に登記申請書を添削して午後に相続登記のお客さまと打ち合わせしたらもう、夜。そんな感じがします。

…ちなみに上記の相談会で接したもっともショッキングな事実は、『相談そのものがない』ということだったのですが。どちらの業界団体による何の相談会かはヒミツ、ということにして、お話を戻します。

うすうす感じてはいたのですが、登記の仕事が相対的に増えたか労働紛争の仕事が相対的に減ったかしています。ためしに数えてみたところ、本10月30日終了時点で今月の問い合わせ件数は

  • 登記・ファイナンシャルプランニング業務 13件
  • 労働紛争以外の裁判書類作成 2件
  • 労働相談・労働関係の裁判書類作成 9件

…これ、ひょっとしたら創業初かもしれません。労働より登記の問い合わせ件数が多い(笑)

当然ながら全ての問い合わせがご依頼につながるわけではありません。というより、この問い合わせの半分がご依頼になってしまったら余裕で年収1000万円、になってしまいます。

まぁ、だいたい上記のうち、登記では約3分の1、その他の業務では4分の1ぐらいがコンスタントにご依頼につながっていく、せいぜいその程度です。

意図してかどうかはさておき、コンテンツマーケティングでアクセスを集めてご依頼につなげるタイプの営業政策をとっているこの事務所、上記の問い合わせのもとになるアクセスを、一昨年のこの時期の記事と比べることができます。直近3ヶ月のアクセス数は、一昨年比15%増、といったところ。

月平均7万5500ページビューが24件の問い合わせにつながった、ということで、現状を前提とすればPPC広告なんかに依存したらアッというまに破産です。

Photo

もっとも、ウェブにお金を派手に突っ込むことができ思い入れなくウェブサイトを集客ツールとして活用することに徹することができるなら、これよりずっと、営業として素晴らしい結果を出すことはできるでしょう。要するにお客をカモることができる、と。

…そうしたサイトを運営している事務所も知ってますし、その事務所の運営者が複数の訴訟の当事者であることも知っています。ウェブサイトが綺麗だからといって事務所の中まで綺麗だとは限りません(笑)

上記のアクセスの中身が、登記中心に変化してきています。直近一ヶ月分の、主にYahoo!からの流入にみるキーワードの利用状況、トップ20です。

2

20位までを公開しないと自分が司法書士であることが認識できない、という問題はさておいて。14位の『給料未払い』より上位はほとんどが登記に関するキーワードです。11位に『閲覧』があるのは、民事訴訟の傍聴に関するコンテンツのなかの記録閲覧に関するページが勝手に育って流入を集めるようになったため。

ここ何年かのあいだ、検索キーワードとしての『給料未払い』では2~3位に僕のところのコンテンツが表示される状態は変わっていません。

アベノミクスの成果ではないはずですが、この紛争であえて有料相談や法的措置を採ろうとまでする人は決して増えていない、ということだろうと推測します。登記の分野のウェブ施策に僕が注力しすぎてオーバーシュートが生じた、という面もあるでしょうか。

※その件数でオーバーシュートとは笑止な、というツッコミは自分で入れておきますのでご容赦ください。

残り少なくなった今年は、やっぱり労働紛争のコンテンツ更新・新設に注力してバランスを回復させたほうがよさそうです。最近、補助者さまには登記申請書作成ばかりをお願いしている気がしてなりません。

これまであまりやってなかったことを、このさい集中的に身につけてほしい、という配慮に基づくOJTという面も一応あるのですが(苦笑)

一方で、事務所の外の数字の変化はどうだろう、という疑問のもとに始まり、調査が進むにつれて別の利点(訴訟代理人の書類のクオリティや、気になる人物や団体が訴訟に関わってるのがわかる、など)を見いだしてやめられなくなった開廷表調査の第8次(実に7年目)が明日終わります。

この一ヶ月分の結果から、ここ数年の数値の変化を見ることができるはずです。

司法書士からみた『あっせん』の数字

急ぎの相談やら呑気な出張やらで延び延びになっていた三つ前の記事でお知らせしていた『制度の数字』を考えてみる企画、その一件目をお送りします。

今回は都道府県労働局があつかう『あっせん』の数字をみてみましょう。
労基署経由でなんとなく推奨されてしまう(相談者が制度の存在に触れやすい)ことと申立が無料であるという点で大きなメリットを持つように見えるこの制度、実際にはどのように機能しているのでしょうか?

よりはっきり言ってしまえば、この申立によって取れる解決金に、相場のようなものはあるのでしょうか?

そうした数字を読み取る手がかりになるのが以前の記事で指摘した、労働政策研究・研修機構の報告書『労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析』です。

これは在野の研究者には絶対できない研究で、4つの労働局・4つの地方裁判所で2012年(平成24年)に終結したあっせん申立と労働審判・通常訴訟の全件の記録について、請求額と内容・申立人の賃金額・解決金等を統計化したものです。
労働審判・通常訴訟については、金銭以外の請求=地位確認請求に代表される事案のみを調査の対象としており、通常訴訟は和解が成立したものだけが調査対象です。

ごくかんたんに要約すると、『不当解雇事案でいくら取れるか』まぁそういった、相談室レベルで直面する関心に対して一番まともなデータを提供しうる統計だと考えましょう。この報告書自体が、平成24年の事件を調査して平成27年に出されていますのでこれより新しい研究の存在は現時点で期待できません。

では、その数字をまず同報告書86~87ページから読み取ってみましょう。各制度における、解決金の中央値(平均値ではなく、データを小から大にむかって並べた真ん中の値)は

  • あっせん 15万6400円
  • 労働審判 110万0000円
  • 通常訴訟和解 230万1357円

もうこの先詳しく考える必要がないくらいの大差ですが(苦笑)

これは、あっせんの制度がチープなだけだというより『無料・本人申立・短期での終結(不成立を含む終結)』といった一応の使いやすさを持つ関係で『女性・非正規・低賃金』の属性を持つ労働者が利用している、という面があります。

申立人の賃金月額の中央値は

  • あっせん 19万1000円
  • 労働審判 26万4222円
  • 通常訴訟和解 30万0894円

となっており、制度が重厚長大であるほど利用者の月収も高い、ということができます。

※まぁ、労働審判やら通常訴訟を本人訴訟でやる人はまだ1割未満にとどまっている点、一方であっせんを選ぶ人は8割以上が代理人をつけない(後述)を比べれば、労働審判と通常訴訟には『弁護士の利用とその費用』が事実上、あたりまえのものとして織り込まれていると考えなければなりません。

言ってしまえば『金が出せる奴が出したなりの結果にたどり着く』そういうものだ、という身もふたもない現実があります。

逆にこのことは、会社側の不当性が高い事案でしかも正社員の方があえて『あっせん』を選ぶメリットは、入り口の入りやすさ=本人申立が中心の実情があり申立手数料がかからないこと、以外にはほぼないことを示します。

-あ、今日の記事は社労士さんからするとかなり目障りなものに仕上がっています-

上記の解決金を、申立人の賃金月額との比で示したもののほうが相場感としてはわかりやすくなります。中央値は

  • あっせん 賃金月額の1.1ヶ月分
  • 労働審判 同 4.4ヶ月分
  • 通常訴訟和解 同 6.8ヶ月分

賃金月額との比率で見ても、あっせんと労働審判との間には大きな断絶があります。

もちろん通常訴訟にしたほうが高い解決金額に至る可能性がありますが、ほとんどの解雇事案で復職不可な実情を考慮すると、解決まで年単位で引っ張ってせいぜい数ヶ月分の積み増しをゲットすることがいいことかどうかは不明、ではあります。着手金を2回払った場合、労働審判への異議を経て通常訴訟に巻き込まれた労働者は上記の増額分の多くを代理人の費用で費消させられる可能性もあるでしょう。

ちょっと不純な考え方をすると、上記の数値を見れば不当解雇への対処として、一件あたり2~3ヶ月で終われるわりに解決金もまぁまぁ取れる労働審判は、職業代理人からするとオイシイ方針選択になるのはあまりにも明らかなのです(苦笑)

どうしてこんなに差があくのか、特にあっせん対労働審判で。

この部分は推測にとどまりますが、研究者によれば「相手方に逃げられるリスク」(87ページ)のぶんだけ金額がさがる=あっせんの場合はかんたんに不合意で終了できるため、多めな請求を突きつけたって逃げられるだけだという現実をみればその場で妥協せざるを得なくなる一方、労働審判や訴訟は最終的に判決につながるため、こうした逃げられるリスクが低い、ということが挙げられています。

これはおそらく現時点では正しい推測で、今後は別の要素が入ってくると僕は考えます。

過ぎ去りし過払いバブル全盛期の、中小金融業者の対応を考えてみましょう。

彼らの場合は追求されれば逃げられない立場にありながら、不屈の闘志でとにかく値切り、ヘタレな代理人からはかなり好条件な和解(過払い債権の放棄や支払時期の繰り延べ)を勝ち取っていたはずです。

つまり、手続きと代理人の能力・態度に関する実情がある程度広まった時点で、『ヘタレな敵対当事者からは値切る』という振る舞いが一般化した場合、当事者や代理人の意志が弱いことが相手に伝わりやすい事案や手続きではより解決金額が下がってくる、ということになるでしょう。

つまり、過払いバブル崩壊のあとでこの市場に参入したことが見え見えの全国系大手法人が代理人になる労働審判の解決金がまず下がる、とそういう予報です(笑)

冗談はさておいて。上記のような水準の解決金という実情はあるとして、申立の際に求めている金額はどのようになっているのでしょうか。請求額の中央値(同報告書37~38・40ページ)は、金額と月収に対する比率で

  • あっせん 60万円(3.3ヶ月分)
  • 労働審判 260万円(9.9ヶ月分)
  • 通常訴訟和解 528万6333円(16.7ヶ月分)

ただこの数値、労働審判と通常訴訟では注意する必要があります。研究者がここに気づいていなかった可能性があるのですが、両手続きの申立の価額の算定にあたって金銭に換算できないものは制度上、160万円とみなすことになります。

ですので、これら二つの申立で不当解雇を争おうとした場合、申立書に記載される申立の価額の最低額はかならず160万円になります。一方であっせんでは、単に申立人がほしい金額を申立書に書ける、という点での差も混じっていると考えなければなりません。

ちなみに、この調査ではあっせんについて解決金額300万円以上の事例がない一方、請求額として300万~2000万円以上は約12%ある、とされています。申立書に書いてみるだけならタダですから別にどうということもありませんが、非現実的だと考えねばなりません。

上記に加えて、2012年の調査ではあっせんの申立が合意成立となった(つまり、申立人側からみてなんらかの目的を達した)のは38%、相手方が不参加とした=門前払いになったものが39%、参加はあったが不合意になったのが16%ということで実に6割以上は申立人側からみて何ら得るところなく終わっている、そうした実情があります。(同報告書24ページ)

…そんなわけで、ここ数年あっせん申立の利用をおすすめせずに来た当事務所ではありますが。

ひょっとしたら、ちょっと違う接し方があるかもしれない、と思えてきたのです。

僕はこれまで、司法書士は法律相談で正社員の不当解雇事案を扱えないと思ってきました。理由としては、司法書士の法律相談の範囲は簡裁での手続きに限定されているところ、地位確認請求は金銭換算不可=地裁事案→したがって法律相談不可、であると。

実際に、不当解雇事案で労働者側の究極の目的は「復職なんざするつもりもないが解決金はほしい」という場合、労働審判で地位確認請求(申立の価額は最低160万円)を一応して、実情をわかりきった裁判所側から解決金の提案が来るのを待つ(つまり、労働審判手続申立書には『解決金をくれ』なんて書かない)というのがそこそこの解決金をそこそこの費用と期間で実現する最も確実な方針になります。つまり『司法書士が法律相談できる範囲でない』と。

たとえ、最終的には解決金30万円がほしいだけである月収8万円のパートさんの不当解雇事案でもそうだ、と。

これに対して、あっせんの申立ではどうなんでしょう?

こちらには申立手数料という概念がありません。したがって申立の価額がどうこう、という規定がないことに注意する必要があります。

では、実際に申立書上で請求されている金額はというと、あっせんでは平均値が約170万、第3四分位数が150万円とされています。

ぶっ飛んだ請求をするごく少数人のおかげで平均が異常に高いのですが、この連中を無視すれば申立件数の約75%は150万円以下の金銭上の請求におさまっている、のです。


…140万円の上限に拘束されてるどこかの士業が…という言い方はやめましょう。

申し立て方針を『あっせん』における金銭請求に限定する限り、不当解雇事案の相談も司法書士が扱える、ということになりかねません。

※これはあくまで私見です。この見解によることを推奨するものでもありません。


つまるところ、あっせんに関与できるのは特定社労士だけじゃない…のではないか、そういう考えに至ったわけです。

別にこう言ったって、そりゃ特定社労士さんたちは気分が悪いでしょうがさしたる実害もない、というデータもあります。

あっせんでの、社労士代理人の関与率(同報告書31ページ)。

  • 労働者側 0.6%
  • 使用者側 5.3%
  • 労使双方 0.1%

だったら労働側で参入したって別にいいでしょう、それだけ空いてるなら(遠い目)弁護士の関与率もおなじくらいです。

巷にある特定社労士のウェブサイトを上記のような観点からみるとまたかなり寒い実情が見えてくる、ということになりかねません。実際にはあっせんの手続きに、ほとんど関与してない、ということになるわけですから。

正直言ってこの部分にも、衝撃をうけました。特に労働側、少なすぎ(笑)

ただ、あっせん申立への司法書士の参入があり得るとしても、解決金の少なさは関与の形態に大きく影響を与えると考えます。

この申立で得られる解決金はせいぜいが十万円台~数十万円が実情だと考えると、代理人になるより、あっせん申立書だけシンプルに作ってあげる、というのが妥当なのではないでしょうか。どうせ詳細精密な申立書をつくったって、会社側が不参加にすれば一巻の終わり、ですからね。

より野心的に考えれば、法律相談援助のついで(簡易援助)で作れる程度のものでもいいかもしれません。これも一つの極論ですが、法律扶助の相談3回やるあいだに本人が申立書を完成させてしまう、という程度のものでもよいように思えます。

上記のとおり身もふたもない実情=数字を受け入れたうえで、そこそこの費用負担(というより、法律相談援助を連打して申立書の作成を支援するなら労働者側の費用ゼロ)で低レベルな解決が得られるか試せるならそれでいい、というならこのあっせんという申立は、実は司法書士に向いてるのかもしれません。

別に社労士が悪い、というわけではないのですが、あっせんにおける解決金の低さを前提とすると、彼らが公費で無料相談ができないのは致命的な使い勝手の悪さにつながらざるを得ないと思うのです。

残念ながら、この制度への関与が社労士業界に広まることは今後もないでしょう。

社労士があっせん代理で完全成功報酬制の報酬体系をとることも、当然あり得ない(解決金が低いということは、報酬も当然低い→やる気しない、という判断は当然でしょう)し、最低着手金3万円…でも、厳しそうです。

なにしろ申立の6割以上が申立書の中身の善し悪しにかかわらず蹴散らされてることは、すでに統計上あきらかなのですから。

むしろこの点をよく説明して受任しないと、相談過誤責任を問われると考えます。

しかし、実情としてはあっせんの申立を推奨するウェブサイトに、上記の大弱点をちゃんと指摘しているところはほとんど無いようです。これは誠実ではありません。

そんなわけで、世の中が大きく変わって社労士が民事法律扶助みたいな制度にタッチできない限り、あっせんの支援には司法書士が向いていそうだし、そうやって社労士業界の領域に割り込んだって良心の呵責を感じる必要もないだろう、と考えた次第です。

自分でも…実に意外に思える結論でしたが。

無駄な相談などない、と言ってみる

無駄な相談などない、と言ってみる
足元で、静かな乾いた音がします。
椎の実が、砕ける音。初秋の木曽路にやってきました。


今日の休憩場所は中央道馬籠。開廷表調査を終えて乗り込んだのは、10時33分発の中央ライナー2号です。
さて、今日から出張です。遅くなった出発に合わせて、夜から相談が設定されています。

いささか厳しい内容の2時間の相談を経て、念のためお客さまに確かめてみます。敢えて、にこやかに。

この相談で僕があなたに全面的に味方して、●百万円請求できると言ってくれると思ってましたか?

※この問いへのお客さまの対応はもちろん秘密です

そんなことしません(キッパリ)、と申し上げたところではありますが、恐らくは無駄にならずに終われる相談になると思います。

30分で強制終了する相談ならいざしらず、一時間なり二時間なりのまとまった時間相談をしてそれが無駄になる、とお客さまが認識することはほぼありません。
…まぁ、半端な知識やまさに無駄な希望的観測が順当に蹴散らされた、という人は時々出てきますがそれだって、これ以上誤った方針を取らずに済む、という程度の意義はあります。

そんなわけで。

無駄な相談などない。
相談を無駄にする人がいるだけだ、と詭弁を弄してみましょうか。

もちろん『相談を無駄にする人』には相談者も担当者も含みますが。

さ、明日は一日、書見です。
実は一件、相談をお断りしたのです。現段階ではこの事務所の有料相談より、他の制度の無料相談でいいはずなので。

あとはそちらの担当者さんが、所定の時間で強制終了などなさらないことを祈ります(遠い目)

声をかけられる/素敵な再会になる/そして

声をかけられる週末

業界団体でおこなう研修は、たまに『研修実施後に行う特定分野の相談の相談員急速養成』という目的を持っています。

そうした目的をもつ研修の一つを受けに出かけたのは、言ってしまえば単位が4単位つくから=年間で取得すべき研修単位の3分の1が取れるから。登記でも労働でもないその分野は、ご依頼が来れば受けている、そういう業務分野ですのでわりと興味深く受講できます。

…商業登記ほど研修参加は苦行じゃない、そういうことです(笑)

研修そのものはいたってお行儀よく、ただしこれから執筆を準備しているコンテンツの項目など別の紙に書きながら、それはもうひたすらお行儀よく…つまり存在を消して受講に徹したはずなのです。

で、研修終了後。

数ヶ月ぶりにお見かけする先生が演壇に登られました。特別研修の受講や支部のお役目のときの相互の立場の関係で、いつのまにやら言うことを聞く設定がデフォルトになってしまった先生が。

そういえば先生、相談を仕切る●●事業部長でいらっしゃったはずです。

で、先生曰く、

  • この研修後に業界団体が実施する相談員の充足率がいささか足りない
  • 本会ではこの分野にいささか力を入れていこうとしている
  • この研修を受けた皆さんの相談員としての応募をお待ちしている

と。僕は比較的前列で、しかし存在を消しきって聞いた自覚はあります。

研修会場から退出します。さきほどの先生は引き続き退出者へのアピール=相談員の募集に努めておりますが、受講票とアンケートを次々に提出し速やかに退出する受講者のほうが多いようです。

人の流れを乱してはいけません。僕もこれに完全に混じって受講票を回収箱に入れ、速やかに退出しようとした瞬間、さきほどの先生の声がした…気がしたのです。

-いい人いた-

  1. 今日の研修は労働紛争じゃない。
  2. 前にも後ろにも人はいる。
  3. よってその「いい人」は僕じゃない。

と直ちに断定し、遠い遠い目をして2歩進んだところで、さらに。

-あ、無視。

本当に無視した場合の展開が予測不能なお言葉です。歩みを止めて90度、上体を左に回します。

いわゆる『左向け、左』ってやつです。

さきほどの先生がほほえんでいます。

強いてたとえるなら、仕留めた獲物を持ち帰ってきた猟犬を眺めるまなざしで。
いえ、獲物そのものに対するまなざしだったかもしれません。

きっと何かの間違いだ、と思いながら、それでも僕、一応右手の指で自分のあごの下あたりを指さしてみます。あっさりと同意されました。先生とお話しするのは支部総会のとき以来、数ヶ月ぶりです。

かくて今月末の業界団体の電話相談、いちばん相談員の充足率が低い日に放り込まれることが決まりました。

さてこういう展開、何かで読んだことがあります。地方連絡部はいま地方協力本部と言うんでしたでしょうか。それとはちょっと違う。

  • 往来で声をかけて勧誘し、多くは被勧誘者に負担を伴う契約を締結させる…

キャッチセールス?いえいえ、そんな失礼な(遠い目)

ただこの先生、消費者問題にも造詣が深い方のはずです。

声をかけられる週明け

前記の事件があったから…都会って怖いよね、というわけではありませんが金山を避けて、今日は名古屋に出てきました。

津島の法務局で登記済の書類を回収し、ちょっと余裕ができた夕方。

名駅直結の大きなビルにある献血ルームに寄ったら、時間がかかる成分献血をやってくれ、と担当者さんが言うのです。

一年ぶりの献血だから、心電図検査もやるぜ、と別の担当者さんも言うのです。

そんなこんなで、1時間。ようやく献血を終えて、15階から11階の本屋に降りてきました。

エスカレーターを降りてすぐのところにあった法律書の書棚がどこかに行ってしまっています。

はて、どうしよう、と献血明けのふわふわした頭で眺めていたら。

-すずき先生?-

声をかけてくださったのは、数日前に研修会場で僕をキャッチしたご同業の先生より素敵な方です。

少なくともこちらは女性です(あ、失礼)

数年ぶりにお会いしたお客さま、ということで近況をうかがい、名刺をいただき、メールアドレスも変えられたということで、あとからいただいたご連絡に返信したところ、瞬時に返答がきました。

This Message was undeliverable due to the following reason:

な、なんてこと(大汗)

携帯電話会社のアドレスはたまにこうしたいたずらを仕掛けてくるのですが、僕が出したお返事はきっちり拒否されて、あちらに届いていないはず。

…つまり。そのお客さまからは?

-あ、無視。的な状態になってるはずです。

展開が予測不能になりつつありますが、少なくとも無視はしていない、だから助けて、ということを明らかにするためにこの記事をアップしておきましょう。

当職より貴殿にお送りしたメールが届かないので善処方お願い致したい、という連絡を郵便で送るのもちょっとどうかな、と思えるのです。

それをやってもいいのですが、向こう数年はそれをネタにして楽しんでもらえそうな気はします。

制度の数字(または、労働紛争における不都合な真実)の把握と共有に関する件

先日、謝絶にした問い合わせ。労働者側からです。

  • 入社後まもなく解雇になった、と。
  • ついては会社に●00万円ほど請求できると考えてるがどうか、と。

倒れそうになるのを我慢して「当事務所ではそうした相談で10万円を超えて請求を実現した事例がありません」とだけ返信したことであります。
テキストメールだったので上記の部分を赤い字や四倍角にできなかったのが残念です。

どうしてこんなファンタジーを着想できたのか、あれこれ検索したらいくつかのウェブサイトがヒットしてきました。『不当解雇 慰謝料 相場』でググった最上位(本記事公開現在)に出てくるそのサイトでは、曰く『不当解雇の一般的な慰謝料は50万~100万』であると。

倒れそうになるのを我慢しないと読めないそのウェブサイト、実は当事務所の給料未払に関するコンテンツを丸ごとパクったうえに、理解できなかったらしい部分だけ削除して意味不明な文章に仕上げて公開した前歴があります。

おそらくはクラウドソーシングか何かで素人が書いた(か、パクった)ゴミのようなコンテンツをたくさん買い集め、ろくすっぽ編集も校閲もせずに公開している…が、情報量は多いからコンテンツマーケティングの役には十分立ってるわけです。

で、そのWebマーケティング会社、労働問題のほかにも離婚・相続税・交通事故・相続・刑事事件・債権回収・債務整理といった分野でそうしたゴミコンテンツを順調に増やしています。各所で間違いだらけの。同業者の皆様には、間違い探しと思って見ると楽しめるかもしれません。

で、そんなサイトでもアクセスさえ集めることができれば、自力でコンテンツを持てない士業の方が広告を出稿する、それらのサイトはそういうつくりです。

見方を変えると、労働者側代理人がそのサイトに出稿してるのを見た場合、そいつの能力をある程度疑っていいのではないか、むしろそうした方向で役に立つウェブサイトなのかもしれません。

さて、では実際にはどうか、というと。結構な本が昨年出ました。すでに当事務所のもう一つのブログでは昨年紹介しており、ほぼ一年経ったところでこちらでもご紹介しましょう。

過去10年の判例雑誌に収録された440件の事案を整理したという同書によれば、収録されている89件の解雇事案で慰謝料請求が一部でも通ったものは33件。

そう、たとえ5万円でも10万円でも、一部請求認容、と考える…プロの用語で『請求が認容された』のが、33件です。

  • 慰謝料の相場は50万から100万♪無料相談はサイト掲載の優秀な弁護士へ!という見た目は綺麗なウェブサイトと
  • 慰謝料請求?3分の2が蹴散らされてますが何か?と有料相談で遠い目をしながら参考文献を投げ出す代書人と

どっちを信じたくなるかといえば…そりゃ断然、前者です(苦笑)

なんだか当事務所が流行らない構造的な理由にもたどりついてしまっていますが、それはさておいて。

もう少し、信頼のおける統計や研究から、定量的な数字を示して相談者の誤解や幻想を打破する態勢を整えたほうがよさそうです。

ブログでは、これまでにも検察統計から『労基法違反で書類送検されたって3分の2は不起訴』などと身もふたもない情報を記事にしたりしていましたが、これはお話のネタにとどめるのではなく、労働者の意思決定に影響を与える情報として扱わないといけないような気がしてきました。

当事務所のウェブサイトには毎日、『給料未払 刑事告訴』などというキーワードで検索してくる方がいるのです。

それ無理。違うから。

と彼らが正しく把握するようなコンテンツを持ちたいな、と考えています。きっとこうしたファンタジー(給料不払い状態を作った経営者を警察がしょっ引いてくれるような)を妄想している人、おそらくはこうした都合のいい妄想が吹き飛ばされて現実に直面するタイミングが悪ければ、そこで泣き寝入りに走りかねません。送信フォームからの問い合わせの段階で、そうした方もときおり謝絶にしています。

あ、やっぱり当事務所が流行らない構造的な理由にもたどりついてしまっていますが、それはさておいて。

手始めに、労働政策研究・研修機構が出してる報告書を借りてきました。PDFでも手に入れることができるそれは、『労働局あっせん、労働審判及び裁判上の和解における雇用紛争事案の比較分析』です。

次回の記事ではここから、興味深い数字をいくつか選んでみようと思います。その数字が誰にとって不都合な真実であるかはさておき、自分でもちょっと意外な結論にたどり着くことができました。

BJC-465JもWindows10で使うために

この夏導入したWindows10、スリープから復帰せずハングアップする問題に悩んでおりました。

先月になり、業を煮やしてクリーンインストールを強行したら、スリープから復帰するさいにハングアップはしなくなったのですが、勝手にリセットがかかるようになりました(苦笑)

…で、今月、なんだかまた妙なことになってきたのです。気づいたのは先週中頃だったでしょうか。

スリープから復帰するようになってきたのです。最後に勝手にリセットしたのがいつか思い出せません。試しに信頼性の履歴を出してみました。6

9月30日を最後に、Windowsエラーが、つまりスリープからの復帰失敗がなくなっています。僕はなにもしていないのに、勝手に調子がよくなっています。

…こんなの、こんなの僕のWindowsじゃない!!

ひとしきり逆ギレして、今日の本題。

当事務所では20世紀に発売されたインクジェットプリンタが現役です。5年前まではCANONのBJC-80vとBJC-465Jが、現在はBJC-465Jが、たまにやってくる抵当権設定契約書に物件の印字をしています。

Windows7からWindows10へのアップデートにあたってもっとも不安だったのは、本機のデバイスドライバが提供されるかどうかだったのです。Windows7の時点ですでにメーカーからのデバイスドライバ提供がなくなり、設定ファイルを書き換えて無理矢理導入したおかげでこの方法を書いた記事は今でもいろんなところからリンクを集めています。

で、今回。Windows10ではなぜか、OSが標準でドライバを提供するようになったのです。

以下、導入方法です。

僕のところではパラレルポート→USBの変換アダプタを介してPCのUSBにBJC-465Jを接続しています。変換アダプタはElecomのUC-PGT。

これはWindows10用のデバイスドライバがないようで、接続後にデバイスマネージャーを見ると単に『USB 印刷サポート』として追加されています。一応動いてる…ことにして、作業を進めます。

『デバイスとプリンター』から『プリンターの追加』を選択します。しばらくのあいだデバイスを自動で検索するのですが、こんな旧型プリンタ発見されません(笑)『プリンターが一覧にない場合』をクリックします。

2

↑『少し古いプリンターを検索する』を思わずクリックしたのですが、違いました。

BJC-465Jは、とっても古いプリンターらしいのです。

『ローカルプリンターまたはネットワークプリンターを手動設定で追加する』が正解です。

3

『既存のポートを利用』でUSBの仮想プリンタポートを選択します。

この時点でほかのUSB接続プリンタがある場合は、その数だけ仮想プリンタポートができてしまっています。USB001などの連番が付されているはずなので、ほかのUSBプリンタに対応していないポートを探しましょう。

すでに接続されているプリンタごとに、『プロパティ』からポートを確認して消去法で選択するか、失敗したら片っ端からやり直すという方法でもいずれは正解にたどり着けます。

4

プリンタードライバーのインストールで示されている選択肢は貧弱で、このなかにBJC-465Jのドライバはありません。Windwos Updateを選択します。

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しばらくすると、BJC-465Jをふくむ昔のインクジェットプリンタたちがごっそり追加されます。BJC-80など、昔のモバイルプリンタも健在です。NECのほうをのぞくと、PC-PR201(30年前のドットインパクトプリンタ)シリーズなんかが出てきます。懐かしい知人に会ったような気分がします(というのは僕だけかもしれませんが)。

上の画面キャプチャでBJC-4650は本機の海外モデルで、Windows7のときにはこちらのドライバを海外からもってきて、そのファイルを書き換える…などという操作を試みた覚えがあります。今回は456Jのほうを選ぶだけでふつうに導入できます。

…だったらWindows7のころにそうしててくれよ、というのもきっと、逆ギレです(笑)

ともあれ、これでWindows10になっても古いプリンタはあらかた救済されてしまう、しかもPC-PRシリーズのエミュレーションモードなどを積んでる古い機種ほど延命する、ということになりそうです。

不本意ながら…不本意ながら、Windows10に不満を見いだせなくなってる自分がいます。

東京への出張日程が決まりました

このままじっとしていたら負けが決まる。そんなお問い合わせがあります。

なんとかするにしても提訴の前に、調査を入れたほうがいいかもしれない、できれば国会図書館にある資料を見たい、というパターンは主に裁判書類の作成で発生します。

とはいえ、この方はもうしばらく動かないだろう、ということで。

別のお客さまが、優先権を手にされました。10月19・20日、東京へ出張します。

出張相談は、20日に東京から西で調整可、という状況です。19日は、今回はまじめな仕事の用事でふさがりました。先月をはじめ、夜間の枠は相談兼会食のうれしい予定が多いのですが今回はそうではありません。

あと二人のお客さまには事前に出張の可能性をお伝えしており、この方々も含めて決定の早い順に出張相談をセットしていきます。

東京への出張はだいたい1ヶ月~40日ぐらいの周期で行っています。前回は9月8・9日でした。僕が国会図書館で書見をやってくるのが主な用事、ということで東京-名古屋間は僕の自腹、これが基本の設定です。

出張しそうな時期の1~3週間まえに、たまたま関東からの(ある程度真剣と思える)お問い合わせがあった方、それと継続的なお取引のある方にはまず優先して日程をお示しし、それらの方に対応する形で日程が決まったらブログや掲示板で公表、というのが一つのパターンです。

…で、運がよければ相談料金だけで交通費が補える出張ができあがる、その代わり書見にあてる時間が減る、と(笑)

ここ数年そんな出張を続けてきましたが、変化はあります。

最近は少しずつ、関東からの登記のお客さまのお尋ねも増えてきました。だいたい月2件ぐらいが関東からでしょうか。緊急性がない(金融機関も不動産業者も関与せず、僕の出張にあわせて面談日程を調整できる)案件では一応見られる見積をお出しできています。関東だから、というだけで登記のご依頼を回避するのはちょっと勿体ない、と思えてきたのです。

当初は、登記では当事者の一方が愛知県内・他方が関東地方在住というパターンを想定していましたし、今もそうしたご依頼に対応しています。僕の場合はご自宅や最寄りの駅までお伺いして本人確認・書類の収受をおこなうため、お客さまの状況によっては地元の司法書士より便利になってしまうかもしれない、ということで。

一方で、交通費を全額出すから関東での出張相談を指定時刻に行ってほしい、というお客さまはここ数年で、ほとんどいなくなりました。

そうした、経済的にも(といっても、弁護士に2時間相談するより安い総費用なんですが)精神的にもタフな本人訴訟希望者のお問い合わせに巡り会えなくなったことを少々寂しく思っているところです。

ともあれ、あと2件弱の出張相談があると…今回の出張の交通費は補われてしまうことになっております。ご興味のある方のお問い合わせを、お待ちしています。

その一件のシェア(開廷表調査1週間目)

ここ2年ほど、名古屋簡易裁判所における労働関係訴訟(事件名からそれとわかる、労働紛争に関する訴訟)は一週間あたり2件程度にとどまっています。同じ事業主が被告になる事案が同時期に出てくれば件数ベースでは若干増える、そんな感じ。

今年も開廷表調査をはじめました。その1週間目は、簡裁では2件の未払賃金請求訴訟を確認したのみです。で、その2件の被告が同じ。そうすると?

件数ベースではおおざっぱに年間100件、事業主の数を基準にすればもう少し少ないこうした事案があるとすれば、新たな1件の提訴で1%のシェアが獲得できることになるわけで(笑)

先頃めずらしく僕が訴訟代理人になる訴状を簡裁に出してきた僕としては、そうしたことを考えずにはいられません。きっと登記事件数のシェアが絶望的に低いことへの反動です。

一方で、ブラック企業がこれだけ社会問題化してきたのに簡裁民事訴訟という分野ではもう全然事件数の増加に影響していない…ひょっとしたら、簡裁民事訴訟全体の件数の減少とペースを併せて収縮しているかもしれない、そんな現実にちょっと焦る、そんな状況ではあります。

極論ですが、社労士が労働事件の簡裁代理ができるようになったらここが増える、なんてもう全然考えてません。あっせん申し立てに関する関与状況の統計データを見てれば代理人になれる有資格者を増やせば代理人をつけて申し立てられる事件が自動的に増えるわけじゃないことはよくわかります。

一昨年ごろまで九州北部で問題になってた、社労士による労働審判手続申し立ての『サポート』みたいに、合法であれ非合法であれ関与したけりゃ関与してしまう、という一面を一部の社労士が持ってるとすれば、そうした社労士が簡裁民事訴訟のサポートを大々的に扱わないのは連中にとっても美味しくない市場だからに決まってます。

誰々を何々の手続きで新しく代理人にできるようにすれば云々、という論理構成だけならすでに●●書士が使って破綻してる、と労働関係訴訟に限っては言えるでしょう。

もっとひどいのかもしれません。
ひょっとしたら、10年前よりも人は民事紛争の解決を訴訟やら(地裁以上の審級では、訴訟と半自動的にくっついてくる)弁護士やらによって行うことを避けるようになってしまっているのでしょうか?ここ数年の訴訟事件数の減少は、もう過払いバブルの終焉だけでは説明できない気がします。

少なくとも、過払いバブルの時期にあれだけ訴訟があった=一般の消費者が訴訟や訴訟代理人と関わる機会を持ったことは、まさに一過性の現象で終わったようにも思えてなりません。

ひょっとしたら裁判所や訴訟に関与する職業の人たち(僕も含めて)は、バブルに踊る過程でこうした利用者から悪印象を持たれた、とか?

…であれば司法書士も弁護士も、溶け崩れる市場の上でむなしいポジショントークのぶつけ合いをしてる、ということになってしまいます。元裁判官側からこの可能性について指摘が出てきている(紛争解決手段としての民事訴訟が、市民から選好されない傾向が出てきている)ことにもう一度注目しなければいけません。

実は地裁でも、労働関係訴訟の期日が開廷表に出ない=傍聴可能な期日が設定されない日が2日出てきています。地裁以上の審級では労働訴訟の件数は減ってきた、ということかもしれません。名古屋ほどの大都市にあっても、裁判所にぷらっとでかけてこうした訴訟の傍聴やってくる、ということができない、と考えたほうがいいでしょう。

いまのところ地裁では水曜日に合議事件の、木・金曜日に単独事件の期日が入りそう、ということでこれはもう3週間調べて傍聴の要領を説明するコンテンツに反映させる予定です。一般企業が被告になる訴訟(労災補償等の不支給処分取消など、国が被告になる訴訟を除いた労働関係訴訟)は今週、ニュースになった1件を含んで6件の期日が入っていました。

うち2件が、原告本人訴訟。被告には代理人がついています。原告側に代理人あり/被告側本人訴訟なのは1件。

こうした割合の変化にも興味があります。

ただ、当事務所にくるお問い合わせを見ているかぎり本人訴訟とそれを希望する人のレベルはこのところ二極分化が激しく、労働事件・そうでない事件にかかわらず関与をためらわれるほうが多くなってきた印象があります。

これは、労働訴訟にあっても多すぎる情報とそれをちゃんと自分のものにできる人なのかどうかに影響されているはずです。

今夏から僕のところでも経営側での関与をウェブ上で標榜する方向に舵をきったため、原告側=労働側で仕掛ける訴訟の内容を研究して、どんな態度をとるか決められます。応援するにせよ問題視するにせよ、ある程度まとまった件数の訴訟記録を閲覧してみたいところです。

労働側でも経営側でもいいから、少しは健全に労働関係本人訴訟が育つようになにかできないか…とか言いながら。

いろんな人の検閲に備えて『司法書士は地裁裁判書類の作成において、独自の法的判断で書類を作れないこと』をお断りしておくページをどんどん増やしているヘタレな自分がいます(苦笑)

現職と元職と事務員が作る、有料法律相談のカオス

クラウドソーシングのサービスにはここ2年ほど、注目を続けています。

今年に入ってからはここで作業をしてはいないのですが、ランサーズのアカウントを維持して同社のサービスを観察しているのです。

『過払い金』『相続』『ブラック企業』などいくつかの検索キーワードを登録しておけばそれにひっかかる案件募集の情報が配信されてくるため、そうした案件数の変遷を見ることで、当該分野の、主にウェブサイトやそのコンテンツを作りたい人の増減を探ることができます。

…ちなみに、2年前の時点ではまだ過払いだの破産だのといったキーワードを含む雑文書きのタスクが結構あり、現時点では見事に尻すぼみになっている、今のトレンドは離婚と交通事故、債務整理だったら任意売却、と(笑)

そんなランサーズが今年から始めたサービスが『ランサーズストア』です。

これは、従前のクラウドソーシングのサービスが発注者中心(発注者が情報を出し、受注希望者が応募する)だったのに対して、受注希望者がサービスメニューを出して発注を待つ、という形態になっています。

昨年までもときおりあった『会社設立の申請サポート』とか『確定申告書の作成』みたいなかなり黒い(ええ、無資格者がやったら業法違反の)サービスがきっとランサーズストアにも出てくるだろうな、と思ってこのほど検索をかけてみたところ。

Photo

法律相談のサービス(っていいのかよ!というツッコミは後で♪)には、検索結果の右側三つ、それぞれ弁護士の方、元弁護士の方、事務員の方が受注希望を出しておられます。

なぜか現職の方の料金設定が一番安く見えるのはきっと何かの冗談でしょう。すでにこうしたサービスをきっかけに訴訟に発展した例も当事務所で扱っています。目に見えるものをそのまま信じてはいけません。

特に上記の検索結果で元職の方が書いてる紹介文は、『弁護士でない方が弁護士でないことを自覚して、有料で提供する法律相談類似業務のぎりぎりいっぱいの限界』を示唆するようで実に興味深い、と言わなければなりません。審判によってはボールと判定するスローカーブのような文章です。

楽しくなって、さらに調べてみます。いろんなサービスが出ています。

○解雇や残業代請求などの労働相談。2千~5千円。

 一般労働者がここに相談入れようと決めた時点できっと事件性アリだろうけど、そんなもん知りもしない、って感じの紹介文が出ています。

○遺言書作成。2万円。

 こちらは本職の行政書士さんのご様子。同業者から嫌われそうな価格設定です。

○最後に『登記』と入れてみたら。

これは現在、該当なし(安堵)。ハワイに会社を作る手続きの代行、とかいうのが一つ出ていました。

ランサーズストアではないのですが、離婚調停に添付する陳述書22ページ読んでコメントする業務、1500円とかいうのも出ています。利用手数料2割取られるので、受注者の手取り1200円。

※その業務が法的にいい悪いはさておき、そもそも家事調停に出す陳述書22ページなんて、調停委員が読みきれんだろ(発注出して受注させて納品させて満足した時点で戦略的に負けだろ!)、というツッコミは当然誰からも入りません。恐るべしランサーズ。

そんな文字通り混沌が広がりつつあるクラウドソーシングのサービス、まっとうなサービス提供者を見つけられたら確かに使える可能性を秘めてはいるのです。

たとえば僕が実験がてら1文字1円~0.3円で書いたいくつかの雑文は、確かに同業者さんのサイトに載っかってます。

ええ、お値段に応じた品質で納品した、相続やら雇用保険やらのコンテンツが(遠い目)

逆にそうしたクオリティのコンテンツが、ランサーズに案件を出したWeb作成業者と大元のプロジェクト発注者たるセンセイ方の審査をパスして世に出てしまう、そんなことがわかりました。ここ数年、法律関係でゴミコンテンツが増えて検索エンジン経由での情報収集が面倒になった理由に深く納得できたものです。

そんな冗談はさておいて、たとえば登記や訴訟でたまに必要な訳文添付なんかは、ダイレクトメールを送りつけてくるような会社に発注するならクラウドソーシングのサービスに同じ案件を2つ出して両者の成果を突合させ、まっとうなほうを取ることだって費用面では可能でしょう。(運がよければ同じような品質に収束してくるはずです。悪けりゃどっちも不採用、かもしれませんが)

このクラウドソーシング、今まではウェブ作成やイラストや翻訳に使うものだと思っていましたが、そのうちいろんな士業で元職やら現職やらを見つけることすら余裕で可能になりそうな気がします。

これらの一部は、まっとうなものなのかもしれません。残りのいくらかはそうでないだろう、とも思えます。

どうにも気になるのは、ど素人と現職はともかく、元職の方が市場を破壊できる可能性、を見せられていることなんですが。


このクラウドソーシングの案件観察、今月からキーワードに『信託』を加えます。

受注者募集に出てくる案件がゴミコンテンツのラィテングか、はたまたどうだっていいようなランディグページや事務所ロゴの作成になるかはわかりませんが、これ(民事信託という人も家族信託という人もいます)の募集が出てくるようになると、いよいよこの分野で金儲けをする人が出てくる、という指標になりますから。

いまのところは投資信託やら孫への教育資金贈与信託しかひっかかってきませんが、気長に様子を見たいと思っています。

たまにでよければ、無料相談をどうぞ

この季節、業界団体では市区町村役場で無料相談会を開催します。

僕はこの相談会、ここ数年は動員されないよりはされることが多く、だいたい豊明市役所・名古屋市緑区役所あたりの相談員に配置されます。

同じ支部管内で相談員が派出される場所と人員の表を見ていると、ちょっと妙な変化に気づきます。

一人の相談担当者が、午前・午後通しでいたり複数の会場に入るパターンが増えてきました。

この相談員、僕が支部の最末端役職(という断り書きを必ずつける)評議員だったころは、評議員が担当地区の同業者さんに電話をかけて頼んで回る、というのが夏の一大イベントになっていましたが、相談員の選定を志願制に移行したのが一因かもしれません。

そうではあっても、この支部管内=名古屋市のだいたい東半分と隣接市町の相談会で30名を超える先生方が動員され、この日は無料で相談をおこなうわけです。

…ちょっともったいないよね、というのが昨日の補助者さまとの話題。彼女はこれを告知する、業界団体のウェブサイトを見ています。

どうせなら事前に相談担当者名を公表してしまえば、「ちょっとそいつの話なら聞いてみたい」という人が相談に来てくれるのではないか、というのです。

※たしかに、この人の話なら聞いてみたい、という先生はいます。僕からみても。

じゃぁ30分5千円出すか?と問われれば二の足を踏みます。僕でも(笑)

依頼誘致目的の無料相談は僕のところではしないのですが、そうではあっても「どんな人が話を聞いてくれるかわからないのに、おいそれと相談にカネは出せない」という気持ちはわかります…理解はしめすが協力はしない、というだけで(笑)

そんな相談者と担当者の思惑のズレを業界団体の予算で一挙に解決する催しがこの10月相談会、と考えることはできないものなのでしょうか?

別に何の日の相談会ともどの士業の相談会とも言ってないのは検索エンジン対策なんですが、おそらく告知が新聞に出るはずです。

相談の分野としてはおもに不動産登記がいいです(遠い目)

…というのは冗談です。大体はこの分野とそれに関連する問題(相続登記や生前贈与や遺言など)が件数として圧倒的に多い、というのは確かに実情としてあり、他のブースで会社の登記なんかの相談があると

よかったですね。僕のところに来なくて

とパーティションの陰でそっとため息をつく、まぁそうした相談会です。
労働紛争?この相談会では…僕は聞いたことがありません。おおむね登記、ちょっとだけ裁判書類作成、だいたいそうした相談会になっています。

残念ながら当事務所の基本の有料相談のように一件2時間取る、ということはできません。人が後ろに並んでしまえば30分程度で終了、にもなるかもしれません。

ですので係属中の本人訴訟の書類作成、などという物騒な相談はきっとできません。

ではありますが、年に一度のことではあります。

同じ時間帯に僕を含む3名の相談担当者が配置されているのですが、昨年の経験では同区役所の相談会、しかも午後の枠は、ちょっと余裕があるはずです。

ご興味がありましたら、ちょっとのぞいてみていただければと思います。

今年は10月3日13時から、緑区役所の会場に置かれる相談担当者の一人、ということになりました。行事としての開催時間は16時までなので、実質的な相談の受付はおそらく15時過ぎまでです。

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