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すずき、(労働者側の)社労士やめるってよ

豊川といえば。

日本車輌豊川製作所!まずこれ。文句なしで。

次に、第10特科連隊。

あと、忘れてはいけないのが法務局豊川出張所。

ここに書類を出したらついでに豊川稲荷にでも寄って帰ろう、ということで先週末、名鉄諏訪町から15分ほど歩いて法務局前の交差点にやってきました。案内板を見て、思わず首をかしげます。

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名古屋法務局?

名古屋法務局?

…そりゃ名古屋市内にあって、市役所駅前のうすらでかいビルに入ってる役所のことじゃないの?

ちなみに僕が書類を持ち込む法務局、名称は名古屋法務局豊川出張所、です。

この役所のことをどう呼ぶか、と同じくらいのレベルだとしか思えない言葉遊びとそのとばっちりが、表題の件。今日のお話です。

さて先日のこと。昨年ブログを炎上させて有名になってしまった同業者さんのおかげで、社労士会では構成員の社労士にさまざまな対策や連絡を講じてきています。そんなメールの一通が、実はお顔を見たことがない支部長さんから入りました。

-すいません。社労士会支部への帰属意識が低いのですがそれはさておいて-

メールの内容は今春出された厚労省通達を受けて、ひきつづき社労士事務所のウェブサイトによる情報発信に一層適切を期せよ、というもの。それだけならいいのですが、このブログのネタが仕込まれておりました。

というよりこれまで見過ごしていた、というべきかもしれません。この通達を受けて社労士会連合会がガイドラインを出した不適切な情報発信の事例に、つぎのものが挙げられていたのです。


(5)公正さを疑わしめるような事例

・「100%会社側」

・「労働者の味方

(平成28年4月 『社労士の職業倫理に照らし不適切と考えられる情報発信に関する指導指針』全国社会保険労務士会連合会 より引用)


…さて。そうすると?
おそらくは「100%労働者側」「会社の味方」もたぶんダメ、と考えるのが素直です。

…で、あるならば。
パーセンテージの問題ではないので、単に「労働者側」というのも社労士としては好ましくないウェブサイト上での表現、ということになるんでしょうよ。

ちなみに司法書士法でも公正義務は定められておりますが法律相談と簡裁代理では理由なく誰かの依頼を拒否っていいことになっています。弁護士法では公正な執務を定めた条文そのものがなく、依頼を受託する義務も定められてはおらず、誠実義務だけが一応残ってる(けど、実情はノーコメント(遠い目))、という状態です。

こんな方法で言論統制したって一般消費者からみてわかりにくくなるだけだよね(冷笑)

ということは僕と補助者さまとの間だけで言ってるほうが罪が軽い、という程度の自覚はあります。真っ正面から抵抗することでもないので、まずウェブサイト各所から

労働者側の社労士

という記載を削除しました。

さようなら!労働者側の社労士(苦笑)

時代のなかで一定の役割を終えたとか現状に絶望したとか、そういうありがちな総括でなく単に業界団体が出したガイドラインのおかげで労働者側の社労士とおさらばするとは思ってもみませんでしたが、残念ながら創業から13年保ちませんでした。

当然ながら事務所そのものが経営側に転ぶわけではないので、当事務所の性格として主に労働者側だ、と読み取れる記載は残してありますが上記の問題表現はブログを除いて軒並み削除し、先週から差し替え済みのページを公開しています。

もうしばらくするとgoogleのキャッシュも変わって、daishoyasan.jpのサイト内から上記の表現が消えることになるはずです。

作業が落ち着いたところで、なぜこんなことになってしまったのか通達をさかのぼってみました。

昨年末の同業者さんのブログ炎上と前後して、目立つところでは労働組合が会社側社労士のウェブサイトの記載に是正を求める(という表現にしておきます)活動を行っていたようなのです。

全国的に話題になった上記のブログ炎上&懲戒処分を受けて厚労省は平成28年3月30日、基発第10号『社会保険労務士の不適切な情報発信の防止について』を全国社会保険労務士連合会宛に出します。

ただこの通達では、「社労士等の不適切な情報発信」の問題を指摘しているものの、連合会と単位会に求められているのは

  1. 社労士等がメンタルヘルス対策等その重要性が社会的に共有されている取組みを否定する内容、就業規則の作成に関し使用者がいたずらに労働条件を引き下げることを促す内容および労働社会保険の保険料を不当に引き下げる脱法的行為を推奨する内容等の公正さを欠く不適切な情報発信を行うことのないよう、研修を実施すること
  2. 「モデル就業規則」の有用性について、単位会を通じ社労士に周知すること
  3. 上記1に例示したような不適切な情報発信を行った社労士に対し、会則による適正な処分または注意勧告等を行うことができるよう、単位会の会則等を見直し、より実効性のあるものに改めること

以上に限られています。

…そう、この厚労省通達では社労士が自分の立場を労使に切り分けたら公正さを疑われる、とは言ってないし、ましてそれが労働者側(いまだにこの業界では希少種だと思うんですよ)だと言ってはいけない、などとは全く言ってない。

そんな通達を受けて社労士会連合会が制定してくださった指導指針で「労働者の味方」がこのたび禁圧対象となりました、と。

うがった見方をすると、誰かエラい同業者さんがどこかで「最近労働側の活動家たちから業界団体へ持ちこまれる苦情がひどいんですけど」などと思ってたのかもしれません。そうした不満が溜まってたので、主に会社側でおかしなことを言ってる同業者をなんとかしろと言ってきた厚労省通達を受けて定めたはずのガイドラインに労働側まで規制する一語を加えちゃった♪、ということなんでしょうか。

いえ、これは単なる陰謀論ですね。

とにかく今や、「労働者の味方」はこの業界におけるNGワードなのです。連合会が好ましくないと認めた表現、それが「労働者の味方」(笑)

労働組合の皆々様が地道にやってるウェブサイト是正活動は、風が吹けば桶屋が儲かる的な連関をたどってこのほど労働者側の社労士事務所を一つ消滅させる成果を挙げました、めでたしめでたし、そういう話しだったわけです。

年金裁定請求とかもう下請けに出せばいいから(相談だけならFPとしてできるから)いっそ社労士登録抹消しちゃおうかな、と思いかけたことではあります。

司法書士として社労士さんたちを見ていると、時々なにか思い切り変な(リーガルマインドを疑わせる)ことをする、そう思える瞬間があることにダブルライセンスをお持ちの諸先生方はお気づきのはずです。

社労士法に言う「公正」は僕の見るところでは労使どちらかの立場に着くと明示しただけで失われるような安っぽいものではなく、それぞれの立場から労働法秩序の確立を目指して行動する過程で目指すことができ、そうしなければならないものだと考えています。

なーんて言って誰かを納得させることはほぼ無理なんで、このたび連合会からのお達しを奉じて一見してわかる「労働者側の社労士」の事務所は消滅させてしまうことに決めました。サイト全体を読み込んで僕の立場がわかるお客さまがお越しになったらいい、という当事務所の基本的な方針には沿っているし、そろそろ使用者側を助ける業務をちゃんと始めよう、とも思っていたところだったのです。具体的には労働者側からの不当な残業代や慰謝料請求への対応を零細企業側で行うのは社会的に意義のある仕事だと思えてきました。

決して100%会社側になんか立ちませんが、公正さを失わない助言ができそれを尊重できる関与先なら持ってもいい、と考えています。

そんなこともあって、見かけ上も実質的にも「労働者側の社労士」から離れはじめたところで試しに検索をかけてみたのです。

今どき「労働者の味方」なんて言ってるオッチョコチョイはいるのかな、と。

出てきました。

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誰か、教えてあげたほうがいいのかもしれません。

「労働者の味方」なんて言ったら公正さを疑われるかもよ、って(笑)

追伸

この一週間で、労働者側の社労士だったころの僕を知ってる複数の方から近況を尋ねるような報告やら連絡やら相談やら、果ては登記費用のお尋ね(!)をいただきました。どうもありがとうございます。

決して皆さまが心配しておられるような変化はないのですが、ウェブサイトの記載が一層わかりにくくなるかもしれません。そこはオトナの事情があると、ご海容くださいませ。

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