ウェブの続きは…受託後に(遠い目)
僕の仕事で肝心なことは結局、人から人への紹介か口伝で伝わるものなんじゃないか?
先週お会いした複数のお客さまとの会話の中で、そう気づかされたことがあります。
創業以来12年ウェブサイトに依存して営業してきて今更それかよ、とも思います。いささか身勝手かもしれません。
でも、ふと周りを見回すと、かつては目を引いた同業者さんのブログが軒並み消えるか更新頻度7割減のこぎれいで無難なものに生まれ変わっていることに気づきます。同業者さんのブログの話題で補助者さまと盛り上がることも、随分減りました。事務所そのものが消えた、というのも結構あります。
人のウェブサイトやSNSの記載内容をあげつらってどうこう言いあってるうちにウェブ担当者の活力や独自性が消えていき、手法としてのコンテンツマーケティングの一般化で『どこにでもある情報ばっかり』が検索結果にヒットするようになってきた気がするのです。
だからといって従業員を退職に追いやる方法をウェブに放っていいわけではなく(会員制のセミナーとか、ある程度閉じられた範囲に発信を限定しなかったのがあの同業者さんの失敗です)、対立側の職業代理人とかクレーマー気質の元依頼人とかどこにあるのか不明な業界団体連合会などの状況を上目遣いでみながらみんなが微妙な自制をしているうちに…同じようなウェブサイトがいっぱいできてきた、ということでしょうか。
債務整理で、相続で、離婚で、交通事故で、あるいは残業代請求で。
だったらこれからどうしよう、というのが次の一年の課題なのです。
実は読み手の体力も減っている印象があります。
年々、閲覧者の当事務所ウェブサイトへの滞在時間が減少しています。コンテンツを増やしても読み切れない方が増えていることを示唆しています。
もっとも、どんな分野であれ素人として調べ物をスタートする人がつぎつぎに検索結果を流し読みしても、幸せにはなれなさそうです。
読み手に応じて書き手もスポイルされてきます。
明らかに対応しても無駄な問い合わせを減らすことは実現できてきました。
より具体的には、『電話で無料労働相談をいますぐやってくれ』という問い合わせはこの一年で8割以上カットできるようになり、売り上げは減ってない、少なくとも減ってはいない(笑)状態は作れています。
ただ、この部分でも素人の皆さんがなかなか洗練されてきています。
最近みかけたのは、他事務所の送信フォームに問い合わせをかけて自動返信された問い合わせ本文をそのままコピーして僕の事務所に送ってきた、というもの。
他事務所さんが問い合わせ内容につけた記載だと読み取れる記号が当事務所への送信事項に紛れ込んでいてわかった、というわけです。
同業者の皆さまには、先生方がお持ちのウェブサイトに誰かがしっかりした文章で長文の問い合わせを送信フォーム経由で送ってきたからそれは真剣だ、と考えてはいけない世の中がきたようです。むしろそれは、単に送信者が送信事項を流用して同時に複数の問い合わせを放っているだけだと考えるべきなのかもしれません。
年々付き合い方が変わり、しかも難しくなってきたウェブサイト(あるいは、事務所そのもの)の運営、僕はまだコンテンツを増やす方向で進めてみようと思っています。
ただ、本当は言えない肝心なことがそのずっと向こうにある、時には一回相談やったくらいでは開示できない、ということに気づける人には気づいてもらう、という操作がひどく難しい気はしています。
もっとも、書きたいことをたくさん書いているうちにきわめて自然な形でそういう境地にたどり着く…のかもしれませんが(遠い目)
それでも肝心なことの2割も書いておらず、さらには受託時にもお知らせせず、一件ご依頼が終わって次のご依頼をお受けしたときにようやく思い切ったお話しができることがある、ということはあるかもしれません。
さて、8月1日をもって当事務所は、創業13周年を迎えます。
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ご無沙汰しております!
13周年おめでとうございます☆
同業者の一人ですが、自分の方向性はカオスな感じです。
最近、なかなかお会いできていませんが、またアルコールでも給油しながら、
無秩序な話にお付き合いくださいませ♪
投稿: 天然○○ | 2016年8月 1日 (月) 20時28分