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公証役場の片隅で

柱の向こうのテーブルでは、公証人がお客さま方に契約書の内容を読み上げています。

僕は扉を入ってすぐのテーブルで、そこにいるようないないような風情で公証人作成の文案と読み上げの内容を比べています。

予想より、手数料が安く済みました。1万5千円余のお金を受け取っても、本職も補助者もお礼一つ言わないのはさすが公証役場、というべきでしょうか。口には出さずに、上目遣いで眺めています。

地裁支部にほど近い、昼前の某公証役場です。

妙なもので、同じテーマのご依頼や相談が連続して寄せられることがあります。いま僕が見ている公証役場では、執行認諾約款がついている公正証書作成嘱託で本人達を出頭させた場合は特に言わなくても交付送達の手配をとってくれるようです。

先日受けた出張相談では、山手線沿線某公証役場(A弁護士法人と同じ大きなビルに入ってる)ではせっかく作った公正証書の送達手配をとっておらず、不払いが発生した後になって今から特別送達をかけるといわれたとか。

…泥縄じゃん(舌打ち)

どうもこの公証役場、うまくおつきあいしたいようなそうでないような所です。大都会にあったらクオリティも高い、というわけではありません。

たとえば離婚。

財産分与やら慰謝料やら養育費やらあれこれ盛り込めば次々に手数料が加算されてアッサリ○万円の手数料を取られるのがちょっと、ということで年金分割に関する条項をカットして(これで1万1千円節約できます)、その代替として年金事務所においてある分割割合の合意書と委任状に公正証書作成と同時に署名捺印をもらうよう計画してみたりもします。

そもそも公正証書作成そのものが、人によっては1~2ヶ月かかる計画的な営みです。

だったら家裁に調停の申し立てしてしまえばいいのではないか、諸々の添付書類込みで実費5千円とはかからんぞ、と思ってしまったりするわけです。

-冗談のような発想ではありますが-

  • 当事者間で9割方離婚時の条件に関する合意ができていて
  • (でも、その内容を自力で契約書の形式にはまとめられず)
  • お金をあまりかけずに執行力がある書類を手に入れる必要があり、
  • 裁判所、というものに抵抗がない、

そんな人がいるなら、むしろお互い納得ずくで調停を申し立て、家事調停の第一回期日で離婚後の給付に関する調停成立を目指したらどうかと思えてなりません。

裁判所に行って公証作用だけ借りてこい、と言ってるに等しいのですが即決和解なんかまさにそのような制度です。別に制度を冒用する発想にはなっていないはずです。

-問題は、そういう「特段の気負いなく裁判所を使う気になれるひと」がほとんどいない、という点です(苦笑)-

別に公証役場が使いにくいとか地方都市のは狭いとかお金貰ってもありがとうって言わないとか同じような内容なのに公証人ごとに言い回しが違うのはどうしてとか、そうした点に不満を述べているわけではありません。

ええ、公証役場ってのはそういう所だと承知しています(遠い目)

もっと活躍してもらえないかな、と思っているんですよ。

先ごろ、なぜか県外の同じ市に義務者(不動産を手放すひと)がいる登記のお問い合わせを二件受けました。聞けば義務者の所在地は

南九州、某市。地裁支部やら公証役場どころか、ウェブサイト持ってる司法書士がいない人口●万人の市の案件を、問い合わせのみとはいえ同じ月に2件(苦笑)

僕の所では登記義務者の本人確認に、本人限定受取郵便+電話などといったカンタンな手法は怖くてつかってません。本人限定受取郵便は送付物の受取までが本人によってなされるだけで、受け取ってその辺においておいた委任状と登記原因証明情報に誰かが適当に実印押してしまえばもう一巻の終わり、そう思っています。訴訟のやり過ぎで根性がひねくれてしまっているだけなのかもしれませんが。

だからといって、それに対する当事務所の代替案がいつでも「僕、ちょっと行って不動産の持ち主さんに会ってきますからフェリー代出してください」ではあまりにも楽しすぎ不便すぎます。

いえ、それでもいいんですがね…福岡・大分・宮崎・鹿児島(志布志)であれば、当日手配できるきっぷでも往復2万円弱で行って帰ってこれます。嫌いなバス会社や座席が指定できないLCCなど使う必要はありません。それはさておいて。

公証役場で作れる、委任状公正証書を真面目に活用するのはどうでしょう?

7千円かかる、ありがとうとは言わない、と手数料額表にでているのを見ながら、しばし考えてみます。(一部冗談です)

司法書士に対する不動産登記の委任状公正証書の作成嘱託を、義務者本人が代理人を介さずに(不動産登記を依頼する本人が直接、公証役場に出頭して)おこなってもらったらどうでしょう?

この場合は、本人と公証人が面談して作成を嘱託する公正証書の内容を、つまり委任状の記載と意味を確認されることになります。

書留やら本人限定受取郵便で書類を送ったあと、どこの誰ともしれない家族が(あ、家族なんだからどこの誰ともしれない、ってことはないか)勝手に委任状に署名捺印&印鑑証明書を取得して司法書士事務所に郵送、ということにはなりにくい面を持っている、と言えそうです。

その委任状公正証書を提出してもらう場合にだけ、県外でも面談省略で不動産登記を受託する(まぁ、本人限定受取郵便やらなんやらはそれでも併用となるでしょうが)、というルールにしようか、少し考えています。

それでも7千円かかってしまうので、もう1万数千円足したら僕が出張して云々、というのはあまり考えないことにしましょう。土日や夜間に来て欲しい・公証役場からも遠い、などといわれたときの有力な選択肢として提案できる可能性は、まだ残っています。

いっそ委任状私署証書を認証してもらうなら、さらに半額で済むのでは?という突っ込みがかからないうちに言い訳しますと、それを提案しないのはやっぱり僕が出かけたいから公証人による公正証書の内容の読み上げと確認、ってのがなかなかいいな、と今日、あらためて思えたからです。

さて、そろそろ大阪方面出張の日程調整をはじめます。ご興味のある方はお問い合わせください。

基本的には労働紛争その他の裁判事務の出張相談に対応しますが、もちろん不動産登記の方も歓迎です。

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