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黒い企業を作る者

ブラック企業は経営者だけではなかなか作れない、そんなふうに思えるのです。

ブラック企業という言葉が流行り出す前から労働相談を続けてきての印象として、ある企業で契約違反なり法違反、あるいは従業員への不法行為等々が横行するようになる企業には、そうした不正・不当な行為の激化について、最大の原因を発揮する人のほかに複数の人の関与があることが多い気がします。

従業員数人の零細企業であってもそうで、社長だけがおかしい、ということはあまりなくて社長に加えて誰かが加わることで一層労働環境の悪化がひどくなるのではないか、と。

その罪作りな誰か、は事案に応じていろいろです。

  • 社長の奥さん。
  • 役員だけど愛人。
  • 従業員だけど、愛人(笑)
  • 業務提携先だけど、あ(以下略)
  • 忠実な番頭。
  • 単に在職が長い・年齢が上・たまたま上意下達が好きな従業員。
  • ひとりでプロジェクトXの世界に浸ってるらしい従業員。社長が一日20時間働けといったら22時間働いちゃうような人。
  • ●●士・●●●士・●●●●●●士その他士業やらコンサルの先生方。

こういった人たちがそれぞれの立場で社長の馬鹿さ加減をさらに増長させる、というのが特によろしくありません。そうした人たちが身近にいることで、自分がやってることが正しい・間違っていないと信じ込めるようなのです。また、上記関与者のうち代理人弁護士以外は事案の帰趨に直接の責任も影響もないのでまさに言いたい放題無責任なことを言える、という点にも悪い特徴があります。

士業とか愛人とかはおいといて(この方々は社長に何かを売り払うか貸し出すかすることで、それなりに利益を得ておられるようです)、さいきん見受けられるのは従業員が社長側について労働環境を悪化させたり、手続きを妨害するパターンです。

「えーと、もう2千円ほど予納郵券は増えますがそいつもついでに被告に加えたらどうです?」

という身も蓋もない助言も法律相談実施時には行いますし、士業の方を被告にお加えした事案もすでに実際あるわけですが…これはなかなかお客さまも同意されません(当然ですよね)。無理におすすめすることはないわけですが、お客さまがあまり穏健な方だとこちらもフラストレーションがたまってしまいます(苦笑)。

とはいえ、こういう方たちがいる場合にはなんらかの形で経営者層との離間をはかるなり有利な証拠や敵の証拠を損じるような矛盾点を取ってあとは忘れ去るなり、ということは考えます。

もちろん決して彼らも好きでやってるんじゃない、という反論はあるとは思います…が。

こちらの対応としてはシンプルです。目障りな方にはちょっとどいてもらう、ということにならざるをえません。ともあれ、こうした方々があってブラック企業がよりブラックになっていく、この点でブラック士業(ブラック企業に荷担する士業)という言葉はすでに出てきている一方、ブラック企業をよりブラックにする労働者、という存在にはあまり注目されていないように思えます。

労働者の味方を自称する=労働運動をなさっておられる方々には認めにくい事実なのかもしれませんが、ブラック企業を作るのは経営者に加えて労働者、というパターンも結構あるように思えてなりません。逆に言えば社長だけが悪いわけでもない、と。

どうやらこのパターンにはまっているらしい事案を複数、平行して扱っています。

お客さまがもう少しアクティブな方であってくれれば、社長本人より先にその従業員なり役員なりを先行して法的請求の対象にしたらどうなるのか、試してみたいと思っているところです。おそらくここ何年かで、たとえ嫌々ながらであっても職場における法違反に荷担協力している経営者以外の人物への対策を研究しなければならない気がしています。


次は、お話が思いっきり変わります。

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