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実は・言うほど・やってない(笑)-第5次開廷表調査速報-

当事務所の、秋の不毛な年中行事。

今回で第5回目となる、開廷表調査が今週終わりました。

2週間にわたって名古屋地裁・簡裁・高裁の開廷表を調査し、労働訴訟の事件数等を把握しようというこの調査、今年なにより気になったのは過払いバブル崩壊後ににわかに増えた労働紛争解決を標榜する弁護士・司法書士事務所ウェブサイトの増加は実際の事件数の増加に結びついているのか、です。

で、結果。

この2週間における名古屋地裁(主に民事第1部)の、事件名からそれとわかる労働事件数は20件を観測しました。昨年は1ヶ月の調査で33件ですので前年より増加しています。

名古屋簡易裁判所の観測値が不思議です。不本意といってもいい。

今年は2週間で1件のみ。昨年は一ヶ月で9件を観測しています。一昨年は4週間で14件。

件数としては、ここ三年で減少しつつある、という結果になっています。

労働紛争そのものが減っていないことは、労基署への相談件数や労働審判新受件数等から明らかです。

ですが、出張ごとにチェックする東京地裁・簡裁・高裁の開廷表をみても特に簡裁の労働事件数は増えていない印象がありました(減ってるようにはみえません。簡裁ではだいたい1日1~3件が観測できます)

さて、これらを何と解くか?

ここ1~2年で名古屋市や近郊で未払い給料やら残業代の請求を標榜するウェブサイトをつくっちゃった同業者さんのメンツを多少損ねていいなら、そうした先生方はあまり訴訟を好まれないんですよきっと(遠い目)と推測することができるでしょう。

そういえば過払いバブル華やかなりし頃にも訴訟を好まれず裁判外和解に邁進するセンセイ、おられましたよね(笑)

ちなみにこの事務所では先月、労働関係の訴訟で地裁1件簡裁3件判決をもらいましたが…ならば優れている、というものでもないでしょう。上手に和解で手じまえなかったから判決になった、という考え方だって当然ありです。

ただ、もう少し別の理由を想定していい気がします。

本来なら簡裁で扱われる事案=言ってしまえば少額な請求の相談は、ビジネスライクな事務所の無料相談で切り捨てられてしまうであろう実情の影響をうけているのかもしれません。

 無料相談で儲かる依頼の選別を図る側からすれば単に儲からないから捨てている、ということなんでしょうが(純粋に推測です。当事務所ではそうした基準ではお客さまを切り捨ててはいません)、どんな理由であれ複数箇所の無料相談で依頼を回避されてしまえば裁判所の利用そのものをあきらめたくなってしまう、ということなのかもしれません。

そうとでも考えないと、地裁と簡裁の件数増減の逆行現象を説明できない気がします。

ともあれ、当事務所の開廷表調査も5回を経て合計165件の閲覧可能な労働事件のデータを持つにいたりました。

なかには毎年のように被告側で登場する学校法人とか、今年はなぜか見かけなくなった労働側の代理人とか、徐々に増加している葬儀費用請求事件とか(これは労働事件ではありませんが)いろいろと興味深いデータが読み取れます。

労働事件の事件名・件数・代理人の有無くらいでも少し整理して、ウェブサイトで公開しようと考えています。

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