35年での総支払額
最近の住宅新築に伴う抵当権設定登記の見積もり依頼を見ていて思うのです。
この人たち、頭金を貯めるということしないのか?と。若いご夫婦の住宅購入で、自己資金が住宅購入資金の一割以上ある、という話をこの一年、聞いたことがありません。
仮に返済期間35年(フラット35を想定します)、金利2.2%で1000万円借り、元利均等返済で毎月同じ金額を返済していくと月々の返済額は約3万4千円、35年での返済総額は1434万円になります。
いま借りたお金の1.434倍のお金を返すのだ、ということになるわけです。
-ふだんは、超おおざっぱに1.5倍弱と覚えておきます。所有権移転→抵当権設定の立ち会いの席では抵当権設定者兼債務者買い主様に決して口にしてはいけない事柄の一つです(苦笑)-
さて、そうすると。
消費税が3%あがる、というのはどういう状態でしょうか?
建物の建築費用2千万円なら60万円、3千万円なら90万円の費用増加、にはなります。
上記の条件で返済総額を60万円減らすには、借入金額をどれだけ減らせばいいでしょう?
1.434で割り戻してあげればいいので、約42万円、90万円なら約63万円になります。
…で、素朴な疑問。
このくらいのお金なら、1年待ったら貯まるのではないか?
それが可能な人なら今回の消費増税で住宅購入を早める必要がない気がするし(お子さんが生まれる、というようなライフイベントが発生している場合は別です)、それができない人なら…
資金全額借り入れで住宅購入、という計画自体にも余裕無し、と考えざるを得ません。
人はそうした計算をせずに何千万というお金を借りておうち買っちゃうものなのか?と思ってこれまでに何度かそうした質問をしたことがあるのですが、毎月の返済額は把握していても返済額の総額を即答できる人がなかなかおりません。
どうやら、そうした計算をせずにおうち買っちゃうものらしい、と最近は理解しています。
でも。そろそろ住宅建築請負契約を焦ってもしょうがない時期に入ってきたように思うのです。
ここは一つ、ちょっと立ち止まってお金貯めてみたら、と考えてはどうなのでしょう。
…などと言ってるから、抵当権設定登記のご依頼が一向に増えないのでしょうが。
その点、先週立ち会いをした所有権移転登記は100%現金決済で、目の前を右から左に現金が流れて左から手前(売り主さんから僕のところ)に登記申請に必要な書類が交付され、メデタシメデタシとなる非常にシンプルな事案でした。
抵当権設定登記があればもちろん司法書士報酬は増えるのですが、どちらかというとこういう取引のほうが余計な心配をせずに済み、うれしい気分がするのです。
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