削除と追加で、あるべき方へ
先週末は当事務所ウェブサイト、なかなか素敵な稼働状況でした。入ったお問い合わせはいずれも真っ当なもので、うち労働紛争に関するものが複数件、すべてフォームからのものです。
・・・どうやらお問い合わせの質は改装前に戻ってきたらしい、そんな気がしています。
さて、先月末に大改装した当事務所の労働紛争関連のウェブサイトについては実験の失敗を認めておりましたところ、近々デザインを変更することといたしました。
やっぱりこの事務所の、というより、あのコンテンツ群にデザインが合ってないような気がするのです。出来のいいテンプレートを適用し、デザイン面で他事務所に見劣りしない水準を、という基本方針は維持しますが、
- なるべく、各コンテンツを落ち着いて読める、
そうしたデザインに戻します。
この点、どうやら補助者さまは改装前のさらに前のテーブルデザインで作成したウェブサイト(7~5年くらい前に公開していました)をいまだに好んでおられたようで、今回の改装については
- 洗練され綺麗になりましたが、(執筆者とその事務所が)遠くなった気がします
と、オブラートに包んだ警報を発してくれておりました。
それが警報というより死亡フラグだったということが先々週までにわかりまして(電話での、カンタンさを求める問い合わせばかりが増え、売り上げゼロとなりました)、可読性の向上を中心にあれこれ施策をほどこして、アクセスと問い合わせの状況はだいぶ元に戻ってきた、そんな週明けのこと。
先の週末中に問い合わせをかけられた方々について、無視できない共通点が見いだせたことについて、補助者さまに相談を持ちかけたのです。
相談というよりは降伏交渉のご提案に近いのですが。
- 今回お問い合わせをお送りになった皆さま、皆さんデザインを改装した部分と改装していない部分をご覧になりながら、なぜかデザイン改装前のページにつながっている改装前のフォームからお問い合わせを送ってこられた、と。
- ひょっとしたら、僕と補助者さまが安心しておつきあいできるタイプのお客さま方は大部分、ほんとうは改装前のあの雰囲気(オリジナルな文字情報があり、好きなだけそれが読める)が好きなんじゃないのか、と。
これを聞いた補助者さまの喜ぶまいことか(苦笑)
ならばいったいどうすればよいのでしょう?今回導入したテンプレートから一体何を取り去れば、より確実に元の客層を取り戻せるでしょう?
そう尋ねたら、補助者さまがいきなり一人で笑い出します。いいたくてたまらないが言えない、言うわけにはいかない♪という風情で。
数分間の押し問答を経て彼女が放った一言は、なかなかのものでした。改装後のデザインから削除すべき要素は
- 洗練と綺麗さ
ですって(えぇーっ)
人はあまりにも虚を突かれると思わず笑いがこみ上げてくるもの。次は僕が一人で爆笑しながら、しばらく床をころげまわったことであります。
ただ、そういう認識で今回導入したデザインをみると、読みもの本文以外の情報が少々強すぎるように思えます。本文以外の部分をもう少し控えめにすることと、依頼誘致の方向に走りすぎているグローバルナビゲーションの表示項目のうち、いちばん軟派に感じる一項目を、これまでどおりのお客さまが好きそうな項目への差し替えを行う案は準備してありました。
- これまで通りのお客さまが好きそうなコンテンツ。
- それはたいていの場合、補助者さまがある程度楽しんで読めそうな、ということになるわけですよ。
・・・ま、こちらも手ぶらで降伏、いえ和解交渉に臨むほど間抜けではありませんので、そうしたコンテンツの案をさっさとお見せして方針転換の意志が確かであるので決して見放さないで、と説明にかかりました。
日曜日を投じて作成し、月曜日時点で8割ほどできていたそのコンテンツを校閲してもらいながら、僕はしばし他の仕事を進めます。
ややあって。三時の方向から、なにやら美味しそうな雰囲気がただよってきました。
久しぶりに、というより今回の大改装作業を通じては初めて、でしょうか。右一杯に横目をつかってうかがうと、補助者さまがほくほく顔でコンテンツを読んでいます。
ようやく誉められましたよ今回の改装作業で(溜息)
かようなものを、従前の『無料相談・後払い』の項目への差し替えとして作りたいがどうか、と検討の俎上に載せたのは、参考事例14項目とそれへの入り口になるページ、計6つのHTMLファイルです。
それらしくて役に立つ事例を示す、というのは守秘義務と広告規制のガイドラインの問題をクリアするのにかなり工夫がいる(今回はお客さまの承諾を得たものを含む大部分で、意図的に業種や状況や数値を改変しました)、つまり面倒だったのと、参考になりそうな情報はブログで書くこともあったからこっちを読んでもらえればいいか、と思っていたところ、そうではないようだと思えてきたのです。
きっかけはありました。最近妙に増えてきた残業代請求を標榜する法律事務所に申し合わせたように出ている、あの薄っぺらい事例解説がつまらないと、先週二人で気づいたのです。
だったらそうしたウェブサイトを参考に、それらとは違うことがわかる情報をまとめて出しておけばコンテンツをよく読まれる方々にはウケるだろう、ということで事例をまとめて本日、公開に踏み切りました。よくよく考えれば、誰でもできる無料相談を標榜して客引きをはかるより、はるかに健全な気がします。そちらも廃止したわけではありませんが、依頼費用の説明のページの一番下のほうからリンクを張っておくにとどめることにしました。
・・・でも、事例の集約と公開ですよ。思えば本当に、そういうことってやってませんでしたねぇ。そうした状況でよく皆さん、この事務所へのご依頼を決意されましたよねぇ(遠い目)
お客さまの皆さまには改めて従前のご依頼のお礼を申し上げるとともに、春なので少々色気を出してみたがやっぱり失敗して元の路線に戻ってきた、祝いたければ祝ってくれ、とご報告申し上げます。
あとは変更後のテンプレートでもう少し色遣いを抑え、本文を読みやすくして…
色鮮やかなテンプレートと無料相談で問い合わせを誘致しようなどと血迷った事実を、無かったことにしましょうか。ちょうどゴールデンウィークは、年始やお盆と並んでアクセスが激減する時期です。
ところで今回、質問と提案、およびそれへの説明という形式を取って示した事例に、最後まで悩みましたが意図的に書かなかった質問があります。
Q15.労働紛争でない事案なんですが、受けてくれますか?
これは、時としてあまりにも過酷で、時としてあまりにも楽しいことになってしまうので…なんとも申せませんでした。
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