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吉凶いまだ、定まらず

先日の東京出張でおこなった国会図書館での資料収集には、思い切り後ろ向きな目的と前向きな目的とがありました。

後ろ向きな目的。

司法書士の上位互換な資格のあの職能集団の人たちが、徹底して司法書士の本人訴訟支援を否定にかかってきた未来がどうなるかを考察すること。これについては、彼らの業界紙の論説が参考になります…自由や正義がどこにあるのかは、よく読み取れませんでしたが。

彼らの業界紙によれば、司法書士が破産申立書作って二十数万円もらっただけでもなにやら問題事例に該当する、ということのようです。そういうことをサラッと書いてあるのはいささかたまげましたが、とにかく彼らの世界では業界紙の校閲を通過できる論調なのだ、と考えねばなりません。

もちろんこの基準を厳密に適用した場合、司法書士による●●士法違反事案専用の地方検察庁と裁判所をふたつみっつ特設したうえで年間数千人ずつ司法書士をしょっぴく必要がありそうですが(苦笑)

彼らのもっとも極端な主張をおおざっぱに要約すると、司法書士の裁判書類作成というのは依頼人の依頼の趣旨から一歩たりともはみ出てはならん、さもなくば(どこかに司法書士による法的な判断が入っていると推測しちゃう彼らからみて)●●士法違反であるぞよ、と。

この論理の当否には注目しません。そういうことを言ってる集団が社会的に認められた一大勢力として存在している自体が問題なので、彼らの論理を受け入れたあとでも、裁判書類作成のしごとが成り立つのかを考察してみるのが中長期的な課題になる、ということはよくわかりました。

方向性はいくつかありそうなのです。

一つは、『弱い人を助けるのではなく、強い人をさらに強くする』。

もともと誰の支援もなく完全に自分だけで訴訟やって職業代理人を排除して勝てるだけの力を持ってる人からだけ依頼を受け、裁判書類作成に際して依頼趣旨の整序に徹することは…一応考えられそうです。冗談のような可能性ですが、もともとこの事務所が労働紛争でやってることはこれに近いと考えられます。

上記の自由も正義も所在不明な他業界紙に記載の問題事例では、本人訴訟という形態をとりながら司法書士の事務所を書類の送達場所に指定させたり司法書士を傍聴席に置いてなにやら指示を出させたりしているのもよろしくない、という記載も見受けられました。当事務所ではそんな軟弱な人の依頼など受けてはおりません。というより、そうした方はご依頼をそもそもなさいません(笑)

もう一つは、『膨大な知識のバラマキによる、世間一般の法的知識水準の底上げ』でしょうか。

司法書士による裁判書類作成を、あくまで一般的な法的常識に基づいて依頼の趣旨を整序するものである、と了解するならば(そう仮定します)、その『一般的』のレベルを上げてしまえばよい、ということになりそうな気がします。一般的な、とは言わないまでも、依頼人になろうとする人の、であればもう少し現実的になってきます。

もっとも、労働紛争という分野だけでもこれを完璧に実現してみせるにはもう何倍かコンテンツの量を増やす必要があるような気もします(苦笑)

純粋に定型的にできる分野に後退する、ということも考えられますが、これはあまり楽しくなさそうです。もう少し人生に疲れてから検討しましょう。

あとはどうでしょう。彼らがお好きな形式論理のなかに、

  • 費用的に訴訟代理人がつけられない人の受け皿として民事法律扶助が機能している(はずだ)
  • 法律扶助においては請求額が少額な事案でも代理援助の適用がある(はずだ)

というものがあります。これにのっとって、遵法闘争を繰り広げたら?

いくら少額であってもほんの少しでも法的判断を要し地裁・家裁の利用が必要な相談には、片っ端から『扶助をつかって●●士の法律相談を受け、裁判手続きの利用の必要があれば彼らに訴訟代理してもらってください』という助言を粛々と出し続け、もしそこであてがわれた担当者がまともでなければ…

彼ら自身の形式論理に、彼らがつまづくことになりそうです。

もっともこの方法は、当事務所ではもう少し積極的に採用しています。方針未定ながら地裁における手続き(労働紛争では労働審判)を利用したほうがよさそうなお客さまがいらっしゃる場合に、司法書士事務所ではない他事務所での法律相談を経て方針決定させてからこちらに来てもらうよう推奨することがあるのです。

そして残念ながら世の中が彼らの形式論理ほどうまくはできてない関係上、他事務所で訴訟代理人として受任してもらえた事例なんかほとんどなく、皆さんこちらにお戻りになる、という具合に。これは、地裁に出す裁判書類作成業務の受託の際の標準的なやり方として今後定着させることになるかもしれません。地裁を利用する案件で方針と論理構成の見えない人はとりあえず全件、いったん法テラスへ送って法律相談を経て、そこで残念ながら誰にも受任されなかったお客さまはやむを得ずこちらで書類作成をお受けする、といった感じで。

冗談はさておいて。他の業界紙の盛り上がりをみていると、これから要領や運の悪い同業者さんが何人かしょっ引かれる世の中が続きそうに思えてなりません。そうした世の中でも生き延びるためのウェブマーケティングの資料収集が、前向きな目的です。その資料をよく研究して、引き続きウェブサイトの改装に取り組んでいるところです。

ところでその資料の一つに、ウェブサイトにおけるフロントエンド商品として『無料相談』『小冊子の配布』『報酬や税金の自動計算』を導入してみせなさい、との記載がありました。前二者は一般的だが最後の自動計算はまだ数が少ない、とも。

自作のJavaScriptでなんとか中古住宅の売買に伴う登記費用の計算システムを稼働させた直後の出張でこれをみて、思わず笑ってしまいました。町場の零細事務所も巨大コンサルタントも案外考えることがおなじなんですね。

東京での宿泊地は浅草にあるいつものホテルだったので、次の日浅草寺まで寄り道してから国会図書館にでかけることにしました。

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いささかおそい初詣でひいた観音籤は

  • 盤中黒白子 対局中の囲碁の勝負のように、人生の吉や凶もまだ定まらないでしょう
  • 一著要先機 勝負ごとも人生も先手をとるのが何よりも肝要でしょう

なにより肝心なのは

  • 旅行 良いでしょう

なるほど、大変結構でした。

ところでこの観音籤、表面の書体が手書き風なので

Dvc00005

ごはんのうえに』って何?

と思ってしまったのは僕だけでしょうか。

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