あれこれを考え事をしながら午後は昼寝、夜はお酒の自堕落な日々を実家で過ごしてきました。昨日から仕事を始めたところです。
1.水道栓がしまらない朝
たまに帰省することの効用は、半ば無理矢理に規則正しい集団生活に引き戻されることにあります。これを機会に起床時刻を少々早めて目覚めた朝。いつものように浄水器に水を汲んで、栓を閉じようと回したら…
ボクっ。
妙な手触りとともにハンドルがスリップしました。止まりかけた水の勢いが再度強くなってきます。なんだこれ?
もう一度回してみます。少しずつ回すと少しずつ水の勢いが弱くなり、さらに回すとハンドルがきつくなって…
ボクっ、とゆるむ。水、噴出(苦笑)
さすが築20年の賃貸物件、素敵な家主さんのおかげで管理は極めて優良なのですが諸設備は順当に経年劣化してきます。そういえば去年は水洗トイレのロータンクのレバーが根っこから折れましたっけ。
どうせ自分で直したって数百円、というより消耗品の修理は賃貸借契約上自己負担です。とりあえず蛇口のかわりに屋外の止水栓を操って朝のコーヒータイムを終え、ホームセンターで交換用のスピンドルを仕入れてきました。
左、新品。右、使用後。ねじ山の最後の半周がなくなっていますよ(愕然)
お台所の冷水の蛇口、ということで最も使用頻度が高いところから壊れたのはまず順当なのですが、なかなか興味深い状態になっています。寿限無寿限無五劫の擦り切れ…で約200億年とwikipediaには書いてありますが、それより若干短い期間で金属も擦り切れるんですね。もちろんこれから住宅買う人に『ホラあなたが買う家の蛇口だって、住宅ローン返し終わる頃にはこうなるわけですよ』など言ったら登記のご依頼は絶対こなくなりそうです。
この水道栓、実は数ヶ月前にコマを新品にしています。今回はこのスピンドルさえ替えてしまえばいいわけだ、と従来のハンドルを新しいスピンドルの先端(写真上部のぎざぎざの部分)に挿そうとしたら、
はまらない(呆然)
信じられないことですが、スピンドル上部のぎざぎざの部分がほんの少しだけ従来品より太い、ということのようです。仕方がないので鉄ヤスリでその部分を削ってなんとかハンドルにはめ込み、ビスで固定しようとしたら、
しまらない(もうイヤだ)
ビスの穴は従来品より少し大きい、ということに…ここ20年でなった、ということなのでしょうか。つまり今買った家の蛇口だって20年後には(以下略)
2.以心伝心な昼下がり
帰省前から気になっていたことがあります。先月末に出荷した、結構複雑な労働訴訟の訴状が一件まだ期日指定に至っていないのです。通常は提出一週間ほどで期日が決まるか、まれに補正の指示を食らう、ということで今週末くらいにお客さまから確認の連絡をいれてもらおうか、と思っていたら。
そのお客さまからメールが入りました。裁判所に確認するべきか、と(苦笑)
すでに返事が頭の中で完成していたため、10分ほどで返事を返します。明日午後まで待ってなにもなければ電話してください、と。
さらに16分後。携帯電話みたいな市外局番から、電話が入りました。
~●●地方裁判所第●民事部の甲と申します。乙さんが原告で丙、丁が被告の事件について期日を決めたいのですが、一方的に決めてしまっていいですか?
なんだそのタイミングの良さは?あと、それを僕に聞いたらいかん(笑)!
どうせ誰かに電話一本かけるんなら原告本人にかけてくれりゃいいじゃん、と言う希望をオブラートにくるんで、お客さまには裁判所から連絡が来る旨説明してありますから直接連絡してくださいな、と電話を切って大急ぎでその書記官にコンタクトを取るようお客さまにメールします。
メール自体は急いで書いたので上記のご発言が裁判所からあったのは…お伝えしておりませんでしたが。
3.いずれ登記を、と申し上げたい夕方
第一回期日も無事に決まったし、ヱビスビールを一本冷やしておきましょう。お酒のまえに夕方から一件、打ち合わせが入っています。僕を久しぶりに沖縄県内に遣わしてくれる、という素晴らしいお客さまとの。
交通費節減のため企画旅行商品を使う出張なので旅程の変更が難しく、これを反映した契約書を取り交わして内容を十分に説明します。現地での作業は延べ2日間10時間、交通費宿泊費日当の合計は上限6万円ただし依頼人希望による日程変更が生じた場合は依頼人の負担とする云々…と。では、なにかご不明な点はありますか?
先生これで、利益あるんですか?
お客さまから直球が来ました。ジャストミートで打ち返します。
ありません!
…と、普段ならこれで終わるんですが今月からは違います。さあ、告白タイムだ!頑張れすずき!
もちろんこの出張自体で利益はないのですが、いずれ登記のご依頼があれば是非お受けしたいですし、お知り合いの方で不動産の名義を変えられるご用があるならこの事務所をご紹介いただけると大変ありがたいです。
あらかじめ用意しておいた言葉を一気にしゃべりきって、気づかれないようにそっと息をつきました。
なんだかとても恥ずかしいことを口にしたような気がします。なんで年金受給年齢に達したご婦人にこんなにどきどきしなければならないの?
まぁ、とりあえず続けてこう言ってればそのうち誰かが登記のご依頼をくださるのではないか、と前向きに考えてみましょう。ところでこのお客さま、気になることをおっしゃいました。
あともう一回、(沖縄に)いって貰おうかと思うのですが
…なるほど。
少なくとももう一回、登記の依頼をご紹介くださいと言える機会だけは与えられた、と了解してよさそうです。
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