書類作成は進む、そして体重が減る
本文19ページ別表21ページの訴状案をようやく脱稿して、さきほどお客さまにお送りしました。数日ぶりに呑むヱビスビールが脳髄をしびれさせる、涼しい夜です。日中は冷房をきかせていたのに、朝から書類完成までにきっちり1kg体重が削れました。
裁判書類作成ダイエット、を提唱すべきなのかもしれません。作業量の多い裁判事務のご依頼を受けて無理矢理に仕事する→やせる→リバウンドに注意、みたいな。あるいはもっと単純に、脳みそがすり減ったのかもしれません。
さて、ここ数ヶ月で意図的に、訴訟代理のご依頼を減らしています。こういう努力は簡単に実りまして(笑)現在、簡裁訴訟代理のご依頼は皆無となりました。せっかく取った代理権、裁判外での代理がほんの何件かと法律扶助による無料法律相談が今後の主な使い道になる、というよりそうなったらいいな、と考えています。
理由は身も蓋もないものでして、特に労働事案・労働者側で利用しようとした場合に迎撃する使用者側がちょっと道を踏み外せば簡裁訴訟代理人としての僕なんか一瞬で抹殺できてしまうのです。倫理的に、あるいは制度上の理想としてどうか、はさておいて、司法書士の簡裁代理権にそういう脆弱性があることは受任時に説明しておかねばなりません。
・・・そう、理由はなんでもいいから、会社側が気が向いたら、とにかく請求額141万円の反訴を提起すればいい。事案は自動的に地方裁判所に移り、僕は代理権を失って一巻の終わり、となります。
まぁ、そうしたわけで僕の代理権なんかせいぜい実費2万円も出せば無効化されてしまうんですよ、そんな奴を代理人に立てるなんて云々、と懇切丁寧に説明すると、賢明なお客さま方は皆さん訴訟代理の依頼を回避されます。むしろ簡裁代理権はこの事務所では、なにかもっと安全な分野で活用すべきなのかもしれません。僕にとっての安全な、というのは代理権を法的に脅かされない、ということで(難易度とか儲かる・儲からないではなくて)たとえば仮差押申立とか、あるいはすでに係属中の簡裁本人訴訟が証拠調べや和解の段階に達したときのワンポイントリリーフとかになるのではないかと考えています。
で、仕事の中心は引き続き当事務所創立以来の主力業務=裁判書類の作成、でいいようです。世の中には不当な訴訟提起や控訴を企む連中がうようよいるのを実際に見てしまうと、多少作業量が多くても…まぁ訴状一式数十枚程度なら気分よく作成できる気がします。提訴後に相手がどういう反撃を企むにせよ、書類作成業務であれば書類で迎え撃てばよい、というわけで実にシンプルです。
そう、この安心感が簡裁訴訟代理にはありません。
10日ほど前からご依頼の受け付けを停止して今日の訴状案の作成にあたってきた結果、概ね予定通りに文案を作り上げることができました。ここから週末までかけて書類を作り込み、なんとか来週早々に訴状提出としたいところです。当然ながらこの訴状、提出先は地方裁判所、労働訴訟です。
ここで僕が簡裁訴訟代理権について採っている見解は、会社側が日常的に無法な対応を取ってくる、という前提に立ったものに過ぎません。ですのでもう少し平和で真っ当な状況下では、司法書士の簡裁訴訟代理権もきっと有効に活用できる、と確信しております。と、例によって倫理観に厳しい同業者の皆さまのために言い訳しておきましょう。
でも一点気になるのですが、どうもあの簡裁判事というひとたち、労働関係の訴訟で地裁の裁判官なら普通に納得してこちら有利の和解に持ち込んでもらえるだけの準備書面を書いて出しても、実は読んでくれてないように思えるのです。よりはっきり言えば、地裁第一審より簡裁でのほうが派手に負けることがある、同じ訴状を出すにしても地裁労働部よりその隣の簡裁のほうが難易度も脅威度も高い(苦笑)
もちろん、単に僕がヘタなだけなのかもしれません。
普段もこうしてお客さまには説明していますが、いけませんか?
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おはようございます
ブログとは全く関係ないコメントで大変恐縮ですが
相変わらず、お忙しいそうで何よりです
福岡にくる際には連絡下さい
お待ちしておりますよ
投稿: 福岡の信徒 | 2012年7月24日 (火) 11時06分