腹痛の日々よ、さようなら
今日は名古屋も、晴れの国。空の青ささえ昨日までとはちがっているような気がします。
賃金仮払い仮処分申立事件で、勝利の決定を得たのです。おかげで先日来の腹痛は一瞬で吹っ飛びました。実に、実にいい気分です。
さて今回の申立にご協力いただいた皆さまには、お元気でお過ごしでしょうか。おかげで勝たせていただきました。どうもありがとうございました。裁判所からの決定書は、いっそコピーして回覧したら、と打ち合わせをしているところですので、いずれ皆さま方にもご覧いただけると思います。すでに退職された皆さまにもご覧いただけるようにできるでしょう。あとはお客さまに祝勝会の開催を要請していますんで(笑)詳しい内容の説明はそちらでできればと思います(と、お客さまにプレッシャーをかけてみましょう)
ところで今回の決定、もちろん申立書をそう作ったのですが(不当な)解雇に伴って開始した雇用保険失業給付の仮の受給期間についても、会社からの仮払いを認めるものになっています。
一方でこれまで見たり聞いたりした、弁護士さんが労働側代理人をつとめる賃金仮払い仮処分の申立てでは、この失業給付を受けていた期間を仮払いの対象にしないものが見受けられました。労働者が生活に困ってる以上、『どこかから』お金がもらえていればどうだっていいじゃん、という考え方をとればそれもよいかもしれません。あるいは解雇から仮処分申立まであまりにも時間が過ぎてしまうと、過去に大きくさかのぼって申立をかけることが困難化する要素があるのかもしれません(このあたりを推定するには、僕には経験がありません)
でも、納得いきません。解雇の不当性を争いながら雇用保険失業給付を受けるのはあくまで仮の給付であって、解雇が無効なら労働者は雇用保険法上、そもそも失業状態にはない=労働契約が続いているが使用者の都合で就労することができず賃金の請求権を失っていない状態があるだけだ、と思うのです。雇用保険の制度をわかってる人がまじめに考えると、そうした結論にたどり着くはずです。
※まぁ解雇の当否が怪しいなら雇用保険からとりあえず給付をもらっておいて、あとで解雇有効・労働者側敗訴の判決を食らった場合にはその失業給付をそのまま貰いっぱなしにする、というのが、雇用保険失業給付を受けられる期間(一般的には離職後1年間のあいだに、90日なり180日なりの給付を受け終わる必要がある)との関係から順当なのかもしれませんが。少なくとも敗訴して試してみたいとは毛頭考えておりません。
…まぁ、そうした主張の申立書を作成したところ、つつがなくこれが認められるに至りました。つまり失業給付受給中であるかどうかは、保全の必要性に関係ない、ということでもあります。ですので実際に仮払いが実現されたなら、お客さまにはハローワークに
正々堂々、もらった給付を突っ返しに行きゃいいんです
と指示しているところであります。事情がゆるせば僕も是非同行して事情を説明し、担当官を当惑させてみたい(笑)
社会保険労務士としては少々胸のすく光景です。たまにはこうやって、逼迫気味の雇用保険財政に貢献してあげるのも悪くないかな、と。少なくとも僕は、賃金仮払い仮処分の制度を『使用者から労働審判より多額のお金を、働かずにせしめることができるオイシイ制度』などと考えていません。今後もこのご依頼をくださるお客さまが現れた場合には、その方がこの手続きを慎重に選択して精力的に実行できるかよく確かめなければならないと思っています。
などと難しいことはさておいて。
すごくいい気分、なんですよ。たまに、でいいから受託できないかな(爆)
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