貸し切りできる?いろは丸
用事が終わった直後の発言が、この日最も切迫したものだったかもしれません。
「松江駅まで送ってください。13時23分の米子行きに乗りたいんです!」
…駅近くの横断歩道でお客さまの車から放り出してもらうと、発車時刻まであと8分。駅の隣の百貨店に駆け込んで498円のお弁当を買い、脱走するような勢いで松江を離れます。米子から新見までだけ特急やくもを利用すると、18時40分に今日の宿へ、鞆の浦にあるホテルへたどりつきました。
夕食のバイキングは見た目の派手さはないものの、ちゃんと人が作っている気配がします。
温かいご飯にありつくのは、昨日の朝以来四食ぶりです。別になにか後ろめたいことをしてきたわけではない(今日の仕事は、少なくとも失敗してはいない)のですが、わけもなくほっとする味です。
お腹が満たされたところで、気になっていた施設を見に出ます。仙酔島への市営定期船乗り場が見えたのです。
往復240円所要5分定員99名の平成いろは丸、一番気に入ったのは20時発のその便が、僕以外に乗る人がいなさそうだ、ということ。
仙酔島での散歩を即決し、なんの必然性もなく乗り込んだその船は、実は夜の鞆の浦で最高のアトラクションでした。
デッキから見上げる、夏の月。水面には旅館街の灯がゆらめいて綺麗です。
ライトアップされた弁天島を回り込んで島の桟橋に着くと、船は直ちに折り返して出発します。
取り残された気分です。なにか黒いモノが、おそらくは狸が三匹ほど、待合室の脇からこっちを見ています。
海と月と風と光を楽しんで、30分後の船で帰ってきました。もう少し島にいたいというより、もう一往復してみたくなる船です。
« 水鳥と散歩ができる湖 | トップページ | 猫と港と路地の街 »
「旅行書士 業務日報」カテゴリの記事
- (外が見えて)一人だけの店で呑んで/(席が選べて)四人だけのバスで帰る/臨時出張1泊2日(2021.04.22)
- 東京と山梨の違いを知った日(そりゃ流行るよ、東京)(2021.04.10)
- 要注意なバスで春の中央道を行く東京出張2泊3日(2021.04.08)
- 東京出張の日程が決まりました(都下都外のお客さまもどうぞ)(2021.04.04)
- 次の東京出張の件/休眠抵当権の抹消請求訴訟作業分析の件(2021.03.19)
コメント